chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
毎日が美びっとカルチャー https://blog.goo.ne.jp/ag-maeda

熟メン茶々丸のアート、シネマ、音楽、スポーツのカルチャー談義

1959年愛知県生。印象派から現代美術までこなすアート通にして、ローリングストーンズとマービンゲイを愛するロック&ソウルマニア。映画と音楽を愛し、ジャンル、国境を問わず鑑賞。B級グルメ通、スポーツ通。地元を愛するドラ&グランパスファン。中途半端なちょい悪オヤジを嫌い、白洲次郎を信望する頑固でお茶目なオヤジです。

chachamarupapa
フォロー
住所
江南市
出身
江南市
ブログ村参加

2009/09/25

arrow_drop_down
  • ブログ引越のお知らせ

    gooblogが11月をもってサービス終了に伴い、はてなブログに引越をしました。先日過去記事の移行が無事完了し、本日をもって新着投稿は終了いたします。20年間にわたって利用してきたブログサービスで寂しくもありますが、今までブログを愛読して頂いた読者の方には改めて感謝いたします。はてなブログでは、映画鑑賞と美術鑑賞を中心にレビューいたします。※はてなブログはこちらをクリックまた新たな挑戦で、noteにてコラム&エッセーを発信していきます。こちらもご愛読いただけたら嬉しいです。※noteはこちらをクリックブログ引越のお知らせ

  • 映画 エミリア・ペレス:奇想天外でユニークな発想

    本日の映画レビューは、ジャック・オーディアール監督のミュージカルエンターテーメント「エミリア・ペレス」です。本年度アカデミー賞で最多12部門13ノミネートされた本作。主演を務めたトランスジェンダー女優カルラ・ソフィア・ガスコンの初のオスカー受賞となるか期待が高まりましたが残念ながら助演女優賞1冠で終わりました。しかし、今までにない着想で見応えのあるエンターテーメント映画でした。メキシコの麻薬王マニタスから女性として人生を用意してほしい依頼された弁護士リタ。彼女は極秘裏に計画をすすめ成功します。数年後、イギリスに移住したリタに再びエミリア・ペレスとして現れたマニタス。二人の新しい人生が再び動きます。世界を震撼させるメキシコの麻薬カルテル。様々なメディアで取り上げられ知られるようになりましたが、オーディアル監...映画エミリア・ペレス:奇想天外でユニークな発想

  • 映画 教皇選挙:巨大な密室で展開する最上級ミステリー

    本日の映画レビューは、エドワード・ベルガー監督のバチカンを舞台にしたミステリー「教皇選挙」です。アカデミー賞8部門にノミネートされ、作品賞最有力と予想されていた本作。残念ながら脚色賞のみの受賞でしたが、かなりの見応えを感じる内容でした。内容は現ローマ教皇の死により、次の法王を決める教皇選挙における選挙の内幕を描くミステリー。フィクションではありますが、過去のカトリック神父のスキャンダルや保守派と革新派の対立などを踏まえながら選挙の詳細が描かれていきます。教皇選挙については、ネットフリックスオリジナルで話題となった映画「2人の教皇」を観ていたので理解できたのですが、100人を超える各国の枢機卿による候補者選びの暗躍に亡き教皇が記したメモの秘密など、選挙を取りしきる清廉潔白のローレンス枢機卿の選挙戦における苦...映画教皇選挙:巨大な密室で展開する最上級ミステリー

  • 映画 名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN

    本日の映画レビューは、ボブディランの青春時代を描いたティモシー・シャラメ主演の「名もなき者/ACOMPLETEUNKNOWN」です。アカデミー賞の主要8部門にノミネートされながら無冠に終わった本作。しかしながら、絶大な人気を経て今なおロングランヒットを続けています。僕もディランのデビューから音楽の転換期となったニューポート・フォーク・フェスティバルまでの若きディランの熱狂の時代が描かれ、IMAXで臨場感を味わいました。主演のティモシー・シャラメは21世紀を代表する美少年で本作も含め二作でノミネート作品に出演。主演男優賞のノミネートされましたが、ブルータリストでオスカーに輝いたエイドリアン・ブロディに引けを取らぬ演技でした。また、世界的なパンデミックにより撮影が遅れたことが功を奏してブルースハープやギターの...映画名もなき者/ACOMPLETEUNKNOWN

  • 映画 ANORAアノーラ:ハチャメチャなシンデレラストーリー

    本日の映画レビューは、本年度アカデミー賞5部門を受賞した「ANORAアノーラ」です。今年のアカデミー賞は、どの評論家も予想が外れたのではないでしょうか。そして、今回のアノーラがオスカー5冠とは予測不可能な事態だったと思います。とは言え、カンヌでパルムドールを受賞もだてではなかった。インディペンデント作品で低予算で制作された本作。古典的なシンデレラストーリーを今風に解釈した作品でR18指定からもわかる通りか、かなりお下劣な内容です。ロシア系アメリカ人のストリッパー、アニー(アノーラ)が、店に来たロシア人御曹司のイヴァンに見初められヴェガスの教会で結婚しシンデレラストーリーが結実。しかし、イヴァンの両親から猛反対を喰らい婚約破棄を迫られ、挙句の果てにイヴァンは失踪。イヴァンの部下とボディガードと一緒に捜しだし...映画ANORAアノーラ:ハチャメチャなシンデレラストーリー

  • 映画 ブルータリスト:壮大かつ残酷な自己史

    本日は映画レビューはアカデミー賞ノミネート作品の「ブルータリスト」です。先ずは、今回の作品でユダヤ人建築家を演じたエイドリアン・ブロディのアカデミー賞主演男優賞受賞を祝したいと思います。今回は主演男優賞1部門の受賞でしたが、作品としては、個人的に評価の高い作品です。物語は、ハンガリー出身の建築家ラースロー・トートという架空の人物のの半生を描いたものですが、強制収容所に数年を過ごし、妻と姪を残してアメリカに亡命したラースローのアメリカでの波乱万丈の人生を描いています。戦後のアメリカでムーブメントを巻き起こしたブルータリズム建築がベースにあり、その建築家の総称としてタイトルのブルータリストがあるようです。かつてドイツでも新進気鋭の建築家と知られたラースロ無一文の労働者から、ある富豪の部屋をデザインしたことを契...映画ブルータリスト:壮大かつ残酷な自己史

  • 映画 セプテンバー5:緊迫感あふれる中継劇

    本日の映画レビューはミュンヘンオリンピックでのテロ事件を追った「セプテンバー5」です。平和の祭典のオリンピックで起こったパレスチナ武装組織によるテロ事件。当時中学生だった僕にとっても衝撃的な事件として記憶に残ってます。今回の映画は、そのテロ事件を中継したアメリカのスポーツクルーによる中継で事件を追った9月5日が描かれています。緊張感あふれる中継は、報道の経験のないスポーツ担当クルーにより行われ、オリンピックの最中にイスラエル選手団とコーチが人質となりスポーツかテロかの中継選択が迫る中でテロの中継を決断、世界中に映像が流れる衝撃的なものでしたが、その中継を95分間に凝縮してリアルに再現され、局内から流れる生の映像と演じるスタッフたちの臨場感と見事としか言いようがありません。錯綜する情報に二転三転するスタッフ...映画セプテンバー5:緊迫感あふれる中継劇

  • 映画 侍タイムスリッパー:シンプルな笑い話が心地よい

    本日の映画レビューは、自主映画から異例のロングラン公開中の「侍タイムスリッパー」です。映画館で映画を観る人が減ってきている昨今。洋画全盛から日本映画中心の時代となったとは言え、ほとんどの作品が若者向け恋愛映画にアニメが人気です。そんな時代に牙を向いているのが、時折上映される時代劇ですが、過去のチャンバラ活劇と違ってシリアスなドラマ仕立てが多いように思います。そんな時代に逆行するがごとく生まれた本作。自主映画ながら、東映京都撮影所の粋な計らいで実現した作品です。物語は、長州藩士を打とうとした会津藩主の侍が刃を交えた瞬間、落雷に合い京都太秦撮影所にタイムスリップ。斬られ役として生計を立てようと悪戦苦闘するもの。大役を得るまでに成長した彼に思わぬ展開が待ち受けます。キャストも時代劇にふさわしい面々で、主人公の会...映画侍タイムスリッパー:シンプルな笑い話が心地よい

  • 2月美術展レビュー:円空大賞展・加藤孝造展・中谷ミユキ展

    今回は、2月に鑑賞した展覧会3件のレビューをお届けします。先ずは岐阜県美術展で3月6日まで開催中の「円空大賞展」を。円空大賞展は、岐阜県ゆかりの円空の独創性と慈愛に注目し、幅広い芸術分野の著名人などの推薦を経て選出される展覧会で、今回が12回目となり円空大賞1名、円空賞4名が選出されました。今回の展覧会は布と映像を用いた女性作家、マレーシアのイー・イランが大賞を受賞。土着性の高い色彩豊かな作品が印象的でした。円空賞の坂茂は段ボールなどの再生品を住宅にした建築のパネル写真でで紹介され紙の可能性を感じる展示でした。鴨池朋子は、刺繍された布による郷愁漂う作品が、どこか懐かしくまた造形物が自然と同化するように思えます。陶芸作品が並べられた吉田善彦は並べれた陶器に土の香りを感じ、こうした展示から陶芸の新たな可能性を...2月美術展レビュー:円空大賞展・加藤孝造展・中谷ミユキ展

  • パウル・クレー展 愛知県美術館

    現在、愛知県美術館で「パウル・クレー展創造をめぐる星座」が開催中です。1879年音楽一家の子としてスイスで生まれたパウル・クレー。画家になるべくドイツに・ミュンヘンに移り、カンディンスキーらの青騎士会に参加、後にバウハウスの教官となり第二次大戦下ではナチス政権の退廃芸術展の中心人物とされ迫害を受けた画家。しかしながら、クレーの芸術に対し、あまり知識がない美術ファンも多いかと思います。僕自身も親交のあったカンディンスキーと同じく、抽象画のイメージが強く作品に対する印象も薄かったのですが、今回の展覧会でその印象は一気に覆ることとなりました。その作品は多岐にわたり、写実的な表現から、音楽一家で育ったルーツを感じるメロディあすな表現。ピカソやブラックなどのキュビスムをクレーらしい色彩とキューブで表現した作品、さら...パウル・クレー展愛知県美術館

  • 映画 Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり:心打つ衝撃のラスト

    今回の映画レビューは、マレーシアと台湾で空前のヒットを記録し、スラム街で暮らす兄弟の絆を描いた「ブラザー富都のふたり」です。たまたまNHKの映画紹介で知った本作。台湾の金場奨や海外の映画祭でも数々の賞を取り、マレーシア、台湾で100万人の動員の大ヒットなり、今回オスカーの国際長編映画マレーシア代表作品(残念ながらノミネートされず)に選ばれています。現代は富都兄弟。マレーシアのスラム街で暮らす不法移民の兄と身分証明書のない弟。兄は警察から逃れながら真面目に働く聾者で弟は裏社会と繋がり、その日暮らしの生活をする正反対の兄弟ですが、心の奥底で固い絆を感じます。そんな中で二人の絆を揺るがす事件が発生します。事件のカギを握るのは弟の元に届けられた出生証明書。事件を境に兄弟の過去が少しずつ明らかになり、事件の真相も二...映画Brotherブラザー富都(プドゥ)のふたり:心打つ衝撃のラスト

  • 映画 バグダッド・カフェ 4Kレストア:蘇る希望の架け橋

    ※写真よりも美しい映像で蘇ってます。今回の映画レビューは、公開から35年。4Kでスクリーンで蘇ったロードムービーの傑作「バグダッド・カフェ」です。ミニシアターの火付け役として知られ、リバイバル上映やDVDでの鑑賞でファンの多い名作バグダッド・カフェ。僕もずいぶん前にDVDで鑑賞してたのですが、すっかり記憶の片隅に追いやられてました。そんな矢先のタイミングで鑑賞できたのが4Kでレストアされ未公開部分も含めた本作です。舞台はアメリカ西部の砂漠地帯に佇む寂れたカフェに場違いのドイツ人旅行者が訪れます。彼女の名はヤスミン(ジャスミン)夫婦喧嘩の末に置き去りにされた彼女の登場でカフェは活気付いていきます。常に家族の行動や態度に不機嫌な女主人ブレンダ。やる気のない従業員、ボーイハントで遊びほうけている娘に幼い子を抱え...映画バグダッド・カフェ4Kレストア:蘇る希望の架け橋

