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  • 東洋医学人体構造モデルの改訂版

    私は、東洋医学人体構造モデルを作成しようとしている。肺が気のポンプであるとするならば、心は血のポンプに相当する。肺のポンプ図化は以前から提示していたが、同じ要領で心のポンプ図を作成したので紹介する。肺ポンプを作動するための、シリンダーの柄は横隔膜につながっている。横隔膜の上下運動の結果、呼吸が可能となる。肺を動かしているのは、横隔膜運動といってよい。同じことが心についてもいえる。心ポンプの働きにより、血の循環が可能となる。ただし心ポンプのシリンダーの柄はどこにもつながっていない。シリンダーを動かすことは生命維持にとって非常に重要なことに違いはないので、この心ポンプのシリンダーを動かす作用が心包だと私は考えている。肺=気ポンプ機械自体気ポンプを動かす力(呼吸)は、横隔膜運動心=血ポンプ機械自体血ポンプを動か...東洋医学人体構造モデルの改訂版

  • 上歯痛の針灸治療 ver.2.1

    歯痛には次の3種類がある。①原発性歯痛:歯牙、歯周囲組織に器質的変化があるもの。最も多い。通称は虫歯。②続発性歯痛:全身性疾患(白血病、敗血症、梅毒、糖尿病)の一部分症状。③放散性歯痛:歯牙および歯周囲組織に隣接する器官の疾患により、歯にも原因があるように感じられる疼痛。眼、耳、鼻の疾患に由来することが多い。針灸治療は、虫歯(齲歯)由来であれば、神経興奮そのものなので、あまり効果が期待できない。続発性歯痛であれば原疾患の治療を優先させる。しかしながら放散性歯痛のように、歯周囲組織に痛みの原因があれば、効果が期待できる。そしてこのタイプの痛みは歯科が苦手としている歯肉の充血も針灸の適応である。1.客主人移動穴刺針(柳谷素霊著「秘法一本針伝書」)①体位:痛む歯を上にした側臥位。口を閉めさせておく。響いたら、口...上歯痛の針灸治療ver.2.1

  • 歯周炎に対する針灸の限界(75歳、男性) 

    主訴:歯が浮く。左上奥歯が痛むので、固形物が食べられない。現病歴数日前から噛む動作で、左上奥歯が痛む。歯が浮く感じがする。歯科に行くと抗生物質を3日分投与され、これにより症状は1/3となるも、固形物が噛めず、ずっとお粥をたべているという。所見強い圧痛を、左上第1小臼歯と第2小臼歯の歯肉部に認める。噛むように指示すると上下の前歯先端がぶつかるが、その時上下の奥歯は接触せず、痛むことはない。これは切端咬合とよばれ、上下の前歯が「毛抜き」のようにぶつかっている咬合不正である。固い物を噛むと奥歯が痛むというので、ティッシュを丸めて左奥歯の痛む処に置いて噛む動作をさせ、痛みを再現させることができた。考察歯が浮くとの訴えから、歯根膜炎を疑った。歯根膜炎の原因は、歯周炎のことも多いが単なる疲労でも生ずるので、治療できる...歯周炎に対する針灸の限界(75歳、男性) 

  • 柳谷素霊著「秘法一本針伝書」上実下虚の針の考察

    以前から私は、柳谷素霊の「秘法一本針伝書」の、それぞれの刺針技法を自分なりに分析しているのだが、最後まで残ったが<上実下虚の針としての崑崙>だった。上実下虚は、東洋医学ではよく使われる所見の一つだが、針灸でその治療は可能か否かは別問題だ。素霊はどのような所見をもって上実下虚と判断したのだろうか。ヒトは足が温かく頭が涼しい状態だと快適である。これが上虚下実で、類義語に頭寒足熱がある。これとは逆に頭がのぼせ、足冷のある状態を上実下虚とよぶ。上実下虚をわかりやすく例えるなら、ヤカンの空焚き状態である。正常であれば丹田の熱で腎水が熱せられ、体温をつくり体幹内臓が正常に機能する条件をつくっている。しかし腎水が無くなれば、乾いた熱い熱(火)が舞い上がり、赤目、赤ら顔、めまい、のぼせなどを生ずる。このような状況の治療に...柳谷素霊著「秘法一本針伝書」上実下虚の針の考察

  • 上天柱刺針と下玉枕刺針のねらい目の違い ver.1.1

    筆者は以前から上天柱刺針と下玉枕刺針の違いに注目していた。この度、筆者の推測を裏付ける症例を体験したので報告する。1.上天柱後頭骨の後下方の下項線には後頭下筋の一つである大後頭直筋の骨付着部がある。大後頭直筋へ刺針するには、C1-C2後正中から外方1.3寸に天柱穴をとり、その上方約1寸でC1-後頭骨間に上天柱(奇穴)から深刺する。上天柱から深刺直刺すると、僧帽筋→頭半棘筋→大後頭直筋と入ってゆく。大後頭直筋は、頭蓋骨-C1の屈曲伸展に関与し、頸椎に対する頭蓋骨のブレ防止の機能をもつ。したがって本筋の緊張では動揺性めまいや眼精疲労を生ずることがある。なお天柱穴から直刺深刺する意味は分からなかった。これは天柱が無意味といのではなく、どこに天柱を取穴するかという解釈の違いによるものだろう。2.下玉枕後頭骨の後下...上天柱刺針と下玉枕刺針のねらい目の違いver.1.1

