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レビューブログ【レブログ!】 https://reblog.hateblo.jp

映画、アニメ、ドラマ、マンガ、書籍、英語読書のレビューが5000件以上! レビューは毎日更新します。

ファン意識や世論に流されず、 自分の感じた感想を正直に伝えたいと考えています。

D.IKUSHIMA
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2008/06/18

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  • 福田村事件

    福田村事件 [Blu-ray]井浦新,田中麗奈,永山瑛太,東出昌大Amazon在日朝鮮人に対する差別意識が珍しくない中、 千葉県のとある村で起きた惨殺事件を描いたもの。 実際にあった事件を題材にしているとはいえ、 映画としてあまりに退屈で見応えがない。 騒ぎが起きるまでの1時間半は淡々とした場面ばかりで、 10万人以上の被害者を出した関東大震災すら その深刻さがまったく伝わってこない。 一般市民が起こした異常な状況を伝えたいなら 当時の時代背景がきちんと理解できる構成と 手加減抜きの強烈な描写を見せるべきだし、 序盤からもっとスピード感を感じさせて欲しかった。 事件の壮絶さに反して妙に生ぬるい…

  • そんなバカなマン<全3巻>

    そんなバカなマン DVD 第1弾バナナマンAmazonバナナマンとバカリズムが 3人でいろいろな企画を楽しむ番組。 日村がデート相手の女性に好かれるよう 設楽とバカリズムがイヤホン越しに指示をする 「パシフィック・ヒム」は非常に面白く、 次々と無茶な指示を繰り出す設楽と それに瞬時に対応できる日村のペアが最高。 ただ、企画によってアタリハズレがかなり大きく、 素人のヤンキーたちを観察するだけのVTRはつまらないし、 3人がダラダラと話をするだけの時間ももったいない。 2年以上も放送していた番組を たった3本のDVDにまとめるなら もっと内容を吟味して厳選するか、 パシフィック・ヒムばかりを集め…

  • 本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式

    本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式 (文春文庫)作者:石井 光太文藝春秋Amazon国内外での貧困問題の実状や事例と それによって引き起こされる問題を紹介したもの。 貧困に苦しむ人たちがどんな生活を送っているか、 なぜ貧困から抜け出せないのか、 貧しさがどういう問題につながるかなど 非常に生々しい内容が紹介されている。 アフリカを中心とする途上国はまだ想像できるが、 日本国内においても貧困問題が身近に起きていることを 痛感させるエピソードがいろいろと読める。 また、危険を顧みずいろいろな国や関係者に取材をして 情報を集めてきた筆者の姿勢にも感心させられる。 普段は意識しないものの確実に…

  • リーダーシップの哲学 12人の経営者に学ぶリーダーの育ち方

    リーダーシップの哲学―12人の経営者に学ぶリーダーの育ち方作者:一條 和生東洋経済新報社Amazon花王やカルビー、日産自動車など、 大手有名企業の経営者12人が語る それぞれの苦労話をまとめたもの。 いろいろな事例をもとに リーダーシップについて解説したものかと思いきや、 ビジネスで成功した人たちの過去を振り返るだけで 自伝の寄せ集めのような内容。 確かに成功者であることには違いないが、 それぞれの行動や考え方をどの部分が 一般の仕事に流用できるのかが書かれておらず、 ただ回顧録をまとめただけのような散漫な印象を受ける。 経営陣の思い出話をまとめ読みしたい人にはともかく、 リーダーシップを学…

  • ナナメの夕暮れ

    ナナメの夕暮れ作者:若林 正恭文藝春秋Amazonお笑いコンビ、オードリーの若林正恭が 雑誌に連載していたエッセイをまとめたもの。 引っ込み思案で後ろ向きな若林特有の視点で 日々の出来事を客観的に分析した文章が読めるが、 エッセイとしてはそこまで惹きつけられる部分がなく、 いい歳をして中二病を発症した大人が 愚痴や悩みや言い訳をひたすら書き連ねたような作風。 ある種の自虐的なネタなのだろうが、 中身のない文章をひたすら読まされるような内容なので ファンでなければそこまでの面白みは感じないだろう。

