『おとなの教養 2―私たちはいま、どこにいるのか? (2) (NHK出版新書)』を読んだよ。ポピュリズムはヤバい。前著『おとなの教養』は「私たちはどこから来て、どこへ行くのか?」というテーマで、リベラルアーツについて、池上さんなりに語った本だったけど、第2弾ではさらに一歩進んで、「私たちはいま、どこにいるのか?」というテーマで、それをたえず意識する力を身に付けることを目指す。とは言え、使う材料は現代社会のニュース。これらをネタに、ではどんな話が聞けるか…。まずは、場所が変われば見方も変わるということ。知識を深めていくと、こうした一面的な見方を相対化する力を身につけることができる。それがひいては…
『羅生門・鼻・芋粥 (角川文庫)』を読んだよ。たまには読んでみるのもいい。いつかは読もうと思い、Kindleセールで買っておいたもの。日本人なら誰もが知っている芥川龍之介。そして、その代表作が収録されている本書。「羅生門」も「鼻」も「芋粥」も、過去には読んだことがあるんだと思う。単にストーリーを知っているだけかもしれないけど。でも、それだけ日本人には浸透している作品なのだと思う。いつかはきちんと読んでみようと思っていたのもそれ故か。本書は芥川龍之介の初期作品短編集。芥川作品の特徴らしいけど、色々なタイプの作品有り。旅行記風、歴史読み物風とか。但し、難儀したのは候文。一作品だけだけど。その中でも…
『小説 ほしのこえ (角川文庫)』を読んだよ。SF風ノスタルジー。映画『天気の子』が公開されて、本屋に行くとその文庫本が山積み。『君の名は。』で一世を風靡した新海誠の最新作ということだけど、新海氏の原点が本書の原作となったアニメ作品『ほしのこえ』。たった25分だという。 自分的には『君の名は。』を読んだ後は、原点に戻るつもりで、本書を読みたい本リストに登録していていたんだけれども、そのまま放置が続いてしまった。今回の映画『天気の子』を契機にやっと手に取ったというわけ。物語は2046年から始まる。だから、SF的な背景。主人公はノボルとミカコの中学三年生。だから、ホロ苦な恋愛小説。この時期、基本的…
『富士山はどうしてそこにあるのか: 地形から見る日本列島史;チケイカラミルニホンレットウシ (NHK出版新書)』を読んだよ。あるべくしてある。思わず興味を惹かれるこのタイトル。地学好きの自分だからかもしれないけど。少し前だっただけど、ブラタモリでも甲府盆地の成り立ちをプレートの衝突という考え方で説明していたよね。本書も基本的な考え方は同じ。プレートの衝突とマグマの生成が連動して火山ができるわけだから。おっと、いきなり本題に入ってしまったけど、本書の全体構成としては、富士山の話はごく一部。どちらかというと、副題の「地形から見る日本列島史」が本書の内容をよく表しているかな。そうそう、ちょっと前に読…
『知らないと恥をかく世界の大問題10 転機を迎える世界と日本 (角川新書)』を読んだよ。翻弄され続ける日本。このシリーズの10作目。最初はベタなタイトルに違和感があったけど、さすがに10作目となると全く違和感無し。むしろ、このタイトルでないとダメだな…と積極的に支持する気持ちも沸いてくる。人間なんてそんなもの…。さて、今回はどんな話題か。 やはり、米中が中心かな。そこに北朝鮮が絡んできて、ちょっとだけEUと日本の話題。そして、今回もトランプには辛口の池上氏。 例えば、トランプは、中国からの輸入品に関税をかけると税金は「中国負担」と誤解していました。そうではありません。と、関税は誰が払うものなの…
『「読まなくてもいい本」の読書案内 (ちくま文庫)』を読んだよ。それでも読まずにはいられない。この本はなんだろうか…。巻末の解説には、本書が名著であるのは、読書案内の体裁を借りながら、従来の通説を塗り替える秀逸な現代思想史になっているからだ。と説明有り。思わず納得しそうだけど、読書案内の体裁なのは本の題名だけ。そして、現代思想史を語るのは本の力を借りる以外にないのだろうと思うけど。そして、著者が素直なことに、本書刊行後、「現代の進化論」の興味深いトピックを集めて、『言ってはいけない―残酷すぎる真実』(新潮新書)という「スピンオフ」を書いた。と文庫版あとがきで白状しているよ。本書がオリジナルであ…