  • 映画 アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方:世界を呑み込むビジネスマン

    今回の映画レビューは、アメリカ大統領になったトランプのルーツ的映画「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」です。再び大統領となったドナルド・トランプ。今トランプ大統領の一挙手一投足に注目が集まっています。巨大な権力を持つアメリカ大統領の中でも類まれな存在であることは誰もが認めるところでしょう。それは、これほどまでに予測不能な大統領はいなかったと思います。そして、今回の映画は大統領就任を予測するように作られ、公開された事実に、本人は当然ながら批判してますが、アメリカの懐の深さを感じます。物語は、人種差別により政府から訴えられ不動産業を営む父の会社が倒産の危機にさらされる二十代のトランプからスタートします。父から受け継いだ仕事をまじめにこなすトランプに高級クラブの会員である悪名高い辣腕弁護士、ロイ・コー...映画アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方:世界を呑み込むビジネスマン

  • 映画 トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦:復活の香港カンフーアクション

    本日のシネマレビューは、香港歴代ナンバー1ヒット、アカデミー賞国際長編映画賞香港代表の「トワイライト・ウォリアーズ決戦!九龍城砦」です。かつてカンフーアクションや香港ノワールで栄華を極めた香港アクション。ジャキー・チェンをはじめ国際的に活躍する時代がありました。今やアクション作品も減り、日本でも上映館が少なくなる中で今密かに注目を集めているのが本作です。しかも舞台が、かつて香港象徴の存在だった九龍城砦ですから、香港アクションファンなら見逃せない作品です。物語は香港に密入国してきた若者チャン・ログワンが黒社会の掟に逆らったことで組織に追われ、九龍城砦に逃げ込みます。そこには訳ありの住人たちに城砦を仕切るボスと訳ありの住人達。彼らと絆を深め同世代の仲間もでき平穏な日々を過ごすなか、中国返還に絡む城砦取り壊しの...映画トワイライト・ウォリアーズ決戦!九龍城砦:復活の香港カンフーアクション

  • 布施知子ORIGAMI紙の鼓動 ヤマザキマザック美術館

    今回の美術展レビューは、ヤマザキマザック美術館で開催中の「布施知子ORIGAMI紙の鼓動」です。日本の伝統的な遊びとして誰もが慣れ親しんだ折り紙。幼少の頃に日本人なら一度は鶴を折った経験があると思います。そんな身近な折り紙の世界を芸術の分野に進化させたユニット折り紙の女王が布施知子氏です。今回の展覧会では近年制作している数多くの作品の中から、「ユニット折り」をはじめ、「スパイラルらせん折り」、「平折り」、「無限折り」、「ノット(結び目)による造形」など、多種多様な折り方によって無限の形と美しさを見せる折り紙の数々が展示されています。先ず会場入り口から白い折り紙の枯山水の紙の庭がお迎え、ガラスケースには一枚の紙を巧みに折りながら作られた立体作品の数々が展示され、美術館が誇るアールヌーボ期の調度品の床を赤や金...布施知子ORIGAMI紙の鼓動ヤマザキマザック美術館

  • 映画 敵:平穏の日常を脅かす突然のなにか

    本日の映画レビューは、筒井康原作で吉田大八監督、長塚京三主演の映画「敵」です。本作は、東京国際映画祭でグランプリを獲得し口コミで評判となった映画で1月17日から全国公開され、全編モノクロで映画として撮られています。主人公は妻に先立たれたフランス文学者の元教授、渡辺儀助。代々続く日本家屋に住み毎日の食事を自らが調理して暮らす生活を淡々と描いていきます。そんな暮らしの中で登場する人々との関係が描かれ静かな日常の中突然現れる敵が描かれています。先ずこの映画の特色として描かれるのが長塚演じる主人公の食卓シーン。日常の食卓は素朴でありながら手の込んだ調理で、元教え子が訪れると手の込んだフランス料理とワインが用意されます。その食事がモノクロながら食欲を注がれます。また、彼とかかわる女性たちの配役も亡き妻に黒沢あすか、...映画敵:平穏の日常を脅かす突然のなにか

  • 夢を追いかけた前衛の鼓動 碧南市藤井達吉現代美術館

    今回の美術展レビューは、碧南市にある藤井達吉現代美術館で開催中の「夢を追いかけた前衛の鼓動」展をお届けします。前衛芸術と言うと何を浮かべるでしょうか?おそらくは現代美術を思い浮かぶかと思います。前衛美術とは、本来は第一次大戦後のシュルレアリスムや抽象絵画をさしますが、日本においては第二次大戦後に新しく生まれた芸術を指すのではないでしょうか。今盛んに呼ばれている現代美術の源流に今回の展覧会があります。今や誰もが知る岡本太郎や草間彌生もこの時代に登場します。 今回の展覧会は、足利市立美術館に寄贈された浅川邦夫氏のコレクションにより構成された日本における現代美術の潮流となるものです。また、コレクターでもあった画商・浅川氏の作家との親密な関係や現代美術への愛情も伺えるでしょう。 展覧会は、浅川氏が在籍し、志水楠男...夢を追いかけた前衛の鼓動碧南市藤井達吉現代美術館

  • ジャン=ミッシェル・フォロン展 名古屋市美術館

    今回の美術展レビューは、名古屋市美術館で開催中のジャン=ミッシェル・フォロン展をお届けします。ジャン=ミッシェル・フォロンは、ベルギーを代表するアーティストで多彩な表現方法で20世紀後半に活躍したアーティストです。 僕も20代の頃からフォロンのグラデーションを生かしたやわらかい水彩画好きで、楽しみに没後20年、日本では30年ぶりの展覧会を楽しみしていました。フォロンは、アメリカの雑誌「ザ・ニューヨーカー」で挿絵が掲載されたことで一躍人気者となります。 フォロンの作品の特徴は透明水彩を用いてグラデーションで表現される幻想的な画風や鮮やかな色彩で制作されたシルクスクリーン版画による空想的な世界。一方でアムネスティ・インターナショナルのポスターデザインに代表される社会問題や社会風刺をテーマにした作風もあるのです...ジャン=ミッシェル・フォロン展名古屋市美術館

  • 僕のライブ参戦記2024

    昨日の1月22日にラブサイケデリコの振替公演が無事行われました。9月1日に突然の台風で公演中止。しかもライブハウスツアーでもあり心待ちにしたライブでした。表題にもありますが、今回は2024年のライブ観戦記としてお届けしたいと思います。新年の2025年に2024年かいなと突っ込み入れられそうですが、デリコのライブは2024年からツアーに付き、今回のライブを待っての感想をと言うことでよろしくお願いいたします。なお、演出とかショップリストとか詳細なものではなくグルーヴのみですのですので軽く受け流してくださいね。ライブ観戦は4アーチスト。先ずは、4月5日名古屋芸術創造センターでの「EGO-WRAPPIN’(エゴラッピン)」1996年結成の二人組音楽ユニット。中納良恵のボーカルと森雅樹のギターからなるグループで永瀬...僕のライブ参戦記2024

  • 映画 室井慎次 敗れざる&室井慎次 生き続ける者:心に生き続ける名作シリーズ

    本日の映画レビューは、先日連続して鑑賞してきました。室井慎次シリーズの「敗れざる者」と「生き続ける者」前後半です。 踊るシリーズは、僕にとってはドラマから欠かすことないシリーズ。ドラマと劇場版を組み合わせたヒット作で確か初めての試みあったのでは思います。そして、織田裕二演じる青島刑事と共に事件の捜査にあたった室井検事の存在は主人公の青島と人気を二分する存在であったと思ってます。青島が陽の存在なら陰の存在は室井。彼の存在があればこそ、青島が光り輝く。太陽と月の存在です。 今回の室井シリーズの最後にして全てが月のように感じるものでした。警察改革に敗れ故郷秋田で暮らす室井は、被害者家族・加害者家族の子供と一緒に暮らすなか、家の近くで他殺死体が発見され、さらに猟奇殺人犯として服役中の日向真奈美の娘、杏が現れたこと...映画室井慎次敗れざる&室井慎次生き続ける者:心に生き続ける名作シリーズ

  • 安野光雅展 稲沢市荻須記念美術館

    先日の11月23日と24日の連休を利用して、東海地区の美術展を巡ってきました。美術展は四ケ所で岐阜県美術館での山本芳翠オディロン・ルドン展、名都美術館の平山郁夫展、碧南市藤井達吉現代美術館の富岡鉄斎展と今回紹介する稲沢市荻須記念美術館の安野光雅展です。先ずは三館での美術展を簡単ですが紹介したいと思います。山本芳翠とオディロン・ルドン展ですが、岐阜県美術館が誇る日本とフランスを代表する近代洋画家の二人を同時に開催する展覧会で、岐阜県美術館の収蔵品に加え国内美術館の名品を網羅したことで注目を浴びました。時の首相、伊藤博文とも親交あった山本芳翠の皇居三の丸尚誠館所蔵の作品など文化庁の全面協力のもと118点の作品が並び、一方のオディロン・ルドン展は油彩画やパステル画、版画など300点の作品が網羅された大規模な展覧...安野光雅展稲沢市荻須記念美術館

  • 映画 海の沈黙

    久しぶりの映画レビューは、脚本家・倉本聰の集大成となる作品の映画化「海の沈黙」です。青春時代に影響されたドラマの脚本家、倉本聰さんが亡くなり、その集大成となる脚本が映画化されました。また、その脚本が芸術の世界を中心にしたミステリーとなればアートの仕事に携わる者としては観らずにえません。主演は本木雅弘でかつての恋人役には小泉今日子。かつて天才と騒がれた本木演じる孤高の画家、津山竜次。恋人だった安奈は、竜次の芸大時代の恩師、田村と夫婦の関係に。田村の展覧会に並べられた作品の中に贋作があり、その贋作を描いた人物は誰か?そして北海道で入墨の女性の遺体が発見され、二つの事件の容疑者として竜次が浮かび上がる。女性の遺体と贋作の真相が徐々に浮かびあがっていくミステリーとして、倉本聰らしい心象風景とての物語が展開されてい...映画海の沈黙

  • 相国寺展 愛知県美術館

    今回の展覧会レビューは、愛知県美術館で開催中の「相国寺展金閣・銀閣鳳凰がみつめた美の歴史」です。室町時代、三代将軍・足利義満により創建された相国寺。金閣、銀閣の通称で観光名所としても知られる鹿苑寺、慈照寺を擁する臨済宗相国寺派の大本山と知られてますが、最近では若冲ブームにより相国寺承天閣美術館を訪れる人により広くその名を知られるようになりました。今回の展覧会は承天閣美術館開館40周年を記念した展覧会で、国宝、重要文化財45件を含む大規模な寺跡を辿る展覧会となっています。残り一週間余りと会期終了近いレビューになりましたが、前期、後期と観覧して感じたのは、相国寺の成り立ちから考えれば、当然のことながら墨蹟の数が多いのは当然としてその歴史的な価値からも重要文化財に指定されているのも多いです。そこに対しては割愛し...相国寺展愛知県美術館

  • 田中一村展 奄美の光 魂の絵画 東京都美術館

    今回の美術展レビューは東京都美術館で12月1日まで開催中の「田中一村展奄美の光魂の絵画」です。  田中一村と言う日本画家を知る人は少ないかと思います。ただし、奄美大島で暮らす孤高の画家と言えば田中一村を思い出す美術ファンも多いのでは。田中一村は1908年に東京に生まれ、1977年に亡くなります。幼少期には神童と呼ばれ、東京美術学校(現東京藝大)に入学しますが、まもなく中退。千葉市に転居後は支援者に依頼品や青龍社や日展に出品しますが落選。中央画壇に失望し鹿児島でのスケッチ旅行を経験する中で50歳に奄美大島に移住。大島紬の工場や漁師などで生計を立てながら画家活動を続け、古希の70才を迎える前の69才にてこの世を去ります。 今回の展覧会は、神童ぶりを発揮する幼少期の南画作品や木彫家の父の手伝いを通じた木彫作品、...田中一村展奄美の光魂の絵画東京都美術館

