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みなきかなえ
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一宮市
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一宮市
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2009/11/28

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  • GO WEST!!(9)

    (いったいどうする気なんだろう…)木の陰から屈んで手近な茂みに移動し、隠れて路上を見守るうち、低いエンジン音がものすごい勢いで近付いて来た。黒のハードトップが滑り込むように揺れて急停止し、ほぼ同時に4人の男を吐き出す。男たちはいずれも趣味の悪いTシャツとダメージ加工のジーンズを身につけ、粗雑な動作と言い口汚く罵りながらパンダを囲む様子と言い、見るからに連綿と続く正統なるチンピラ臭が濃厚に漂っている。という事はパンダの言う『研究所』からの追っ手ではなく、やはりただの強盗なのか。フィーフィーの口ぶりからすれば、それはまだマシな事態であるらしい。さてでは、彼はどう決着をつけるのか?ほんの少しだが、ギルバートは気持ちが落ち着くのを感じた。フィーフィーが、まるで動じていないからだ。パンダロボは飄々と車のボンネットにもたれ...GOWEST!!(9)

  • 準備完了~。

    なんとか新刊も全部出ることになりました。明日は上京、車なので今夜は久しぶりに早く寝ます!それではおやすみなせえやし~。準備完了~。

  • GO WEST!!(8)

    「ほら、さりげな~く曲がるんだぞ。向こうさんが慌てねえようにな」低く囁くバリトンは、女性だったら腰が砕けてしまいそうな豊かな響き(できればジョージ希望)を持っていたが、そのケも持っていないギルバートはそれどころじゃないのも手伝ってあまり感銘を与えなかった。「う、うん…」緊張の面持ちでハンドルを握り締め、彼はそろりと道の右側に車を寄せて行く。信号には止められなかったので、左右を確認しながら交差点に進入、ゆっくりハンドルを切り始めた。ところが、ハンドル操作に集中しすぎて足元がお留守になった。ばおん。アクセルを踏み込み過ぎ、急加速してガードレールに突っ込みそうになる。「うわ!?」「バッカ、何してんだ」舌打ちしたパンダが横からハンドルを奪った。ぎゅきききき。右のバンパーをわずかに擦ったが、ギリギリで激突を回避する。大き...GOWEST!!(8)

  • GO WEST!!(7)

    「なんだ、歌わないのかー。せっかく俺の美声を聞かせてやろうと思ったのになあ」やたらがっかりしているパンダに紙袋を差し出し、ギルバートはちょっと苦笑した。「どこでどう間違ったのかわからないけど、ドライブスルーは歌わないね。マイクには注文するだけだから。歌うのはKARAOKEって言って、ボーカルの入ってない曲を流して自分で歌うシステムがあるんだ。日本発のサブカルチャーだよ」「ふーん」鼻を鳴らしたフィーフィーが、紙袋をごそごそ開けながらくりんと首を連れに振り向ける。「ギルってニホンに詳しくね?」「いや、詳しいって言うか、憧れの地かな、みたいな…」「わかった、お前OTAKUってヤツだな!?」「なんでそういう知識はあるのかな…」こりこり頬を掻く青年に、バーガーの包み紙を器用に剥いたパンダロボがこしょっと口を寄せた。丸ごと...GOWEST!!(7)

  • GO WEST!!(6)

    「なんだ、ダメだったのか?」首を傾げ傾げ銀行から出て来たギルバートに、フィーフィーはやや困惑した口調で尋ねた。メガネのヘタレ青年は車の助手席に座ると我に返ったように短く息を吸い、両手で握り締めていた封筒を見下ろした。それにはかなりの厚みがある。「だ、大丈夫。ちゃんと下ろせたよ」「ならなんで、そんな景気悪い顔してんだ」「景気悪…いや、なんか、姉さんも口座開くくらいのことはちゃんとできるんだなと思って」「ふうん?それ難しいのか?」「いや、別に。窓口のお姉さんに任せておけばいいだけだよ。でも、それがなぜかできないのが姉さんで…いや、だった、って言うべきかな。だから不思議で。「人間って進歩するんだなあ…」妙に感動しているギルバートに撫で肩をすくめたパンダは、ちらと後部座席を見ると運転席のドアを開けた。「じゃいっこ前進し...GOWEST!!(6)

  • GO WEST!!(5)

