ヘッド・オブ・ステイトジョン・シナAmazon犬猿の仲のアメリカ大統領とイギリス首相が 凶悪な集団から命を狙われる話。 主要国のトップ2人が仲違いしながらも タッグを組んで過酷な状況を乗り越えていく設定が面白く、 いろいろなシチュエーションで 迫力ある映像と派手なアクションが楽しめる。 テンポがよくて退屈することもないし、 各シーンの見せ方や演出のレベルも高い。 それぞれのキャラクターも好感が持てて コミカルなノリがずっと続くのも楽しい。 国の最重要人物がパワフルに戦うバディものの良作。
映画、アニメ、ドラマ、マンガ、書籍、英語読書のレビューが5000件以上! レビューは毎日更新します。
ファン意識や世論に流されず、 自分の感じた感想を正直に伝えたいと考えています。
喧嘩独学丹羽哲士Amazon動画配信で人気を得る同級生と比べて いじめられっ子で気弱な少年が 動画サイトでケンカのテクニックを身につけていく話。 YouTuberや実況配信を題材にした作品で 視聴者数によって社会的な立場が決まる世界観。 周囲から蔑まれていた情けない主人公が 力を尽くして戦っていく姿を配信することで ジワジワと世間から認められていくのが面白い。 知識も経験もなかった無力な状態から ひたむきに努力して技を身につけていく流れは 「ホーリーランド」のような気持ちよさを感じる。 時間を空けずに次々と新しい相手と対戦し、 サクサクとテンポのいい展開を楽しめる良作。
作品情報: https://www.netflix.com/title/81581946 余命宣告を受けて絶望していた高校生が 自分よりも余命の短い女性と出会う話。 設定をタイトルで全部バラしてしまっているため 前半はすでにわかっている内容をただなぞるだけなのが残念だが、 ヒロインがとにかく美人で見映えがするので 予想通りに進む王道の筋書きでもなんとか観れる。 難病の2人がギリギリまで割と元気なのは このタイプのお約束なのでやむを得ないとして、 そのあたりをあまり気にしないなら 純愛ものとしてはまずまずのデキ。
翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜GACKTAmazon埼玉県民の不幸を描いた「翔んで埼玉」の続編で、 関西へと出向くことになった埼玉解放戦線のメンバーが 大都市に虐げられている滋賀や和歌山の人々を救おうとする話。 近畿地方に舞台を移し、各都道府県のいろいろな特徴を 自虐的にいじるという前作同様のノリだが、 埼玉ばかりがネタになっていた1作目と違って 大阪界隈に詳しい人向けに楽しめる内容になっている。 ただ、ストーリーそのものにあまり魅力がないのと 過去の話をラジオで聞いている現代の場面に意味がなく、 ネタ以外の場面が長いばかりで退屈なのが残念。 前作よりはパワーダウンしているため、 あくま…
トムとジェリー 夢のチョコレート工場(吹替版)佐藤せつじAmazon短編アニメシリーズ「トムとジェリー」のキャラクターたちが 1971年公開の「夢のチョコレート工場」の世界観に入り込んだ作品。 オリジナル作品をかなり忠実に再現しており、 元のキャラクターやカメラワーク、場面展開にいたるまで ほぼそのままアニメ化したような印象。 ほとんど省略されていないのに原作よりも20分以上短く、 テンポがよく見やすい構成になっているのも優秀。 トムとジェリーはあくまで脇役といった扱いだが、 力を合わせて主人公を支える微笑ましい存在として いいアクセントになっている。 シリーズ作品を知らない人でも十分に楽しめ…
黒博物館 ゴーストアンドレディ(上) (モーニングコミックス)作者:藤田和日郎講談社Amazon人間の悪意が生き霊として見える女性と 彼女に取り憑いて命を狙う悪霊の話。 「スプリンガルド」に続くシリーズ2作目だが、 犯罪にまつわる証拠品が展示された博物館で 過去の事件を思い返すという設定以外に共通点はなく、 エピソード自体は独立した内容。 歴史上の人物であるナイチンゲールを主人公にして 彼女がクリミア戦争で果たしてきた功績を描いており、 幽霊とのやり取りといった架空の要素はトッピング程度。 そのため、キャラクターもエピソードも創作だった前作と違って 学習マンガのような読み心地は好みが分かれると…
首ビートたけしAmazon天下統一を目指す織田信長の 傍若無人な振る舞いに苦労する家臣たちの話。 戦国時代の各武将が次々に登場するが、 初登場時に名前が出る以外に何の説明もないため、 その立場や関係性がパッと思い浮かばないと理解が難しく、 当時の歴史に精通した人向けのパロディという印象。 加瀬亮演じる織田信長のインパクトは素晴らしく、 家臣たちを悩ませる様子がうまく描かれていたが、 映画としては日本史の予備知識がないと 話が飛び飛びに感じて面白さがよくわからなかった。 タイトルに合わせてやたらと首をはねるシーンがあるが、 多すぎて徐々に食傷気味になってくるし、 ビートたけし自身の演技や役柄もイ…
身代わり忠臣蔵ムロツヨシAmazon松の廊下で斬りつけられた吉良上野介に代わり、 ぐうたらだった弟が影武者となる話。 忠臣蔵をベースにしつつ敵役の吉良上野介に焦点を当て、 人間臭さが感じられるコメディタッチに仕上げている。 筋書きのアレンジが非常にうまく、 本筋を大きく変えずに主人公のキャラクターが 味わえるようになっているのは見事。 ストーリーを大胆に改変しながらも 最終的に丸く収まる気持ちのいい展開で、 オリジナルの映画としてもパロディとしても 十分に楽しめる良作だった。 【関連作品のレビュー】 忠臣蔵 花の巻・雪の巻(1954年公開映画) 最後の忠臣蔵(映画) 忠臣蔵(マンガ) 江戸人物…
作品情報: https://www.disneyplus.com/ja-jp/browse/entity-087be178-2332-4f35-95c6-1d3c898550c6 世界が砂漠化して水が高騰する中、 大魔王の息子が人間とともに泉を探しに行く話。 原作は全1巻で完結するボリュームで、 それをもとに2時間弱の映画作品が2023年に公開され、 そこに新たなシーンを追加した内容が前半の6話で描かれるが、 時間的な余裕があるためか、ストーリーが丁寧に展開する印象を受ける。 3DCGで作られつつも鳥山明による原作マンガそのままの雰囲気で キャラクターが活き活きと動くところが楽しく、 戦闘中の…
あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。福原遥Amazon母子家庭の貧しい生活に嫌気がさした女子高生が 終戦間際の日本にタイムスリップしてしまう話。 今の若者に戦争の悲惨さを訴えたいのかもしれないが、 身元のわからない主人公を簡単に居候させてくれたり 当時の生活にすぐ馴染んだり 物資や食料に困っている様子がなかったりと 戦時中にしてはかなりヌルい世界観。 食堂の場面も空襲の場面も夜の場面も 主人公の知り合い以外の人間が誰もいないのも無理があり、 全体的にリアリティのなさが気になるクオリティ。 また、いくら現状に不満があったとしても 現代に戻る願望や努力をまったく見せないのも不自然。 80年も前の…
みなに幸あれ古川琴音Amazon祖父母の住む田舎に帰省した女性が 家の様子がおかしいことに気づいていく話。 家族の妙な行動に違和感を感じつつも それに共感してくれる人が誰もいないせいで 精神的に追い詰められていくホラーだが、 おかしな行動の意味が最後まで説明されず、 単に意味不明な要素を集めただけなのが残念。 ただめちゃくちゃな言動をさせておけば 恐怖を感じてくれるという安易な狙いを感じるし、 その割に演技が下手だったり描写が貧相な場面も多い。 観ているだけで満足できるような狂気が味わえるわけでもなく、 最後に驚かされるようなどんでん返しがあるわけでもなく、 ホラーとして非常に安直で中途半端な…
夢のチョコレート工場(字幕版)ジーン・ワイルダーAmazonチョコレートに同封された金色のチケットを見つけた人だけに 不思議なチョコレート工場を見学する権利が与えられる話。 ジョニー・デップが主演したティム・バートン監督版が有名だが、 本作の方が原作小説に忠実で、雰囲気や展開もそのまま。 金のチケットが当たるまでも時間をかけて丁寧に描き、 チャーリー一家への感情移入や 個性的な子供たちをしっかり演出している。 CGのなかった1971年という時代を考えると 工場内部の表現は相当にがんばっていて、 ファンタジックな設備や機械にワクワクさせられる。 少ないながらもミュージカル仕立ての場面があり、 そ…
ファッション!! 1【電子新装単行本版】 ファッション!!【電子単行本版】 (OUR FEEL)作者:はるな檸檬シュークリームAmazonファッションに対して思い入れの強い元業界人の男性が 才能と熱意にあふれた若者に協力していく話。 テレビで流れるファッションショーの映像では、 モデルがランウェイを歩いている様子しかわからないが、 その裏側にあるさまざまな仕事と苦労が語られており、 ファッション関係に興味がない人でも いろいろな好奇心が刺激されて面白い。 また、予算も人脈もとことん限られている中、 どうやって企画を成功させるかというサクセスストーリーと その過程で垣間見える若者の不穏な行動も刺…
作品情報: https://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuriosa/ 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」に登場した フュリオサの過去を描くスピンオフで、 彼女がシタデルの砦に来た事情や左腕を失った経緯を描いたもの。 並走する車同士の戦いに白熱した前作と比べて 今作は戦闘シーンがかなり少なくなっており、 フュリオサが成長していく流れを軸にした人間ドラマが中心。 新たに登場したバイク集団は個性的で見応えがあるが、 それ以外は前作で見たキャラクターばかりなのでインパクトは弱め。 それでも数少ない戦闘シーンは非常に迫力があるし、 新しいアイデアを取り入れた戦い方に興…
黒博物館 スプリンガルド (モーニングKC)作者:藤田 和日郎講談社Amazonロンドンの街を騒がせるバネ足ジャックについて その悪事や正体に迫っていく話。 両足に仕込んだバネによって空高く跳ね上がり、 次々と女性を襲う変質者を追う警部の視点で 少しずつ犯行の全貌が暴かれていく展開。 同作者の「からくりサーカス」に非常に似た作風で サクサク読める短編としては悪くないデキ。 後半に収録された「マザア・グウス」は 本編の十数年後を舞台にしたエピソードだが、 コメディ色を強めた後日談としては読みやすい。 藤田和日郎作品が好きな人なら まずまず楽しめるだろう。
映画『北極百貨店のコンシェルジュさん』(通常版) [Blu-ray]川井田夏海Amazon個性的な動物たちが買い物に訪れるデパートで 仕事に不慣れな新米コンシェルジュが 客から寄せられたいろいろな相談に乗っていく話。 客が持ち込むさまざまな無理難題を解決しようと 思いやりを持って奮闘する主人公が愛らしく、 彼女の働きによって多くの幸せが生まれていく様子が心地いい。 70分と映画としては短めの作品だが、 たくさんのエピソードがテンポよく展開され、 接客業の醍醐味を味わうことができる良作。
平和の国の島崎へ(1) (モーニングコミックス)作者:濱田轟天講談社Amazon組織化されたテロ集団が潜む日本を舞台に 凄腕の戦闘工作員として鍛えられつつも 平和で平凡な生活を望む男性を描いた話。 一般人に紛れて静かに暮らしたい主人公が 平和を乱す要素を静かに排除していく設定で、 戦いには消極的ながらも圧倒的な戦闘力で 鮮やかに敵を倒していく様子は 映画「イコライザー」のような痛快さがある。 説得力のあるミリタリー描写と 感情移入しやすい人間ドラマが楽しめる作品。
住みにごり(1) (ビッグコミックス)作者:たかたけし小学館Amazon引きこもったまま中年になってしまった兄や 粗暴な父親、介護が必要な母親が住む実家に 久しぶりに帰ってきた若者の話。 何を考えていて何をしでかすかわからない兄に恐怖を感じつつも 他の登場人物の闇もジワジワと見えてきて いろいろな種類の狂気が交錯しているところが面白い。 たまにギャグマンガのような描写もあり、 ホラーなのかコメディなのかわからないところも怖い。 田舎を舞台にした非常に狭い範囲での人間ドラマで 落ち着かない気持ち悪さがずっと続く内容だが、 続きが気になって読み進めてしまう没入感がある。 「泥濘の食卓」や「少年のア…