  • 宇野亞喜良展 刈谷市美術館11月9まで

     今回の美術展レビューは、刈谷市美術館で開催されている「宇野亞喜良展」です。 日本を代表するイラストレーター、グラフィックデザイナーのひとり宇野亞喜良(うのあきら)1934年に愛知県で生まれた御年90才になるレジェンドデザイナーです。宇野さんの妖艶かつ愛らしい女性像を目にした方も多いと思いますが、今やコンピューターグラフィック全盛の時代にあって、1960年代から1970年代のイラスト、グラフィックの世界は、手描き作品が多く当時のデザイナーは個性的で卓越した技術を持っていました。なかでの宇野氏のイラストレーションは常に進化をし、その時代の流行の先端にマッチした斬新な作品ばかりです。そんな氏の片鱗を感じる幼少時代から作品から現在にいたる作品が一堂に介する全貌展が地元で開催されることはとても誇らしいです。また、...宇野亞喜良展刈谷市美術館11月9まで

  • 映画 ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ:賛否両論の意欲作

    今回は、ジョーカーの続編「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」のレビューです。賛否両論となった本作。ジョーカーの続編としてトッド・フィリップス監督と主演のホアキン・フェニックスが再タッグを組み、ジョーカーが出会う謎の女リー役でレディー・ガガが参加して服役した悪のヒーロージョーカー、アーサーと彼に恋い焦がれる謎の女性リーと恋愛模様を描いている内容です。と、簡単に言うとDCコミックのカリスマ、ジョーカーファンにとってはふざけた作品で更にミュージカル手法で、こき下ろしたと批判の真っただ中にさらし、更には前作で世界を席巻し最高傑作と言わしめたコアな映画ファンの怒りも買ったことで批判の渦に晒されました。当初期待を持っていち早く鑑賞するつもりが数々の否定派のレビューにより、心が折れかけたのは事実で今回のレビューとなりました...映画ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ:賛否両論の意欲作

  • 映画 初恋:新しい初恋の行方

    今回の映画レビューは、ネットフリックスで配信の2020年公開作品で三池崇史監督、窪田正孝主演のバイオレンス恋愛ドラマ「初恋」です。今回の作品2019年にカンヌやトロントなどの数多くの映画祭で絶賛され、2020年に逆輸入のかたちで公開されたのですが、見逃していたことを今頃になって思い出しました。ネットフリックスさん感謝です。三池監督作品は好きな方ですが、バイオレンスが先行していて、おそらくは恋愛ものの記憶はありません。で、タイトルが初恋。主演が窪田正孝。どんな作品に仕上がっているのか興味津々でしたが、期待以上の三池流恋愛ドラマでした。物語は、天涯孤独の天才ボクサー葛城レオ。格下相手にダウン負けを屈し更に脳腫瘍が見つかり余命宣告を受けます。失意の中で路上で助けを求める少女モニカを助けたことから、刑事とヤクザ、...映画初恋:新しい初恋の行方

  • 映画 Cloud クラウド:ノンストップバイオレンスホラー

    今回の映画レビューは黒沢清監督、菅田将暉主演の「Cloudクラウド」です。菅田将暉を主演に迎え、初っ端から転売屋吉井として叩いて買った商品を高額で売り飛ばす悪い菅田が登場。表向きは工場で働く無欲な青年を演じながら、転売屋として己の欲望を昇華していく青年の本当の姿がむき出しになっていきます。そして、彼を成敗しようとする男たちは、かつての被害者たち。人生を狂わされた市井の良い人。銃やライフルで吉井を狙います。そして吉井と共に男たちに立ち向かうのは吉井がクビにしたスタッフの青年佐野。佐野を演じるのは、長澤まさみ主演の映画マザーでデビューを果たした奥平大兼で謎めいた過去を持つクールな青年の裏の顔が出ることで物語はノンストップバイオレンスへと進みます。端正な顔立ちの菅田と奥平は、どこか共通の雰囲気を醸し出していて二...映画Cloudクラウド:ノンストップバイオレンスホラー

  • 映画 赦し:重い問題に取り組んだ力作

    本日の映画レビューは2022年作品で彩プロ配給の「赦し」です。最近Amazonプライムでいち早く日本映画の秀作が観れるようになりました。今回の作品も劇場公開が限られ時期を逃した作品で、未成年の殺人事件で20年の量刑を課せられ服役中の女性囚の再審裁判による被害者家族のその後の人生と再審による生まれる葛藤と救済を描いた裁判劇です。主演の松浦りょうは、中島哲也監督の映画「渇き。」でデビュー。今回はいじめにより同級生を殺害した女囚役、福田夏奈として、その冷めた瞳とは裏腹に自らの罪を認めながらも、新たな弁護士の思惑と憎悪に満ちた被害者の父と対峙する難しい感情を見事に演じています。また被害者の母親にはMEGUMIが新しいパートナー役に藤森慎吾が担っています。裁判の過程でわかる様々な現実事象が詳細に描かれ、殺人の罪は赦...映画赦し:重い問題に取り組んだ力作

  • 映画 ラストマイル:時代を先取りしたパニックサスペンス

    今回はロングランヒットを続けている映画「ラストマイル」のレビューです。満島ひかりと岡田将生主演の本作。ドラマ「MIU404」と「アンナチュラル」のキャストを加えた爆破テロによる4日間を描いたパニックムービーとして展開されます。巨大ショッピングサイトのブラックフライデーの前夜。段ボールが爆発する事件が起きます。犯人は12個の爆弾を仕掛けたと予告。巨大物流センターのセンター長に着信したばかりの満島演じるエレナと岡田演じるチーム長の梨元は事件の収拾に奮闘します。物流の2024年問題をベースにした内容は、ネットショッピングに直接かかわる自分としても深刻な問題で、爆破テロが細微に紐づけされたパニックと労働環境を通じた人間ドラマはなかなかの出来栄えです。爆弾収拾に奮闘する当事者や二つのドラマを作り上げた事件解決も良く...映画ラストマイル:時代を先取りしたパニックサスペンス

  • 9月の東海地方美術展レビュー 9月23日まで開催中

    暑さもまだまだ続いている昨今。外に出かけるのも億劫な今年の9月ですが、そんな中で地元東海地方で足を運んだ美術展のレビューをしたいと思います。今回訪れたのは愛知県のメナード美術館、愛知県美術館、名都美術館、豊田市美術館の4館での美術展をレビューします。先ずは、いつも僕が仕事途中によく訪れるメナード美術館の額縁のむこうのFRANCEメナード美術館のフランス画家の所蔵品を中心に展示された本展。ポスト印象派やフォービズムやキュビズムの有名画家たちの作品を美術拠点であったモンマルトルとモンパルナスにスポットを当て画家たちの隠れたエピソードも交えながら、構成されていて楽しい展示でした。愛知県美術館のアブソリュート・チェアーズは椅子本来の機能からとどまらない現代美術家の椅子作品が並ぶユニークな展覧会現代美術の先駆者であ...9月の東海地方美術展レビュー9月23日まで開催中

  • 映画 愛に乱暴 :繰り返す性

    今回の映画レビューは、江口のりこ主演、吉田修一原作の「愛に乱暴」です。無表情さの中に独特な存在感が光る女優、江口のりこ。ドラマではユーモラスな配役が多い彼女ですが、今回はじわじわと来る恐ろしさを持つ主婦を演じています。一方、共演の小泉孝太郎は真面目で冷静な役柄が多いですが、今回は優柔不断で妻に無関心で愛人と二重生活を送る夫を演じています。さんかく窓の外側は夜の森ガキ侑大が監督を担当しています。母と別世帯で暮らす元キャリアウーマンの妻、桃子は、口数が少なく無関心を装う夫の真守との間で子供を授かることを願いながら日々の料理や趣味の石鹸教室の講師として生活を送ってます。そんな中でゴミ捨て場の不審火や愛猫が行方不明になるなどの事件が起こり、夫の告白により日常が崩れていきます。吉田修一原作の映画「悪人」や「怒り」な...映画愛に乱暴:繰り返す性

  • 映画 キングダム 大将軍の帰還 圧倒する存在感が光る

    本日の映画レビューは、シリーズ最終章「キングダム大将軍の帰還」です。公開から一か月を過ぎて、そろそろ余裕で鑑賞できるかと思っていたのですが、台風一過の状況にも関わらす結構鑑賞者で賑わってました。キングダムの人気を伺えます。さて今回の大将軍の帰還は、みなさん知っての通り、山崎賢人演じる飛信隊の信が中心ではなく、信が尊敬崇拝する秦国の大将軍、大沢たかお演じる王騎が主役です。前作で突如現れた趙軍の総大将、吉川晃司演じるほうけんとの因縁を中心に描かれ、壮絶な戦いがくり広がられていきます。王騎とほうけん、二人のキャラクターは正に原作から飛び出したようなキャラクターで、まさに総大将にふさわしい存在感です。二人は正に陽と陰。さらに二人の因縁が徐々に浮き彫りになると否応なしにヒートアップしていきます。また、その戦い方も相...映画キングダム大将軍の帰還圧倒する存在感が光る

  • Netflix ドラマ 地面師たち 時代を映すバイオレンスミステリー

    ここのところ、Netflixの新作を鑑賞し結構自分の中でバズってます。今回は世間的にもバズってた「地面師たち」です。 地面師の説明は動画でおわかりかと思います。内容は新庄耕の原作を基に大根仁監督、脚本で構成されています。事件のモデルは2018年に大手住宅メーカー積水ハウスが50億円をだまし取られた詐欺事件。地面師たちの中心人物でフィクサーでもある豊川悦司演じるハリソン山中を中心に実行犯である辻本匠海(綾野剛)竹下(北村一輝)麗子(小池栄子)後藤(ピエール瀧)の事件にある背景を詳細に描きながら、犯人像に加え事件を追う人、騙される人も個性的で、とても魅力的です。また、過去の詐欺師事件をモデルにした作品に関連し、一部では実際の事件からの膨らませ方に疑問を持つ方もいるようですが、例えば最近話題となっていたルフィ強...Netflixドラマ地面師たち時代を映すバイオレンスミステリー

  • 映画 お隣さんはヒトラー? 新感覚のナチス映画

    夏休み期間の映画館は、親子で賑わいますね。今も昔も変わらない光景に、映画館は娯楽文化として根強い人気があることに映画ファンとしては嬉しいです。この時期は混みあうので、ゆったり鑑賞したい僕としては、コアな作品を鑑賞するのですが、僕の映画のライフワークであるホロコーストをテーマにした作品「お隣さんはヒトラー?」が公開されています。 舞台は南米コロンビアの田舎町。ホロコーストを生き延びた初老の男が一人住んでいます。そこに空き家になっていた家に一人の男が引っ越して来ます。土地の境界線トラブルで亡き妻の愛したバラを奪われた男は、隣人の風貌を観てアドルフ・ヒトラーであることを確信します。男は証拠を集め、そして決定的な証拠となる自作の絵を入手するのですが。果たして彼は本物のヒトラーでしょうか。今回の映画はヒトラー南米逃...映画お隣さんはヒトラー?新感覚のナチス映画

  • 生誕130年記念 北川民次展にみる大衆芸術

    現在名古屋市美術館で「生誕130年記念北川民次展」が開催されている。北川民次の存在を知ったのは名古屋にある老舗の蕎麦屋に掛けられた干支寅の色紙絵だった。太い線描で描かれた干支は、色紙絵ながら強い印象を付けた。北川は静岡生まれではあるが、戦後は瀬戸を拠点に制作を続け、愛知にゆかりの深い画家となった。今回の名古屋市美術館にはモディリアーニのおさげ髪の少女を中心にしたエコール・ド・パリの画家作品のスペースと共にオロスコ、リベラなどのメキシコ壁画運動の画家やフリーダ・カーロ、タマヨなどのメキシコ絵画の巨匠の作品を収蔵している。北川は当時の画家たちが渡仏するのに対し、渡米、そして15年にわたりメキシコで画家、美術教育者として活動している。彼にとってはメキシコは芸術と教育のルーツであろう。愛知県には、今もモザイク壁画...生誕130年記念北川民次展にみる大衆芸術

