chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
あなたのすきな本は何ですか? https://blog.goo.ne.jp/kotonoha2007yuki

本のレビュー時々音楽。私の心に色々な想いを残してくれた本がまた誰かのお気に入りのになりますように。

好きな作家 恩田陸・北村薫・上橋菜穂子・伊坂幸太郎・加納朋子・辻村深月などなど 好きな音楽 Cocco

桔梗
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2009/09/17

arrow_drop_down
  • 漁港の肉子ちゃん 西加奈子

    漁港の肉子ちゃん西加奈子幻冬舎肉子ちゃんは太ってる肉子ちゃんは不細工だ肉子ちゃんは男運がない肉子ちゃんの本当の名前は菊子だだけど自分を捨てた男を探しに行った北陸の港町でうおがしという名の焼き肉屋で働くようになりよく肉を食べよくしゃべりよく笑う菊子ちゃんは肉子ちゃんと呼ばれそして町中の人に愛されている大人になると自分の心のままに笑ったり泣いたり怒ったりできないことも多いそれはダメと言われて気持ちを奥に押し込んだりイヤだという言葉をムリに飲みこんだりその度に心はメキメキと音をたててつぶれていくけどつぶれる音を聞くのにもだんだん慣れっこになるけど肉子ちゃんはいつでも全力で肉子ちゃんで空気なんて読まない誰の心にもずかずかと入っていくいつも笑ってていつもやかましくて最初は馬鹿にされたり冷たい目で見られたりするけどでもなぜ...漁港の肉子ちゃん西加奈子

  • 邂逅の森 熊谷達也

    邂逅の森(文春文庫)熊谷達也文藝春秋とても力強い生きる力の凄みを感じさせる小説時は大正時代秋田の山奥の小さな村でマタギの家に生まれた男の一生を描く代々受け継がれた独特の狩猟法で狩りをするマタギそれを生業として生きていた若い富治は有力者の一人娘と恋に落ちたことで村を追われ鉱山で工夫として働くことになるそれでも山や狩りへの思い愛おしい人への想いを断ち切れない富治は再びマタギとして生きる決意をし厳しい道を歩むことになるのだが…常に山の神や自然への畏怖や敬意を持ちながら獣たちと命をかけて闘うマタギ頼れるのは己の感覚と力のみつい何十年か前まではこういう武骨な男の人達が本当に生きていたことに感嘆する最後のクマとの格闘場面の本当に目の前で繰り広げられているような臨場感に読み終わってからもしばらく心臓がドキドキしていたそして愛...邂逅の森熊谷達也

  • 永遠のゼロ 百田尚樹

    永遠の0(講談社文庫)百田尚樹講談社ゼロは零戦のゼロ義理の祖父を持つ姉弟が戦中零戦パイロットだった実の祖父のことを調べるため生き残りの人達を訪ね話を聞いていく生きて帰りたいと言って周囲から臆病者扱いされていた祖父がなぜ最後に特攻で自ら命を落とすことになったのか…真実がすべて明らかになるラストでは読みながらいろんな想いが込みあげゼロにも他の意味が見えてくる特攻隊に限らずあの時代戦っていた人達はみなお国のために天皇のために喜んで死んでいったわけではない人は道具なんかじゃなく感情を持つ生き物喜んで死にたい人なんているわけないそれでもみな大事な家族のため愛する人のためと死ぬ理由を自分なりに見つけて納得して戦っていたんだろう死ぬことと向き合うということは自分はどう生きるかということと向き合うのと同じどう生きたいのかみなそ...永遠のゼロ百田尚樹

  • 街場の文体論 内田樹

    街場の文体論内田樹ミシマ社愛がない最近言葉に対して人々の愛が足りないよと思ってた読む側もそして書く側もたくさんの人がいろんなところでいろんな文章を書いているのにせっかく書かれたものでも読んでて何がおもしろいのかわからず心に響かないものが多い言葉はただ情報伝達や行動記録の道具であり言葉は使い捨てるものであるそんなふうに扱っている人が多いように思うのだもちろんそれも間違いじゃないそれも言葉の持つ機能や性質のひとつだしいかに速く正確に大量の情報をやり取りできるかが重要な世の中で言葉の扱いが変わっていくのも自然なことかもしれないそれも仕方ないってわかってても私の中には何だか小さな違和感があったりでもこの内田樹さんの「街場の文体論」を読んでもやもやが晴れた感じ『言葉にも「命のある言葉」と「命のない言葉」がある。書き手や読...街場の文体論内田樹

  • 鍵のかかった部屋 ポール・オースター

    鍵のかかった部屋(白水Uブックス―海外小説の誘惑)ポール・オースター/訳・柴田元幸白水社美しい妻と小説の原稿を残して失踪したかつての友人ファンショー残された小説を託された「僕」はそれを出版しさらにファンショーの伝記を書くことになった友人の過去をたどり今の居場所を探しまわるうちに僕の中に確かにあった何かが少しずつ壊れはじめるファンショーは今どこにいるのかはたして生きているのかいや今までも本当に存在していたのかひょっとして僕の心が創り出したただの幻なのか今目の前にあるものは本当にそこに在るのか部屋もその中にいるはずの人間も実は自分の頭の中だけにしか存在していないのかもしれない自分さえも今この世に存在していると証明できるものは何一つないだとしたら僕を僕たらしめているものは一体何なのか―『すべての人生は不可解なのだ。い...鍵のかかった部屋ポール・オースター