    「ああああ……「せめて外出する直前とか、サイフを身につけてる時に来てくれてれば…」助手席で顔を覆ったまま動かないギルバートをめんどくさそうに見て、フィーフィーはぽりぽり顎の下を掻く。対向車線のドライバーが彼を見て驚いた顔をするのが目に入り、愛想良く手を振ってやった。「いつまでもくよくよすんなよー。やっちまったこたしょうがねえじゃん」青年ががばりと身を起こした。「しょうがないじゃ済まないよ!無銭飲食に無銭宿泊のまま逃げ出して、なのにちゃっかりアメニティだけは貰って来て!!「…僕は犯罪者になっちゃったんだ………」しくしくしく。またしても縮こまるのへ、短い溜め息をつくと腰の辺りをごそごそ探って何か放り投げた。「とりあえず、銀行探さねえとな」「銀行って」まさか強盗!?と不安に駆られながら、ギルバートはすこんと頭に当たっ...GOWEST!!(5)

  • GO WEST!!(4)

    「それにしても、よくこの部屋取れたね」タオルで顔を拭いながら、ギルバートはちらりとパンダを見遣る。巨大なパンダは床に新聞を拡げて熱心に読んでいるところだった。「やっぱ、昨日のことは出てねえなあ。けっこー派手な銃撃戦とかあったのにな」呟くのが聞こえて、青年は気絶していて良かったとパンダに感謝すら覚えた。「ん、今なんか言ったか?」やっと反応があったのでもう一度さっきの台詞を繰り返すと、パンダは頑丈そうな歯を見せて笑った。「ああ、アメリカはいい国だよなー。着ぐるみ着るのも個人の自由ってさ。まあ、ここの子供の相手するハメにゃなったけど」「子供って」その本来の“用途”を思い出して危ぶむギルバートに、通じたらしくパンダロボはカラカラ笑って片方の前肢を振った。青年の視線が上下するピンク色の肉球に吸いつけられる。「心配すんな、...GOWEST!!(4)

  • GO WEST!!(3)

    「い、一体どういう…だって、姉さんに…え?まさか姉さんがそんな」絶句するギルバートに、パンダは長い溜め息をついて見せた。「まあさ、よくある三文SFみたいな話で恥ずかしいんだけどよ…」すいません。「ロボットに戦争とか暗殺とかやらせりゃ感情に流されて失敗することもないし、気軽に使い捨てができる。って考えた奴がいたわけだよ」「ど…どこに?」「聞きたいか?」「うっ。…いや!じゃ、今は聞かない!」ばし、と自分の耳を塞ぐ黒髪の青年に、パンダは仕方なさそうに笑った。ちょいと爪にひっかけてその手を外させ、「じゃあまあ、とりあえず要るトコくらい話しとくか。「…ん?どした?」動かなくなったギルバートの顔を不審そうに覗き込む。なぜか頬を染めている青年の視線は、彼の肉球に向いていた。「い、いや別に…!」「ふん?じゃ話続けるぞ。「コトの...GOWEST!!(3)

  • GO WEST!!(2)

    かちゃかちゃ…と、金属が触れ合うような音がしている。それから低い呟き声。「うーん、どっかで補給しねえとなー」「…?」小さく溜め息をついたギルバートは、ゆらゆらと無意識の水底から浮上して行った。ゆっくりと目を開く。何やら薄暗い。そしてすぐ目の前には、壁。白と黒に塗り分けられている。その一部が開いて…「……!!?」ギルバートはいきなり跳ね起きた。周囲を見回し、自分の顔を叩く。「ここは…!?メガネ、メガネがない」「ここは、んーと、トレントンつったか。そこのモーテルの部屋。ほらよメガネ」壁が喋った。差し出されたメガネをひったくるように取ってかけると、目の前で笑っているのは巨大なパンダの姿になった。「ゆ、夢じゃなかったんだ…」突然尋ねてきた熊。がパンダに変わり、姉の使いを名乗り、ロサンゼルスに連れて行けと要求され…それか...GOWEST!!(2)

  • きょうはむりかも…

    冬コミの搬入が始まっているのを忘れ去っていたのでス。コピ本の製本とか製本とか製本とか梱包とか…あはははははぐるぐる。ここ(のブログ)で小説を書くのは一日一時間までと決めているのですが、その一時間が惜しいと言う切羽詰まりまくりなこの状況。ぎりぎりまで腰の上がらないところを本当に何とかしなくては。と、毎回思うわけですが。ともあれそんな次第で欠課御免!!でござります~。きょうはむりかも…

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