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セントの最新映画・小演劇120本 https://blog.goo.ne.jp/signnoot

映画館で新作をランダムに見ています。小演劇も好きですよ。

プロフィール 性別   男性 自己紹介 休みは大体映画館かその近くを闊歩しています。自然と繁華街というところを歩くことになります。心は大自然にあこがれながら、結局便利さに負けているような気もします。

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2010/01/07

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  • その日のまえに (文春文庫) (2008 重松清) 90点

    重松の作品は久しぶり。この作品はずっと気になっていたけど、何故か読まないでいた。そして今年もいろいろあった暮れにじっくりこの作品を読む。短編集で、それぞれがいずれもどこかでつながっている。底流に流れているのは人は死んでいくということだ。これは私たち人間から、いや動物、生きとし生けるものすべてから逃げることのできない設問である。あまり本を読んで泣かない私だが、この本はじんわり泣いた。人が死んでいくこと。そのことの答えは「考えることだ」と重松は言う。考えることが、その日に死ぬことと、あと、残されたものが生きてゆくことの答えになるという。若い時からずっと、生きることと死ぬことを考えつづけてきた私にとって、この本を読んだときに、今までの文学書だの、哲学書だの、ましてや最近読み続けている宇宙関係の物理学の本さえ、単...その日のまえに(文春文庫)(2008重松清)90点

  • ぼくの歌が聴こえたら (2021/韓国)(ヤン・ジョンウン) 75点

    出だしからいい音楽がかかる。そうだこの映画は音楽映画なんだ。でもいい人間ばかり出てくる。人間が殻を抜け出すのにどれだけ人の助けと愛が必要なのか、というテーマが全編に音楽とともに流れている。一人で見るには最適の映画。心が洗われる。ぼくの歌が聴こえたら(2021/韓国)(ヤン・ジョンウン)75点

  • 覇王樹座「天邪鬼」(脚本・中屋敷法仁 演出・横山イッタ) at芸術創造館 85点

    年末になるにつれて秀作を見続けるこの気持ちはどんなものか。今日も学生演劇だと高を括っていれば、とんでもない優れものに出会う。昨日も阪大の学生演劇に大いに感心したところである。この演劇、かなり難しく、まともにセリフを聞いていても何が何だかわからない。おそらく作者の脳裏の想念がそのまま舞台に飛び出したような、ある意味厄介な演劇なのだが、これがまた若い俳優たちにやらせれば、とんでもなく面白くなる見本ではないか、と思う。2時間弱の劇でセリフ量も多い。俳優たちは1回のとちりもなく、しかも水を得た魚のようにすいすいとこの難しい観念劇を泳いでいる。この若さでこの劇が理解できるというのも大した才能を持っていると言えるだろう。いやあ、面白かった。おそらく僕には2回見ても決して理解できないだろう難解劇なので、その舞台の雰囲気...覇王樹座「天邪鬼」(脚本・中屋敷法仁演出・横山イッタ)at芸術創造館85点

  • ちゃうかちゃわん「某人間」(作・唯端楽生 演出・近未来ミイラ) at 阪大学生会館 80点

    10人以上出演する楽しい演劇です。ちょっとfantasyで、みずみずしい感覚が素敵だ。いつも気になる学生間の年齢差もこの劇ではそれほど気にならず、劇に没頭できる。結局人間たちの白昼夢だったんだろうけど、でもこういう劇は終わってからの読後感がすこぶるよろしい。若い人たちの自由な演劇を見るのはとても楽しく、これは学生演劇の醍醐味だろうと思う。ちゃうかちゃわん「某人間」(作・唯端楽生演出・近未来ミイラ)at阪大学生会館80点

  • 六風館「人の気も知らないで」(作・横山拓也 演出・古井栞音) at懐徳堂 85点

    50分の短い劇だが、3人の女優がしゃべるセリフの早いこと、合い間もないぐらい機関銃のように喋りまくる50分であります。これは通常の劇の90分を畳み込むような劇の作りであります。なんといってもこれは脚本の力かなあ。すごいわ。もうそれに尽きる。それとこれを書いたのが男性だということ。どうやって女性の心理を深く、また散漫に膨れ上げさせたのだろう。女優たちは、一寸の余裕もなくとにかくしゃべり続ける。そこに彼女たちのある女性への思いが見つかってくる、、。秀作。超秀作だ。六風館「人の気も知らないで」(作・横山拓也演出・古井栞音)at懐徳堂85点

