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2008/10/14

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  • 2人のサンタ

    クリスマスイブの日サンタクロース達は忙しそうにそりに荷物を積み込んでいましたそこにはダボダボのサンタ服を着て積み込みを手伝う男の姿がありました「おや新入りかね?」他のサンタ達が声を掛けていきます「ええ…一日助手を務めます」白いひげを生やしたこのそりのサンタがやってきました「さあ全部積みこんだらトナカイに餌をやって出発じゃ」世界中の子供たちに配るプレゼントを積んでサンタ達のそりは次々と出発してゆきます「なんか悩んでるそうじゃが…そりに乗ったらしっかりつかまってないとふりおとされるぞい」そういったはしからもう落っこちそうになってサンタにしがみ付いてます「はあ……ひぇ~~~」「なんてドジな男なんじゃ~まあいいさドジな奴に悪い奴はおらんからのう!」「ひゃ~こわい~」肩をすくめてぶるぶる震えていますサンタ達は街に着くと煙...2人のサンタ

  • スペア・タイアード

    同僚の佐伯の様子がなんか変!受け答えもそつがないし仕事も捗ってるようすだけどヤッパリなんか変!他の人の目は誤魔化せても私の眼は誤魔化せないたとえば、トイレに入ったとき必ず口ずさむミスチルのあの歌を歌わないし手なんか洗ったことないのに洗ってる「よう!お前なんかあったん?」「別にいつもと変わらないよ」でもやっぱり変!昼飯の時もいつもはまず味噌汁を一口すすって(ふうー)ってため息をつくのにハンバーグから食べてるといっても姿形も声も佐伯なんだし…。次の週の月曜日の朝状況は一変した事務所の扉をくぐると真っ黒に日焼けした佐伯がそこにいた皆には土日とスキーに行って雪焼けした等と説明しているどうもスキーの焼け方とは違うようだ訝しく思った私は奴のスラックスをちょいとはぐってみた案の定そこには真っ黒に日焼けした素足があった「………...スペア・タイアード

  • 人を雇う

    小さくてもいい確かな人材で確かな会社を作りたいのだそのためにはありきたりな採用試験では駄目なんだ面接のようなよそ行きの場では皆本性は現さないマニュアルどうりの受け答えや態度に終始する事になるクレメンスの山田さんだねあんたの評判はよく聞いてるよわしの要望に応えてくれるかねええわかりました私どもにお任せください必ずやお望みどうりの人材を見つけ出してごらんにいれますおおそうか頼もしいな詳しい事はこの持田と話し合ってくれたまえかれは人事を担当する事になるんだ1ヶ月後…では明朝御迎えに上がりますどこへ行くのだ?何でも街中での人材スカウトだそうです明朝大きな橋のたもとのビルの屋上社長と持田とクレメンスの山田朝の渋滞時間いいですかよく見て下さい右側車線と左側車線がありますが実際ほとんどの車は左側の国道に行くのです当然左側の車...人を雇う

  • アルブウ

    「おおついにアルブウが完成したぞ!」「博士おめでとうございます、ついに血中アルコール濃度を瞬時にゼロにする薬が出来たのですね」「おおそうだこの薬でもう酒酔い運転の心配はなくなるし閑古鳥が鳴いている飲み屋街もまた蘇るぞ!」「では早速試してみましょう」助手は用意したウイスキーをラッパ飲みした「フーッ!グビ~~~@:*酔っ払っちまった~へへへ」「よしこれをこうしてコップに入れてさあ飲みなさい」ゴックン!「おお!博士身体の中が瞬時に爽やかに蘇ります」「ただし欠点があるんだ~」「なんです欠点とは?」博士はニタニタ笑って助手を見ている「お・お・おなんだか猛烈におならがしたくなった失礼します」(プウ~~~)「これが欠点なんじゃよアセトアルデヒドを分解するとそれが気体になって肛門から噴出するんじゃつまりおならじゃな」「それでア...アルブウ

  • おばば

    ほんにおおきにすまんかったねお茶が入りましたけどうぞここにすわらんね建具の調整を終えたボクにオババは座布団を勧めたどうぞ差し出されたのは先程まで仏壇にお供えしていたおはぎである確か大きな銀バエガタカっていた若いもんは遠慮せんで食べナッシャイはあ…いえあのどうしたんね~うまかよぼた餅ば嫌いねそういってオババは悲しげに笑ったいえそういうわけでは…意を決して手を伸ばそうとするとやばい!先程のあの小指の先ほどもある銀バエがゆうゆうとおはぎの上を這いまわっている目が悪いのかオババには見えてないようだこれは話題を変えなきゃ…ところでおばあちゃん若い時はさぞやいい女でしたでしょうはあ!耳が遠いのか間の抜けた返事をする若い時はよかおなごやったろはあまあうれしかごといわしゃるねちょっと待ちやいそう言うとオババはひょいと立ちあがり...おばば