  • 映画 メイ・ディセンバー ゆれる真実:の行方

    ノンフィクションをフィクションに昇華したサスペンス映画「メイ・ディセンバー」は二人の女優により更にメタモルフォーゼされた。 1990年代に実際にアメリカで起こったメイ・ディセンバー事件。日本でも36才の女性教師と13才の生徒が性犯罪事件としてスキャンダラスに報じられたが、その後、獄中出産と出所後に結婚し家庭を築いていた。今回の作品は、事件を基にフィクションされた原作を基にキャロルのトッド・ヘインズ監督に主演のナタリー・ポートマンが制作に加わりジュリアンムーアが妻役として映画化されたもの。映画は、妻グレイシーと夫ジョンは、結婚20年後に家庭が舞台。二人を取り上げる映画が製作されることになり、妻役を演じることになったナタリー・ポートマン演じるエリザベスが周辺を取材し二人と関わることで起こる心理サスペンス。実際...映画メイ・ディセンバーゆれる真実:の行方

  • 映画 朽ちないサクラ 杉咲花の憂い

    杉咲花の主演のドラマ「アンメット」を観たあと、この映画「朽ちないサクラ」を観て今までにない杉咲花を感じた。 先ず最初に前置きしておきます。柚月裕子原作で人気となった「狐狼の血」と比較してはいけない作品だと思っています。また、御託を並べて酷評することが趣味のような自称映画評論家は好きではないので、どの作品もかつての淀川長春さんのような感想しか述べないのでご了解ください。なぜ、虎狼の血と比較してはいけないと言うと今回の作品は、常人の感情で描かれているからです。その常人を演じたのが杉咲花だったからです。舞台は愛知県。実際には蒲郡をロケ地に選び、意識的に桜の咲く季節に撮影されています。ある日、川に地元の女性記者の変死体が発見されます。彼女は県警の広報職員、杉崎演じる森口泉の親友の津村千佳。実はあるストーカー被害の...映画朽ちないサクラ杉咲花の憂い

  • 女性にオススメの美術展 愛知県

    アート店主がおすすめの現在愛知県名古屋市内で開催中の美術展を3展紹介します。先ずは6月30日と会期終了が迫っている。美術展から紹介します。愛知県近郊の方は、地下鉄東山線沿線ですので、一日かけて鑑賞されても楽しい美術展です。最初に紹介するのは栄駅下車の愛知県美術館で開催の「コスチュームジュエリー美の変革者たちーシャネル、ディオール、スキャッパレリ」コスチュームジュエリーとは宝石や貴金属を用いず、ガラスや貝、樹脂などの多種多様な素材を使ってデザインされたファッションジュエリー。「これは、偽りなく美しいニセモノのジュエリー」とシャネルの言葉通り、素材を巧みにデザインすることで生まれるデザインシュエリーは、どれもオリジナリティーにあふれています。そして、このコレクションの全てが日本人女性、小瀧千佐子氏の所有で構成...女性にオススメの美術展愛知県

  • 映画 あんのこと:ささやかな希望がもたらした絶望

    今回は河合優実主演、佐藤二朗と稲垣吾郎共演で入江悠監督の映画「あんのこと」の紹介です。この作品心して観てほしい問題作であり傑作です。SRサイタマノラッパーで鮮烈なデビューを果たした入江悠監督が僕がもっとも期待する若手女優、河合優実を主演に迎えた本作。2020年に起きたある少女の壮絶な人生を綴った新聞記事を基に制作された実話です。幼い頃から母親から虐待を受け、小学校にも行けずまともな教育を受けられず、売春で生計支える21歳の少女あん。ある日、覚せい剤所持の容疑で取り調べで出会った刑事、多々羅と週刊誌記者桐野と出会い、介護施設で働きながら、夜学に通いながら更生の道を歩んでいきます。一筋の希望の光が差し始めた時、自分を助けてくれた刑事の犯罪やコロナ禍により生活が一変。再び奈落の底に落とされていきます。今回の作品...映画あんのこと:ささやかな希望がもたらした絶望

  • 映画 関心領域が示す新視点

      先日、ジョナサン・グレイザー監督による「関心領域」を鑑賞しました。ホロコーストをテーマにした映画は僕にとっては映画鑑賞におけるライフワークとして数多くの作品を観てきました。 今回の作品は、僕にとって新しい視点で描かれ、恐怖が体の中にじわじわと注ぎ込めれるような作品でした。 マーティン・エイミスの同名小説を原作に、アウシュビッツ収容所の隣で生活する家族の幸福な日常を淡々と描いていますが、冒頭やシーンに切り替え時におぼろげなスクリーンとノイズが日常の生活を遮るように現れます。かつて、MTVなどのミュージックビデオの世界で活躍した監督らしい斬新な演出に翌朝に軽い頭痛を感じるほどでした。 また、家族の日常の隣では、叫び声や暗闇を突くオレンジ色の炎など収容所で行われる地獄の日常が間接的描かれています。 僕がもっ...映画関心領域が示す新視点

  • 65オヤジの履歴書(完)

    僕の人生の転機となった保護犬茶々丸(2008年10月26日永眠)修業時代を終えた僕は、家業の美術商の仕事に。美術商と言っても絵画と額縁を販売するアートショップと言う感じの仕事で、脱サラした父が運よく地方スーパーと取引ができ納品の日々を過ごします。ただ、このスーパー。大手のスーパーとは違って呉服商をルーツに持つデパートに近い総合スーパーで、外商と呉服に太い客を持っていて、年に一度各支店が競って展示会を開いてました。そのこともあって、絵画や掛軸などの美術品と高級絨毯や輪島塗工芸などの展示会で数千万の売上がありました。とは言っても卸業ですから、こちらに入る利益も少なく、少しづつ小売業にシフトしながら、現在はネット通販へと業態変化していきます。30代までは仕事と当時入会していた青年会議所や商工会などのボランティア...65オヤジの履歴書(完)

  • 65オヤジの履歴書(4)

    修業先がH市に決まり、最初に買おうと決めていたのがイタリアのスクーター、ベスパ。ローマの休日やアメリカングラフィティでタイガーが乗っていたスクーターで後にさらば青春の光、こちらは主流がランブレッタでしたが、モッズが乗り回してた憧れのスクーター。H市はポンポン(バイク)の町で有名で国産バイクに交って、ベスパ専門のバイクショップもあり中古で白のベスパ50Sをローンで購入。その後事故で初代を失いましたが、相手の過失もあり、二代目はグレーのベスパを手に入れることができました。二代目はエンジンの調子も良く、30才まで僕の相棒となりました。修業先は、市内外に5店舗を構える画材と額縁、美術品を扱うアートショップを社長一代で築いた会社で、三年の契約で働くことになったのですが、長身で戦争下で少年通信兵だった社長は、とても厳...65オヤジの履歴書(4)

  • 65オヤジの履歴書(3)

    大学に進学した僕は大学生活よりもアフターライフの方が楽しい日々でした。当時のスナックは30代前後のオーナーが多く、個性的でおしゃれな人からファッションや音楽などを教わる機会もあり世代を超えて出会いがありました。そんな時間がとても新鮮でした。通っていたお店のマスターがディスコ好きだったこともあって、よくディスコにで出かけてました。そのディスコは深夜に人が集まる店でアンダーグランドな世界でした。ハーフの黒人店長からは、童顔もあってかボクと呼ばれてました。彼は僕をディスコの中の危ない部分から守ってくれてたように思います。そんな僕は、とにかくダンスが好きでした。ダンスが好きだったのは、たぶん中学、高校時代の周波数を合わせながらかすかに聞こえてくるFENのラジオ放送とソウルトレインのテレビ番組があったからだと思いま...65オヤジの履歴書(3)

  • 65オヤジの履歴書(2)

    サッカー部を退部してからの僕は、音楽とファッションに興味が移っていきます。高校時代はジョージルーカスの出世作「アメリカングラフィティ」のロングランヒットでオールディーズがブームになり、当時のVANによりIVYや今のアメカジブームが長く続きます。僕の例に漏れず当時のファッションで映画館に足繫く通いました。当時の男子はリチャード・ドレイファスが演じたカートのIVYファッションかフォードの改造車を乗り回すジョンのロックンロールスタイルに誰もが憧れてました。その後に続く、サタデーナイトフィーバーやさらば青春の光など、青春映画の系譜の中で音楽とファッションは欠かせない存在となっていきます。そして僕がもっとも影響した雑誌が前回紹介した講談社から刊行されたアパッチ。当時の若者雑誌は週刊プレーボーイと平凡パンチでそこに割...65オヤジの履歴書(2)

  • 65オヤジの履歴書(1)

    本日5月10日65才になりました。同級生は、ほぼ年金をもらう年齢になりましたが、僕は小遣い程度の国民年金なのでとりあえず今は支給年齢延ばしてます。と言うのも、最近3才下の弟をそして92才になる父を亡くし、少し人生計画を軌道修正せざる得ない状況です。今まで好きな美術鑑賞や映画鑑賞、グルメなどをレビューきましたが、今日から少し趣向を変えて65オヤジのスタイルブックと題して徒然なるままに僕の65年間で培ってきた様々な知識やスタイルを紹介したいと思います。先ずは改めての「65オヤジの履歴書」で65年間を振りかってみます。1959年5月10日K市に生まれ現在の在住小学、中学とスポーツを図画工作が好きでソフトボールやサッカー、絵画教室などに通って絵をかいてました。子供の頃から、近くの洋品店で自分で服を選び、誰もが好き...65オヤジの履歴書(1)

  • 新潟アート旅 横山蒼鳳さんの書いたことば展 砂丘館

    4月20日から21日にかけて新潟車中泊アート旅に行ってきました。今回のアート旅は御縁を頂いた娘さんからのご招待で新潟で活躍された書家・横山蒼鳳(故人)展が目的でした。先ずは「横山蒼鳳さんの書いたことば」展のアートレビューをします。 横山蒼鳳氏は、高校時代に江川蒼竹に師事。青年期に会津八一薫陶を受け書の道に進み、病院勤務や福祉関係の要職に就きながら一貫して書の道を究めた異色の書家です。僕が横山蒼鳳さんを知ることとなったのがたまた美術商の交換会で入手した作品をインスタグラムにアップしたことでした。その作品が三女の純さんの目にとまり他の作品を知るところとなり、今回の展覧会に入手した作品を寄贈することにしました。そうしたSNSでの交流の中で、他の作品を直に感じたいと4月21日のギャラリートークに参加することにしま...新潟アート旅横山蒼鳳さんの書いたことば展砂丘館

  • 映画 オッペンハイマー

    本日の映画レビューは、本年度アカデミー賞を席巻したクリストファー・ノーラン監督、キリアン・マーフィー主演の「オッペンハイマー」です。身内に不幸があり、いろいろと多忙を極めていたこととテンションが上がらないまま映画館への足も遠のいてました。まだリミットいっぱいとはいかないですが徐々に上げていこうと思います。さて今回は、原子爆弾の父で日本人にとっては広島、長崎の不幸を生み出した天才物理学者の人生を描いた映画です。前編会話劇でつながっていく長編作品ですが、彼のスキャンダラスな人生や原子爆弾開発によるマンハッタン計画の責任者になったことで起こる悲劇を様々な視点から描いています。物理学に疎い僕は彼の人柄や人生観を中心に鑑賞しました。作品の冒頭でアインシュタインとオッペンハイマーが裏庭での会話から別れるシーンが遠巻き...映画オッペンハイマー

  • 第80回ヴェネチア国際映画祭最高賞、金獅子賞受賞!『哀れなるものたち』予告編│2024年1月26日(金)公開!

    本日の映画レビューは、エマ・ストーン主演、ヨルゴス・ランティモス監督の「哀れなるものたち」です。第80回ヴェネチア国際映画祭最高賞、金獅子賞受賞した話題作は、女王陛下のお気に入りの監督と今最も旬の女優がタッグを組んだもので、原作は19世紀を舞台にしたファンタジックサスペンスといった形のものです。物語は身重の主人公の女性ベラが海に身をなげるシーンからスタート。ウイルム・デフォー演じる異色な風貌の天才外科医ゴドウイン・バクスターにより、胎児の脳を移植されたベラが外の世界に飛び出し幼児から成人へと成長していく姿を描いています。そうした体験の中心はR18指定がさすように、性体験を通して大人への階段を歩んで行くのですが19世紀の舞台だけあって当時に風俗や社会慣習を背景にしており、その結ぶ付きも得できるものでした。エ...第80回ヴェネチア国際映画祭最高賞、金獅子賞受賞!『哀れなるものたち』予告編│2024年1月26日(金)公開!