ザ・ファブル興津和幸Amazon1年間休業することになった凄腕の殺し屋の日常を描いた話。 基本的に原作マンガに忠実な展開だが、 どの登場人物も顔が崩れているようなグラフィックで 誰が誰なのか区別しづらいし、 同じキャラクターでも場面によって別人に見える。 しゃべり方や声質も全体的にイマイチ。 また、テンポが妙に遅くて 主人公の人並外れた実力を感じる機会がなかなかなく、 ただダラダラと引っ張った展開に見える。 原作通りなのに満足度が低く、 引き込まれる面白さが感じられない凡作。 【関連作品のレビュー】 ザ・ファブル(マンガ) ザ・ファブル The second contact(マンガ) ザ・ファ…
きみの横顔を見ていた(1) (別冊フレンドコミックス)作者:いちのへ瑠美講談社Amazon美人で人見知りの親友を持つ女子高生が クラスメイトに対する淡い想いを抱く話。 自分の親友のことが好きな男子に 密かに想いを寄せていくという 少女マンガにありがちな筋書き。 男子生徒2人の見分けがつかないのも致命的で、 キーとなる存在のはずなのに 風貌が似通いすぎているのは厳しい。 テンポも遅く、割とありがちな設定で 1巻を読んだ限りではそれほど惹かれなかった。
(r)adius/ラディウス(字幕版)ディエゴ・クラテンホフAmazon自分の名前も含めて何も思い出せない男性が 周囲の生き物が次々と死んでいく現象に見舞われる話。 本人にはまったく悪意がないのに 自分のせいで被害が広がっていく設定は斬新で、 映像的にもインパクトが強くて惹きつけられる。 ジワジワと事態がつかめてくる序盤は非常にいい。 ただ、中盤以降のテンポが非常に悪く、 必要なさそうなキャラクターが登場して 話がほとんど進展しないのが退屈すぎる。 ヒロインが主人公と行動をともにする理由も弱い。 また、不思議な現象の理由が解明されるわけでも 無事に生活していくアイデアが提案されるわけでもなく、…
PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~奥平大兼Amazon徳島県の高等専門学校に通う少年たちが 「ロケットリーグ」を種目とするeスポーツ大会に 3人チームで出場する話。 ロケットリーグを知らない人でも ルールや戦略が理解できる構成になっており、 派手な試合展開を手抜きなく表現した アクロバティックな動きも見応えがある。 ただ、頭はいいのに先生に煙たがられていたり 乱暴な父親と手間のかかる弟との生活に苦労していたり VTuberに熱中するせいでプレイがおろそかになったりと、 少年たちのプライベート面の設定に魅力がなくて 観ていてストレスがたまるだけなのが残念。 試合回数は少ないのに…
カラーパープル(2023)Taraji P. HensonAmazon父親から酷い扱いを受けた上に 粗暴で身勝手な男と結婚させられ、 仲のよかった妹とも生き別れてしまった女性の話。 たびたび挿入される歌とダンスには迫力があり、 ミュージカルとしての見応えは感じるが、 ストーリーとしては主人公の不幸を見せられるばかりで カタルシスを感じる部分が少なすぎる。 登場人物が多い上に人間関係も入り乱れているので それぞれの立場を把握するのも大変だし、 その複雑さを乗り越えるほどの面白みもない。 もっとシンプルな設定でもよかったように思う。 さんざん酷い目に遭ったことへの報復を考えるわけでもなく、 ただ我…
ふつうの軽音部 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:クワハリ,出内テツオ集英社Amazon自分の好きな音楽や歌に対してコンプレックスを持つ主人公が 高校入学とともに念願だった軽音楽部に入る話。 特に取り柄のない平凡な女子高生が 好奇心と憧れ意識で軽音部に入り、 我が強かったりスキルのある同級生に引け目を感じながらも 徐々に自分の居場所を見出していく流れ。 主人公があまりに平凡すぎて 序盤は単なる軽音楽部のあるあるネタ程度の読み応えだったが、 放課後の独唱シーンあたりからグッと引き込まれるようになり、 努力と友情を感じるジャンプ漫画らしい雰囲気も漂ってくる。 歌や演奏に打ち込む要素より…
【特集ドラマ】天使の耳~交通警察の夜Amazon交通課の警察官たちが交通事故の真相を暴いていく話。 視覚障害者の少女が優れた聴覚を活かして 事件の謎を暴いていく1~2話については タイトルの由来になっていることもあって見応えがあった。 しかし2話の途中からは聴覚や音と関係のないエピソードばかりで タイトルとのギャップに違和感を感じてしまうし、 複数の事件が同時並行で描かれる割に それぞれの関わりが薄いので散漫な印象を受ける。 これならエピソードが各1話で完結するよう構成し、 それぞれでスッキリできる急展開を見せて欲しかった。
スラムドッグス(吹替版)ウィル・フェレルAmazonどうしようもないダメ男に捨てられた犬が 野良犬たちの協力を得て飼い主のもとに戻ろうとする話。 笑いの大半を下ネタに頼っているのは残念だが、 犬たちの活き活きした動きは非常に自然で どうやって撮影したのかと感心する仕上がり。 テンポがよく毒のあるやり取りが楽しいし、 要所要所で犬らしい言動がネタになっているのも面白い。 下品な場面が多すぎて子供には不向きだが、 犬好きの大人が割り切って観るなら悪くない作品。 【関連作品のレビュー】 僕のワンダフル・ライフ
Focus フォーカス [レンタル落ち]Amazon盗聴マニアの青年に協力してもらいながら テレビの取材班がネタになりそうな無線を探す話。 取材陣が撮影しているカメラ映像という設定で、 気が進まなくてブツブツと文句を言う青年と 番組作りのために強引に進行していくディレクターの それぞれの雰囲気がリアルでいい。 70分ほどの短い作品だが、後半で一気に勢いを増し、 そのまま期待に見合う痛快な終わり方をしてくれた。 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」以前に POV(主観カメラ)方式を採用したことも併せて評価したい。
