「マーメイド クロニクルズ〜第三部配信中!」「第一部 神々がダイスを振る刻」幻冬舎より出版中!
何これ?意味不明にもほどがある。いったい全体、私にどうしてほしいの・・・・・・そう思った時、便せんの下にもう一枚便せんがあることに気づいた。便せんの下の便せんには、こうあった。ナオミ殿孔明の祖父の青龍と申します。夢魔がこんなメモが残されていきおった。コーネリアスはあずからせてもらったわ♥ミシガン山中で会いましょう♡どうぞお仲間もご一緒に♥『惹き付けるもの』ミホシムコーネリアスとは、孔明のことじゃ。そして、この場所は魔女のマクミラが作った4つのテーマパークのことじゃと思う。どうか、孫の眠眠と一緒に孔明を助けてはくれまいか?祭青龍ナオミに迷いはなかった。だが、パートナーには許しを請わなくては。「決勝戦を辞退してミシガンに行きたいの!」手紙を見せてケイティに頼み込んだ。「もちろん、かまわない。だけど条件が一つ」「どん...第三部闘龍孔明篇第10章—3いざ、ミシガンへ!
「私たち、この試合勝てますよね?」ナオミが不安を隠すように言った。いつもなら、もちろんよと戻ってくる返事がなかった。「マウスピークス先生、もしかしてあなたの判定では負けですか?」「ナンシーと呼んで・・・・・・あなたに手紙が来ているの」「手紙?」それは、不吉な真っ赤なエアメールだった。「ナオミ、日本からのエアメールよ」もしかして、孔明!ナオミは、ひったくるように手紙を受け取って封を切った。ナオミへ元気か?もしお前がこの手紙を読んでるなら、オレはちょっとトラブっているってことだ。じいちゃんがどうしても書いておけっていうもんで、しかたなくこの手紙を書いている。お前に黙って日本に戻ったことは悪かったと思っている。だが、誰もアポロノミカンの予言には逆らえないことは知っているだろ?白面の神が黒い龍と出会う刻呪われた風が生ま...第三部闘龍孔明篇第10章—2孔明からの召集令状
1996年3月24日の日曜日。ナオミとケイティのチームは聖ローレンス大学を代表して、ノースキャロライナの名門私立ウェイクフォレスト大学にいた。第50回記念全米ディベート選手権に参加していた。もしもその年の絶対的優勝候補ノースウエスタン大学を負かすチームがあるとするなら彼女たちだろうと人々は噂した。他の強豪校もノースウエスタンや聖ローレンス大学と当たることがあれば、一泡吹かせてやろうと「隠し球」を用意していた。全米ディベート選手権の歴史上、最も有名な隠し球は、1979決勝で前年度の覇者ノースウエスタン大学と対戦したハーヴァード大学が“ニューケース”と呼ばれる、そのシーズンで一度も使っていない肯定側の案を提示した事件がある。想定外のケースを出された大本命のノースウエスタン大学は、5対0で決勝を落とした。それ以降、強...第三部闘龍孔明篇第10章—1全米ディベート選手権決勝
第三部闘龍孔明篇 序章と第1〜9章のバックナンバー(第二部も読めます)
財部剣人です!第三部も順調に第9章が終わりました。久し振りにアストロラーベとアフロンディーヌを巡り合わせることができてハッピーです!なお、タイトルは第三部のバックナンバーとなっていますが、下の方に第二部のバックナンバーもありますので、ストーリーが分からなくなっている方はそちらもご覧ください。「第三部闘龍孔明篇序章」「第1章−1茨城のパワースポット・トライアングル」「第1章−2チャイニーズフリーメーソン洪門」「第1章−3「海底」の秘密」「第1章−4アポロノミカンの予言「第1章ー5太古の龍」「第1章-6神獣たちの闘い」「第1章-7龍神対孔明」「第1章-8龍が再び眠る時」「第1章-9精神世界へ紛れ込む魔性たち」「第2章−1四次元空間エリュシオンのゆがみ」「第2章−23つの鏡」「第2章−3ヤヌスの鏡と3人の魔王」「第2...第三部闘龍孔明篇序章と第1〜9章のバックナンバー(第二部も読めます)
