1.坐骨神経痛における標準的な下肢治療穴坐骨神経痛による下肢痛では、腰部の大腸兪や殿部の梨状筋部に圧痛点が出現することが多く、そのまま鍼灸の治療点となる。これは症状を腰殿下肢症状をもたらしている原発部なので当然である。それに加え、下肢症状部位の圧痛点にも施術することは、広く行われていることである。経絡派では、下腿前面は胃経、外側は胆経、後側は膀胱経、内側は脾経と腎経などと分類し、現代鍼灸派は、坐骨神経またはそ坐骨神経分枝の神経または神経支配筋を刺激することになる。一般的に使用する穴は次のようになるだろうが、なぜその経穴を選択するかとの問いに対し、圧痛硬結が好発する部だからという程度の回答で済ましているのが現状であろう。1)大腿後側:殷門・承扶(坐骨神経)2)下腿前側:足三里・上巨虚・条口・下巨虚(深腓骨神...坐骨神経痛における下腿部治療点の検討ver.2.3