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のくた〜ん
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2009/02/11

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  • 眠り姫は夢の中 7章-12

    「ねえ、リヴァ。わたしの子供を殺した魔女は、元気かしら――?」「――アリオーシュ!」いきり立ったリヴァの横を聖花はすり抜けた。「アリオーシュ……無事でよかった」抱きつかれる格好となったアリオーシュは、一瞬きょとんとした表情を浮かべ、微笑みながら聖花の髪を撫でた。「ごめんなさい。――あら……」傷だらけの手を取ると、「聖花、あなた……」苦笑。「エレメンタラー」アリオーシュの周りを舞っていた炎の残滓が、水滴へと姿を変えた。「わたしを助けようしてくれたのね……」水滴が傷を潤すたびに、痛みが遠のいていく。「すごい……」ものの数秒で、聖花の手の傷は、すべて消えていた。「さあ、行きましょう」聖花の手を取って歩き始めたアリオーシュ。困惑する「行っちゃだめだ!」空いた手をリヴァが引いた。思いがけない強い力に聖花はよろめき、転びそ...眠り姫は夢の中7章-12

  • ごめんなさいごめんなさい

    放置してごめんなさい。まだ生きてます。近々更新再開します。以前もこんなこと書いたけど・・・書きたい話も何個かあるので、まずは眠り姫を完結させまふ・・・ごめんなさいごめんなさい

  • 眠り姫は夢の中 7章-11

    どれだけ走ったのだろうか。荒い息をつくリヴァの姿に、聖花は胸が痛くなった。「聖花、手を見せて。ひどい傷だ」言うが早いか、聖花の手を取るリヴァ。聖花は思わず手を振り払って叫んだ。「わたしのことよりも、アリオーシュを助けて!」「……アリオーシュ?」ようやく事態を把握したらしい、リヴァが目を剥いた。「こ、これは――なんだ?」轟々と鳴り響く風の音に、リヴァはようやく気がついたらしい。聖花は脱力そうになりながらも、リヴァに説明した。「あの中に、わたしを助けてくれた人がいるの。あの黒い風は、わたしを狙ってきた人で――」言い切る前に、リヴァが手で制した。「……そうだろうね」そのどこか余裕を感じさせる態度に、聖花は口をわななかせると、「アリオーシュ……ぼくが知っている彼女なら、この程度の障害――」突然、黒い風の一部が弾けた。「...眠り姫は夢の中7章-11

  • 眠り姫は夢の中 7章-10

    「……安心して、これからはわたしがあなたを守ってあげる」そう言い、手を差し伸べてくる女性――アリオーシュ。だが、聖花は落としたピュラの羽を拾うと、躊躇いも無くアリオーシュに向けた。羽は――聖花の意思に応えて、ナイフへと姿を変える。「あらあら……」アリオーシュは少し困った表情を浮かべ、身を屈めて視線を合わせた。「傷ついているわ」突きつけられたナイフなど、まるで気にすることなくアリオーシュは聖花の頬に触れた。「さ、触らな――」顔をそむけた聖花を、静かな声で制す。「じっとして」アリオーシュは手持ちの水筒から指先に水を垂らすと、聖花の頬へ塗った。「これで大丈夫。女の子だもの、顔に傷を残しちゃだめよ」優しく微笑むアリオーシュに、聖花はぽかんと口を開けて見ているしかなかった。「教団騎士が一人、『ハイエルフ』アリオーシュよ。...眠り姫は夢の中7章-10

  • 眠り姫は夢の中 7章-9

    ミストが近づいてくる気配を感じながら、ピュラはただ、その時を待った。首をのけ反り、瞳を閉じる。くすり、という微かな笑いはミストのものだろう、ピュラは苛立ちを憶えずにはいられなかった。「ピュラったら、かわいー」思いのほか近くから聞こえたミストの声に、ピュラは身を固くした。「早く、やれ!」はいはい、とピュラの首筋に近づいたミストだが――「……ピュラ?」か細い声に、ピュラは眼を開いた。「飛花?起きたのか?」ミストを押しのけ、ピュラは起き上った。「あ、ちょっと待って」自分の姿を思い出したピュラが慌てて、ミストの後ろに隠れた。「間が悪いなぁ」ミストが不機嫌になる。服を着たピュラは無視して飛花の元へと向かった。「ピュラ……せーかは?」ジルハに抱かれた飛花が訊いた。「……少し、散歩に出ているだけだ。すぐに帰ってくる」飛花の髪...眠り姫は夢の中7章-9