  • バッド・デイ・ドライブ

    バッド・デイ・ドライブ(字幕/吹替)リーアム・ニーソンAmazon子供とともに車に乗った男性が 爆弾犯から電話で脅迫される話。 いつものリーアム・ニーソン主演映画とは違って 銃や格闘術がほとんど出てこないのは新鮮だし、 車から降りることができないまま 電話越しに脅迫されるのは緊迫感があってよかった。 ただ、子供たちが同乗していることや 妻と不仲である設定にはほとんど意味がなく、 警察も賑やかしのために都合よく邪魔してくる程度で ほぼ全編が主人公の勝手な判断で 強引に解決していくのはちょっと無理がある。 中盤で警察とやり取りする場面も せっかくのスピード感と緊迫感がなくなるだけなので 大胆に省い…

  • アクアマン 失われた王国

    アクアマン/失われた王国Jason MomoaAmazon「アクアマン」に続くシリーズ2作目で、 前作でアクアマンへの遺恨を持った男が 邪悪な武器の力とともに敵対する話。 ジャスティス・リーグのキャラクターは絡まず、 アクアマンの関係者だけを使った独立したエピソードなので 前作さえ観ていれば理解できる構成なのはありがたいが、 あまり熱中する部分のない地味な続編という印象。 映像は派手でクオリティも高いのだが、 海中という設定も宇宙が舞台のSF作品と雰囲気が変わらず、 よくいる敵とよくある戦いをするだけで 本作独自の要素があまり感じられない。 アクアマンが大好きな人ならともかく、 映画としてはあ…

  • 魔女見習いをさがして

    魔女見習いをさがして森川 葵Amazon幼い頃に観ていたテレビアニメ「おジャ魔女どれみ」が いまだに大好きな女性たち3人が よりよい生き方をするために励まし合っていく話。 2000年前後に実際に放送されていたアニメを題材に、 年齢や立場の違う女性たちが知り合うという設定はいいが、 ストーリーとしては非常に薄っぺらく、 芸能人を多用した声優もイマイチで あまり引き込まれなかったのが残念。 主人公たちを悩ませる問題は妙に現実味があるのに その解決法があまりにご都合主義でスッキリしない。 気楽に楽しませたいならもっとアニメらしい悩みでいいのに 嫌な気持ちを味わせる場面が余計に感じる。 「おジャ魔女ど…

  • 青のフラッグ<全8巻>

    青のフラッグ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:KAITO集英社Amazon人付き合いが苦手で劣等感の強い主人公と その親友で運動神経抜群の人気者と おとなしくて目立たない女子生徒の それぞれの恋愛模様を描いた話。 恋愛が成就するよう協力していた相手に 徐々に恋心を抱いてしまうというよくある設定なのだが、 主要な登場人物のキャラクターが非常に魅力的で それぞれに感情移入してしまう没入感が素晴らしい。 高校生らしい不器用な部分が微笑ましくも切なかったり、 いろいろな悩みを通して人間的に成長する様子が まさに青春といった雰囲気でグッとくる。 そろそろ終わるのかと思うほど盛り上がった後も…

  • なぜ働いていると本が読めなくなるのか

    なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)作者:三宅香帆集英社Amazon読書に充てる時間が少ない現代人の特徴を踏まえて これまで人々がどう読書と付き合ってきたかをまとめたもの。 読書時間が取れない理由の分析や もっと本が読めるようになる方法の提案かと思いきや 日本人にとっての読書文化がどういう経緯をたどってきたかを 明治時代まで振り返って解説したものだが、 今まで気にしなかったような歴史が知れて興味深い。 特定の本がヒットした時代背景や 現代とも共通する人間心理など、 本好きにとって好奇心が刺激される内容。 ただし、タイトルから想像する内容とは異なるし、 最終的に語られる結論もつま…

  • 「気持ちいい」から考えるゲームアイデア講座

    「気持ちいい」から考えるゲームアイデア講座作者:吉沢 秀雄技術評論社Amazonテクモやナムコ、バンダイナムコスタジオといったゲーム会社で ファミコン時代からさまざまな開発に携わった筆者が 新たなゲームを生み出すための考え方や手順を解説したもの。 ゲーム業界を目指す学生や実際にゲーム会社で働いている人向けに 作品の根幹となる面白さを考え出していく流れを 社員研修のような形で説明していく構成。 事例として挙げられているゲームが古いのは難点だが、 その分、企画の構成要素がシンプルで理解しやすい。 アイデアというと突然ひらめいたりじっくり悩んだりするイメージがあるが、 その本質が既存の要素の新たな組…