LOVE LIFE木村文乃Amazon夫の両親とぎこちない関係を続ける夫婦のもとに とある事件が起きる話。 ほとんど誰も笑わない雰囲気の中、 ひたすら淡々とした場面が続くばかりで割と退屈。 当人にとって深刻な状況であることには違いないが、 その居心地の悪さを眺めたところで 映画としての面白さにつながらない。 登場人物みんなが自分勝手で その様子にイライラさせられるだけの作品。
作品情報: https://www.netflix.com/title/81582442 言いたいことを言えない弱気な性格のせいで 周囲からいいように使われていた高校生が 角の生えた不思議な少女と旅に出る話。 保護者に無断で何日も外を出歩く展開も強引だが、 道中で出会う人とのやり取りも妙に薄っぺらくて とにかく登場人物にまったく魅力を感じない。 映像そのものは悪くないのだが、 引き込まれる要素が何もなく、没入感の湧かない凡作。
映画「窓ぎわのトットちゃん」DVD通常版 [DVD]大野りりあなAmazon黒柳徹子の自伝を原作にしたアニメで、 第2次世界大戦中だった幼少期に 小さな学校で出会った少年との交流を描いたもの。 黒柳徹子に関する予備知識がなくてもまったく問題はなく、 独自の教育方針で学校を運営する優しい先生と のびのびと過ごすの子供たちの様子が味わえる内容。 変わり者扱いされてきた主人公が 環境を変えることで天真爛漫さを存分に発揮し、 周囲を和ませていくのは微笑ましい。 戦争による生活の変化が表現されているものの 同じく戦時下の子供を描いた「火垂るの墓」とは かなり雰囲気や味付けが異なり、 全体的にやわらかい作…
プロジェクト・ヘイル・メアリー 上作者:アンディ ウィアー早川書房Amazonある任務を果たすために宇宙船に乗る男性の話。 導入部から引き付けられる展開と読みやすい文章で、 自分の置かれた状況がまったくわからない主人公が 周囲の様子を手がかりに推測していく現在の描写と そこに至るまでの経緯を描いた回想シーンが ジワジワと結びついていく流れに引き込まれる。 ひたすら主人公の主観視点で展開するだけに感情移入がしやすく、 未知のもの対して論理的な思考を駆使して 予想と実証を繰り返していく様子が気持ちいい。 かなり深刻な状況なのにもかかわらず、 常にコミカルな雰囲気が漂うのも面白い。 全2巻合わせて7…
怪物の木こり亀梨和也Amazon斧で頭部を破壊する連続殺人事件を追う刑事と たびたび襲われる弁護士の話。 殺人犯だけでなく襲われる側もサイコパスという設定は面白いが、 メインキャラクターの女性刑事や弁護士に迫力がなくて 肝心の緊迫感がまったく伝わってこない。 全体的にチープな描写が多いし、 脳チップに関する理屈も説得力がなさすぎる。 やたら人名が出てくるせいで情報の整理がしにくく、 どこで面白がらせたいのかもよくわからないし、 サイコパスだとされている人物の狂気っぷりがまったく足りなくて 既存のサイコパス作品で感じたような衝撃がまったくない。 序盤からイマイチな雰囲気が漂う中、 一度も盛り上が…
キリエのうた 通常版 [Blu-ray]アイナ・ジ・エンド,松村北斗,黒木華,広瀬すずAmazon歌っているとき以外はほとんど声が出せない女性が 歌を通して新たな人間関係を築いていく話。 主人公であるキリエが歌う場面がたびたび流れるが、 彼女を演じるアイナ・ジ・エンドの歌声は実際に魅力的で、 劇中で周囲の人々が引き込まれる様子に説得力を感じるし、 プロモーションビデオのように楽しみたいファンにも嬉しい構成。 いろいろな著名人が贅沢に出演している割に 登場人物が整理しやすいのはよかったが、 アイナ・ジ・エンドの1人2役は 見た目がそっくりである必要性が薄いし、 混乱するだけであまり効果的でなかっ…
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ヘッド・オブ・ステイトジョン・シナAmazon犬猿の仲のアメリカ大統領とイギリス首相が 凶悪な集団から命を狙われる話。 主要国のトップ2人が仲違いしながらも タッグを組んで過酷な状況を乗り越えていく設定が面白く、 いろいろなシチュエーションで 迫力ある映像と派手なアクションが楽しめる。 テンポがよくて退屈することもないし、 各シーンの見せ方や演出のレベルも高い。 それぞれのキャラクターも好感が持てて コミカルなノリがずっと続くのも楽しい。 国の最重要人物がパワフルに戦うバディものの良作。
ゴーストキラー髙石あかりAmazon死んでしまった凄腕の殺し屋が 霊となって女子大生の身体に乗り移る話。 平凡な人間に何かが取り憑いたおかげで 意図せず高い能力が発揮される設定はマンガでよくあるが、 主人公が戸惑ったり文句を言ったりする様子や 肝心のアクションがイマイチ安っぽくて残念。 ストーリーも予想通りの展開だし、 悪人たちもベタな言動ばかり。 本作独自の魅力というものが どの要素においても感じられない。 「ベイビーわるきゅーれ」が好きな人なら 主演女優もアクションのクオリティも 同じなので満足できるかもしれないが、 そうでないならわざわざ観るほどのデキではなかった。
上を向いて歩こう坂本九Amazon鑑別所から集団脱走した少年たちが なんとか社会復帰しようともがく話。 1960年代に大ヒットした坂本九の歌と同じタイトルで 劇中にも流れる上に坂本九自身が主演を務めた作品。 出演陣は豪華なのだが、素行が悪い登場人物が多く、 落ちこぼれた者が立ち直ろうとする話とはいえ 感情移入したり応援したりしにくいキャラクターに イマイチ没入できなかった。 悪い状況を悪事によって解決しようとするのではなく、 真っ当な生き方をすることで喜びを感じるような もっと前向きなストーリーを見せて欲しかった。 mclover.hateblo.jp