『マインドフルネス (ハーバード・ビジネス・レビュー[EIシリーズ])』を読んだよ。集中力の問題?言葉としては知っていて、その中身は何だろうかとは思っていたけど、積極的に知ろうとはしていなかった「マインドフルネス」。どういうわけか、今回は意識が向いてしまい、お手軽そうな1冊を選んで、借りたのが本書。もともとは、ハーバード・ビジネススクールの機関誌に掲載された論文や記事をまとめたもの。だから、編者が同誌の編集部になっていて、書いた人は様々。では、「マインドフルネス」とは何か?冒頭の記事では、人間が毎日仕事に集中する姿勢を、本来満たされるべき力を取り戻すためには、心身と環境との関係を新しく立て直す…
『空飛ぶタイヤ 上下合本版 』を読んだよ。ビジネス・エンターテイメント。上下合冊のKindle版。716頁もの大作だけど、グングンと引き込まれて、その勢いを継続したまま読了という感じ。久しぶりに読了後の達成感も高し。ある運送会社のトラックからタイヤが外れ、歩行者に直撃し死亡。その原因がリコール対象なのか、整備不良なのかという点について、運送会社の社長と自動車メーカーが戦っていくという物語。…と簡単に書いてしまうと、それまでだけど、運送会社にも自動車会社にも社内の物語があり、そこに登場する人間にも家族の物語がある。それが複雑に展開していき、それでも、物語としての構造が維持されていく。運送会社の物…
『素数はなぜ人を惹きつけるのか (朝日新書)』を読んだよ。素数に萌え?数学の中でも数論はその王様的存在と言われているけども、その数論の中のテーマでも王様的な存在が素数。普通の人が素数の存在を知るのは、中学かな?それでも、その素数の定義にふ~んというリアクションだと思うけど、ギョーカイ的には注目されているテーマであることは事実。特に、暗号化技術では素数の性質を応用しているわけだし、これだけ現代に活用されている数学的技術(って言っていいのか?)はないとも言えるかな…。さて、その素数について、フツーの人たちにその面白さを伝えようと試みたのが本書。いつものサイエンス・ライターの竹内薫氏だけど。とは言え…
『人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書)』を読んだよ。教養について考える強化月間。「教養とは何か?」シリーズ(自分で勝手に名付けたけど)の第2弾。同系統の本を連続で読むことは少ないけど、今回はたまたまタイミングがそうなっただけかな。著者はAPU学長の出口治明氏。出口氏の講演を聞く機会があり、この人は面白いと思ったのが本書を手に取るきっかけ。もっとも、本書の執筆時はライフネット生命保険株式会社代表取締役会長兼CEOだったけど。早速として、出口氏の教養の定義は、もし、そう質問されたら、私の答えは「教養とは、人生におけるワクワクすること、面白いことや、楽しいことを増やすためのツールです」という…
『おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書)』を読んだよ。リベラルアーツブーム。いつもの池上彰氏の教養本だけど、単に知識を得る為ではなく、そもそも「教養とは何か?」をそれぞれの教科の観点から事例を取り出して解説し、本書のテーマに沿ってまとめたもの。以前から読みたい本リストには入っていたんだけど、今回、この続編が出たみたいなので、慌てて手に取ったというわけ。早速だけど、池上氏の教養の定義。それは「自分がどういう存在なのか」を見つめていくことなのではないでしょうか。「自分自身を知る」ことこそが現代の教養だろうと私は思います。自分はどこから来て、そこに行こうとしているの…
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