  • うめき声

    交差点を曲がるときドスンと衝撃!急に車が重くなった(やばい!止まらなきゃ)なにもなかったんだ早く早く早く通り過ぎよう何かとぶつかったけど何もなかったんだ気のせいきのせいオレは酒飲んでるし…第一免許ないじゃん!!!会社の車だしちくしょう!なんだこの音は!なんか引きずってる…くそう!!逃げろ逃げろ面倒は御免だ!バスバスバスガーガーザー(ギャーーーーウオ~~~~)シャーシの下からうめき声が…オレは何やってんだ死んじまうぞ!ホントニホントに死んじまうぞ…もういまさらおそい!!!…おそいんだよう~~ちくしょう離れやがれ!ガリガリガリガリ…(ウエ~~~~ダジダジ…ダジゲデ…ぐぐぐ…レェ)ザーザーザー信号停車やばい横の車の運転手が驚いた顔で…こちらを急発進!!!いやだよ~~~誰か助けてチッ!冗談じゃないぜ!何様のつもりだ!勝...うめき声

  • 困った事に…。

    ある日一羽のニワトリが言った人間に食べられるのはいやだ!それを聞いたブタが言った人間に食べられたくないそれを聞いたウシが言ったわしも昔から疑問に思っていたそれを聞いた魚が言ったオラ達もどうにもこうにも納得できねぇみんなで相談して人間に話しに行く事になりました話を聞いた人間たちはいいましたそれは神が決めたことならば神に会わせてくれと動物たちはいいました神はここにはいないしどこにいるかも分からないんだ苦笑いしながら人間たちはいいましたどこにいるかも分からない神がどうしてぼく等を食べるように言ったんだい人間たちは困ってしまいましたうるせい!ガタガタ抜かすやつはまずそいつから食べるぞそう言って動物たちを追い払いました泣きながら動物たちは叫びましたぼくたちの神は一体どこにいるんだろうぼくたちはいつまで人間に食べられつづけ...困った事に…。

  • 給付金

    なに!この忙しい時に陰陽師がきただとそれが東司様の紹介状を持参しておりますうむ秘書官に同席するように伝えろ老人は美人の巫女二人とともに坐していたおもむろに巫女の一人が話し始めた我国には古来よりハレ(晴れ)とケ(汚れ)の思想がありますが御存じですかええ…まあ日常生活はケガレのケにあたりそれに反してお祭りや結婚式などの晴れやかな場はハレにあたります首相は忙しいんだ要点だけを言ってくれないかねまあまあ聞こうじゃないか金は汚れたものいわばケに属しますそれを御上がただばらまくのではただ汚れをばらまくだけ人々の恨みを買いますぞそれは給付金の事かなはあ…老人は頭を下げにたりと笑ったではどうすれば?古来より為政者が金銭を施す時には人々の恨みを買わぬように神や天のなを借りたものですそうすれば人々の恨みも天や神が吸収してくれますか...給付金

  • こたつの中の逃亡者

    夕食の後皆でコタツに入ってテレビをみるそれがその頃の茶の間の風景だった「よし坊よし坊始まるよ逃亡者が始まるよ」姉の声だ「うん…」コタツの暖かさに包まれてボクは睡魔とたたかっていた母の声がする「寝せときなさい、暴れ回って疲れとうとよほんと長男の癖に勉強ちゃいっちょもすらせんで将来逃亡者のごと逃げて回るやろねこの人は…」バリバリと弟がせんべいを食べる音が…(リチャードキンブル職業医師…)テレビのナレーションが次第に遠のいてゆく目の前のライン上を出来かけの車がゆっくり流れてゆく自分に与えられたルーティンをきびきびとこなしながら義光は昨日の人事課長の言葉を思い出していた「期間の満了者はそれで打ち切りとなります更新はいたしません御苦労さまでした!」大会議室を低い溜息ベースの音のように伝わった例のサブプライム問題に端を発し...こたつの中の逃亡者

  • ある時煩わしくなってぼくは自分の影を撒いた影はうろたえて右往左往してぼくを探していたぼくは物陰からそれを見ていた影は声をあげずにひとしきり泣き叫んだあとトボトボとどこかへ行ってしまった影のない毎日は新鮮だったぼくはふわふわとクラゲのように漂った風のように気まぐれに遊びまわったでもある日一人の女性から言われた影のない人とは付き合えないわ小さな子どもから言われたおじさん一人ぼっちで可愛そう老人は云った死んだものには影がないんだぞう~光を浴びるから影はできるそれはセットだったんだ影を亡くしたあの日にぼくは光も失くしていたんだぼくは影を探すたびに出た誰かぼくの影を知りませんかぼくの影を見ませんでしたかカラスが鳴いてぼくをわらった影はおまえの後ろにちゃんとあるよ振り返るといつの間にか影がいた寄り添うように影がいたやあやあ...影

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