  • 眠り姫は夢の中 7章-8

    「なんだ!」押し寄せる熱気から飛花を守るように立ち上がった。「ミスト!」ピュラは舌打ちをした。不意を突かれたとはいえ、この程度の術に嵌ってしまうとは。「なんのつもりだ?ジルハ」怒気を孕んだ声音。ピュラの背後から微かに息をのむ音が聞こえ、諦めたように狐耳の少年が現れた。飛花を抱きなおしながら、ピュラが睨む。普段なら、それだけで怖気づくほどか弱い少年であるジルハは、しかしながら、しっかりとピュラを見据えて言った。「お嬢さまを守るためです。もちろん、この程度のことで『血狂い』ミストを倒すことなどできませんが――」炎の壁の向こう――ミストが座っていたあたりから鋭い金属のような物がぶつかるが響いた。そして、次の瞬間、少女のか細い悲鳴が響いた。「ティア?」相棒の悲鳴にジルハは明らかに動揺した。「……炎を解け」どこか諦めたよ...眠り姫は夢の中7章-8

  • 眠り姫は夢の中 7章-7

    「ミ、ミスト……!」呆然と呟いたのもつかの間、ピュラは慌てて自分の首筋に触れた。「心配しなくていいわ。あたしは寝ている人には手を出さないの」灰髪灰眼の少女、『ミストレス』・ミストクルが嘲笑う。「苦痛に満ちた表情を見るのが、何よりも楽しみだもの」いつからそこにいたのか、両手でカップを包み込みながら、悠然と言った。「……それで、ここで何をしている?」武器になりそうな物は近くにない。まして、飛花を抱いたまま、ミストとやり合う自信はなかった。ミストは唇を尖らせると、「つれないわねぇ。昨日はあんなに激しくやり合ったのに」「おかしな物言いをするな!」思わず声を荒げるピュラ。ハッと、飛花を見る――起きる気配はなかった。「その子が例の子ね……ふぅん、なかなか可愛いわね」にぃ、と笑ったミストの唇から、微かに牙が覗く。「ノーチェは...眠り姫は夢の中7章-7

  • 眠り姫は夢の中 7章-6

    軽く、呻くような声を上げた。どうやら眠ってしまったらしい。霞みかかった思考、焦点の合わない視界――どうにもぼんやりする。ピュラは大きく伸びをしようとして、その両手がふさがっていることに気がついた。腕の中で眠る飛花。そうだ、ピュラは思わず苦笑せざるを得なかった。聖花とリヴァを待つ間、飛花にせがまれて、絵本を読んでいたのだ。この絵本を持ってきたのは、ジルハだったか、ティファレトだったか……二人の獣人は、休む暇もなく出て行ってしまった。それも、致しか仕方がない。街中に突然芽吹いた花々。家を丸ごと飲み込み、天を突くようにそびえ立った大樹……たとえここが街外れにある一軒家とはいえ、近隣の住民には説明をしていかなければならないだろう。その根本的原因を作った花の妖精は、小さな寝息を立てて一向に起きそうになかった。時刻は正午を...眠り姫は夢の中7章-6

  • 眠り姫は夢の中 7章-5

    走る、走る、走る……リヴァは額にうっすらと浮かんだ汗を拭って立ち止った。どうにも、おかしい。聖花は道に不慣れだ。いくら入り組んだ路地に迷いこもうとも、リヴァには見つける自信があった。街にはところどころ泥棒避けの呪いをかけている場所もある。中には、街に住むリヴァでら知らない場所に貼られた呪いもあるだろう。初めはその呪いに引っかかったと思った、が――リヴァはふと、塀に手をかざしてみた。冷たい石の感触、そして、微かな、さもすれば見逃してしまいそうなほど僅かな痕跡。「……おかしいと思ったよ」リヴァは塀を殴りつけると、「出てこい、ナコ!」ぐらり、と周りの景色が歪む。塀や家は次々と紅葉の木へと変わり、透き通る青い空は星ひとつない、漆黒の闇へと変貌した。リヴァを取り囲むように、赤い鳥居が延々と続いている――準禁呪の一つ、『箱...眠り姫は夢の中7章-5

  • すみません・・・

    生きてます・・・今週中には再開します。再開・・・内容を憶えてる人いるのかなぁ・・・すみません・・・

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