コンクエスト赤の惑星 －26－

－26－ 文字通り間一髪だった。 シャトルが上空へ去った直後、砂煙の壁はその航跡をあっという間に呑み込んだ。 そして間もなく、火星キャンプは砂嵐に覆われた。…

コンクエスト赤の惑星 －25－

－25－ 「・・越えられそうか・・」ギブソンは心ここにあらずの様子で、形式的に尋ねた。 本気で質問したわけではなかった。 「・・厳しいと思います・・想像以上…

コンクエスト赤の惑星 －24－

－24－ 「・・スラスター・・ですか？」パイロットは戸惑った。 「それしかない。早くやれ」ギブソンは強い口調で命令した。 「イエッサー」ギブソンの意図を理解…

コンクエスト赤の惑星 －23－

－23－ カウントダウンが5分を切ったとき、突如管制から緊急無線が入った。 ギブソンは一瞬ぎょっとしたが、すかさず応答した。 「大佐、たった今気象観測班から…

コンクエスト赤の惑星 －22－

－22－ 電話の向こうでは、誰かが待ち構えていたかのようにすぐに応答があった。 「ポール、待ってたわ」相手は火星の気象を研究し、気象情報を発している部署のト…

コンクエスト赤の惑星 －21－

－21－ 火星歴元年 11月 シャトルの第一便が火星に降り立って11か月、火星暦での半年余りが過ぎた。 ここまでは概ね順調に計画が進められたとみていいだろう…

コンクエスト赤の惑星 －20－

－20－ 引き続き逆噴射もされるが、正噴射に比べてかなり非力であるであることから、プラスα的な要素にとどまる。 ここからの主役はあくまで車輪のブレーキシステ…

コンクエスト赤の惑星 －19－

－19－ 「・・その手もあるわね、竹田ディレクターはどう思う？」ラインハルトはエドの提案に一理あると考え、竹田に打診した。 「・・そうですねぇ・・それなら確…

コンクエスト赤の惑星 －18－

－18－ その二十日後、シャトル用滑走路の工事がひとまず終了した。 酸素残量に余裕ができたことで、作業はより念入りに行われた、日数が数日延長までされていた。…