テリファー 聖夜の悪夢ローレン・ラヴェラAmazon「終わらない惨劇」に続くシリーズ3作目で、 殺人鬼に襲われながらもなんとか生き延びた女性が 当時の恐怖にたびたび苛まれる話。 主人公とその弟が前作の生き残りで 今もトラウマに苦しんでいることさえ知っていれば いきなり今作から観ても特に問題はないが、 ホラー映画としてそこまで面白くないのが残念。 適当な人間がターゲットになるだけで 殺人に対する目的やこだわりが感じられないし、 デモンストレーションのような殺害シーンばかりで 主人公に関するストーリーがなかなか進まない。 3作目ということを考えると さっさと主人公との戦いを繰り広げればいいのに、 …
LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン栗田貫一Amazonソビエト連邦を模した極寒の地を舞台に ルパンそっくりの爆弾魔が出没する話。 映画「不死身の血族」の前日譚ということだが、 完全に独立したエピソードを描いた短編なので ルパン三世とその仲間の関係性さえ知っていれば問題ない。 「LUPIN THE IIIRD」シリーズ特有のハードボイルドな世界観の中、 多くの被害者を生むテロリズムのシリアスな筋書きと 犯人を追うルパンや銭形のシブさがたまらない。 コミカルなノリは一切排除されており、 自分の主義を貫き通すストイックな言動がひたすらカッコいい。 劇画のようなタッチでありながら 繊細…
モンスター・ハウス (吹替版)スティーブ・ブセミAmazon誰も住んでいないはずの一軒家が モンスターと化したことに気づいた少年たちの話。 子供向けの内容かと油断していたが、 次々と人間を飲み込む家の迫力満点なビジュアルと 年齢相応の無力感がホラーとして活かされており、 ダイナミックなアクションシーンまで用意された贅沢な造り。 小さな不安が伝わってくる導入部から徐々に勢いを増していき、 何度かの山場を経て最後は大きな盛り上がりを見せるという 映画としてお手本のような構成で、 大人が観ても十分楽しめる良作だった。
REVENGE リベンジ(字幕版)マチルダ・ルッツAmazon不倫相手と砂漠地帯に遊びに来ていた女性が 自分にひどい扱いをした男たちに復讐する話。 痛々しい場面の表現は優秀なのだが、 話がとにかくスローテンポで 本筋に関係のない前フリも妙に長いし、 復讐が始まってからの展開も遅すぎる。 敵がたった3人しかいないので それぞれに時間をかけるしかないとはいえ、 もう少し機転を効かせた戦いを見せるとか 予想外の出来事が起きるような工夫が欲しかった。 若い女性が果敢に立ち向かうアクションということで 「ハイテンション」のような面白さを期待したが、 頭の悪いヒロインが素人臭い戦い方をするだけの内容だった…
大人も知らない みのまわりの謎大全作者:ネルノダイスキダイヤモンド社Amazon街の中の設置物や生き物など、日常で目にする身近なものの 仕組みや生態などを子供向けに広く浅く解説したもの。 地球に初めてやってきた異星人の新鮮な感覚を通して 身近な物の構造や目的を紹介する流れになっており、 全ページがマンガっぽいイラストで表現されていて子供にも読みやすい。 外側からでは見えない内部の様子も描かれていて好奇心が刺激される。 特定のジャンルに特化した図鑑とは違って かなり幅広い範囲のものが扱われているので 自分がどういった分野に興味を惹かれるのかを確認することもできる。 ページ内の一部の文字が小さくて…
茶の味坂野真弥Amazon田舎の小さな村に暮らす一家に焦点を当て、 家族それぞれの悩みを描いていく話。 シュールといえば聞こえがいいが、 脈絡のないエピソードが展開されるばかりで ひたすら意味もオチもないまま進んでいく印象。 奇妙な世界観を見ているだけで満足できる人ならいいが、 映画としては盛り上がる場面もないまま 2時間20分を超える長さというのが辛すぎる。 観る人によってかなり評価の分かれる作品で、 合わない人にはまったく面白くないだろう。
TOKYO VICEアンセル・エルゴートAmazon1990年代の終わりに日本の大手新聞社に入社したアメリカ人が 刑事やヤクザとの関係作りに苦労しながらも とあるサラ金業者に絡む秘密を追求していく話。 東京を舞台に日本人俳優が多く登場しているが、 あくまでアメリカが制作したドラマで どの立場の人間も英語が話せる独特の世界観。 いろいろな組織の怖い部分が映し出されるが、 主人公が大胆に行動していく 第4話を過ぎてからの方が面白い。 ピリピリした緊迫感の中で 何が起きるかわからない怖さに中毒性がある。 海外製と気づかないぐらいしっかりした日本が描かれ、 見応えのある内容に仕上がっている佳作。
この若さある限り浜田光昿Amazon女性教師に想いを寄せる高校生と その幼馴染との恋愛模様を描いた話。 大人の女性に憧れる若者のリアルな様子と それを見てヤキモチを焼く幼馴染が微笑ましい。 吉永小百合の出演作の中では珍しく彼女の存在感が薄いが、 かわいらしく気の強いキャラクターは魅力的。 中盤以降がスローテンポで退屈なのが残念だが、 若い頃特有の勢いに任せた行動力と 思い通りにいかない切なさが味わえる作品。 mclover.hateblo.jp
硫黄島からの手紙(字幕版)渡辺謙Amazon第2次世界大戦中の硫黄島において アメリカ軍と戦う日本軍の様子を描いたもの。 日本兵たちに焦点を当てた内容ではあるが、 クリント・イーストウッド監督をはじめとする 海外スタッフによって作られたアメリカ映画となる。 また、同監督の「父親たちの星条旗」とは対の関係になっており、 アメリカ側の視点で描かれたそちらを観ておくと、 その裏側を垣間見るように本作を味わうことができる。 ただ、1本の映画として見た場合、 型破りな陸軍中将が部隊をテコ入れしたり 有効な作戦で敵を撃退するような場面がほとんどないので どうにも気持ちよさや面白さを感じられないのが残念。 …
