殺したいほど憎い人間を、本当に殺せますか?架空の法律を軸に展開していきます。
JUDY AND MARYの名曲を勝手に小説化。→「BULE TERES」 エロい話を書こう!と思ったらこんなカンジに…。→「はな、想う」 コメディーを目指しました。→「彼の憂鬱」
ビニール袋に入れられ、その上から2重の紙袋に包まれた『それ』は 詩織の子宮だった。 綺麗に切り取られたわけでもなく、当然知識も技術も素人の手仕事だった。 愕然とする自分たちに、その後の柴田の逮捕
小さな身体。 小さな声。 震える握りしめた両手。 その手に握られた、強くて大きな意志。 その強さに僕は、身体のどこかがグラリと歪んだような錯覚に陥った。 復讐を決意した自分を覆すほどの強さは
大変だったね、なんて言えるわけない。 彼女が受けた傷はまだ乾くはずもなく、鮮血を流しながら今もまだそこにあるのだから。 親戚の女性なら可哀想に、と抱きしめてあげるんだろう。 もしくは親友や学校の
信じられないようなものを見るような目で彼女を見つめた。 何かで読んだのか、まるで他人事のようにそんな文章が頭に浮かんだ。 そんな僕をじっと見ていた汐里が辛そうに目を伏せた。 「あたし、パパがどん
認定者。 初めての認定者。 彼女の父親が? 「どういう……。」 無意識に口唇からこぼれた言葉は、たぶんずいぶんと弱々しかった。 どういうことだ? なぜ、認定者の娘が認定者のところになんて来て
異様な空気に包まれた店内を、ハンバーグを待たず出た。 汐里も、とても食事を続ける気にならなかったようだ。 お互い無言のまま、車へと乗り込んだ。 あれを狂気というのだろうか。 復讐とは、殺すだけでは、な
よほど腹が減っていたのだろう。 汐里は一心不乱にサラダを食べ始めた。 自分も腹は減っていたはずだが、どうしてもフォークを持つ気になれなかった。 視界にはあのテーブルが映る。 何がこんなにも嫌なのか。
電灯の下、背の高い女性を支えるように小柄な女性が店内を見回した。 咄嗟に下を向いてケータイをいじる振りをした。 あの人だ。 『砒素の女』、吉岡さん。 でもそれだけじゃない。 あの、背の高い女性は【犯人
詩織と同じ名前の少女。 僕はこんな少女を見上げて、困惑している。 スカートからのぞく細い足が、彼女の幼さを見せ付けるように そこに立ちつくしている。 この足で…。 そうして、何をしなくてはいけないのか
数枚の札を持った花井さんが、しばらくして戻ってきた。 「しおりちゃん、自分で払いますって。」 その言葉に不自然に動きが止まってしまった。 …今、詩織って言った? 言葉もなくただ見上げた先で、花井さんが
ホテル前に着くと、すぐに駐車場係がやって来た。 送迎だと伝えると、出しやすい場所へと案内してくれた。 フロントは意外と明るく、よくある無機質な雰囲気はなかった。 車の中では俯いたまま口を真一文字に閉
自分が初めて飛行機に乗ったのはいつだったろう? 少なくとも、中学生ではなかった。 「…どこから、来たの?」 頭の中が混乱して、何をどう対処していいのかわからなくなった。 「F県…。」 九州。
怒鳴ってしまったことは、僕の非だ。 それについては謝る。 けれど、それ以上のことには何も言いたくない。 鬼になった僕には、説教なんて聞き入れる義理はない。 大きな瞳が小刻みに震えるのを、僕はた
【復讐】はやめてください。 なにを言っているんだ? 言われて本気で僕は意味がわからなかった。 呆然と立ち尽くす僕を、どう思ったのか、もう一度彼女が言った。 「【復讐】は、…やめてください。」
その人影も、怯えているのか立ち尽くしたまま動こうとしない。 …僕の身体までも、縛り付けられたように動くことができなかった。 が、しばらくしてそれが柴田ではないことがわかった。 じりっ、と少し向こ
ナイフを手に入れて、一週間。 今だ使う機会は訪れない。 あの男は一体どこに隠れているのだろう。 勤めていたドラッグストアへも何度か足を運んだ。 その都度店員から、怯えたような視線でチラチラと盗
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