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屋上バイオリン https://plaza.rakuten.co.jp/irisdeluz

殺したいほど憎い人間を、本当に殺せますか?架空の法律を軸に展開していきます。

JUDY AND MARYの名曲を勝手に小説化。→「BULE TERES」 エロい話を書こう!と思ったらこんなカンジに…。→「はな、想う」 コメディーを目指しました。→「彼の憂鬱」

旅人3号
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2008/08/04

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  • まひるの月(29)

    ビニール袋に入れられ、その上から2重の紙袋に包まれた『それ』は 詩織の子宮だった。 綺麗に切り取られたわけでもなく、当然知識も技術も素人の手仕事だった。 愕然とする自分たちに、その後の柴田の逮捕

  • まひるの月(28)

    小さな身体。 小さな声。 震える握りしめた両手。 その手に握られた、強くて大きな意志。 その強さに僕は、身体のどこかがグラリと歪んだような錯覚に陥った。 復讐を決意した自分を覆すほどの強さは

  • まひるの月(27)

    大変だったね、なんて言えるわけない。 彼女が受けた傷はまだ乾くはずもなく、鮮血を流しながら今もまだそこにあるのだから。 親戚の女性なら可哀想に、と抱きしめてあげるんだろう。 もしくは親友や学校の

  • まひるの月(26)

    信じられないようなものを見るような目で彼女を見つめた。 何かで読んだのか、まるで他人事のようにそんな文章が頭に浮かんだ。 そんな僕をじっと見ていた汐里が辛そうに目を伏せた。 「あたし、パパがどん

  • まひるの月(25)

    認定者。 初めての認定者。 彼女の父親が? 「どういう……。」 無意識に口唇からこぼれた言葉は、たぶんずいぶんと弱々しかった。 どういうことだ? なぜ、認定者の娘が認定者のところになんて来て

  • まひるの月(24)

    異様な空気に包まれた店内を、ハンバーグを待たず出た。 汐里も、とても食事を続ける気にならなかったようだ。 お互い無言のまま、車へと乗り込んだ。 あれを狂気というのだろうか。 復讐とは、殺すだけでは、な

  • まひるの月(23)

    よほど腹が減っていたのだろう。 汐里は一心不乱にサラダを食べ始めた。 自分も腹は減っていたはずだが、どうしてもフォークを持つ気になれなかった。 視界にはあのテーブルが映る。 何がこんなにも嫌なのか。

  • まひるの月(22)

    電灯の下、背の高い女性を支えるように小柄な女性が店内を見回した。 咄嗟に下を向いてケータイをいじる振りをした。 あの人だ。 『砒素の女』、吉岡さん。 でもそれだけじゃない。 あの、背の高い女性は【犯人

  • まひるの月(21)

    詩織と同じ名前の少女。 僕はこんな少女を見上げて、困惑している。 スカートからのぞく細い足が、彼女の幼さを見せ付けるように そこに立ちつくしている。 この足で…。 そうして、何をしなくてはいけないのか

  • まひるの月(20)

    数枚の札を持った花井さんが、しばらくして戻ってきた。 「しおりちゃん、自分で払いますって。」 その言葉に不自然に動きが止まってしまった。 …今、詩織って言った? 言葉もなくただ見上げた先で、花井さんが

  • まひるの月(19)

    ホテル前に着くと、すぐに駐車場係がやって来た。 送迎だと伝えると、出しやすい場所へと案内してくれた。 フロントは意外と明るく、よくある無機質な雰囲気はなかった。 車の中では俯いたまま口を真一文字に閉

  • まひるの月(18)

    自分が初めて飛行機に乗ったのはいつだったろう? 少なくとも、中学生ではなかった。 「…どこから、来たの?」 頭の中が混乱して、何をどう対処していいのかわからなくなった。 「F県…。」 九州。

  • まひるの月(17)

    怒鳴ってしまったことは、僕の非だ。 それについては謝る。 けれど、それ以上のことには何も言いたくない。 鬼になった僕には、説教なんて聞き入れる義理はない。 大きな瞳が小刻みに震えるのを、僕はた

  • まひるの月(16)

    【復讐】はやめてください。 なにを言っているんだ? 言われて本気で僕は意味がわからなかった。 呆然と立ち尽くす僕を、どう思ったのか、もう一度彼女が言った。 「【復讐】は、…やめてください。」

  • まひるの月(15)

    その人影も、怯えているのか立ち尽くしたまま動こうとしない。 …僕の身体までも、縛り付けられたように動くことができなかった。 が、しばらくしてそれが柴田ではないことがわかった。 じりっ、と少し向こ

  • まひるの月(14)

    ナイフを手に入れて、一週間。 今だ使う機会は訪れない。 あの男は一体どこに隠れているのだろう。 勤めていたドラッグストアへも何度か足を運んだ。 その都度店員から、怯えたような視線でチラチラと盗

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