その国の色は日の丸と同じ色だった。小さいけれど真っ赤に塗られ、両脇から大陸に挟まれて、世界の中央でその存在感を示していた。 幼い頃から、そしてかなり成長するまで、それが私の知っていた世界地図だった。世界の大半の国では、それが常識ではないと
彼女が死んだ。彼が死んだ。 このところ、有名人の死に関するニュースが妙に気になる。テレビも雑誌もあまり見ないが、ネットを通じてその情報がいち早く入ってくる。そのせいなのだろうか。かつては芸能ネタに詳しい方ではなかった。誰かが亡くなったり結
色彩が違う。異国を訪れたときや、写真や映像等でどこかの景色を見て違和感を覚えるのは、まずこの部分だ。普段の暮らしの中では、色彩をことさら意識することはないのに、人の目は案外繊細である。家も木々も空も大地も、私が普段見ている色とはどこか違う。
食べ物の写真を上手に撮るには、光の当たり方を意識すると良いという。食べ物は大抵室内に置いてあるから、照明の当たっていない方が影になる。影になっている角度から撮ると平面的な写真になる。光の当たっている角度から撮ると、トマトの表面はつやつやと輝
博物館に行っても植物園に行っても、観光名所を訪れても、景色や美しい花々を見る前に、まずは文字に目がいってしまう。この展示物は何という名前でどんな由来があるのか、この花の名前は何なのか、この場所は何に使われていたのか。それを知ってからものを
イーチャンチャンが好きだ。子供の頃から、そして今でも、イーチャンチャンを見ると駆け寄ってしまう。私もイーチャンチャンに好かれているのか、自然にそばに来てくれたりすることもある。 おや? イーチャンチャンをご存じない? イーチャンチャンは
最初は『背広のケース』だった。背広を作ったら、高さが十数センチの大きめの箱に入れて引き渡されていたらしい。私自身が背広を作ったわけではなく、背広が入った状態の箱も見たことはなかったが、「これは背広のケース」ということは知っていた。今はどう
Aちゃんは歌が好きだし上手だ。アイドルになろうと思ってオーディションまで受けたことがあるらしい。絶対音感という特技があり、ピアノも弾ける。そんな彼女が羨ましくて仕方なかった。「ピアノを弾けるようになる」というのは、私の夢の一つ。もしもAちゃ
胸に秘めた悩みを最初に打ち明けた相手は、親友でもクラスメイトでも家族でもなくて、「先輩」だった。「先輩、相談にのってもらいたいんですが」そう言って私は先輩に電話をかけた。「いいよ」と軽い調子で返事をしてくれたけれど、私の悩みを薄々気付いてく
新鮮味のなさを何かに例えるなら、それはコンビニやチェーン店だと思う。チェーン店ならメニューの値段の雰囲気も大体わかっている。そこは自分にとっての日常だから、未知の世界に誘い込むことがない。ガラスドアの向こうには、毎日眺めている自分の家のカッ
思春期から始まるはずの長い旅を、最短距離で走り抜けようとしていた。自分が生きてきた大切なすべての時間を手放して、水のような無色透明になった。みんなに追いつくために。変化というより変身。勇気を出して未来を信じて一歩を踏み出したら、驚くほどに世
逆らってみたところで、時がくれば大人になる。体は勝手に変化を遂げ、付随して内面も変化する。それは「成長」として受け入れられる。自分にも、周りにも。けれど、心の変化は食い止められると思っていた。「意思」によって。怖かったのは、自分の容量を感じ
大人になることを異常に恐れていたのは、子供時代が楽しくて仕方なかったからではない。むしろその逆で、いつも辛くて泣いていた。周囲の人たちとうまくやっていけなかった思春期は、私にとって残酷な時代だった。おひさまと地面と木と虫と風に囲まれていた幼
化学はてんでダメだったけど、水の化学式は「H2O」だということくらいは一般常識として知っておかないといけないと思っている。Hは水素原子(2個)とOは酸素原子。そのことを初めて知ったとき、とてもびっくりした。いつ習ったんだっけ? とにかくその
気付けば、目に入ってくるもののほとんどが、『直線』だった。窓の向こうにそびえるビルディング、窓そのもの、デスク、ドア、廊下、パソコン、電柱…人工的に作られているものの多くは直線だ。もちろん、曲線だってたくさんあるけれど、直線と