  • 学問 山田詠美

    学問(新潮文庫)山田詠美新潮社『ひとりっきりの秘密は、役に立たない秘密なんだ。』学校の帰りふたりで寄り道した蓮華畑蓮華を編んで作った紐のはしっこをお互いが握りしめて歩いたふたりの間をつなげていたのは蓮華の紐だけじゃない裏山での出会い社宅でのお祭り生徒会室でのふたりきりの会話秘密の共有という甘美な時間のひとつひとつはお互いを確かにつないでる結びつきを証明するものは何もないきっと他人にはわかるまいでもつなぐ何か名前さえないそのつながりをふたりは感じとても大切にしているのがわかる恋ってのは堕ちるものだと思ってたけど本当は囚われるものかもしれない見えない蓮華の紐をふたりで持ち合うそんな感じなのかもしれないと思う学校で教えてくれないものはいっぱいある自分の身体の感覚や感情を頼りに自分で学ぶのが生きるってこと囚われたり放し...学問山田詠美

  • 吉祥寺の朝日奈くん 中田栄一

    吉祥寺の朝日奈くん中田栄一祥伝社吉祥寺に住む朝日奈くんは役者への道をあきらめてバイトをしながらなんとなく毎日をすごしているルックスのいい朝日奈くんはもちろんモテるけどどこか煮え切らないとこがあり女の子とつき合ってもいつも数ヶ月で自然消滅そんな朝日奈くんがうっかり恋をしてしまうのだけどその相手は実は…これは私のただの推測だけど彼はかっこよすぎるが故に誰かに恋をする前にいろんな女の子から好きになられてしまいつき合ってと言われて断る理由もなくなんとなくつき合い始めるけどそれほど相手に対して強い想いがあるわけでもないので執着もしないし深く関わろうともしない女の子の方でも最初は彼の優しさを好意と勘違いしてるけどそれほど鈍くない女の子ならじきに気がつくもんである彼にとって自分は他ならぬ人ではないしそれはこの先も変わらないだ...吉祥寺の朝日奈くん中田栄一

  • コトコノコ Cocco

    コトコノコCocco幻冬舎最近歌以外の活動も広げつつあるアーティストCoccoの体験と想いを綴ったエッセイ集Coccoは魚や野菜を料理するのが好きで肉なんかめったに買わないなのに息子に「何が食べたい?」って聞いて「ハンバーグ♪」なんて答えられたらその瞬間何だか泣きたくなるほどうれしくなって風のように走って肉を買いにいってそして野菜やら残り物やら気持ちの分の余計なものもいっぱい混ぜ込んでハンバーグを焼いちゃうたらふく食べてお腹いっぱいになった男の子はきっと広い外に出て好きなもの探していろんなものみつけてまたお腹を空かして帰ってくるそして冷蔵庫には豆腐とトマトしか入ってなかったりするのにひょうひょうとまた「ハンバーグが食べたい」なぁんて言うんだろうおんなじだ男の子っていつでも誰でも同じこっちの都合なんてお構いなしに...コトコノコCocco

  • 蜩ノ記 葉室麟

    蜩ノ記葉室麟祥伝社七年前藩主の側室との不義密通の罪で小さな農村に幽閉された元郡奉行の秋谷家譜の編纂と十年後の切腹を命じられている秋谷の元にあるひとりの男・庄三郎が監視役として遣わされる編纂を手伝いながら秋谷と暮らしその人柄に触れるうちに無実を確信した庄三郎は七年前の事件の真相を究明しようとするがそこには幾多もの壁が立ちはだかる無実の罪をかぶせられ命の期限を区切られてもなお清廉に気高く生きる秋谷その心中に在るものは彼が護ろうとしているものは…秋谷の生き方が清々しい人はこんなにも清く正しく美しく生きられるものなんだろうかと思うそんな父の背中を見てまっすぐ育つ秋谷の息子幽閉されてもなお寄り添い続ける妻同じ想いで繋がる初恋の女性そして農村で暮らす人たちもみな秋谷を心から信頼しまた秋谷もみなを信頼し大切にしている幸せな人...蜩ノ記葉室麟

  • たいせつなこと マーガレット・ワイズ・ブラウン作/内田也哉子訳

    たいせつなこと(ほんやく絵本)マーガレット・ワイズ・ブラウン作/内田也哉子訳フレーベル館グラスやリンゴ雨や風や花などなど…それぞれの物に役割はあるけれどでも一番大切なのはそれぞれがありのままでそこに在るということだよねとやさしく語りかける絵本ですついつい周囲の人の期待に応えようと無理しちゃったり人の意に沿うように自分を抑え込んじゃったりそんなの全然私らしくないと思うんだけど好きな人には不快な思いをさせたくないしいい人でありたいとか認めてほしいっていう欲張りな気持ちもあってでも結局あれもダメこれもダメなのかとそうやって自分で自分を縛りつけちゃって身動きとれなくなり息苦しくなる本当はそんなこと誰も望んでないし誰のためにもならないのにねもっと気楽に好きに生きてもいいってことかなぁと思っていたところでわたしにとってたい...たいせつなことマーガレット・ワイズ・ブラウン作/内田也哉子訳

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、桔梗さんをフォローしませんか?

ハンドル名
桔梗さん
ブログタイトル
あなたのすきな本は何ですか?
フォロー
あなたのすきな本は何ですか?

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用