コンクエスト赤の惑星 －63－

－63－ ローバーはキャンプからそれほど離れることは想定されていなかったから、コロニーで開発され作られた貴重なGPS機器の搭載に至らなかったのは仕方のないこ…

コンクエスト赤の惑星 －62－

－62－ 求めた画像はすぐに表示された。 件の渓谷をレッドプラネット号から撮影したものだ。 「思った通りですよ。影の具合から見て、崖の段差は明らかに小さくな…

コンクエスト赤の惑星 －61－

－61－ 火星での〝谷”というのは、地球のそれでイメージするものとはかなり異質なもので、まずはスケールがけた違いに大きいことだろう。 幅も広いが、何よりも崖…

コンクエスト赤の惑星 －60－

－60－ エドワードは通信を終えると、すぐに受話器を取り上げてラインハルトに知らせた。 「・・・ということで、議長からキャンプに指示を出してください」彼はロ…

コンクエスト赤の惑星 －59－

－59－ ポッドの上昇ペースは、これまでよりも明らかに遅かった。 離陸してから約1分後、残ったブースターの燃料が尽きたのを確認したポールは、それを合図に止め…

コンクエスト赤の惑星 －58－

－58－ ふたりはエドの指示とアドバイス通りに準備した。 キャビン内外の動かせるものはすべてでき得る限り右側に移動させて、機体重心を右側に寄せていた。 そし…

コンクエスト赤の惑星 －57－

－57－ 「どちらの傷も微妙だな」エドワードはブースターの構造を頭に浮かべながら言った。 「どう微妙なんだ？」ポールはエドが言わんとするところをもう少し正確…

コンクエスト赤の惑星 －56－

－56－ 一連の行動を経て、ポールは三度目の離陸を開始しようとしたその時である。 「・・ポール、あれを見て・・」サマンサは慌てた様子で右斜め後方を指さした。…

コンクエスト赤の惑星 －55－

－55－ 撤収作業は10分とかからなかった。 二人は再びポッドに乗り込むとサマンサが通信機のスイッチを入れ、レッドプラネット号との交信で作業完了報告と、設置…

コンクエスト赤の惑星 －54－

－54－ 「ポール、あなたは機材を降ろしてちょうだい。私は設置場所を探してみるわ」サマンサは早く地上に立ちたかった。 「OKサム、君は始めて火星に立つんだな…