父親たちの星条旗(字幕版)ライアン・フィリップAmazon第2次世界大戦中の硫黄島において日本軍と戦ったアメリカ軍の様子と そこで撮られた「硫黄島の星条旗」の写真をめぐる話。 序盤に描かれる上陸戦の様子は 「プライベート・ライアン」にも劣らない迫力があり、 双方の勢力がぶつかった壮絶さが伝わってくる。 史実に基づく作品だが、映画としての構成が秀逸で、 戦闘中の様子と帰国後の騒ぎと息子の視点を織り交ぜながら それぞれが徐々に掘り下げられていくのが素晴らしい。 登場人物が多いのでどの話題が誰のことなのか混乱するが、 たくさんの仲間を失った兵士の悲壮感や 政治的な思惑で振り回される心情が描かれており…
完全なる飼育 愛の40日緋田康人Amazon高校時代に会社員の男性に 監禁された経験を持つ女性の話。 「完全なる飼育」に続くシリーズ2作目となるが、 ストーリーは完全に独立したもので、 共通する出演者についても別の人物設定になっている。 ただ、監禁された女性が徐々に態度を軟化させ、 助けを呼んだり逃げ出したりできる機会があっても おとなしくしているという展開は何も変わらず。 ヒロインの演技はかなりイマイチだし、 前作よりも舞台の規模や緊迫感が下がっており、 映画としてあえて観るほどの面白さはない。 2020年までに9作ものシリーズ作品が出ているが、 特にこれといった価値は見当たらなかった。 【…
ディープ・カバー ~即興潜入捜査~Bryce Dallas HowardAmazon即興芝居の教室を開いている女性と パッとしない2人とともに警察に協力する形で ドラッグを扱う犯罪組織に接触する話。 冴えない会社員や役者かぶれの男など キャラクターは個性的で悪くないのだが、 たどたどしい演技ながら偶然が重なって 筋金入りの悪人だと思われる予想通りの展開で、 コメディとして笑えるほどの面白さはない。 かといってアクションやスリラーといえるほどの没入感もなく、 まずまず有名な俳優が出演している割に 全体的に中途半端な仕上がりだった。
悪い夏北村匠海Amazon生活保護の不正受給を防ごうとする市役所職員と あるシングルマザーがトラブルに巻き込まれていく話。 受給者の家庭訪問をする導入部から ジワジワと不穏な空気が漂い始め、 一気に目が離せない状況に陥っていくという ジェットコースター感がたまらない。 キャスティングが絶妙で どの登場人物も存在感が素晴らしいし、 抑圧された弱者が食い物にされる様子が あちこちで起きるところが恐ろしい。 欲望や恐怖によって闇に堕ちた者たちの ドロドロした生き様に浸れる良作。
DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール作者:ビル・パーキンスダイヤモンド社Amazon老後に備えて大きな資産を貯め込んでいくのではなく、 うまく使い切って人生を終えることを提唱したもの。 仕事を辞めたあとの生活や予想外のトラブルが起きたときのために 若い頃の生活や経験を犠牲にして資産を築いても 結局それをうまく活かせないまま死ぬ可能性を説明し、 有効活用できる時期に大胆に使うべきだというのは説得力が高い。 子供のために遺したいという気持ちがあったとしても 自分が死んでからではなく、子供にとって最適なタイミングで 渡してあげた方が有意義だという斬新な視点にも納得させられた…
こんにちわ、20才吉永小百合Amazonとある家に下宿することになった医学生が 下宿屋の娘と親しくなっていく話。 非常にシンプルな筋書きだが、 強気で意地っ張りな主人公の言動はかわいらしいし、 それを取り巻く人たちの温かさも心地いい。 下宿人と結婚した姉たちのような 安易な選択はしたくないと言いつつも ジワジワと医学生に惹かれていく様子が微笑ましい。 安心して観ていられる予想通りの展開だが、 いろいろな人が幸せになっていくことに癒される佳作。 mclover.hateblo.jp
ホワイトバード はじまりのワンダー(字幕版)アリエラ・グレイザーAmazon「ワンダー 君は太陽」で主人公をいじめていた少年の祖母が まだ学生だった第2次世界大戦の頃に ユダヤ人として周囲から迫害された当時を思い返していく話。 原作者が書いたアナザーストーリーを映画化したものだが、 前作の筋書きやイジメっ子の存在はほとんど関係なく、 完全に独立した作品として観ることができる内容。 平凡な日々がドイツ軍の介入によって一気に崩壊するが、 ユダヤ人の生活が脅かされていく緊迫感と 心優しいクラスメイトとの微笑ましいやり取りが 絶妙なバランスで心を揺さぶってくる。 幸せそうな描写が続くほどに 悲劇が訪れ…
ゴミ屑と花Amazon深夜に事業ゴミを集めて回る回収業者の話。 慣れた様子で淡々と作業をこなす若い女性と それを見習う元自衛隊員の男性という 新鮮な組み合わせの設定は悪くないが、 わずか30分という短さもあってか、 登場人物が魅力が見えてきたあたりで終わってしまう。 ゴミ収集に焦点を当てた発想は悪くなかったが、 もう少し面白さや気持ちよさを感じる展開が欲しかった。
映画 マイホームヒーロー コレクターズBlu-ray&DVDセット 3枚組 [Blu-ray]佐々木蔵之介Amazonテレビドラマ版の続編で、 前作で殺して山に埋めた遺体が発見されたことで 暴力団グループから命を狙われるようになる話。 妻の実家の宗教団体を描いた原作マンガの第2部を省略し、 第3部を映画化した構成になっているが、 回想シーンや思い悩む場面が多くて話が進まない。 また、それぞれの策略の応酬が楽しめた前作と違って 暴力的なやり取りばかりで話に深みがない。 主人公の狡猾さを感じさせるヒリヒリした面白さがなく、 敵も妙にダラダラしたやり口で脅してくるだけで テンポも緊迫感も大きく盛り下…
作品情報: https://disneyplus.disney.co.jp/program/descendants-the-rise-of-red 「ディセンダント3」に続くシリーズ4作目で、 ハートの女王のが起こしたクーデターを収めるため、 その娘がシンデレラの娘と協力して過去を修正する話。 前作で大団円を迎えた上に5年という年月が経ったからか 出演陣を一新した新しい展開となるが、 かわいらしく感情移入しやすい2人の主人公と 魅力的なビジュアルの世界観で一気に没入できる。 次々と披露される歌やダンスのクオリティも素晴らしく、 いろいろなアーティストのPVを眺めている気分になるほど。 そういっ…