  • 白鍵(はっけん)と黒鍵(こっけん)の間に

    映画『白鍵と黒鍵の間に』池松壮亮Amazonジャズピアニストになるための修業として キャバレー界隈を渡り歩いて演奏していく若者の話。 日本人ジャズピアニストの南博の自伝を映像化した作品だが、 状況や人間関係の説明がなくてわかりにくい上に とにかく映画として何ひとつ面白くない。 90分あまりの短い作品なのに 何をどう楽しませたいのかが伝わってこないし、 最初から最後までひたすら退屈で意味がわからない。 音楽を楽しむ作品でもサクセスストーリーでも ヤクザ映画でもコメディでもなく、 ただただ時間を無駄にするだけの作品だった。

  • フォロウィング

    フォロウィング 25周年/HDレストア版【Blu-ray】 [Blu-ray]ジェレミー・セオボルドAmazon街なかで目についた人物を尾行することが趣味の男が ある男と知り合ったことで窃盗行為に手を染めていく話。 弱気な主人公が不思議なカリスマを持つ男に グイグイと引っ張られて新たな世界に踏み出していく様子は 「ファイト・クラブ」を思わせる不思議な緊迫感があり、 前半はその鮮やかな手口を楽しむクライムサスペンスとなる。 時系列がかなりシャッフルされているので 主人公の見た目や言動、場所などから 物事の前後関係を再構築していく必要があるが、 登場人物がかなり限定されているため、 そこまで混乱せ…

  • 府中三億円事件を計画・実行したのは私です。<全2巻>

    府中三億円事件を計画・実行したのは私です。 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:白田,MUSASHI集英社Amazon1968年に発生し、解決しないまま時効を迎えた三億円事件について その犯人自身が事件に至る経緯や犯行準備の様子を 告白したという設定のフィクション。 題材になった実際の事件からすでに60年近く経っているため、 その存在を本作によって初めて知る人もいるだろうが、 特に予備知識なく理解できるので問題ない。 全体的にストーリーテリングが非常にうまく、 犯行日時までかなり時間のある序盤から 緊迫感に包まれた展開が続き、 主人公の取る大胆な行動に目が離せなくなる 全2巻というボ…

  • ただ、君を愛してる

    ただ、君を愛してる スタンダード・エディション [DVD]玉木宏Amazon写真が趣味で引っ込み思案な大学生が 同じ大学に通う幼い雰囲気の少女と出会う話。 シンプルな設定の恋愛映画ではあるが、 宮﨑あおい演じるヒロインが素晴らしく魅力的で、 天真爛漫で嫉妬深い様子がたまらなくかわいい。 また、大人っぽい美人のライバルも 普通なら嫌な性格に設定されそうなところが 裏表のない清々しいキャラクターになっていて 観ていて気分が悪くならないのも素晴らしい。 優柔不断ながら憎めない主人公にも感情移入しやすく、 2人の関係にどんどんのめり込んで盛り上がったところから さらにもう一段階の展開があるストーリーに…

  • 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

    腑抜けども、悲しみの愛を見せろ [DVD]佐藤江梨子Amazon両親が事故死し、妹と3人で暮らすことになった夫婦のもとに 女優志望で上京していた自分勝手な長女が帰省してくる話。 最初は誰が主人公で何の話かもつかめないのだが、 どの登場人物もキャスティングが完璧で そのやたら個性的なキャラクターに目が離せなくなる。 ブラックな描写も多いのに不思議と笑える作風で 自己中心的な長女に振り回される家族と それを冷静に分析する妹の使い方が強烈。 相当に過酷な状況に置かれつつも 常に無邪気で明るい妻の存在も斬新。 ラストに畳みかけてくる展開は特に素晴らしく、 観終わったあとに不思議な爽快感が残る良作だった…

