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藤原(本人)
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2009/06/18

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  • 親馬鹿と逃避少女その1

    例のごとく釈放された俺たち(俺と定平さん)は再び文美香の屋敷に戻る事になった。 出る際、私用でここを使うのやめるようにあんたんとこのお嬢様に言っといてくれよって言われたけど…………無理だろうな。 あ、ちなみに山口はまた出られなかった。きっと忘れられてる。 「幸人さん! 定平!」 屋敷に着くと文美香が飛び出してきた。若干目が潤んでいるようだが気のせいだろうか? お嬢様は…

  • 執事と逃避少女その5

    次の日の朝、掃除をしつつ(一応執事として雇われているのだから仕方ない)早い事コイツから逃げようと色々と考えていたとき、文美香が俺のところに来た。 「あの、幸人さん」 「ん? 何だ? 俺は掃除で忙しいのだが」 正確には逃亡計画を練るので忙しいです。 「朝食はまだでしょうか?」 「はあ?」 ああ、そうか。いつもは定平さんが作っていたわけか。 「俺は料理はできん。すまないが自分で作…

  • 執事と逃避少女その4

    1階の隅にある部屋。とても頑丈そうな扉は少しだけ開いていた。 まさかいつも開いているなんて事はないだろう。 「その部屋はダミーの金庫室なんですよ。わざわざわかりやすいようにして愚か者をおびき寄せる罠用です」 それはそれは。 定平さんは静かに部屋に近づき、音を立てず戸を開け、中へと入った。 「これはこれは。私ともあろう者が来客に気がつかないとは。大変失礼いたしました。ところ…

  • 執事と逃避少女その3

    金の誘惑に負けた俺はよりにもよって北山文美香の執事をやる事になってしまった。詳しくはその2を参照。 しかもお嬢様の気まぐれという期限付きで。 飽きられればクビ。ちなみに元々の執事である定平さんはついさっきクビを宣告され、引継ぎと言う事で今、執事の仕事を教えてもらっている。 「まずはこの屋敷の掃除からお願いいたします。こちらが見取り図となっております」 と言われ手渡された紙を…

  • 執事と逃避少女その2

    「私の執事をやらないか?」 突然、某少年誌(日曜日って名前なのに水曜発売のやつ)に連載している漫画の台詞をまさか言われるとは思っていなかったので俺は今困っている。 「ごめん。今なんて言った?」 「あれ? 聞こえませんでしたか?」 「いや、そうではなく」 「あ、大丈夫です。そこの定平はクビにしますので」 定平とはこの執事さんのことか? っていうかひどすぎやしないか? 執事さんの方に…

  • 執事と逃避少女その1

    「北条幸人、出ろ。釈放だ」 ここに入った次の日、突然釈放となった。 「え? あ、はい」 突然のことで呆然としながら俺は牢屋から出る。 「って、え? 釈放っスか?」 「ああ。被害者側の方が何でも間違えたとかで。今日その連絡があった。それからお前に迎えが来てるぞ」 迎え? 何のことだ? 「あ、あのぉ…………俺は?」 牢屋の中から恨めしそうな声が聞こえてきた。そう、山口だ。 …

  • 脱獄囚と逃避少女その6

    「結局詐欺じゃないですか」 駅へと向かう途中、文美香は不機嫌そうに言う。 「詐欺じゃないさ。現に治ったみたいだし」 あの部屋、俺が鈴音さんの目を治療した部屋に幽霊なんて居なかった。 いや、そもそも彼女には幽霊は見えてはいなかった。 幻覚 その類だ。 彼女の目、正確には脳は事故以来幻覚が見えやすくなってしまった。そう思う。 「だけど幸人さんの話を聞く限り…

