疎遠になっていた弟からの手紙は刑務所の住所だった。
二度目の窃盗で懲役二年の実刑判決を受けた弟が初めて刑務所に服役した。刑務所に送られるまで、そして服役中の弟と九つ年上の私のノンフィクション小説です。
人間として仕事をしているのは、刑務官も同じ事。彼らからすれば、シャバに住む私がアウトサイダー。アウトサイダーには機械のように接するが受刑者には喜怒哀楽を表す。…
待合室の狭い世界は異様なほど笑いがない。待っている我々は当然だが、面会に行く度に職員達の無機質さはまるで機械と話しているように感じる。怒っているわけでもない、…
面会も二回目以降は慣れてくるのではあるが待合室の重苦しい雰囲気だけはたまらなくなる連れ添いがいる人はボソボソと身内だけで話しているが知らない人同士が声を掛け合…
----------------------------------------------------------------------立秋とは暦の上、相…
面会ができるのはに来るのは、基本的に家族である。面会ができるのは、平日の午前9時から午後4時まで。社会や人様に迷惑をかけた受刑者に友人、知人、まして仕事関係の…
警察官と話すのは、駐車違反の時と財布を落とした時くらいだった。回数も時間も尋常じゃないほど警察官と話しをすることになった。場所も警察署はもちろん、がさ入れ(家…
----------------------------------------------------------------------前略、先日は忙しい…
090金融とも呼ばれている。090の携帯電話一本で高金利でお金を貸すという非合法の金融。金融業を営むには財務局や都道府県の許可が必要なのだがそんなものはお構い…
弟がヤミ金に手を出したのは、常識が無かったことに他ならない。もともと俗にマチ金と呼ばれる一応合法的な金融業者から五万円を借りたことに端を発する。最終的に私が2…
「あの建物の右側の部屋に入って下さい。」案内の人は50m程さきに見える小さな建物を指さした。学校の校舎のようなコンクリートの建物に隣接するちょうど学校の下駄箱…
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