本のレビュー時々音楽。私の心に色々な想いを残してくれた本がまた誰かのお気に入りのになりますように。
好きな作家 恩田陸・北村薫・上橋菜穂子・伊坂幸太郎・加納朋子・辻村深月などなど 好きな音楽 Cocco
2013年1月
漁港の肉子ちゃん西加奈子幻冬舎肉子ちゃんは太ってる肉子ちゃんは不細工だ肉子ちゃんは男運がない肉子ちゃんの本当の名前は菊子だだけど自分を捨てた男を探しに行った北陸の港町でうおがしという名の焼き肉屋で働くようになりよく肉を食べよくしゃべりよく笑う菊子ちゃんは肉子ちゃんと呼ばれそして町中の人に愛されている大人になると自分の心のままに笑ったり泣いたり怒ったりできないことも多いそれはダメと言われて気持ちを奥に押し込んだりイヤだという言葉をムリに飲みこんだりその度に心はメキメキと音をたててつぶれていくけどつぶれる音を聞くのにもだんだん慣れっこになるけど肉子ちゃんはいつでも全力で肉子ちゃんで空気なんて読まない誰の心にもずかずかと入っていくいつも笑ってていつもやかましくて最初は馬鹿にされたり冷たい目で見られたりするけどでもなぜ...漁港の肉子ちゃん西加奈子
邂逅の森(文春文庫)熊谷達也文藝春秋とても力強い生きる力の凄みを感じさせる小説時は大正時代秋田の山奥の小さな村でマタギの家に生まれた男の一生を描く代々受け継がれた独特の狩猟法で狩りをするマタギそれを生業として生きていた若い富治は有力者の一人娘と恋に落ちたことで村を追われ鉱山で工夫として働くことになるそれでも山や狩りへの思い愛おしい人への想いを断ち切れない富治は再びマタギとして生きる決意をし厳しい道を歩むことになるのだが…常に山の神や自然への畏怖や敬意を持ちながら獣たちと命をかけて闘うマタギ頼れるのは己の感覚と力のみつい何十年か前まではこういう武骨な男の人達が本当に生きていたことに感嘆する最後のクマとの格闘場面の本当に目の前で繰り広げられているような臨場感に読み終わってからもしばらく心臓がドキドキしていたそして愛...邂逅の森熊谷達也
永遠の0(講談社文庫)百田尚樹講談社ゼロは零戦のゼロ義理の祖父を持つ姉弟が戦中零戦パイロットだった実の祖父のことを調べるため生き残りの人達を訪ね話を聞いていく生きて帰りたいと言って周囲から臆病者扱いされていた祖父がなぜ最後に特攻で自ら命を落とすことになったのか…真実がすべて明らかになるラストでは読みながらいろんな想いが込みあげゼロにも他の意味が見えてくる特攻隊に限らずあの時代戦っていた人達はみなお国のために天皇のために喜んで死んでいったわけではない人は道具なんかじゃなく感情を持つ生き物喜んで死にたい人なんているわけないそれでもみな大事な家族のため愛する人のためと死ぬ理由を自分なりに見つけて納得して戦っていたんだろう死ぬことと向き合うということは自分はどう生きるかということと向き合うのと同じどう生きたいのかみなそ...永遠のゼロ百田尚樹
2013年1月
「ブログリーダー」を活用して、桔梗さんをフォローしませんか?
指定した記事をブログ村の中で非表示にしたり、削除したりできます。非表示の場合は、再度表示に戻せます。
画像が取得されていないときは、ブログ側にOGP(メタタグ)の設置が必要になる場合があります。