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2009/08/13

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  • 観覧車

    みつばちは低空飛行 犬ふぐりまっさらな緑浴びゆく四月かな春の昼尊徳像は裏門に...

  • 豆の花

    ...

  • 嵌め絵看板一応済ませ日向ぼこ 切通し抜けて廃寺の梅見かな このところ苦手なものに...

  • オオイヌノフグリ

    遠投は壁に届かず日脚伸ぶ 梅見してスイセンの束持ち帰る 名を知らぬ小鳥来ており春...

  • 寒雀

    蕗の味噌添え山の地酒かな 金柑は鈴なりとなる廃家かな 観覧車まで吹き抜けるビルの...

  • ふきのとう

    味噌が待つそろそろ届く蕗の薹 ブルペンの音消えやがて寒雀 菜の花咲いた蜂やさん着...

  • 山茶花

    振り向いたひとそれぞれに冬の虹 横丁の鬼払いたる節分会 黒潮のぶつかる崎の水仙郷...

  • びわの花

    折れバット投げ込んでいる焚火かな ブルペンのエースと呼ばれ枇杷の花 給水塔へ坂だ...

  • スタート

    マスクして駅伝試走者逆走す 日時計に影刻みおり冬のばら 新成人それぞれ一人カラオ...

  • 昭和のゴミ箱

    栴檀の実みな墜ちて川となり 廃校の庭に黒々とんど跡 一月をはや折り返し宿酔 寒々...

  • 臘梅

    冬日向に沿いバス待つ人の列 流出の土砂に際立つ霜柱 駅伝の試走者橋にとりかかる ...

  • 万両

    千両も万両もある藪小径 元朝や歩き始める人と逢う 干支と知らず痩せ亥のさまよえり...

  • ツワブキ

    電飾に絡めとられて冬木立 トナカイと白熊遊ぶクリスマス セーターの首の輪太し漁師...

  • 片方の銀の長ぐつ聖夜祭 イヴの夜三十分待つ聖橋 トナカイとサンタ一服舞台うら 草...

  • 銀杏落葉

    雁行のV字末尾が乱れおり 革砥あて理髪師冬の月見上げ 身の丈の縮まるほどの寒さか...

  • クロガネモチ

    マスクして目で指図するおんなかな 乾杯の音頭もなにも焼鳥や だるまストーブ赤々ビ...

  • こだわりの原寸大携行木の実図鑑 泡立草の土堤打ち込めば本塁打 頂で一瞬停止冬の噴...

  • 野外音楽堂

    みの虫揺れる笑うと揺れる コスモスをぐぁんと抱えてから縛る 猪垣に沿う必ずあるす...

  • 韮の花

    遮断機が下りれば休む虫時雨 退息所門柱あたり葉鶏頭 ろくむしの記憶の空に秋あかね...

  • 夕焼け

    スーパーのレジの辺りに吾亦紅 祭り笛幼なじみの老いにけり すすき原泡立草に寄り切...

  • 芙蓉

    鉄棒にぶら下がるだけ体育の日 政治家と胸張っている赤い羽根 秋刀魚を一本の骨にし...

  • つゆくさ

    噴水に虹つくり出す角度あり 朝まだき銀杏拾う影ふたつ また台風駅の自転車寝たまん...

  • ヒグラシ(標本)

    ひぐらし聴かず亡骸拾う 秋暑し赤色ばかり目立つ街 廃線路閉鎖トンネル蟲の声 ギン...

  • 稔り

    夜学生大きく振りかぶり擬投す 旧国鉄駅長官舎泡立草 定時制一教室のみ灯りけり 順...

  • 早生クリ

    虫図鑑三冊揃え夏終わる 土砂崩れその先に咲くダリアかな 見上げてもただそれだけの...

  • トウモロコシ

    紅と白と樹はそれぞれに夾竹桃 灯消してテレビ中継花火かな 蝉の穴覗くすべて暗黒 ...

  • 飛行機雲

    被災地の泥を落とせば白い靴 ジャンジャンとクマゼミばかり山ひとつ アーケード時お...

  • 薔薇にキリギリス

    ビアジョッキぶつけ合ってる別れかな 卯の花腐し背嚢負いし兵士墓 キュウリのカタチ...

  • アザミ

    万緑に移動図書館上り来る 道草して葉裏にはかたつむり 東京に特許許可局ほととぎす...

  • ドクダミ

    ドクダミ踏んでお忍びの人が来る 六月に咲く花多し散る花も 団欒のあかりゆらゆら植...

  • 蒲公英の絮

    燕来る破れアーケードかいくぐり バス待つ間たんぽぽの絮を吹く 飛行機雲の先端光り...

  • ツツジ

    時鳥けさ啼いたこと記す 遠足の一群帽子の色を揃え来る 林縁に朝告げにくる時鳥 天...

  • ヒメシャガ

    実習のバスゆるゆると若緑 青ぬたやママは三つの名前持つ 廃屋に裏の門有りシャガの...

  • 石垣

    犬駆ける向こうは海の土筆土堤 飛花落花団地の溝の一直線 蛇穴を出づまばたき二三度...

