5年半ほど前に「諦める」ということについて記事を書きました。それからずいぶん経ってボクの思うところも少しずつ変わってきたように思います。だんだん還暦も近づいてきて、「諦める」ことが増えてきたのと、「悟り」に近いところに少しだけ近づけたせいもあると思います。そのときにも書きましたが、本来「諦める」という言葉は、「仕方がない」と断念するということとは違ったようです。語源として「諦」という字は「真実」を意味していて、「諦める」とは「明らかにする」というのが本来の意味だそうです。「諦めきれない」ことについて「齷齪しない」「じたばたしない」と捉えたり「絶望する」といった意味に繋がってしまうとそこにはかなりの「痛み」も伴うし、「悲しみ」「切なさ」「空しさ」といった感情にやられてしまいそうになります。今回お話ししたいのは「悟...Vol.031健全な諦め
ボクのモットーというか信念は、自分が「自分らしく」あることです。この「自分らしい」という言葉は「わがまま」とか「自分勝手」という意味ではありません。人間は社会的な動物だから独りでは生きていけません。だから自分勝手にふるまうことで、周りを傷つけたり、相手のことを考えずに自分の要望だけをごり押しして、人と関係性がうまくいかなくなっては、気持ちの良い「自分らしさ」にはならないからです。前回も述べましたが、ボクらLGBTが生きやすくなることで、LGBTでない人たちが肩身の狭い思いをするのはあまりうれしくないです。あくまで、LGBT当事者と非当事者の共存が目的です。しかし、この「自分らしさ」というものを獲得するのは、ボクにとって至難の業でした。なぜなら、いいも悪いも「自分らしさ」だから、自分の嫌な部分や嫌いな部分があって...Vol.031自分を許す
Vol.030 LGBT支援は制度の拡充や企業の取り組みだけでは不充分
ここ最近、LGBTの生きづらさを少しでも解消できるようにいろんな動きが活発になっています。LGBTという言葉も浸透してきているようになってきています。各地でレインボーパレードが頻繁に行われたり、いろいろな自治体でパートナーシップ条例などの制度の拡充やLGBTフレンドリー企業の取り組みもどんどん活発化しています。とても喜ばしいことだと思っています。しかし、この動きだけで本当に良いのでしょうか。こういった働きやすさや制度の拡充や企業の取り組みといったものを活用できるのは、LGBTであることをオープンにでき、自分自身のLGBTに関する受容ができている方にとってのメリットが多くを占めていると思います。実際にカミングアウトできない人たちにとって、直接的にはあまり使いやすい制度や取り組みではないように思います。もちろん、環...Vol.030LGBT支援は制度の拡充や企業の取り組みだけでは不充分
最近、ある方から、「豆腐さんは自問自答のプロだね」と言われ、勝手に新しい自分の肩書きに「自問自答のエキスパート」というのを増やしました(笑)。なかなか、それを聞いて、「あ、自分も自問自答のエキスパートになりたい」って思う人いないですよね。苦しそうだし(笑)。そもそも、「悩む」ことは、もやもやするし、うだうだするし、答えが見つかればいいけど、みつからなかったら悶々とするだけだし、あまりいいイメージをみんな持っていないと思います。でも、あえて、今このブログを読んでいる方には、「悩む」力を育むことをオススメしたいです。「もっと自分の勘を信じろ」とか「思考を止めろ」とか、よく言われます。ボクも体感型のセミナーで、思考を止めて湧き上がるもの、考えさせるまもなく絞り出されたものが本物だということで、ワークで強制的に思考を止...Vol.029悩む力を育む
Vol.028 最近のLGBT・セクシュアルマイノリティ関連の記事・ニュースについて
今年3月に、電通ダイバーシティラボが、日本国内の7.6%がセクシュアルマイノリティであるという統計を発表し、東京都渋谷区が同性パートナーシップ条例について説明をしたあたりから、にわかに日本のLGBT事情が変化を見せました。渋谷区に続き、世田谷区もパートナーシップ制度を導入し、豊島区・新宿区・横浜市・大阪市・宝塚市など、条例提出や制度導入の検討を始めた地方公共団体も次々に動き始めました。地方公共団体により、条例であったり要項であったり、証明書だったり宣誓書だったり、手続きや諸費用もまちまちです。また、携帯電話各社が同性パートナーに家族割を認めたりという動きも見られました。世界に目を向けると、アメリカが全州同性婚を合法化したのが6月末、アイルランド、グリーンランドで合法化、フィンランドでは去年決まった同性婚法が20...Vol.028最近のLGBT・セクシュアルマイノリティ関連の記事・ニュースについて
ボクは、毎月、「じぶん発見プロジェクトしろにじカーサ」というワークショップを開催し続けています。今日は、ボクがなぜ、このワークショップをやり続けているかを書きたいと思います。長いです(笑)。去年かおととし、自尊感情(自尊心・自信)を扱う講座に参加したときに、人間の自尊感情というものは、親から得られる共感によって育まれる基本的自尊感情と、成功体験によって積み上げられる社会的自尊感情があるということを学びました。ボクは、親から愛されていたんだということを理解したのは、まだ最近のことです。子どものころ、なりたい自分と、親が望む子どもになって欲しい将来像が食い違うとき、たとえ親からたくさんの愛情を受けていても自分が望む形の愛情ではないので、親からの共感を得られず、わかってもらえない自分をダメな存在だという認識が入ってし...Vol.027ワークショップを開催する理由