ゴールデンカムイ ブルーレイ&DVDセット(通常版) [Blu-ray]山﨑賢人Amazon隠された金塊の手がかりを追って 元兵士の男とアイヌの少女が旅をする話。 各キャラクターの外見や仕草、背景に映る景色まで 原作の雰囲気がかなり忠実に再現されていて、 マンガを実写化した作品の中でも満足度が高い。 アシㇼパの弓使いや身のこなしが野暮ったいのだけが残念。 登場人物が結構多いので 初見だと整理しにくいかもしれないが、 内容が面白いので見直すのも苦じゃないだろう。 全31巻のうち3巻ぐらいまでしか描けていないので先は長いが、 マンガ版やアニメ版が好きだった人にも納得できる良作。 【関連作品のレビュ…
怪獣8号福西勝也Amazon巨大な怪獣の出現に悩まされる日本で 防衛隊員を夢見ていた男性の身体が 怪獣化するようになってしまう話。 怪獣が定期的に出現するようになった近未来で その急襲に備えた都市や組織が設計されている世界観が面白く、 飛び交う専門用語や個性的なビジュアルを味わうだけでも面白い。 人間としての意識や正義感を持ちつつ 攻撃対象であるはずの怪獣に変身できる男性が主人公だが、 その圧倒的な戦闘力によって1人で目立つ話かと思いきや 解体清掃をしていた頃の知識を活かしてサポートしたり、 隊員同士の連携を活かしたバトルが楽しめるのもいい。 過去の作品で見たような要素ばかりで構成されているが…
光が死んだ夏 1 (角川コミックス・エース)作者:モクモク れんKADOKAWAAmazon幼い頃から一緒に過ごしていた親友が 人ではない何かに入れ替わっていることに気づいた高校生の話。 親友が死に、正体不明の異形が 彼になりすましていることが冒頭で明かされる上に その異形と仲良く過ごしていく展開が斬新。 ホラーといえる雰囲気や描写はあるのだが、 同級生同士のほのぼのした雰囲気もあり、 日常を舞台にしたサスペンスといった印象。 全貌が明かされるペースが遅いのは好みが分かれるが、 少しずつ不安が大きくなっていく独特な空気感の作品。
書くのがしんどい作者:竹村 俊助PHP研究所Amazon文章を書くことに対して抵抗や難しさを感じる人向けに どうすれば負担が軽減されるかを提案したもの。 なぜ文章を書くことが億劫に感じるか、 なぜぼんやりした文章になるのかという点において 筆者の指摘は納得できるものばかりだが、 全体的に精神論や抽象的な提案が多いので 本書を読んで書けない人が書けるようになるかは微妙。 書いてあることは間違ってないのだが、 少ないネタを薄く伸ばしたような1冊で 似たような話が何度も繰り返される「読むのがしんどい」本だった。
ミヨリの森蒼井優Amazon両親が離婚したことで田舎に預けられた少女が 幼い頃に出会った森の精霊たちと再会する話。 未熟な主人公が成長していく姿を見せたいとはいえ 少女の性格が悪さが描かれる時間がやたら長く、 感情移入できないまま中盤まで行くのが辛い。 また、どこかで見たような設定と世界観とストーリーで、 本作ならではの魅力と言えるものが見当たらない。 前半はとにかくイライラさせられるし、 後半は平凡すぎて眠たくなってくる。 主人公が精霊に懐かれている理由もよくわからない。 アニメとしてのクオリティはそれほど悪くないのに 映画としてはつまらない仕上がりになってしまった凡作。
処刑人Ⅱ(字幕版)ショーン・パトリック・フラナリーAmazon殺された神父の復讐を果たすため、 前作の2人が新たな仲間と組んで行動を起こしていく話。 前作よりもコメディ要素が強くなったせいか、 観る側の期待とズレているように感じる。テンポも悪い。 アクションにも特に惹かれるところがなく、 スタイリッシュに見せようとして空回りしている。 登場人物が多すぎて人間関係が把握しにくいし、 作り手が演出しているドタバタが 面白さにつながっていなくて平凡な印象だった。 【関連作品のレビュー】 処刑人
ブスなんて言わないで(1) (&Sofaコミックス)作者:とあるアラ子講談社Amazon見た目が悪いことで周囲から虐げられてきた女性が 美容研究家になった元同級生の会社で働き始める話。 自分の顔に強い劣等感を持つ主人公を中心にしつつ 美形であってもそれぞれの悩みがあることが語られ、 世の中にあるいろいろなルッキズムに対して 問題提起をしていくストーリーが斬新。 説教臭くなりそうなテーマだが 各キャラクターが魅力的で感情移入しやすく、 見た目に関するコンプレックスに対して テンポよくスッキリとした読後感が味わえる作品。
フォロワーさんの本当にあった怖い話作者:しろやぎ秋吾双葉社Amazonタイトル通り、SNSに寄せられた 読者の体験談をマンガにした短編集。 投稿された体験談ということで 特にオチらしいものもないエピソードばかりだが、 「洋介犬の恐怖毒本 脳に焼きつく怪異」や 「外れたみんなの頭のネジ」と同様に 日常の中に入り込んだ奇妙な出来事が追体験できる。 SNSでシェアするためか各ページが正方形にレイアウトされており、 一般的なマンガと比べて中身が少ないのは残念。 Web上で無料で読めるなら贅沢なクオリティだと思うが、 本として買うには割高に感じるボリュームだった。
娘がいじめをしていました (コミックエッセイ)作者:しろやぎ 秋吾KADOKAWAAmazon小学生の娘が同級生に行っていたイジメを発端に、 親子や保護者同士の関係性が変化していく話。 イジメの被害者以上に加害者に焦点を当て、 悪行が露見してからの保護者の心理を描く。 自己解決するのが難しい子供のトラブルにおいて 保護者が怒りや訴えを代行する流れが非常にリアルで、 互いの家庭が荒れていく様子にヒヤヒヤさせられる。 自業自得の名の下に今度は加害者がどんどん追い詰められ、 被害者だけでなく世間全体から恨まれて どうにも収拾がつかなくなるのも怖い。 リアリティを重視しているのか、具体的な解決法が提示…