  • 仙腸関節異常の病態生理と針灸治療技法の完成 ver.1.5

    私はこれまで、何回か仙腸関節刺針についてブログに書いてきた。これは10年以上にわたる学習と臨床の段階的成果なのだが、今振り返ると古かったり、同じような内容を別のところで断片的に書いていたりで、まとめて見ることも難しくなってきた。そこで今回は、仙腸関節刺針について、これまでの報告を整理する一方、過去の断片的内容を削除することにした。1.仙腸関節異常の概念整体やカイロの治療で、たびたび仙腸関節の異常が指摘されるが、整形外科ではあまり注目されていない。一部の医師の間ではAKA療法(エイケーエイ療法ArthroKinematicApproach関節運動学的手法)または、博多節夫医師によるAKA博多法が行われている。AKA療法は仙腸関節の隙間を手で広げたり、関節面同士を辷らしたりすることで動かなくなっていた仙腸関節...仙腸関節異常の病態生理と針灸治療技法の完成ver.1.5

  • 「秘法一本鍼伝書」にみる急性淋病の針治療について

    1.淋病の名称由来淋病の英語名はgonorrheaで、(勃起することなく)精液がどくどく流れるという意味。これは外尿道口から膿が大量に出ることから名付けられた。日本語の淋病は、尿道の強い炎症のために内腔が狭まり、小便の勢いがなくなり木々の葉からポタポタと雨が滴り落ちるのを表現したもの。女性の淋病では、おりものの増量や不正出血、下腹部痛、性交痛などが現れることがありますが、半数以上は自覚症状が出ない。2.かつての淋病の認識柳谷素霊著「秘法一本鍼伝書」の中に「急性淋病の鍼」の記述がみられる。淋病(=淋菌性尿道炎)は、性病なので針灸で治るとは到底思えないが、本書が発刊したのは1946年4月であり、実際の執筆は当然それ以前になる。淋病の治療薬ペニシリンが我が国に普及したのは1940年代なので、ちょうど端境期であり...「秘法一本鍼伝書」にみる急性淋病の針治療について

  • 口内炎の針灸治療 Ver.1.5

    1.口内炎の原因口内炎とは口腔内にできた炎症の総称で、部位別では舌炎・口角炎・歯肉炎などに分類し、性状別ではカタル性・アフタ性・潰瘍性・壊疽性などに分類する。.アフタ性口内炎は最も多い口内炎で、口腔粘膜に生じる浅い潰瘍(びらん)のことをいう。直径数ミリのびらんが発生し、しばしば中心に白苔をもつ。周囲に10日ほどで消えるが再発を繰り返しやすい。食に際して痛む。アフタ性口内炎の診断には、単純性ヘルペスとの鑑別が必要である。単純性ヘルペスは数個でき、微熱出現する。なおベーチェット病では直径1㎝ほどの大きなアフタができる。1)創傷性口腔の傷+唾液量減少→細菌を洗い流せず口内細菌増加→炎症→(潰瘍)口内炎↑ストレス・新陳代謝減少→口腔粘膜の新陳代謝低下→口内炎口腔の傷の原因は、歯ブラシで傷つけたり、歯で粘膜を噛んだ...口内炎の針灸治療Ver.1.5

  • 歯周病に対する局所刺針の方法と女膝の灸 ver.1.9

    1.現代の歯周病の診療1)歯周炎の原因①老化:30才を過ぎれば、誰でも多少は歯周炎は生じている。歯周炎の最大要因は老化。他に、強く咬む習慣など。②糖尿病:糖尿病では口内の血流も悪くなるので唾液の分泌も減り、歯垢がつきやすくなるで、細菌易感染から歯周病を悪化させやすい。歯周病になると歯周ポケット内の歯垢部細菌を白血球が退治しようと集合する。集まってくるが、この時、白血球が歯周病菌の出す毒素に触れることでTNF―αと呼ばれる物質を放出する。TNF―αには血液中のインスリンの働きを妨げてしまう作用がある。歯周病の治療をすると血糖値も少し改善する。2)歯周炎の症状歯肉のむずがゆさ、歯肉縁の発赤と出血、唾液粘稠性の変化、口臭といった症状を生ずる。※歯垢(=プラーク)が歯の表面ではなく歯周ポケットにできると細菌にとっ...歯周病に対する局所刺針の方法と女膝の灸ver.1.9

  • 柳谷素霊著、「秘法一本針伝書」肩甲間部のコリの針の考察 ver.1.4

    以前から私は柳谷素霊著「秘法一本針伝書」に注目しており、過去数回にわたり当ブログでも取り上げている。収録された各刺針技法の中に<肩甲上部のコリの鍼>と<肩甲間部のコリの鍼>がある。<肩甲上部のコリの鍼>は局所取穴に相当する僧帽筋への刺針であり、この刺針技法は江戸時代後期の針灸家、坂井豊作著「鍼術秘要」に記載されていて理解も容易である。→ブログ:肩甲上部と側頸部のコリへの解剖学的針灸と坂井流横刺https://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/e/03f5322af0896e295367fb82263cc375一方、<肩甲間部の針>は納得できず、長い間放置状態にあった。しかし旧友の鍼灸師、寺師健氏との会話の中からヒントが得られた。これをきっかけに改めて調べることにした。1.中斜角筋によ...柳谷素霊著、「秘法一本針伝書」肩甲間部のコリの針の考察ver.1.4

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