  • 杉浦非水の世界展 ヤマザキマザック美術館

    本日の美術展レビューは、ヤマザキマザック美術館で開催中の日本グラフィック界の先駆者「レトロ・モダン・おしゃれ杉浦非水の世界」展です。 杉浦非水は近代洋画の巨匠、黒田清輝がパリ万博で持ち帰った絵ハガキや資料によりアール・ヌーヴォーのデザインを知り、大正時代にヨーロッパ留学によりアール・デコのデザインに触れた日本のグラフィックデザインの先駆者ですが、一般的にはその画業は知られていないと思います。実は彼は、三越に入社後にポスターや広報誌を手掛け戦前から戦中、戦後の日本の商業デザインに深く携わっています。 今回の展覧会は、三越の前進である三越呉服店や銀座三越のポスターをはじめ、日本交通公社の機関誌やたばこパッケージや画家非水の画業を示す木版画集「非水百貨譜」など非水のデザインの軌跡をたどる展覧会となっています。 ...杉浦非水の世界展ヤマザキマザック美術館

  • ガウディとサグラダファミリア展&VRでよみがえるガウディ

    本日の美術展レビューは、名古屋市美術館で3月10日まで開催中の「ガウディとサグラダファミリア展」です。また、関連企画としてNHK名古屋放送センターで初公開のVRでよみがえるガウディーサグラダファミリアの秘密にもVR体験してきました。ガウディとサグラダファミリア展は昨年早々に鑑賞してきましたが、会場で知ったVRでよみがえるガウディを体験してからレビューしようと本日になりました。 アントニ・ガウディ、建築に興味がない人でも天才建築家の名前を知る人は多いかと思います。そして彼の死後未だ未完の建築がスペインバルセロナにある大聖堂サグラダファミリア。また、その建築に主任彫刻家として44年以上携わっている外尾悦郎さんの存在により広く日本に知られています。その大聖堂が140年以上の時を経ていよいよ完成が近づいています。...ガウディとサグラダファミリア展&VRでよみがえるガウディ

  • 映画 僕らの世界が交わるまで

    今回の映画レビューはジュリアン・ムーアとフィン・ウォルフハードが親子役で共演の「僕らの世界が交わるまで」です。話題作を次々に送り出す最も勢いのある映画スタジオA24。今回はソーシャルネットワークの俳優ジェシー・アイゼンバーグの長編初監督作品で、エマ・ストーンがプロジューサーのひとりに加わり、名優ジュリアン・ムーアとドラマシリーズ、ストレンジャー・シングスのフィン・ウォルフハードが共演と何かと話題の多い作品ですが、なぜか辛辣なレビューが多く、どんなものかと劇場鑑賞してきました。内容はYouTubeで2万人のフォロワーを持つ高校生ミュージシャン、ジギーとDV被害のシェルターを運営する母エヴリン親子のすれ違いのドタバタ劇。思春期の息子と母親のよくある難しい関係だが、この二人、実はKYの似た者親子ってところが実に...映画僕らの世界が交わるまで

  • 映画 BAD LANDS バッド・ランズ

    映画館で観れなかった作品をサブスクで観るシリーズ。今回はネットフリックスから安藤サクラ&山田涼介共演の原田眞人監督作品「バッド・ランズ」です。 今回の作品は原田眞人監督による現代アクション作品ですが、2022年に公開された岡田准一と坂口健太郎が共演した「ヘルドッグス」がとても面白かったので期待して視聴しました。物語は大阪で特殊詐欺グループに所属する安藤サクラ演じるネリと山田涼介演じる弟のジョーがある3億円の闇の金を手に入れたことから様々な組織に狙われるというシンプルな内容です。しかしながら、そのシンプルさは大阪と言う町とそこに暮らす人間たちの個性がぶつかり合ってディープな人間模様が展開されます。ネリとジョーに関わる一癖も二癖もある人間が、例えば詐欺グループの頭、高城を生瀬勝久、頭のビジネスパートナーに天童...映画BADLANDSバッド・ランズ

  • 映画 PERFECT DAYS

    本年最初の映画レビューは、ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演のPERFECTDAYS-パーフェクトデイズです。今年から少し映画鑑賞のペースを緩めようと思います。僕にとって映画はライフスタイルのひとつで決してすべてではないのですが、何か追われるように新作映画を観てきましたが、65歳を迎える年を機に本当に観たいなと思う作品だけを映画館で観ようと思います。今はサブスクでも見逃していた作品をありゆったりと楽しんでいきます。そんな今の僕の気分にぴったりの作品をヴィム・ヴェンダーズ監督が届けてくれました。パーフェクトデイズの主人公・平山は、都内の公共トイレの清掃人。浅草の旧いアパートに住み隣人の掃き掃除の音で目を覚まし長年にわたり身に付いた習慣の中で日常を送ります。僕にとってはそうしたありふれたに日常が美しくおし...映画PERFECTDAYS

  • 映画 #マンホール

    映画館で観れなかった作品をDVD(改サブスク)で観るシリーズ。今回は中島裕翔主演の「#マンホール」です。今やジャニーズ問題もあってか、あまり出演がない中島裕翔君ですが、役者としての演技力はかってる私。今回はネットフリックスで視聴しました。数々の若手俳優を起用してきた熊切和嘉監督とライアーゲームやマスカレードシリーズなどエンターテーメント作品の脚本で知られる岡田道尚氏がタッグを組んだ作品です。ハッシュタグ・マンホールがこの作品の肝です。物語はエリート営業マンの川村俊介が社長令嬢との結婚式の前夜、会社のお祝い会の帰りにマンホールに落ちてしまいます。スマホのGPS機能で警察に場所を知らせるも場所が不明。月明かりの中のかすかな地上の映像を頼りにマンホール女のアカウントでSNSでの協力を仰ぎます。そしてマンホールの...映画#マンホール

  • テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ 大阪中之島美術館

    本日の美術展レビューは大阪中之島美術館で1月14日まで開催中の「テート美術館展光―ターナー、印象派から現代へ」です。今回の展覧会は、東京での新国立美術館からの巡回展で、長沢芦雪展が同時期に開催されていることもあり去る11月23日に鑑賞しました。英国テート美術館のコレクションの中から光をテーマにして200年の美術史を巡る注目の美術展です。先ず最初に登場するのは、イギリスを代表する風景画家であり光の画家ともいわれるターナーのモーゼの十戒をテーマにした作品。大洪水の後に降り注ぐ神の光が広がる神秘的な大作です。写実的な風景画とは異なるターナーの独特な世界観が新鮮です。そして光と言えば印象派の画家のモネやシスレー、またターナーの同時代を生きた英国を代表するブレッドやコンスタブルの作品は自然界の光を忠実に描ききり清々...テート美術館展光―ターナー、印象派から現代へ大阪中之島美術館

  • 映画 首

    今回の映画レビューは、北野武監督作品の「首」です。ここのところ忙しさにかまけて、映画レビューもできずにいました。と言うか映画館に行く時間もなかったのが事実ですが、たまたま仕事でのトラブルが円満解決したので帰りに映画でも観ようと賛否両論の「首」を観ることに。北野作品はヨーロッパでは無条件に高評価で意外と日本では賛否が分かれるところ。ただ個人的には好き嫌いの単純なところではないかと思っています。今回の作品はアウトレイジシリーズの時代劇版のイメージかなと予測しながら鑑賞しましたが、ところが随所に時代劇に対するアンチテーゼ的な意味合いの強い作品でした。物語の主題は明智光秀による謀反、本能寺の変前後を描いていますが、タイトルの首にあるように次々に首が飛びます。また歴史の闇の部分である武将同士の性愛を中心に描き戦国武...映画首

  • 映画 キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

    本日の映画レビューは、スコセッシ監督最新作でディカプリオ主演、デ・ニーロ共演の「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」です。3時間28分に及ぶ長編作品は1920年代の西部劇サスペンスで、ベストセラーノンフィクション「花殺し月の殺人インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」を原作を基に制作されていますが当初は、事件を捜査したFBI捜査官を主人公に制作予定でしたがディカプリオの助言により主犯格の共犯者で甥のアーネストを主人公に替えて再構築された映画になったというエピソードがあります。石油発掘により巨額の富を得た先住民のオーセージ族とその利権を奪おうとするロバート・デ・ニーロ演じる主犯格のウイリアムスとレオナルド・ディカプリオ演じるアーネストを中心に犯行の過程と事件解決にいたった二人の苦悩と確執を描いた作品です。そ...映画キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

  • 映画 月

    本日の映画レビューは、石井裕也監督、宮沢りえ主演の映画「月」です。今回の作品は、実際に起きた障がい者施設殺傷事件を基にした辺見庸の同名小説を原作に舟を編むの石井裕也監督が脚本によりもので、新聞記者で知られる河村光庸氏の突然の死により実現が難しくなりましたがようやく実現にこぎついたものです。物語は、宮沢りえが演じる元人気小説家の堂島洋子が、定職につけない夫との生活を支えるために重度障がい者施設に働き、作家志望の陽子やさとくんと呼ばれる青年と共に働く中で入所者たちへの同僚のイジメや隔離された入所者や寝たきりの入所者などとの出会いを通じて、正義とは何か使命感とは何かを問う内容となっています。と、書けばとても清々しい内容のように思いますが、見たくないものにふたをしてしまう人間の偽善的な心根を突き付けられ重苦しさだ...映画月

  • 福田美蘭展 名古屋市美術館

    今回の展覧会レビューは、名古屋市美術館で開催中の「福田美蘭展」です。一般的に日本の現代美術を語る上で思い浮かぶアーティストは誰でしょうか。今なら村上隆を筆頭に草間彌生、奈良美智などではないでしょうか。今回の展覧会の主人公である福田美蘭(ふくだみらん)は村上隆と同年代であり東京藝大時代にも重なります。僕にとって画壇での知名度は福田美蘭の方が強く今でも現代美術を平易な形で表現できる唯一無二の存在だと思っています。福田美蘭は現在60歳。東京藝大油画専攻を卒業後、画壇の芥川賞と言われる安井賞を史上最年少の26歳で受賞、具象画から古典絵画などの名画をモチーフに彼女独自の解釈で発表する作品で注目される国際的に評価の高い画家で、今回の展覧会は彼女の画業の集大成ともいえる展覧会であり、現代美術を知る上でたいへん有意義な展...福田美蘭展名古屋市美術館

  • 映画 バーナデット ママは行方不明

    本日の映画レビューは、ケイト・ブランシェット主演でリチャード・リンクレイター監督の「バーナデットママは行方不明」です。TARでの孤高の女性指揮者の演技が今も強く残るケイト・ブランシェットですが、今回の役どころは打って変わって元天才建築士で今は主婦で周囲になじめない女性を好演しています。バーナデットはIT企業に勤める夫と親友のような娘ビーとシアトルに暮らす主婦。彼女は極度の人間嫌いで娘の学校への送り迎え以外は古い城のような邸宅に引きこもっています。そんな彼女もかつては天才建築士と名をはせ仕事に意欲的に取り組んでいた。そんなある日、娘の同級生とのトラブルが重なりある事件をきっかけに突然行方不明に。彼女の向かった先はなんと南極だった。前半は彼女の人間嫌いの行動がコミカルに描かれ、やがて天才建築士として華々しい活...映画バーナデットママは行方不明

  • 和田誠展 刈谷市美術館

    本日の美術展レビューは、刈谷市美術館で開催中の日本を代表するイラストレーター「和田誠展」です。僕がアートの仕事に興味を抱き、現在の美術商の仕事をするきっかけになったのは、学生時代に目に触れることが多かったイラストレーターの世界でした。当時は昭和後期の70年代から80年代、雑誌を通じてイラストレーターを知り、空山基、横尾忠則、宇野亜紀良、及川正通、安西水丸さんなど、個性的な作風で雑誌や本の表紙を飾っていました。中でも東京イラストレーターズクラブの創設者のひとりとして黎明期から活躍し、イラストのみならず装丁やエッセイ、アニメ、作曲、映画監督など幅広く活躍されたのが今回の展覧会の主役、和田誠です。和田誠は1936年大阪生まれ。世田谷の小学校に転入後、漫画や映画の世界に没頭、武蔵野美大図案科に入り学生時代から才能...和田誠展刈谷市美術館