「サクラサク」という電報を実際に受け取ったかどうかは忘れてしまった。けれど、あの日、私の心の中に咲いた鮮やかな花の色は、今でも覚えている。それまでの人生の中で、何より美しく輝いた花だった。このところ、続々伝わる「サクラサク」のニュースと受験
パソコン携帯やパソコンに慣れてしまうと、気軽に書きなおしができ、膨大な保存文書からの検索もあっという間、その上場所をとらないというこの便利な道具への誘惑を拒めなくなる。どんなにくだらないことを書いても、気持ちが乱れていても、スクリーン上では
今、日本で一番頑張っており、かつ必要とされている仕事といえば、運送業者さんではないだろうか。我が家にも職場にも、毎日のようにあちこちからいろんなものが届き、こちらからもいろんなものを送っている。ネットショッピングをすれば宅配便屋さんが届けて
捨てよう、と何度も手にとっては、アクセサリーを宝石箱(そう呼んでいるけれど単なる安物の小さな箱)に戻した。洋服や食器なんかと違い、どうせ場所をとるわけではないのだから、という理由をつけて。例えば純金やプラチナだったり、宝石だったり、ブランド
以前、『TNB』について書いたが、まだ書き足りないので、今回はTNBを分析してみよう。ちなみに、TNBとは天然ボケのこと。この『略語』はまだ、市民権を得ていない気がするが(私が勝手にそう呼んでいるだけなので)、私の母の世代では、『天然ボケ』
牛肉も豚肉も脂っぽ過ぎて、子供の頃は苦手だったから、もっぱら鶏肉を選んでいた。それは大人になってからも変わらない。牛丼よりも親子丼、ステーキよりもチキンソテー、焼肉より焼き鳥、ビーフカレーよりチキンカレー…ついつい選んでしまう
一緒に食べたい人は?と言う心理テストが流行ったことがある。(と言うより、周りの人に聞きまくって、私が流行らせただけだったけど)イタリア料理は、友達エスニック料理は、親友フランス料理は、寝たい人日本料理は、本命中華料理は、家族のことだそうで、
僕が開発したものは、そりゃあ色々あるけど、自分で傑作だと思うのは「嫉妬薬」だね。「嫉妬薬」は、恋している女の子の心にちょんちょんとくっつけてみると、彼が他の女の子と話しているだけでイライラしちゃうとか、容姿に自信がない子が自分よりカワイイ女
英語教育をいつから始めるか、について議論されている。私の英語力は、TOEICで820点くらいなのだが、その立場から、一言書いてみよう。ちなみに、 820点持っていても、英語ぺらぺらにはまだまだ遠いし、何か得しているわけではない。英語に関する
人が集まれば、湿った空気が生まれて、やがては竜巻のようにグルグル回り始める自然現象、「悪口」。狭い空間で、しかも女性が集まった時に起こりやすい。私はどちらかといえば、悪口は好きではない方だ。少なくとも、若い頃はそうだった。だから、女子の輪で
海に対して果てない憧れを持っているのは、海育ちではないためだと思っていた。海が身近にある生活を送ったことがないから、素朴に焦がれてしまうのだろうと。ハンドルネームを考える際、「海」という漢字を使おうと決めたのも、海への憧憬があったから。ティ
もしも世の中の人を「ザル」か「ケチ」のどちらかに分けるとしたら、私は間違いなく後者に分類されるだろう。ケチというと、他人に対してお金を使わない人とされることが多い気がするが、私はどちらかというと人のためにお金を使ってしまうタイプである。誰か
何か偉業を成し遂げたわけでもないし、ちっとも立派じゃない。それどころか、サボってばかりで、役に立たない。要するに取るに足らない人間だ。ま、私の存在価値もちょっとくらいはあるのかもしれない。けれど、それが信じられなくなることもある。もういなく
動物と話せる—気がする。動物が仲良くしてくれる—気がする。それはとても嬉しい。だって、私は動物が好きだから。テレビでチャンネル切り替えしている時、動物が目に入ると、ついその番組を見てしまう。道を歩いていてわんこが散歩していると、ずっと目で追
修学旅行だとかデートだとか、東京観光のついで、家族旅行…みんな、何回東京ディズニーランドに行ったことがあるかなっ!?私は…0回。未だかつて、一度も彼の地に足を踏み入れたことがない。一番大きな理由は、興味がなかった
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