君たちはどう生きるか [Blu-ray]山時聡真Amazon父親の再婚相手の実家にやってきた少年が 妙な青サギにつきまとわれる話。 同名の小説が作中に登場する程度で その内容と本作のストーリーにはあまり関係がないが、 冒頭から脈絡のない展開の連続で、 意味不明な世界観と独特すぎる設定の中、 何がしたいかわからないキャラクターを見せられるばかり。 ウネウネと滑らかに動く多様な集団が頻繁に登場し、 映像にジブリらしい迫力とクオリティは感じるが、 好き勝手に作ったものを混ぜ合わせたような仕上がりで、 とにかく何の話で何がゴールなのかもよくわからなかった。 ジブリ作品というだけで何を見せられても満足し…
すべては子どものためだと思ってた (コミックエッセイ)作者:しろやぎ 秋吾KADOKAWAAmazon体が弱くて気の小さい息子を心配して いろいろとサポートする母親の話。 子供が嫌いなわけでも暴力を振るうわけでも 家庭を顧みないわけでもないのに ジワジワと「毒親」になっていく過程がとにかくリアルで、 過干渉になり、プレッシャーをかけ、 選択肢を奪って子供を追い詰めていく流れがよくわかる。 子供への愛情はあったし、普通の日常を送っていたのに 欲と不安に悩まされて道を踏み外していく様子がとにかく怖い。 サイコパスを表現する見せ方も非常にうまく、 ホラー作品としても秀逸なデキ。 家族それぞれに感情移…
いかなる時代環境でも利益を出す仕組み作者:大山健太郎日経BPAmazon電化製品から調理器具、家具やペット用品まで 生活用品全般をカバーするアイリスオーヤマの 社長を50年以上も務めた現会長が 同社の経営方針を解説したもの。 いろいろな時代の変化を乗り越えてきた企業だけあって 環境やトラブルや個人のスキルに左右されない仕組み作りと 社長の考えが全社に浸透するよう徹底しているのがよくわかる。 いざというときに備えて設備稼働率を7割に保つ方針は斬新で、 残していた余力をチャンスに投入して市場を制圧する考え方は参考になる。 いい意味でも悪い意味でもブレのないワンマン経営で、 社長が信じるポリシーが常…
ポッド・ジェネレーションエミリア・クラークAmazonさまざまな技術が発展した近未来、 妊娠に伴う身体的な負担をなくすために 機械の中で子供を育てる選択をしたカップルの話。 AI技術や動植物の管理が進んだ 未来らしい世界観は非常に魅力的で、 妊娠のやり方に新たな選択肢が用意された設定が斬新。 生まれる前の赤ん坊を男女問わずに世話をして ジワジワと愛情が深まっていく展開も面白い。 ただ、映画としてどういう結末を迎えるのかと期待していたのに、 特に起伏のないまま終わってしまったのは非常に残念。 せっかく主人公たちに感情移入していたのに 自分勝手としか思えない行動を起こしたせいで 一気に気持ちが離れ…
「300億円赤字」だったマックを六本木バーの店長がV字回復させた秘密作者:足立 光WAVE出版Amazonマクドナルドでマーケティング本部長を務めた筆者が 2014年に期限切れ鶏肉使用の疑いで悪評が立った際に どういう考えと方法で復活させたかをまとめたもの。 アルバイトによる不適切な投稿で客足が遠のいたレストランの息子が たまたま知り合った筆者に相談するという小説仕立てで書かれているが、 誰の視点で書かれているのかわかりにくい文章や 意味ありげに出てきた登場人物に存在感がなさすぎたりと 小説としてはかなりイマイチな仕上がり。 ページの大部分はSNSで炎上したレストランのテコ入れではなく 筆者の…
人間椅子 [DVD]清水美砂Amazon外交官の妻に椅子職人からの奇妙な手紙が届く話。 江戸川乱歩の代表作を映像化したものだが、 実際に人間1人が入る椅子を作ると不自然に大きくなってしまうはずで そのあたりをどう表現するのかと思ったが、 非常にうまくごまかしていて感心した。 ただ、原作が割と短編なので 忠実に再現しただけでは映画として短すぎるのか、 手紙を読む妻の私生活や欲求不満を描いて ずいぶんと官能的な味付けになってしまっている。 その結果、小説版に比べてずいぶんテンポが悪く、 あまり意味のないシーンに時間を取られる印象で、 どうしても中だるみを感じてしまうのが残念。 本作を観るより原作小…
喧嘩独学丹羽哲士Amazon動画配信で人気を得る同級生と比べて いじめられっ子で気弱な少年が 動画サイトでケンカのテクニックを身につけていく話。 YouTuberや実況配信を題材にした作品で 視聴者数によって社会的な立場が決まる世界観。 周囲から蔑まれていた情けない主人公が 力を尽くして戦っていく姿を配信することで ジワジワと世間から認められていくのが面白い。 知識も経験もなかった無力な状態から ひたむきに努力して技を身につけていく流れは 「ホーリーランド」のような気持ちよさを感じる。 時間を空けずに次々と新しい相手と対戦し、 サクサクとテンポのいい展開を楽しめる良作。
作品情報: https://www.netflix.com/title/81581946 余命宣告を受けて絶望していた高校生が 自分よりも余命の短い女性と出会う話。 設定をタイトルで全部バラしてしまっているため 前半はすでにわかっている内容をただなぞるだけなのが残念だが、 ヒロインがとにかく美人で見映えがするので 予想通りに進む王道の筋書きでもなんとか観れる。 難病の2人がギリギリまで割と元気なのは このタイプのお約束なのでやむを得ないとして、 そのあたりをあまり気にしないなら 純愛ものとしてはまずまずのデキ。
翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜GACKTAmazon埼玉県民の不幸を描いた「翔んで埼玉」の続編で、 関西へと出向くことになった埼玉解放戦線のメンバーが 大都市に虐げられている滋賀や和歌山の人々を救おうとする話。 近畿地方に舞台を移し、各都道府県のいろいろな特徴を 自虐的にいじるという前作同様のノリだが、 埼玉ばかりがネタになっていた1作目と違って 大阪界隈に詳しい人向けに楽しめる内容になっている。 ただ、ストーリーそのものにあまり魅力がないのと 過去の話をラジオで聞いている現代の場面に意味がなく、 ネタ以外の場面が長いばかりで退屈なのが残念。 前作よりはパワーダウンしているため、 あくま…