  • 映画 ふたりのマエストロ

    本日の映画レビューは、マエストロ親子の確執と愛を描いたフランス映画「ふたりのマエストロ」です。フランス映画は人間愛を描いた作品が多く、また音楽をテーマにした作品を数多く存在します。今回の映画も名指揮者として名を馳せた二人の親子に突如起こった事件をきっかけに、ライバル関係でもある親子の確執から家族愛へと進むヒューマンドラマです。監督は俳優としても知られるブリュノ・シッシュ、プロデューサーに「コーダあいのうた」のフリップ・ルースロが担当しています。パリのクラシック界で指揮者として地位も名声も得た父フランソワと息子ドニ。二人は性格も異なり、とりわけ父は息子に対してライバル心を強く持ち、ぎくしゃくした関係が続いてます。そんなある日、父フランソワに夢であったミラノ・スカラ座での音楽監督の依頼が飛び込んできます。しか...映画ふたりのマエストロ

  • 映画 福田村事件

    本日の映画レビューは、関東大震災から100年、森達也監督初の劇映画作品「福田村事件」です。FAKEやA2など数々のドキュメンタリ作品を手掛けてきた森達也監督が9月1日の関東大震災100年を機に公開された監督初の劇映画が今回の福田村事件。震災直後に起こった官憲や自警団による朝鮮人やや中国人、共産主義者への虐殺事件が起こったことは当時の報道で明らかとなっていましたが、千葉県で起こった薬の行商人15名が自警団に朝鮮人と間違えられ子供や妊婦を含め9名が虐殺された福田村事件はあまり知られてないように思います。物語は日本統治下の京城ソウルを離れ故郷の福田村に戻った井浦新と田中麗奈演じる澤田智一と静子。澤田夫妻は日本軍が犯した朝鮮人虐殺を目撃していたが口をつぐんでいた。9月1日関東地方に大震災が起こり、朝鮮人が暴動化、...映画福田村事件

  • 映画 アステロイド・シティ

    本日のレビューは、ウエス・アンダーソン監督の最新作「アステロイド・シティ」です。 ウエス・アンダーソン最高傑作のひとつとの呼び込みの本作。そもそも最高傑作のひとつって最高傑作は一つだけでしょうと突っ込みを入れたくなりますが、そもそも僕も含めて好きな監督の最高傑作って、それぞれに違うし、特にこの監督の場合は何が最高傑作の要因なのか不明だと思いますが、ファンの皆様はどう思いますか。で、本題に。舞台は1950年代の隕石が落下して巨大なクレーターが観光名所の砂漠の町アステロイドシティ。この町に5人の少年少女の化学発明家の授賞式に家族と共に招待されます。授賞式の当日に突如宇宙人が舞い降りて大混乱に。町は封鎖され軍が事実を隠蔽、宇宙人が敵でないことを外部に伝えようとします。この事態を監督らしいカラフルな映像とコミカル...映画アステロイド・シティ

  • 八幡はるみ展 ヤマザキマザック美術館 会期終了

    今回の展覧会レビューは、ヤマザキマザック美術館で8月27日まで開催された「八幡はるみGARDEN展」です。会期最終日に鑑賞したこともあって、会期中のレビューが間に合いませんでしたが、とてもすばらしい展覧会でしたのでご紹介したいと思います。 ヤマザキマザック美術館は、現代美術家の作品をアールヌーボ時代の作品や調度品などの中で展示する新旧の作品がうまく融合する展示が特徴です。とりわけ世代やジャンルを超えて女性アーティストの作品を多く紹介し、他の美術館とは一線を画す展示が魅力のひとつです。 今回の展覧会でも京都市立芸術大学で染色を学び、現在京都芸術大学の教授でもある染色家の八幡ひろみ氏の作品を紹介していました。日展などの工芸部門でも今もっとも活気がある染色部門ですが、八幡ひろみの作品は、大和絵を彷彿とさせる屏風...八幡はるみ展ヤマザキマザック美術館会期終了

  • 安藤正子展 ゆくかは 一宮市三岸節子記念美術館 9月3日まで

    本日の絵画レビューは、一宮市三岸節子記念美術館で9月3日まで開催の「安藤正子展ゆくかは」です。安藤正子は1976年生まれで、現在愛知県立芸術大学の准教授を務められています。同大学の櫃田伸也の元で主に油画制作を学び、細密な描線の油彩画や鉛筆画で知られていましたが近年は幅広いジャンルで活躍する現代美術家です。今回の展覧会は初期の油彩画や鉛筆画はもとより、瀬戸市の移住が機縁となった陶レリーフに今回のタイトルである「ゆくかは」をテーマにした映像作品が発表されています。第一展示室では、鉛筆画作品にパネル描かれた油彩画作品があり、細密な描写の少女像と透明感のある白い背景の作品が並び彼女のルーツを物語ります。第二展示室では表現の幅を広げるように水彩画作品が並び、その上にパーツを組み合わせたセラミックによる陶レリーフが掲...安藤正子展ゆくかは一宮市三岸節子記念美術館9月3日まで

  • 今井龍満展 メナード美術館

    今回の絵画レビューは、メナード美術館で9月24日まで開催中の35周年記念特別展「今井龍満展」です。 今井龍満は、パリで活躍した今井俊満のご子息で31歳で画家デビューした遅咲きのアーチストです。今回の展覧会は1999年から現在に至る作品を展示した初の回顧展になります。今井龍満は、父の元で制作補助をしながらパリで生活を共にし、父の急逝により2008年画家としての制作活動をスタート。ポアリングと言う輪郭線を画面に垂らし込む技法で注目を浴び現在に至る気鋭の画家です。 父俊満の存在は業界では、知られた存在でアンフォルメル運動と言う抽象表現主義の世界で活躍していました。長男の今井アレクサンドルは父と同じアンフォルメル運動の画家として知られていますが、弟の龍満は、当初画家としてデビューすることは考えてなかったようです。...今井龍満展メナード美術館

  • 映画 ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE

    本日の映画レビューは、みんな大好きのトム・クルーズの「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPARTONE」です。ちょっとレビューが遅れましたが、今回はトム・クルーズ主演のミッションインポッシブルシリーズ最新作「デッドレコニングの前編」です。レビューと言ってもトム・クルーズ大好きな僕にとって無条件に絶賛です。内容は恒例のミッションを遂行するのですが、今回は今が旬のAIとの戦いです。時を同じくして全米俳優協会がAIに危機感を持つ大規模なデモが行われましたが、今回の作品はトム自らがデモの先頭にたって戦っているような作品です。過去の映画のオマージュを物語の中に組み込んだ、カーチェイスや断崖からのバイク飛行、列車の上での格闘技など、今ならCGを駆使すれば難なくできるシーンも実在の場所で実在のものでそしてトム...映画ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPARTONE

  • 映画 CLOSE/クロース

    本日の映画レビューは、ルーカル・ドン監督の最新作でカンヌコペティション部門でグランプリを受賞した「CLOSE/クロース」です。前作のガールではトランスジェンダーの青年がバレリーナを目指す姿が感動的でしたが、今回は打って変わりフランスの農村地域を舞台に幼なじみで13歳の二人の男の子が、入学先で起こる些細な言動がをきっかけに起こる悲劇からの再生を描いた人間ドラマが展開されます。主人公のレオとレミは演技経験が少ないながら、幼き頃から親密な関係を揶揄されたことで起こる少年の心を揺れを見事に演じていて、美しい田園地帯を舞台に濃密なドラマが展開されていて感動的です。また家族の関係や教師や生徒などの関係が成熟した社会を感じながら物語のテーマを明確にしており好感を持ちました。今回の作品では前作の印象が強いのか、ある評論家...映画CLOSE/クロース

  • 特別展 古代メキシコ 東京国立博物館

    今回の展覧会レビューは、番外編として東京国立博物館で開催中の「特別展古代メキシコ」をお送りします。マティス展の後、ふと気になって次の予定の合間に鑑賞したのが本展。個人的には海外の文化的な遺跡品に興味があり詳しくはないですが、造形美に惹かれます。特に興味があるのが、マヤ文明に代表される古代メキシコ文明。そんな出会いが偶然にも今回のアート一人旅で実現しました。 今回の展覧会の魅力は、前15世紀から後16世紀のスペイン侵攻前の3千年にわたり繫栄したメキシコの古代文明を「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」の代表的な3つの文明を映像と出土品を通じて視覚的に紹介していること。写真に紹介した出土品を見るだけでもとても楽しく、その造形美は他の文明に比べてユニークで親しみやすい。来場者も若い人や親子連れが多く、展覧会の幅...特別展古代メキシコ東京国立博物館

  • デヴィッド・ホックニー展 東京都現代美術館

    東京アートひとり旅、二つ目の展覧会レビューは東京都現代美術館で開催中の「デヴィッド・ホックニー展」です。東京都現代美術館は、カフェやカレーショップで注目を浴びている清澄白河駅にほど近い場所にあり、内外のコンテンポラリーアートを収蔵する美術館として知られています。当初は紆余曲折があり評価も著しく低い状況でしたが、現在の現代美術ブームに相まってコンテンポラリーアートの評価も高くなり、人気も高まっているように感じます。さて今回のデヴィッド・ホックニー展ですがイギリス出身のコンテンポラリーアートの先駆者であり、アンディー・ウォーホルやロイ・リキテンシュタインなどと並び称される画家として現在も活躍するポップアートのアーティストで今回の展覧会は27年ぶりとなる大規模な回顧展となっています。彼の存在は1980年代から日...デヴィッド・ホックニー展東京都現代美術館

  • 映画 リバー、流れないでよ

    本日の映画レビューは、京都で活躍する劇団ヨーロッパ企画による2分間のタイムループで話題の映画「リバー、流れないでよ」です。カメラを止めるなに代表される小規模上映からSNSによる口コミで人気ヒットとなる作品が生まれるケースが増えてきました。今回の作品も京都で活動する劇団ヨーロッパ企画による映画作品で、僕は観てなかったのですが、前作の「ドロステのはてで僕ら」に続く二作目の映画になります。舞台は京都の奥座敷貴船に佇む老舗旅館ふじや。旅館の女将と従業員、宿泊客が2分間のタイムループ(繰り返される再生)に翻弄され抜け出そうと奮闘する群像劇です。出演者は主人公の仲居ミコトをはじめヨーロッパ企画メンバーに加え、女将に本上まなみ、小説家に近藤芳正などの中堅俳優に事件のカギを握る女性に乃木坂48の久保史緒里と多彩な顔ぶれと...映画リバー、流れないでよ

  • マティス展 東京ひとりアート旅

    先週に恒例の東京ひとりアート旅へ。展覧会を3会場訪れたのでレビューします。今回は僕の最も好きなアーティスト東京都美術館で開催中の「マティス展」です。20世紀を代表するフランスの巨匠、アンリ・マティス。独特な色彩表現でフォービスムを生み出しました。今回の展覧会は世界最大規模のマチスコレクションを要する「ポンピードゥー・センター」を中心に構成された大規模な回顧展で注目されています。おそらくは、本年度で一番の展覧会ではないでしょうか。構成はポスト印象派の時代にフォービスムに向かおうとするマティスの初期作品から第一次大戦下を乗り越え色彩や構図の変化がわかる様々なフォービズム作品、絵画構成の基礎となった彫刻作品や大病を乗り越え、独自の切り絵技法により展開されるジャズに代表される新しい絵画表現、さらに人生最後の大作と...マティス展東京ひとりアート旅

  • マリー・ローランサンとモード展 名古屋市美術館

    今回の展覧会レビューは名古屋市美術館で開催中の「マリー・ローランサンとモード」です。今回の展覧会は、同時期に生まれ1920年代にパリで活躍した画家マリー・ローランサンと服飾デザイナーのココ・シャネルにスポットをあてパリで芽生えた新潮流を紹介する先鋭的な美しさで彩れた展覧会です。パリで生まれピカソやブラックなどの交流を通じて新しい芸術表現に挑んだローランサン。淡い色調と独特な美しさのあるフォルムで描かれた女性像は女性ファンのみならず世界的にも愛された芸術家です。一方フランスの片田舎で育ち、自らの才能でファッション業界に一石を投じシャネルスーツに代表される独自のファッションを作り上げたシャネル。今回の展覧会は異なる意識を持った女性の才能が対峙するような展示となっています。そのことを裏付ける作品としてシャネルが...マリー・ローランサンとモード展名古屋市美術館