  • VORTEX ヴォルテックス (2023/仏)(ギャスパー・ノエ) 80点

    「カルネ」「アレックス」など数々のセンセーショナルな映画作りで話題性十分なノエの新作だ。今回はところが意外とおとなしい、、。目立つのは言うまでもない延々と続く2画面分割。そのうち慣れるが最初はそのテリトリーをじっと深く見てしまう。老夫妻、特に妻の認知症は急激に進み、そのやりきれなさ、おぞましさは観客をも道連れにする。ノエは60歳ぐらいだから、まだまだ傍観者の視点を保つことができているようだ。だからこそ、実に老残の混濁模様がクリアに描かれている。息子もその妻も現代病クスリに侵されている。そのうちこの老夫も心臓病を病んでいることがわかる。そして、、。救いは妻が薬を廃棄し、そして人間でなくなる前に自ら命を絶つところぐらいでしょうか。これがこの映画の唯一の灯だとすれば、やはりいつものノエ作品のおぞましさは十分発揮...VORTEXヴォルテックス(2023/仏)(ギャスパー・ノエ)80点

  • 劇団万絵巻「鴉翼」(作・演出 ジキル) at 芸術創造館 85点

    大学演劇でも阪大の演劇部と並ぶ勢いの万絵巻。今回は2時間半の超歴史ロマン劇を熱演してくれた。登場人物が多彩でそれぞれ主役級の性格付けをされているので、観客はどのシーンを見ても見飽きない。それはおそらく俳優陣も演じることへの追及、発表感にも表れるはずで、途中とちることもほとんどなく、流れはラストへと感動を誘う。同じ人間でありながら、差異を生じることへの根本的な問いが究極的に底流を流れている。これは今、中東で勃発しているある戦争にも同じことが言えるだろう。この演劇はそこまで幅広に人間を見つめているので、実に大きなスケールを持つこととなった。学生演劇で、脚本まで自ら作っている演劇集団で、これほどの深みを持たせるのは実に稀有である。何回も演舞される殺陣も女性であることもいとわぬ頑張りようで、見事だと感服する。実に...劇団万絵巻「鴉翼」(作・演出ジキル)at芸術創造館85点

  • 劇団1mg「 Much UP」(作・演出 伊達百式改) 於 in→dependent 2nd 80点

    1mgにしては珍しく、いたってシンプルな、また身の丈十分な青春の輝き十分な、みんなが一つの方向を見つめているその時を切り取り、人生を感じ始める素晴らしいひと時を舞台に輝かせてくれた。それぞれ人生を経ても、いつでも人間はその輝ける時に戻る時ができる。いい演劇だったなあ、、。劇団1mg「MuchUP」(作・演出伊達百式改)於in→dependent2nd80点

  • ゴジラ-1.0 (2023/日)(山崎貴) 70点

    膨大な数のエキストラの表情が日本映画ではどうもリアルが感じられず、嘘っぽいのが難点。とはいえ、これはどうしようもないことなのかもしれない、、。まあ、古臭い美談を基調に純愛ものしているが、それでもやはりあの展開は分かっていてもうれしい。でもラスト、感動のご対面シーンで、あの女の子は父親な顔を見ていて、母親を見ていなかったなあ。せめて3人で抱き合ってほしかった。とはいえ、ゴジラが神出鬼没輩出してくれるので、あの音楽とともに心は高揚する。でも、今回はビキニ島の放射能が原因で生成されたものではなく、それ以前にゴジラは出現していたんですね。うーん、これは何を意味する?ゴジラ-1.0(2023/日)(山崎貴)70点

  • 焔【ほむら】と雪 京都探偵物語 (伊吹 亜門 著) (早川書房 2023) 85点

    いかにミステリーを読んでいる吾輩でも、この4編目の「いとしい人へ」には強烈に驚かされた。伊吹にしては、この1~3編目まで少々甘いかなあと思っていたのだ。それが、4年目の途中で、また1編の最初から読み始める羽目になってしまった。これは僕の長いミステリー人生においても初めてのこと。すごいからくり、どんでん返しにかなり懊悩する。いや、嬉しい。面白すぎる。でも、読んでいるのは、ラストの編ではないんだよねえ、、。不思議だ、と思いながら、5編に進む。うーん、なんと、これは純粋無垢恋愛小説ではないか!これこそ本格ミステリーであることよ。焔【ほむら】と雪京都探偵物語(伊吹亜門著)(早川書房2023)85点