実はかなりひっそり秘密裏に作成を進めておりましたホームページがついに完成しましたっ!その名も・・・「マイノリティのパイオニア豆腐のオフィシャルサイト」http://www.torff-sessionroom.com/です。なかなかいいものに仕上がったと思います。みなさん、見てみてくださいね。これからもよろしくお願いします。ホームページ完成
Vol.026 変わりたいと思っているのに変われない3つの不安
いろいろうまくいかなくて、自分が変わるしかないと思っているひとたちが、無意識では本当は自分が変わるしかないと思っているのに、なかなか変われないのには、大きく分けてふたつの不安があるのだろうな、と思っていました。ひとつは、未知の体験をする不安。なぜなら、うまくいかないことで苦しい思いをしていても、その苦しみは経験済みなので、今のままでいることが、苦しいことだと無意識が知っていても、たとえ苦しいままでも、経験済みだから、今までのことを続けていくだけだからです。新しい体験がほぼ確実に楽になるとわかっているのに、不安の方が勝ってしまうんですよね、きっと。ふたつめは、変わることでより悪い方に変わってしまうかもしれない不安。未経験のことは、良い方向に向かうと確信して変わろうとするんだけれど、その環境になったことがないから、...Vol.026変わりたいと思っているのに変われない3つの不安
今週日曜日、「第22回マインドスペース夢カフェ」でした。「シリーズ自己理解を深める」の第3回目、今回のテーマは「③思い込みを外す」でした。第2回目のときに、「コンプレックスを個性に変える」というテーマで「認知に歪み」のお話をして、単語でネガティヴなイメージの性格を表す言葉をポジティヴな言葉に置き換えてみるというのをしましたが、今回は、文章でネガティヴヴな思い込みを外すトレーニングをしました。お話した主な内容は、NLPやコーチングでいうリフレーミングと、心理学で言うところの論理情動理論です。そして、今回は、われわれは出来事をネガティヴに考えがちだけれど、ひとはどんなに否定的に思える行動や振る舞いにも必ず「肯定的な意図」があり、それが発生する背景・条件・前後関係などのとして非言語状況次第で無数の意味を持つことができ...Vol.025可能性のある真実を評価する
3月に、ちょっとかなり強制的に参加者に感情を味わわせるセミナーに参加しました。ボクは相当に体感覚が少なく、内省して思考で考えを落とし込んでいくのが得意です。感じることが苦手です。というか、体感覚はあるにはあるんだけど、感覚だけで覚えておけないです。だから、感じたものを、言葉に表現して、脳に残しておきたい方です。そのセミナーでは、思考では出てこないものを引き出すワークがありました。それは、考えさせないように、矢継ぎ早に感覚をどんどんどんどん引き出すもので、考えさせる時間をくれませんでした。脳を経由せずに、口をついて出てくるものが本当の感情なんだということなんだと思います。でも、ボクにはそれが無理でした。体感覚が優位に働くひとにはとても有意義なワークなんだと思います。多くの参加者が、そのワークによって本当に望んでい...Vol.024怒りの感情
先週土曜日、「第21回マインドスペース夢カフェ」でした。「シリーズ相手理解を深める」の第2回目、今回のテーマは「②相手の性格のタイプを知る」でした。第1回目のときに、「傾聴」のお話をして、そこには「受容」と「共感」が大事であること、そして、「コミュニケーションを阻む12の対応」の話をしました。そして、今回は、「ラポール(信頼関係)の構成要素」として非言語が93%なので、相手の観察をして、マッチング・ペーシング・ミラーリングをすると相手が安心しやすい、という話をさせていただきました。また、相手の得意として使いっているVAK傾向(五感情報の優先傾向)を、動作・しぐさ・言葉などから観察して読み取ると、ペーシングがかけやすい、という話もさせてもらいました。ここまで、続けて、徹底的に相手に合わせていくと、自分の理解や開示...Vol.023相手に関心を持つ
「比較する」ことがよくないことのようにいうひとがよくいます。「比較する」こと自体そんなにいけないことでしょうか。思考パターンの悪い癖の例です。ひとと比較して、自分が劣っていると劣等感が出て「そんな自分ってだめだよね」って自分にダメ出しが始まります。ひとと比較して、自分が優れていると優越感が出て傲慢になり、ひとを傷つけます。ひとによっては、もしかしたら、「傲慢な自分ってだめだよね」って自分にダメ出しが始まります。ひとと比較して、相手が劣っていると相手を蔑み「こんなひとってだめだよね」って相手にダメ出しが始まります。ひとによっては、もしかしたら、相手をダメ出しする自分にダメ出しが始まります。ひとと比較して、相手が優れていると嫉妬心が出て、「そんな自分ってだめだよね」って自分にダメ出しが始まります。幸せなひとを見て、...Vol.022「比較する」ということ
「ブログリーダー」を活用して、豆腐さんをフォローしませんか?