  • 映画 エゴイスト

    本日の映画レビューは、鈴木亮平&宮沢氷魚共演、松永大司監督の「エゴイスト」です。今回の映画は2月に公開されロングランヒットを続けている作品で、先日岐阜のミニシアターで鑑賞しました。高山真氏の自伝的小説を原作としてゲイのカップルと家族、その周辺の人々との関係を描いており、ヨーロッパでは近年同性愛をテーマにした作品が数々紹介される中で日本でもここまで描き切ることがことが出来た力作です。14歳で母を亡くしゲイであることを隠して学生時代を過ごし上京して編集者として成功を収めている鈴木亮平演じる浩輔とシングルマザーで病弱の母(阿川佐和子が演じてますがこれもいい)を支えながらパーソナルトレーナを目指している宮沢氷魚演じる龍太と出会い、二人の愛を育んでいく過程を描いています。と、ここまでしか書くことが出来ないほど衝撃的...映画エゴイスト

  • 映画 怪物

    本日の映画レビューは、是枝裕和監督、坂元裕二脚本による話題の映画「怪物」です。はじめに率直な感想として凄いもの見せてもらいました。個人的には是枝作品の中ではベスト1です。物語は大きな湖のある小学校。安藤サクラ演じるシングルマザーの麦野早織は帰宅した息子の湊の姿を見ていじめにあっているのではないかと学校に抗議をします。子供同士のけんかに思われたいじめは、クラスの星川依里の証言で担任教師の保利によることとなり、保利は責任をとり辞職。事態は収まったかのように思われた矢先、湊と依里が忽然と姿を消してしまいます。物語は前段での一連の流れから、二人の蒸発を境に流れの中にある真実の事象が明かされていきクライマックスを迎えます。こうした手法はミステリー映画の中ではよく使われる手法ですが、是枝と坂元がタッグを組むとここまで...映画怪物

  • 映画 ウーマン・トーキング 私たちの選択

    本日の映画レビューはサラ・ポーリー監督、ルーニー・マーラはじめ若手、中堅の実力派女優陣が繰り広げる会話劇「ウーマン・トーキング私たちの選択」です。今回の作品は南米ボリビアで起こった集団レイプ事件をモデルに架空の村での設定でヒットした小説を原作として制作されています。映画化を持ち込んだのがスリービルボードやノマドランドのオスカー女優フランシス・マクドーマンドで、ビラッド・ピッドの映画制作会社プランBにより実現しました。このストーリを知っただけでも僕にとっては興味津々でした。舞台は2010年のニューヨーク郊外のキリスト教一派の村で集団レイプ事件が発覚、識字教育さえ受けていない女性たちは村の男たちから悪魔の仕業と思いこまされていました。ある日そのことが村の男の犯行としった女たちは、男たちが村にいない二日間で三つ...映画ウーマン・トーキング私たちの選択

  • 映画 AIR/エア

    今回の映画レビューは、ベン・アフレック監督、マット・デイモン主演のナイキの復活劇となるエアージョーダン誕生までを描いた「AIR/エア」です。今回の作品は、Amazonオリジナルとあって劇場以外でもプライム作品で視聴可能でしたので、こちらで鑑賞しました。しかし最近のアマゾンプライム、近作映画のラインナップが群を抜いてます。アメリカ現代史を描くことで監督としての地位を築いていったベン・アフレックがマット・デイモンとコンビを組んだのが今回の作品。アメリカプロスポーツ史に輝くマイケル・ジョーダンを誕生から陰で支えナイキの代名詞となったエアジョーダン製作までの社員の奮闘を描いた内容となっています。アメリカ人気プロスポーツのNBL。コンバースやアディダス、リーボーックなどのシューズメーカーの中で後れを取っていたナイキ...映画AIR/エア

  • 映画 劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~

    本日の映画レビューはドラマからの映画化となった救命医療ドラマ「劇場版TOKYOMER~走る緊急救命室~」です。日本では数々の医療系ドラマがヒットし、映画化されるケースが多く映画も一様にヒットしています。印象的なのは映画でもシリーズ化されヒットしたコードブルーですが、こちらも完結を迎え満を持した形で劇場版TOKYOMERが公開されました。医療系ドラマが好きな僕にとって、特に救急救命作品は劇場で鑑賞が必須ですので今回のレビューとなります。物語は都知事直轄の走る救急室TOKYOMERの成功により、全国に設置すべくかつての同僚、賀来賢人演じる音羽を中心に文部大臣直轄の横浜MERが設置された直後に、横浜ランドマークタワーで大規模の爆発事故が発生、最上階に193名が取り残される事態にTOKYOMERとYOKOHAMA...映画劇場版TOKYOMER~走る緊急救命室~

  • 映画 TAR/ター

    本日の映画レビューは、アカデミー賞でオスカー本命と叫ばれながら無冠に終わったケイト・ブランシェット主演の「TAR/ター」です。ケイト・ブランシェットが女性指揮者を演じ話題となった映画TAR/ター。5月12日にようやく日本公開となり楽しみしてましたがレイトショーもなくタイミングも逃しながらようやく鑑賞できました。ベルリンフィルの女性指揮者でコンサートマスターの女性と同性婚で養女を迎え生活を共にするリディア・ター。7年間首席指揮者を務めエミー、グラミー、アカデミー、トニー賞の4冠を受賞する天才は自伝出版も控え順風満帆の日々を送っていましたが、ある事件をきっかけに彼女の人生の歯車が狂い始め転落していく人生ドラマです。先ずは傲慢でありながら理知的なカリスマ独裁指揮者を演じたケイト・ブランシェットの演技に終始魅了さ...映画TAR/ター

  • 映画 せかいのおきく

    本日の映画レビューは、阪本順治監督、黒木華、池松壮亮、寛一郎主演の青春時代劇「せかいのおきく」です。こちらの作品、江戸時代の人糞を集める下肥売りの青年たちと長屋住まいの訳あり武家娘が主人公です。全編糞まみれのシーンの連続で苦手な方は心して観てください。苦手な僕も吐き気をこらえながら鑑賞しましたが、モノクロシーンの美しい映像に救われて若手からベテラン、素晴らしい役者たちの名演に感動しました。物語は江戸時代後期、下肥買いの矢亮と紙くず拾いの忠次、寺子屋で読み書きを教える長屋住まいの武家娘おきくが厠の雨宿りの中で出会います。銭の高い肥集めの矢亮の仕事を忠次が一緒にすることとなり、おきくも父親の事件に巻き込まれ声を失う中で、つらい人生を歩む三人の姿を淡々と描いています。武家の娘きくを黒木華、矢亮を池松壮亮、忠次を...映画せかいのおきく

  • 山梨・小淵沢アート旅3 平山郁夫シルクロード美術館

    山梨・小淵沢アート旅、美術館巡りの締めくくりは、現代日本画の巨匠で敦シルクロード研究の第一人者でもある平山郁夫氏の美術館「平山郁夫シルクロード美術館」です。現代日本画の五山(東山、平山、加山、杉山、高山)と言われる巨匠の一人、平山郁夫氏の美術館は、故郷の広島とここ山梨にあります。 仏教伝来の道であり東西の文化が交流するシルクロード。当館の特徴は、シルクロードを生涯のテーマとして制作を続けた平山郁夫の日本画作品に加えて、シルクロードの取材中に妻であり現名誉館長の美知子氏と共にコレクションされた貴重なシルクロードコレクションを収蔵しています。 今回タイミングよく9月5日まで開催される特別企画展、中国巡回展帰国記念「崑崙の西から」を鑑賞することが出来ました。中国西域から中央アジアにいたる崑崙山脈、その向こうには...山梨・小淵沢アート旅3平山郁夫シルクロード美術館

  • 山梨・小淵沢アート旅2 中村キース・ヘリング美術館

    山梨・小淵沢アート旅。今回は開館15周年を迎えた世界で唯一のキース・ヘリング美術館の中村キース・ヘリング美術館です。今やバンクシーの登場でストリートアートの世界が注目を集めています。最近では前沢氏がバスキアの作品を購入し再びオークションにかけて高落札されたことが話題となりました。 ヒップホップムーブメントのひとつであったグラフィティーアートを世界的なものへと進化させたのが白人アーティストのキース・ヘリング。彼の愛と平和をコンセプトにした作品は世界中で人気を博しました。彼の制作活動は僅か20年、エイズを発症し31歳の若さでこの世を去ります。 バンクシーは混沌とした現代社会をゲリラ的な活動で批判していますが、キースは自らの作品を通して様々な自らのアーティスと活動を通じて社会貢献活動に奔走しています。彼の作品に...山梨・小淵沢アート旅2中村キース・ヘリング美術館

  • 山梨•小淵沢アート旅1 清春芸術村

     先日、ゴールデンウイークを避けて恒例の車中泊ひとりアート旅に出かけました。今回は山梨県の小淵沢周辺の三つの美術館を巡りましたので紹介します。 土曜日の夜に出発して、下道と高速を利用して深夜に伊那市にある道の駅南アルプスむらに到着、ここは幹線道路から少し離れた場所で車も少なく静かに眠りにつき翌朝は8時にオープンのパン屋さんで焼き立てメロンパン(クロワッサンが名物らしいですがまだ出来上がってなく残念)をかじりながら、最初の目的地、清春芸術村に。 清春芸術村は、一度は行ってみたいお勧めの美術館。創立者の吉井長三氏が、小林秀雄、白洲雅子、東山魁夷夫妻などと桜の咲く春に訪れその美しさに魅了され1980年にアトリエをオープン、その後にパリの集合アトリエを模したラ・リューシュを建設し、当地に様々な芸術の館を建設してい...山梨•小淵沢アート旅1清春芸術村

  • 映画 丘の上の本屋さん

    本日の映画レビューは、黒柳徹子さんのナレーションCMでも話題のイタリア映画「丘の上の本屋さん」です。今回の映画は、イタリアの最も美しい村を舞台に、古書店を営む老店主とアフリカ系移民の少年の本を通して心の交流を描いたドラマです。本が好きだけど買うことができない少年に店主は読書感想を条件に本を貸し出していきます。最初は店の前に置かれた漫画に始まり、会話の中で店主から彼が興味を抱く本を進めていきます。物語は書店を訪れたお客の本にまつわるサイドストーリー加わっていますが主題は二人の交流です。最後に少年に渡される本でなるほどそう言う意味だったかと、誰もがわかる優等生的映画でしたが、本や映画の素晴らしをシンプルに伝えるには最適な映画といえます。この作品ユニセフが推薦、文部科学省特別選定となっていますので、本好きの人に...映画丘の上の本屋さん

  • 映画 ザ・ホエール

    本日の映画レビューはブレンダン・フレイザーがアカデミー賞主演男優賞に輝いた「ザ・ホエール」です。ハムナプトラで有名なブレンダン・ジョンソンがカムバックして挑んだ映画が今回の作品、特殊メイクにより体重272キロの孤独な男を演じ、オスカーに輝きました。ちなみにメイクアップ・ヘアメイク部門でもオスカーを獲得しています。監督はダーレン・アロノフスキー、レスラーやブラックスワン、マザーなどの映画で知られています。この監督、とにかく主人公をいたぶることが多いです。今回の作品も精神的にも肉体的にかなりやられてます。ただ、今回は少し希望がもてるものでした。物語は大学講師の引きこもりの男チャーリー。重度の肥満を抱える彼は自らの姿を隠しながらリモートで教えています。余命僅かであることを悟った彼は、長年会うことが出来なかったひ...映画ザ・ホエール

  • 重要文化財の秘密 東京国立近代美術館

    東京アートひとり旅の最終レビューは、東京国立近代美術館70周年記念展「重要文化財の秘密」です。 今回の展覧会は、近代美術の重要文化財68点のうち51点が全国から集結したとても価値のある展覧会です。なぜ価値があるかと言うと重要文化財作品保護の観点から公開が限られているからです。さらにこれらの第一級の美術品が一堂に介することはまず難しいからです。そして、ここ東京国立近代美術館は近代美術の重要文化財の大半を所蔵しているからこそ今回の展覧会が実現したと言えます。日本の美術史において近代美術は分岐点であり新しい芸術のスタート地点ともいえます。現在の日本の芸術の革新の源は近代美術から始まったと言っても過言ではないと思います。また、今日の洋画、日本画、工芸の世界においても新しい潮流であり、当時の美術界においては問題作と...重要文化財の秘密東京国立近代美術館

