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  • 改訂版・針灸院における凍結肩の対応 ver.1.1

    1.凍結肩の概説五十才前後で肩関節痛が生じると、凍結肩に至ることがあり、一度凍結肩になると自然回復まで半年~2年かかるとされる。現代では、凍結肩とは癒着性関節包炎のことをさすようだ。若年層では肩関節が老化していないので、そもそも炎症が生じにくい。一方高齢者で肩関節の炎症は生じやすいが、血行が悪いので炎症は拡大せず自然に消退する。ということで五十才前後の者に肩痛が生じると、凍結肩に至ることが多い。すなわち肩腱板炎症→肩峰下滑液包への炎症拡大→滑液包の癒着→関節包全体の癒着と進行する。一端凍結肩になると、効果的な治療に乏しいが、半年~2年の経過で自然回復するとされる。なお凍結肩の自然回復の機序についてはまだ不明な点が多い。水色→生理的な関節液オレンジ色→炎症黒色→癒着広義の五十肩症状は、疼痛と運動制限が2大症...改訂版・針灸院における凍結肩の対応ver.1.1

  • 結髪・結帯制限の針灸治療技法

    前回のブログでは「結髪・結帯制限の針灸治療理論」を解説した。https://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/e/72356f24985fdae94cc1f9ac836d4583今回は、効かせるための技法について説明する。針灸の技法は、施術者により異なり、どれか一つが正解ということはない。ここでは私の普段やっている方法を説明することになる。効かせるコツがあるとすれば、施術肢位が治療効果に関わることがあげられる。症状を出現する体位にさせ、痛む部位を患者自身の指頭で示させ、その点を刺激するということが大原則になる。肩甲骨や上背部など患者の指頭が届かない処は、術者が押圧し、きちんと圧痛硬結を探すことが重要である。次に重要となるのは、施術後に再び痛む動作をさせ、術前術後の症状の改善具合を聴取...結髪・結帯制限の針灸治療技法

  • 肩関節痛に対する「条口から承山への透刺」の適応 ver.1.4

    1.五十肩に対する条口から承山への透刺の方法この刺針法は中国の清代以降に発見されたらしいが、わが国では1970年以降に、中国からの情報として知られるようになった。五十肩に対して健側の条口から承山に透刺(2穴を貫く)する方法で、条山穴と略称される。実際に2穴を貫くには5~6寸もの長針が必要である。肩関節痛患者に対し、仰臥位または椅座位にさせて、4~10番相当の針を用い、健側の条口(足三里から下5寸、前脛骨筋中)から深刺する。そして針を上下に動かしながら、肩関節部の自動外転運動を行わせると、肩関節周囲への施術だけでは改善できなかった肩可動域制限も、半数程度の患者では可動域増大すことを経験する。なお元々は健側刺激となっているが、患側治療でも大差ない効果となる。しかし持続効果は短いのが欠点である。健側の下肢を刺激...肩関節痛に対する「条口から承山への透刺」の適応ver.1.4

  • 結髪結帯制限の針灸治療理論

    1.結髪制限・結帯制限の運動分析結髪制限とは、肩関節の屈曲+外転+外旋の複合動作であり、結帯制限とは、伸展+外転+内旋の複合動作でありともに肩関節障害での代表的なADL制限である。凍結肩を別とすれば、肩関節障害は、結髪・結帯制限複数の関節運動の主動作筋とくに肩腱板の障害によって起こるとしてよいだろう。下表×印は緊張状態にある筋という意味で、これを引き伸ばそうとする動作で痛みと運動制限を生ずる。結髪・結帯を構成する3方向の運動うち、障害動作に関わるのは、外旋・内旋制限の関与が最も強いとみなすことにして、分析を先行させてみた。なお外転制限×は、棘上筋腱に続く肩腱板部、および三角筋停止部の筋腱付着部症によるものであり、結髪・結帯動作制限の原因である過収縮筋の過緊張とは病態が異なる。なお外転制限についても触れてい...結髪結帯制限の針灸治療理論

  • 膝関節痛の部位別針灸治療と考察のまとめ ver.1.6

    私の膝関節治療の方法は、現在ではi以下の1~4のように場合分けされシンプルになってきた。これまでブログで発表してきたことなのだが、個々の技術の誕生には時間差が相当あるので、まとめて紹介することはできなかった。以上に加え近頃、膝蓋骨両縁(内膝蓋、外膝蓋)の痛みを訴える患者に対して効果的な方法を発見したので、5・6の項を追加し併せて説明する。同種の内容に、筆者が3年前に発表した「膝OAに対する鍼灸治療Ver.2.0」がある。これも併せてご覧いただきたい。https://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/e/870c279ba4b953cc9c8193fa0b2739921.鶴頂の圧痛(+)時<大腿直筋停止部症>診察:膝蓋骨あたりに痛みを訴えた場合、仰臥位で膝を立てた状態で、膝蓋骨上縁(鶴...膝関節痛の部位別針灸治療と考察のまとめver.1.6

  • ハンター管症候群に対する陰包刺針の効果 ver.2.3

    1.内転筋管とその役割大腿神経は大腿前面の知覚と四頭筋筋力を支配するが、その一部は伏在神経となり、大腿内側下方で内転筋管(=ハンター管)に入る。この内転筋管は、大腿内転筋群と内側広筋を2辺とするV字形の溝中にあり、互いの筋収縮により干渉しないための間隙にある管で、いわば配管配線のために設けられたスペースといえる。内転筋管内は大腿動・静脈と伏在神経が縦走している。このV字の溝にフタをするように、内側広筋から伸びた筋膜である広筋内転筋板が伸びている。伏在神経は筋を支配することなく、大腿内側~下腿内側の皮膚知覚を支配している。すなわち浅層ファシアの障害と関わってくる。2.内転筋管症候群(=ハンター管症候群)内転筋管の中で伏在神経が圧迫を受けて生ずる伏在神経神経絞扼障害を内転筋管症候群(=ハンター管症候群)とよぶ...ハンター管症候群に対する陰包刺針の効果ver.2.3

  • 一筆書きからトポロジーへ ver.1.5

    この1~2ヶ月、他の先生方が執筆した奮起の会セレクション用テキスト整備に追われ、自分の鍼灸の追究ができていないことを苦痛に思う。当ブログに書くような内容も乏しくなった。たまには目先を変え、以前から興味があった<一筆書き>に関する知見を紹介する。1.基礎編ある図形が一筆書きできるかどうかの条件は、それぞれの角点に集まった線が、①すべて偶数か、②2本の奇数がある場合に限られる。①の場合、どの頂点から書き出しても一筆書きは成功するが、②の場合、どちらか一方の奇数の頂点から筆を出発し、最後に他の奇数の頂点を終点とするルートにして一筆書きは成功する。2.応用編問題1一筆書きのコツは、前述した内容がすべてなので、これを理解した後は、次の問題も解けるはず。問題1の解答問題2ヒント:どこから書き始めるかが重要。問題2の解...一筆書きからトポロジーへver.1.5

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あんご鍼灸院さん
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現代医学的鍼灸治療
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