  • 青年団「馬留徳三郎の一日」(作・髙山さなえ 演出・平田オリザ) at ピッコロシアター 80点

    老いを見つめるある村の一日の出来事。そこには老人目当ての詐欺師が訪れたり、平和に見えるのんびりした日々にもほころびが見え隠れしている。静の生活にも老いとともに認知症の病気もはびこってくる。彼らの生活。いやあ、日本人の老後の縮図でもあります。でも、通常それを醜悪とか嫌悪感とか感じる流れなのだが、この演劇不思議とそんな空気感が生まれず、むしろ彼らの世界が透明感まで感じるほど美しい。これは何だろう。現実とはまるで違う。演劇ならではの理想郷でもある。素晴らしい演劇でした。青年団「馬留徳三郎の一日」(作・髙山さなえ演出・平田オリザ)atピッコロシアター80点

  • ももちの世界#9「皇帝X」(作・演出 ピンク地底人3号) at in→dependent 2nd 80点

    ユニークで才気煥発、関西でも常に注目を集める劇団の新作です。今回はなんと日本の戦後政治史を辿る一応コメディです。一応というのは、あまり笑いが取れなかったからなんですが、でもこの現在の政治状況までを俯瞰し、思い切りひねくれさせ、かなり現実を揶揄させた描き様はやはりシリアスとは言えず、コメディなんでしょうな。その吹っ切れた感覚が全編を多い、いかにも面白い。映画もかなりお好きなんでしょうか、その造詣ぶりにも好感が持てます。まあ、あのラストはかなり吹っ切れすぎて、ちょっと唖然ともしますが、打っちゃりといった感じでしょうか、でもとても2時間強、楽しめましたよ。いかにもいつも何かをテーゼして見せてくれる演劇です。ももちの世界#9「皇帝X」(作・演出ピンク地底人3号)atin→dependent2nd80点

  • 父は憶えている (2022/キルギス=オランダ=日=仏)(2022 アクタン・アリム・クバト) 80点

    めずらしいキルギス映画。イスラムの国でありながら、離婚についても女性の地位がある程度認められている国。シンプルなテーマであるからこそ我々の胸にも動揺が走る。このテーマ、23年ぶりに帰還した夫の家族はすでに妻が再婚し家を出て、帰った夫は国の乱れである象徴のゴミ拾いに没頭する。そして村社会でもそれが徐々に波紋を上げていくことになる。昔イタリアの名匠デ・シーカに「ひまわり」という佳作があった。戦争で帰ってこない夫を探しにロシアに出向いた妻はそこに新たな家族を設けている夫の姿を見かける。または、古くは日本でも、終戦後復員した夫の妻が弟の妻になっているとか、長時間の失踪に伴うこういう事件は特に目新しくはない。けれど、この映画はそれにとどまらず、23年間の空白をその当人の家族だけでなく、政治状況、環境問題にまで言及し...父は憶えている(2022/キルギス=オランダ=日=仏)(2022アクタン・アリム・クバト)80点

  • 片羽蝶「50は(未完)」(作・村上G氏、西島輝 演出・西島輝) at ウイングフィールド 80点

    久しぶりのウイングフィールド。毎週来てた時もあったほど、あの時はよく見てたなあ。あのコロナの影響で足が遠のいたけど、やはりいい劇場だ。手作りの演劇がどんな形にも応用し、料理できる。今回も、舞台を観客エリアまで広げ、俳優が何回も通路を通る面白い試みをしている。さて、俳優はまるで大学生と思えるようなヤングたち。でもセリフはしっかり言えてるし、発声も豊か。いい劇団である。話は少々難解そうな仕組みを取っているので、入りづらい所もあるが、そのうちこれは演劇の「8・1/2」(フェリーニの永遠の名作映画)であることに気づく。(作者が気付いているかどうかは別として)すなわち創作に関する演劇論である。フィクションを生み出すエネルギー、創作することの苦しみ、喜び、そのようなものを若者の映画創作を通して、描いているのだろうと私...片羽蝶「50は(未完)」(作・村上G氏、西島輝演出・西島輝)atウイングフィールド80点

  • あなたには、殺せません(石持 浅海 著) (東京創元社 2023) 85点

    石持の新作。彼の作品は誰も持ってないユニークさとスマートさが売り。それが存分に発揮された作品であります。5編の短編集です。それぞれは設定が違い、ラストもそれぞれ違ってくる。よく考えている。ミステリーとしてもとてもまとまっており、しかも読みやすい。250ページの短さなので、あっという間に読んでしまう。それはもったいないぐらいです。ずっと石持を呼んでいるが、ますます孤高の位置にたどり着こうとしている。頼もしい限りだ。あなたには、殺せません(石持浅海著)(東京創元社2023)85点

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