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2010/06/22

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  • 僕の幸福論⑨

    幸せとは何かについて、小説書いています。

  • 僕の幸福論⑧

    自作の小説です。テーマは純文学です。幸せとは何か。

  • 僕の幸福論⑦

    会社を辞めてからの最初の1週間はまるで長期休暇な気分だった。 しばらく会社の同僚から引継ぎの確認などで電話も来たから完全に仕事を忘れる事はできなかった。 「いいなぁ俺も仕事辞めようかな」確認のために連絡をしてきた同僚が言った。彼とは同期入社だった。それほど仲良くはないが、圧倒的に年上が多い会社の中では同期というのは唯一の仲間だった。 「辞めればいいだろ」僕は彼にそう言った。正直に言うと、僕はあまり彼が好きではない。たとえ唯一の仲間だとしてもだ。それと好き嫌いという感情は全くの別な話である。弱いものいじめはよくないと思っていても、弱いものが好きではないのと同じである。むしろ、強..

  • 僕の幸福論⑥

    もしかしたら僕はカフェの中に閉じ込められているのかもしれない。 ガラスの外にこそ本当の世界があり、僕はガラスによって世界から隔離されているのではないだろうか。まるで鳥かごの中でしか飛べない鳥のように、僕は狭い世界に閉じ込められている。 ひとりの女性が僕の隣に座った。黒い髪は肩にちょうどかかるくらいの長さの女性だ。とても艶やかな美しい髪を持っている女性。 彼女はすごく自然に僕の隣に座った。まるで最初からここで会う約束をしていたかのように。でも、僕は彼女が誰なのか知らなかったし、誰かと待ち合わせなんてしていなかった。 「大丈夫。私は全てわかっている」 全て。彼女はもう..

  • 僕の幸福論⑤

    僕は今、カフェにいる。 カフェの中と外はガラス1枚隔てて、世界が異なっているように感じた。 カフェの中は耳に優しい絶妙な音量でジャズが流れていた。曲名はわからないがジャズという事はわかった。 店内には皮のセカンドバックがよく似合うお年寄りと、デザイナーのようなオシャレな、でも清潔感のある服装をした若い男性がいた。 お年よりは本を読みながらコーヒーを飲んでいた。老眼鏡をかけて本を読む彼の姿から、これまで長い間仕事をして、家族を支えてきたという誇りを感じた。今はもう退職してこれまで出来なかった時間の使い方をして楽しんでいるのだろう。彼はこのカフェの外の世界から自由になったの..

  • 僕の幸福論④

    大学卒業後、入社してちょうど3年が経った時に僕は会社を辞めた。 周りからは色々な言葉を受け取った。彼らの興味のほとんどは辞めてどうするのかという事だった。辞める理由に興味をもっている人間は一人もいなかった。 「おかげさまで貯金もありますので、しばらく働かないで色々と考えようと思います」 「貯金があるって、何年も働かないで生きていける程の金額じゃないだろ?」 「もちろん遊んで暮らせるようなお金はありません。それでも三ヶ月くらいは生活できると思います」 「大丈夫か?もう少し自分の人生をよく考えた方がいいぞ」 「はい。そのつもりです。そのために辞めるのです」 ..

  • 僕の幸福論③

    そんな事を思い出しながら僕は大きな交差点を歩くスーツ姿の人たちを眺めていた。 彼らは今日も上司に報告するために働いているのだろうか。 日報や会議で報告するために働いているのだろうか。 少なくとも僕はそうだった。僕はそのために働いていたようなものだった。 ガラス越しにいる人たちは何だか自分とは違う世界の住民のように感じた。冷たいカフェラテを飲んでいる自分とは違う人間のような。 僕は会社を辞めた。

  • 僕の幸福論②

    「報告する事こそ一番のリスク管理である」そんな事を上司に教えられた。 だけど、残念なことにどれだけ報告の頻度を増やしても、上司というのはいちいち覚えていない。何か問題の兆しのような事が起きなければ彼の頭の中の優先順位の上位には位置できないのだ。 特に問題がない進捗報告には一切の関心を持たない。もちろん、何か問題の兆しのような事が起きてからでは、大抵の事は手遅れとなる。実に皮肉なことだ。 何かあってからでは遅い。だから、何も起こらないためにも常に進捗報告から予測される問題点を探る必要がある。そのための会議だ。上司の言い分はこうだろう。 しかし実際はどうだろうか。報告する事..

  • 僕の幸福論①

    5月の札幌にはまだ肌寒さを感じる風が吹かれている。 新生活の4月から1ヶ月が経ち、人々の気持ちもある程度は落ち着きを取り戻している。町を歩く人々からそんな安堵感が伝わってくる。 平穏な感情が肌寒い風とともに流れてきて、僕の体を包み込む。少しヒンヤリするけれど、どこか温かい。もう春なのだと僕に優しく伝えてくれる。 僕は大きな交差点に面したカフェに入った。席からはその大きな交差点が見ることができた。 時刻は朝の9時半をまわったところだ。出勤ラッシュもひと段落し、交差点にも平和が訪れた。それでも大きな交差点だから人や車をたくさん見ることができる。僕は彼らを眺めながら冷たいカフ..

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