  • 脱獄囚と逃避少女その5

    結論から言うと鈴音さんの場合、よく漫画とかであるパターンのものだった。 次の日、仕方なく雑魚寝した俺は体中が痛かった。 「北条さんどうされましたか? もしかして布団が合いませんでした?」 「あ、いえお構いなく」 合うも何も枕しか使ってない。他人の家ということも忘れ、未だに起きてこないどっかのバカのせいだ。 今朝見たらやっぱり枕元には危険な物体が置かれていた。いつの間にかサ…

  • 脱獄囚と逃避少女その4

    「幸人さん、それでこれからどうするんですか?」 「まあ、お前は邪魔にならないように黙って見てな」 さて、これからどうしようか。正直ノープランだったりする。 強引な手を使うってことも出来なくは無いが、その後何が起こるか俺にも予想が出来ない。 まずは原因を突き止めてから順々に攻略していくべきだろう。 「それでは鈴音さん」 「はい」 ちなみに笹久保氏の姿は無い。なにやら仕事が…

  • 脱獄囚と逃避少女その3

    依頼書によればこの屋敷に違いなかった。 ………………きっとここはなんとか組の屋敷に違いない。前にこんなのをテレビで見た気がする。 そのくらい威圧感のある日本建築の大きな屋敷だった。 呼び鈴を押すと間もなくして4、50代くらいの女性が出てきた。 「北条幸人様ですね? お待ちしておりました」 どうぞこちらへ、と中へと案内される。中も予想を裏切らず、広い日本庭園に立派な…

  • 脱獄囚と逃避少女その2

    「幸人、俺忠告したよな?」 次の日の朝、また山口に会った。俺を見るなり大きくため息をついた。 「仕方ないだろ。見つかっちまったんだから!」 原因は俺の隣にいる奴。そう、北山文美香だ。 「幸人さん。こちらの方は?」 「借金取り」 そう言うと文美香は目を輝かせた。 「借金取り! 本当ですか?」 山口は抗議の声を上げてきた。 「幸人お前! 俺を巻き込むな!」 「あきらめろ。お前…

  • 脱獄囚と逃避少女その1

    「よう、脱獄囚」 外に出るとタバコをくわえた男が大型バイクに寄りかかっていた。 山口秀樹(やまぐちひでき)、俺専門の借金取りだ。そろそろ来る頃だとは思ってたけどまさかここにまで来るとは…… 「よ、よう山口。よくここがわかったな」 「お前が捕まったって聞いたときはあせったぞ。仕事が無くなっちまう」 少しは俺の心配をしてくれ。 「にしても脱獄とはやるな。とうとう幸人も犯罪者の仲間…

  • 詐欺師と逃避少女その5

    幸人です。今、刑務所の中にいます。 ええ、まあ。簡単に言うと逮捕されてしまいました。 詐欺? 違います。未成年者略取、つまり誘拐ってことらしいです。 あの後、俺は文美香の目を盗み逃げ回った。 だがどう逃げてもその先に文美香が待ち構えていた。なんでも得意技の一つ、「先読み」だそうだ。 俺は逃げることを諦め、すでに昼時ということもありラーメン屋にでも行こうということに…

  • 詐欺師と逃避少女その4

    文美香が俺に向かって札束を突き出している。 他から見るときっと異様な光景に違いない。 まっすぐと青年の目を見つめ、お金(しかも大金)を渡そうとしている少女。 もし警察がきたら職務質問されるに違いない。いや、警察じゃなくたってきっと俺のことを怪しい目で見てくるだろう。 だがな、説明しろって言われたってなんて答えたら言いかわからんぞ。むしろ俺が説明してほしい。この目の前にいる少女に…

  • 詐欺師と逃避少女その3

    「なんでお前も一緒に食ってんだ?」 ホテルの1階にあるレストラン。宿泊料に朝食代が込みってところがとってもいい。 それがこのホテルを選んだ一番の理由であったりする。 「え? ここって別に泊まらなくても利用できるはずですよね?」 ああ、確かに一般開放されているみたいだな。若いサラリーマンとかOLさんとかも朝食をとってるようだし。家で食ったほうが安くつくだろうに。いや、そんなことより…

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