  • 佐伯祐三 ―自画像としての風景展 東京ステーションギャラリ

      東京アートひとり旅での今回の展覧会レビューは東京ステーションギャラリー(4月15日から大阪中之島美術館)「佐伯祐三―自画像としての風景」です。佐伯祐三は30才でパリで死んだ近代洋画家のスターして知られてますが、その画業は僅か10年余り戦争中にほとんどの作品を焼失し、現存する作品も100点余りと極めて少ない画家です。また、本格的な活動は2回のパリ遊学の4年余りとなっています。今回の展覧会は、自画像としての風景を題し中之島美術館の作品を50点を中心に東京藝大時代の卒業作品やが学生時代の自画像から始まり、2度のパリ遊学時代の内外の風景作品に郵便配達夫やロシアの少女などの人物など彼の画業のすべてを網羅した展覧会です。藤島武二に師事していた頃の印象派の影響漂う作品やパリ時代にブラマンクから「このアカデミックな!...佐伯祐三―自画像としての風景展東京ステーションギャラリ

  • レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才 東京都美術館

    先月の3月21日に東京にアートひとり旅に出かけてきました。展覧会を三カ所巡ってきましたので順に展覧会レビューをしたいと思います。先ずは、今回の最優先美術展の4月9日まで東京都美術館で開催の「レオポルド美術館エゴン・シーレ展ウィーンが生んだ若き天才」です。エゴン・シーレと言えば、クリムトと並ぶウイーン世紀末の画家です。クリムトとは師弟関係にありクリムトがその才能を高く評価していましたが、28歳の若さでスペイン風邪によりこの世を去ります。今回の展覧会は日本での展覧会史上最大のエゴン・シーレ展でレオポルド美術館が誇るシーレ最大のコレクションを中心に展示されています。展覧会は、シーレ初期の写実的な作風から始まり、ウイーン分離派時代、表現主義へと移行し新しい表現へと進みながらも、病による突如終焉を迎える彼の芸術への...レオポルド美術館エゴン・シーレ展ウィーンが生んだ若き天才東京都美術館

  • 映画 グッドバイ、バッドマガジンズ

    本日の映画レビューは、1週間限定の単館上映から口コミで拡大上映となった「グッドバイ、バッドマガジンズ」です。舞台はある出版社、出版業界の第三極に位置する成人雑誌の編集局に中途採用された女性と編集者やライター、営業マンたち。ネットメディアの台頭による出版不況と東京オリンピック開催で起こった大手コンビニの成人雑誌撤去やコロナ感染拡大など、編集局に押しよせる苦難を描いてます。出版業界の憧れを抱きながらも配属された未知の世界、理想と現実中でもがき続ける編集者や時代の波に取り残されたエロ業界の実態などかなりシビアに描きながらもエロを笑いで包み込んだ展開は飽きさせることなく小気味の良さがあります。振り返れば知らぬ間に消えていたコンビニの成人雑誌コーナー、その存在の有無に関しては関係者にも賛否両論があるようで、ビニ本発...映画グッドバイ、バッドマガジンズ

  • 映画 ケイコ 目を澄ませて

    本日の映画レビューは、三宅監督、岸井ゆきの主演の実在を女子プロボクサーがモデルのヒューマンドラマ「ケイコ目を澄ませて」です。数々の映画祭で絶賛、本年度キネマ旬報で1位に輝き、主演女優賞に輝いた本作、ろう者の女性プロボクサー小笠原恵子さんの「負けないで」を原案に気鋭の映画監督三宅唱と脚本家、酒井雅秋による完成した作品は、ボクシングジムでのトレーニングやろう者としてのハンデキャップをリアルに描いています。主演の岸井ゆきのは、当然のことながらほぼ言葉のない演技と過去の作品とはまったく異なるプロボクサーの日常と試合などを生身の自分をさらけ出すように演じています。脇を固めるジムの会長には三浦友和、会長の妻に仙道敦子が、ジムのトレナーや家族役などに実力者の俳優陣が脇を固めています。また撮影には16ミリカメラが用いられ...映画ケイコ目を澄ませて

  • 映画 フェイブルマンズ

    今回の映画レビューは、スピルバーグ監督の自伝的作品「フェイブルマンズ」です。スピルバーグ作品の魅力はエンターテーメントから歴史ものに社会派ドラマまで多種彩々の作品を生み出すところにあると思ってます。今回の作品は、スピルバーグが生み出す映画への思いを自らの生い立ちに乗せた青春グラフィティ作品と言えます。物語は映画の触れるきっかけとなった少年時代から始まり、ボーイスカウトやハイスクール時代の映画製作にいたる原点や映画の道が開かれるまでの姿が家族や友人たちとの交流を通じて描かれています。そんな中で映画人としてのスピルバーグを育んだ母親の存在が大きくクローズアップされています。そんな母親を演じたミシェル・ウイルアムズと主人公のサミー・フェイブルマンを演じたガブリエル・ラベルは、まさに本物の親子のような演技で特にミ...映画フェイブルマンズ

  • 映画 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

    本日の映画レビューは、アカデミー賞7冠受賞の「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」です。正直7冠も取っちゃうのと疑問を抱きつつアカデミー賞受賞後の鑑賞です。物語はみなさんご存知の通り、中華系の夫婦が営むコインランドリーを舞台に突如旦那が別の宇宙の夫なり妻に宇宙を支配する悪を倒すのは君だと世界の命運を託され、メタバース(仮想空間)で戦うカンフーアクションです。主演のエブリンを演じたのは、ジャッキー・チェンの作品でもおなじみのミシェル・ヨー。夫のウェイモンドを演じるのはインディージョーンズのかつての子役キー・ホイ・クァン。二人はアジア人初の主演女優と助演男優でオスカーを獲得しました。内容は家族愛をテーマにしてますが、メタバースの世界を動き回るエブリンのドタバタ劇に振り回されるヒューマンコメディ...映画エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

  • 映画 ソウルメイト/七月と安生

    映画館で観れなかった作品をDVDで観る今回のレビューはデレク・ツァン監督のデビュー作「ソウルメイト/七月と安生」です。今回の作品は、2020年から2021年の話題作や隠された名作が多数配信されているアマゾンプライムで視聴しました。デレク・ツァン監督は過去に紹介した「少年の君」で注目を集める気鋭の新人監督で香港アカデミー賞で12部門にのノミネートされています。主演は少年の君でヒロインを演じたチョウ・ドンユイが主演を務めています。物語は二人のネットで話題の自伝的青春小説「七月と安生」。映画化のためにモデルとなった二人の女性のうち原作者の行方がわからず、もう一人のモデルとなった女性、チョウ・ドンユイ演じる安生のもとに映画会社から連絡が入ります。安生は原作者のことは知らないと嘘を付くが、七月と安生は幼き頃からの親...映画ソウルメイト/七月と安生

  • 映画 エンパイア・オブ・ライト

    本日の映画レビューは、オリビア・コールマン主演、サム・メンデス監督によるヒューマンドラマ「エンパイア・オブ・ライト」です。現在アカデミー賞の話題で持ちきりの映画界ですが、撮影賞のみのノミネートで今回の作品は賞レースには外れた作品かもしれません。しかしながら、オリビア・コールマンをはじめ出演者の好演が光作品です。舞台は1980年代初頭のイギリス。海岸線に佇む寂れた映画館のオリビエ演じるヒラリーはわけありの過去を持つ独身中年女性、ある日劇場のスタッフに黒人青年スティーブンが加わります。スティーブンの明るさと優しさに惹かれるヒラリーですが、やがて不況下の政治状況の中で、二人は思いもしない出来事に巻き込まれていきます。静から動へ、オリビア・コールマンの演技は誰もが心に突き刺さり、自らの境遇の中で苦悩しながらも明る...映画エンパイア・オブ・ライト

  • 映画 バビロン

    本日の映画レビューは、ディミアン・チャゼル監督、ブラッド・ピッド、マーゴット・ロビー共演の「バビロン」です。 最近一億総評論家傾向で、話題作に対して辛口レビューが多い昨今ですが僕の場合は多少の批判はあっても映画への愛に満ちた淀川長春さんをリスペクトしてるので基本良いとこを見つけようとするので辛口批評家の方々はご理解を。さて今回のバビロン、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビーの好きな俳優が共演してるのでそれだけも十分満足です。監督はセッションやラ・ラ・ランドなどのヒットで知られるディミアン・チャゼルですから期待値が高まるのも当然でしょう。舞台は1920年代のハリウッド。無声映画からトーキーへと移る映画人たちの人間模様が描かれ監督の映画へのオマージュに満ち溢れた豪華絢爛な作品です。ハリウッドの人気俳優ジャック...映画バビロン

  • アンディー・ウォーホル・キョウト 京都市立京セラ美術館

    本日の美術展レビューは異彩を放った芸術家・第3弾アンディーウォーホルの「アンディ・ウォーホル・キョウト」です。今回の展覧会は最終日に駆け込み鑑賞しましたが、大変ない賑わいでウォーホルの人気の程を伺えます。当時芸術不毛の地であったアメリカにポップアートと言う新しい芸術文化をもたらしたウォーホル。ある意味で現在のアート人気の先駆けと言える存在です。またファクトリーと言われる文化拠点は、音楽や映画などの文化の橋渡しとしてアメリカ文化を牽引してきました。大きく貢献しています。 広告デザイナーとしてスタートした彼のドローイングは、繊細でカラフルでポップアート作品とは異なります。今回の展覧会では数々のドローイング作品スタートしてました。ドローイング作品は個人的にも好みで、20代の頃にギャラリーで入手した猫の画集はお気...アンディー・ウォーホル・キョウト京都市立京セラ美術館

  • 甲斐庄楠音の全貌 京都国立近代美術館

    本日の美術展レビューは、異彩を放った芸術家にスポットを当てた展覧会第2弾として京都国立近代美術館で開催中の「甲斐荘楠音(かいのしょうただおと)の全貌」です。 甲斐荘楠音は、大正から昭和にかけて京都画壇で活躍した日本画家で、後に映画界に転身し京都太秦で舞台芸術家や時代考証などで映画界に寄与したい異色の芸術家です。僕が甲斐荘の存在知るのはかれこれ30年前にさかのぼります。 日本画の世界で美人画と言えば、舞妓や芸妓の美しい姿を思い浮かぶ方も多いと思いますが、彼が描く美人画は美醜を併せ持つ一種異様な出で立ちで妖艶さを漂わせる作品です。甲斐荘は裕福な家柄で育ち、幼少期から歌舞伎や芝居を好み自らも演者と舞台に立ったといいます。彼の描く女性像は、女性が持つ色香が画面全体に漂い人間の本質を作品から伺い知ることができます。...甲斐庄楠音の全貌京都国立近代美術館

  • 展覧会 岡本太郎 愛知県美術館

    今回の展覧会レビューは、異彩を放つ芸術家三人の美術展を鑑賞しましたのでご紹介します。先ずは愛知県美術館で開催中の「展覧会岡本太郎」です。史上最大の岡本太郎展と銘打ち開催中の本展、昨年からの中之島美術館、東京都美術館に続き愛知県美術館で現在開催中です。岡本太郎と言えば、現在も万博記念公園に鎮座する「太陽の塔」や芸術家集団チンポムにより追加された「明日の神話」が思い浮かぶでしょうが、僕の記憶には小学生の頃の太陽の塔や同時期に描かれた原発へのアンチテーゼ作品である明日の神話は断片的な岡本太郎へのイメージしかなく、一番に感じるのはマクセルビデオテープでの「芸術は爆発だ」と叫ぶ奇々怪々な芸術家のイメージが強く残っています。当初は岡本太郎の存在を素直に受け入れることができない状況が続いていました。しかし、岡本太郎を深...展覧会岡本太郎愛知県美術館

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、chachamarupapaさんをフォローしませんか?

ハンドル名
chachamarupapaさん
ブログタイトル
毎日が美びっとカルチャー
フォロー
毎日が美びっとカルチャー

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用