  • 春霞

    踏みにじられし処にばかり桜蕊 菜の花畠に弾丸のサヨナラ打 春霞黒板拭きは叩くまい...

  • 甘藷

    みなつぼみ縦に一列花だより 遮断機に葱坊主ずらり首をふる 鯱は空に突き出し鳥雲に...

  • 梅日和

    現役の煙突は無し鳥帰る 遠投はまだ山なりの梅日和 一人ずつ抜けゲームは終わる春の...

  • 蕗の薹

    小花火のごとく弾けて蕗のたう 水底に頭ばかりの蝌蚪の群 一筋の藁に八尾の目刺かな...

  • スイトピー

    雪下の芥引き出す寒鴉 梅咲いて猫の柱にネコ上る 山眠る数えた羊呑み込んで スイト...

  • ドック

    春眠や腋に挟んだ体温計 菜の花に見え隠れして薬売り 呉みなと春の燈あれど歌われず...

  • 栴檀の実

    蕗の薹かたし枯葉一枚のせておく 限りなく極彩色の種袋 青ぬたに冷やの酒から始まり...

  • 貨物通過

    前列はみな足踏みす春隣 石段に撒かれた豆がまだ残る 頭の芯が凍ったまんま二月来る...

  • 柚子

    すきま風少し入れたい深夜バス 噴水の吹き上げる先冬の虹 海鳴りに耳傾ける枇杷の花...

  • スイセン

    風花や空青ければ雲白し 透明と濁るを併せ持つ氷柱 葱だけを持ち来るひととすき焼き...

  • 薪棚

    ビーカーに冬薔薇一本投げ込まれ おばいけと軒に看板鯨売り 冬帽子目深に眠る深夜バ...

  • 帰り花

    旅先の燃ゆるとんどを遠巻きに 駅伝の試走それぞれ息白し ぜんざいに火が入れられて...

  • 冬の菊

    縄跳や跳ぶといふより跨ぐよに ウサギ跳ぶ瞬時思案の跡残し 寒菊の近ごろ茎の太きこ...

  • ロウバイ

    旧軍港引込み線に帰り花 カワウ拠りて白骨といふ大枯木 舟帰る牡蠣打つ岸の蠢いて ...

  • 枇杷の花

    節くれの堅き榾みな積まれおり 現れてやがて悲しき青写真 枯野はるか手を振りながら...

  • クロガネモチ

    元朝や真白のページに掠れ文字 初詣で石段途中ですれ違ふ スイセンの群落ふたつ岬み...

  • 正月準備

    大晦日窓に灯の無き拘置支所 いくさにはならぬ老兵社会鍋 行く年や積ン読本を積み直...

  • カニラン

    日向ぼこばかり野外音楽堂 ポケットにケータイ番号冬の月 カニランとおんな深夜に爪...

  • Xmas

    ダグアウト折れたバットと落葉焼く 朴落葉けちらしたくて引き返す 網棚にXマスケー...

  • 葉牡丹

    目深どころかすっぽり冬帽子 整然と並ばされている葉牡丹 まっすぐに刈田横切る通学...

  • 落し物

    雪載せてそのまま北へ帰るバス 山眠るか県境すべてトンネルに 柚子どうぞ三つ四つと...

  • 標識

    おでん鍋底に古参の玉子かな 枯芝にトライアウトの打球音 家猫や硝子戸越しに冬の空...

  • 落葉踏む

    きっぱりと裸で立てり大銀杏 「先に行く」と十二月の伝言板 西口でねとはまつすぐに...

  • 電灯ウサギ

    振り上げる冬の蟷螂としての斧 いまが幸せ前撮りす十二月 電柱に質の看板十二月 太...

  • 川の舟

    冬ざるる片足で立つフラミンゴ 小春日や地下道よりは歩道橋 ねぎ外すならねぎ間頼む...

  • 銀杏

    何笑うセーターの袖長くして 立飲みの背中さびしき返り花 白菜がトラックで来る鍋の...

  • 対岸

    黄落に公衆電話ハコで在り 熱燗で来るかしばし付き合うか 露天湯の煙の向こう石蕗の...

  • 残り菊

    太郎さんは寝る簑虫はぶら下がる 山くじら尾っぽに役場の報償金 茶の花と気づき坂道...

  • 紅葉

    肩庇う十一月のエースかな 閉ざされた山門までの銀杏散る 枯菊も放り投げたる焚き火...

  • 残り柿

    落葉踏むやはり似合わぬハンチング 白菜転げ今夜もなべらしい 運河までヒメムカシヨ...

  • ツワブキの花

    洗濯板立て掛けてある今朝の冬 遮断機下りている間も虫の声 辻斬りを見て知らん顔鶏...

  • 秋桜

    コスモスの先には砂丘日本海 白線のやや右曲がり運動会 秋晴れや三角ベースなら出来...

  • 栗園に下りる小径に猪の檻 選外に光るものあり菊花展 銀杏を踏んづけるなよ並木道 ...