「完全な悪とは、社会など気にせず欲望を押し通せる存在だ。本来、自由が人間にとって最も大切なはずだ。天真爛漫、自由奔放というやつだ。しかし、世の中を見てみろ。やれ生まれだ、育ちだ、権利だ、義務だと意味のわからないものでがんじがらめにされた上、国同士もルールを押しつけ合って、戦争をする自由さえない。挙げ句の果てに貧困と戦争があふれる世界で人間は苦しんでいる。おいらは、人間たちを救済したいんだ。おいらが絶対悪として『死の天使アズラエル』になった時に目指すのは2つしかルールがない世界だ」「2つのルール?」「1つ目は『なんでもやりたいことはやり放題』。2つ目は『その機会は全員に公平にある』。人間が大好きなルールだろ?機会均等だけど結果は自己責任。善と悪の概念が入れ替わっても、何にも変わらないはずだ。逆に、よろこぶ奴がふえ...第三部闘龍孔明篇第9章—10善と悪の相対性
「ずいぶんと大きく出たものね。でも、怒り、ねたみ、そねみ、中傷に専念しながら自称善を気取る悪党共と無力な偽善者が、無益な争いを続ける人間たちの世界にあなたに何ができるというの?」「それが、どうやらおいら一人じゃないようだ。すでに人間界には神界からお前たちが降臨してるし、精神世界にも魔界から魔性たちが来ている。おいらがどちらの側に付くかで、勝敗が決するとは思わないか?」「いったい何を考えている?」「元冥界最高位の神官でも知らなかったか・・・・・・一度誕生すれば絶対悪には2つのチョイスがある。それこそが究極のチョイス。1つは、おいらが『平和の天使ザキエル』となる道だ。その場合、正義感あふれるものと合体し助け合いとレスペクトにあふれた世界を目指す。だが、こっちは選びたくない。実質的なおいらにとっての死だからな。もう1...第三部闘龍孔明篇第9章—9魔性たちの願い
「おまたせ〜!やっと表に出てこられたぜ。いままでは眺めるだけだったからな。おいらは、絶対悪。名前はまだない」その姿は後ろが見えるほど透け透けで、その言葉はデジタルサウンドが奏でる楽器のように響いた。「これが『切り裂かれた天使が純粋な悪を生み出し』の意味か」アストロラーベがつぶやく。「おい、陰の薄い奴、誰もお前なぞ待ってはいなかったぞ。それはともかく、何をしたくて出て来た?名前はまだないとか、野良猫じゃあるまいし。だいたい、絶対悪がお前の名前じゃないの?」冷静に戻ったマクミラが尋ねた。「よくぞ聞いてくれた。おいらは絶対悪という名前というより、そういう存在なんだ。今、地上は中途半端な悪であふれてる。ついでに中途半端な偽善にも。このまま偽善者と善人の皮を被った悪人が諍いを続けても、何もいいことはない。だから天使の力と...第三部闘龍孔明篇第9章—8絶対悪とは?
「よし、これで心置きなくコールド・デー・イン・ヘルを使える」紐育の精霊たちよ、しばしその歩みを止めよ紐育の精霊たちよ、しばし新しい波の筺の屋上に集え紐育の精霊たちよ、しばし聖バレンタインの世の冷気を集めたまえ紐育の精霊たちよ、奇跡の一夜の贈り物をさかさまジョージに与えん紐育の精霊たちよ、硫黄にまみれた地獄の業火が凍る日を顕わさん紐育の精霊たちよ、汝らが世紀の一瞬の参加者と目撃者たらんことを祈るコールド・デー・イン・へール!呪文が終わった瞬間、アストロラーベの吐く息が白くなった。みるみるうちにニューヨーク中の冷気がタワーの屋上に集まって、紐状に固まり始めた。まるで荒れ狂う吹雪が、自らの意思を持ったかのようになった。数十本の冷気の紐がさかさまジョージに絡みつき始めた。それは2匹の大蛇がもがけばもがくほど強くからんで...第三部闘龍孔明篇第9章—7ウロボロスが凍り付く刻
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