  • ゾウさん

    鳥威し黒目がちなる大目玉 トランプはとうもろこし毛の案山子かな 稲刈りの新しきカ...

  • 顔ハメ看板

    秋空に少し近づく跨線橋 蟷螂の枯木となりてとどまれり 豊の秋駅伝走者駆け抜ける ...

  • リンゴ

    卑怯なり口そう読める菊人形 椎拾う角ポケット瓶携えて 国鉄にチッキ硬券リンゴ箱 ...

  • 航路

    道なりに刈り残されて曼珠沙華 獺祭忌バス停もある子規の句碑 虚無僧がスタコラ歩く...

  • ヒツジ

    鉄道草みな薙ぎ倒し野分過ぐ 足萎えて頭は明るき敬老日 神楽坂最後の蛇が穴に入る ...

  • 玉蜀黍

    ギリシャ船入り秋の燈となりぬ ブルペンにお呼び掛からず落花生 玉蜀黍かじりミサイ...

  • 塩辛トンボ

    第二球場ブルペンに墜つ鬼やんま 一列に歩道橋ゆく秋へんろ 引き込み線草に埋もれて...

  • 百日紅落花

    秋蝶の群れて飛び交う村はずれ ポツリ落ち線香花火の熱さかな かまつかに気付く堀端...

  • ツユクサ

    六地蔵やがてけものの道となり 炎天の安全太郎やさおとこ 威し銃わずか二枚の半田に...

  • 百日紅

    夏おわることしも何か積み残し 夏木立しばし佇む郵便夫 路面熱して夕立走り去る 夜...

  • キョウチクトウ

    舟蟲の群れが先行く磯辺かな 川岸にぬかづく老婆夾竹桃 風鈴を叩く風にも名前あり ...

  • 東京タワー

    聯隊の石柱に降る蝉しぐれ かき氷くちびる赤きイチゴ味 海見える家の石べい百日紅 ...

  • カンナ

    墜死せり蝉も含めて蟲籠に 油照だれも渡らぬ歩道橋 砂丘来てらっきょう畠の風渡る ...

  • 夏越祭

    朝顔を上らせている路地抜ける 七月のあじさい芥となりにけり 金魚玉めだまばかりに...

  • ノウゼンカズラ

    少年兵多しわがまち白帽子 雷は遠しトリセツは八つ折りに 陽の落ちて浜の日傘をたた...

  • 地球儀

    七月の量りしれない桶の水 片蔭を選ぶずいぶんと遠回り だれか地球儀を放置す夏木立...

  • 緑陰

    たまに鳴る風鈴でこそ涼しけれ 愚直さを売りにするなよ冷奴 日時計にサルビアの咲く...

  • あざみ

    どくだみの裏木戸抜けてきた気配 ぽつぽつと雨と見まがう水馬 五時起きの先を越され...

  • びわ

    横泳ぎばかりしている人魚かも ひがしねかあずまねからのさくらんぼ 傘先で突かれ易...

  • 栗の花

    薫風やいまはむかしのロバのパン ひんやりと森の精なる栗の花 和紙巻かれ木箱に入る...

  • 夕田

    時差ぼけもせず午前四時のほととぎす 捻れれば胡瓜揉みとは解せぬ 一枚の静謐となる...

  • ハナウツギ

    抜け道は海にぶつかる花卯木 噴水に分類小便小僧かな やご浚えするプール清掃日 苗...

  • しろつめぐさ

    風薫るゆっくり揺れる象の耳 讃岐路や葱青々と冷うどん ナイターや芝青ければ球白し...

  • 五月晴

    夏つばめ昔ドロップいまカーブ 柿若葉おろし蕎麦食う窓の外 茅葺きの主は不在藤の花...

  • ボール痕

    かげろうの波止に傾く係船柱 野遊びや蓬色なる足のうら 缶蹴りの最後の鬼に子供の日...

  • ヒメシャガ

    葱坊主遮断機下りれば揺れる レコードに小径一本昭和の日 前撮りの新郎新婦おぼろな...

  • 躑躅

    囀りや鳥類図鑑役立たず 山笑うスイッチバックは忙しい 坂道はくるくるまわる春日傘...

  • タンポポ

    具体的且つ詳細に春の夢 半島を目に焼き付けて鳥雲に かすみ草主役のときはそれなり...

  • スミレ

    昼餉時も足並み揃え新社員 試合なき球場巡る遠足子 春芝に飴色の義足乾かせり 海見...

  • 春の芽

    ザクと切る薄き緑の春キャベツ 展示デゴイチみな吸い寄せる花吹雪 ドッグランもとは...

  • 夏みかん

    だれも手を伸ばさぬものに夏蜜柑 春昼や亀頸あげて立泳ぎ いぬふぐり鉄条網の向こう...

  • 落椿

    椿落つまっ逆さまといふ形 連翹や陰も黄色き小道かな 石鹸玉路地すり抜けて運河まで...

  • 透明傘また買うことに春しぐれ 歩道橋わたる人無し鳥雲に 山笑ふ地玉子といふオムラ...

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