  • 今どきの若いモンは<1~2巻>

    【新装版】今どきの若いモンは(1) (サイコミ×裏少年サンデーコミックス)作者:吉谷光平小学館Amazon若い会社員とその上司が 仕事上の苦労を味わっていく話。 エピソードによってページ数がかなりバラバラで、 いずれも若手社員を気遣う課長が軸になっているが、 単なる日常のほのぼのを描いたり 急にシリアスな展開になったりと統一感がない。 もっと会社員が共感できるあるあるネタや 現代社会の深刻な実状が味わえるのかと思ったが、 全体的にオチの付け方がヌルくてパンチが足りない。 大コマが多いせいでページの消費量も激しく、 期待したほどの面白さが感じられなかった。

  • 十角館(じゅっかくかん)の殺人

    十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫)作者:綾辻行人講談社Amazon十角形の形をした特殊な屋敷に訪れた7人の大学生と、 その建築家と同居人が殺された事件を追う男たちの話。 身動きが取れない中で事件が起きていく島と 半年前に起きた殺人事件の手がかりを追う本土との 2ヶ所の出来事が同時並行で描かれていくが、 会話が多いのでサクサクと読めるし、 どちらの状況も興味をそそられるようになっている。 島にいる7人はミステリー研究会ということもあって 状況を論理的に分析して進めていくところは好印象だが、 のメンバー同士が外国人の名前で呼び合う独特の設定のせいで、 性別や雰囲気がイメージ…

  • イノセンツ

    イノセンツラーケル・レノーラ・フレットゥムAmazonとある団地に暮らす子供たちが 徐々に不思議な力を身につけていく話。 子供らしいストレートな感情に任せて 超能力を暴走させていく筋書きには惹かれるが、 全体的にスローペースでテンポが悪すぎる。 これならもっと頻繁に衝突しつつ どんどん状況が深刻になっていくなど 激しい超能力バトルを展開して欲しかった。 誰が能力を発動させているのかわかりにくいし、 少女の知的障害という設定にもあまり意味がなく、 ひたすら淡々とした雰囲気で退屈な作品だった。

  • BEEF / ビーフ<全10話>

    作品情報: https://www.netflix.com/jp/title/81447461 不幸続きの便利屋の男性と満たされない起業家の女性が あおり運転をきっかけに、互いに嫌がらせをし合う話。 メインとなる2人のキャラクターとも性格に難があり、 迷惑をかけあう様子はあまり楽しいものではないが、 1話30分程度というテンポの良さと 何が起きるかわからない興味からズルズルと観てしまった。 ただ、後半になっても相変わらず不毛な争いを繰り返すばかりで 互いの成長やストーリーの進展が見えず、 驚かされたり痛快に感じたりする部分がなくて飽きを感じる。 最後まで観ても「結局なんの話だったんだ」という印…

  • 本屋図鑑 だから書店員はやめられない!

    コミックエッセイ 本屋図鑑 だから書店員はやめられない!作者:いまがわ ゆい廣済堂出版Amazon岡山県の本屋で働く女性が その仕事内容や店内での出来事を描いたエッセイ。 本と本屋が大好きな作者の気持ちが伝わってきて 本好きな読者に共感できる部分が多くて癒される。 また、静かな雰囲気がある書店だが、 力仕事も頭を使う仕事が多いことがよくわかって興味深い。 仕事の大変さや苦労は伝わってくるものの 愚痴や悲観的な描写が一切ないため、 エッセイとしても読みやすくてよい。 ただ、マンガではない解説ページの文字が やたら小さくて見づらいのは残念。 本屋に立ち寄ることが多い人なら その裏側を垣間見れて楽し…

  • 頭のいい人が話す前に考えていること

    頭のいい人が話す前に考えていること作者:安達 裕哉ダイヤモンド社Amazonコンサルティング会社での業務を通して得た経験から 仕事で関わる人たちから信頼を得るために 意識すべき言動をまとめたもの。 顧客や上司との会話をうまく成果に結びつける人と 逆に相手を落胆させてしまう人の違いがうまく比較されており、 どういうことを意識して振る舞うべきかがよくわかる。 とにかく業務におけるコミュニケーション手法に特化した内容で、 それぞれ当たり前のことばかりに見えるが、 これらを徹底できている人がどれだけいるだろうか。 筆者のブログ「Books&Apps」で読めるような 社会人向けのノウハウがいろいろと詰ま…

  • 「また会いたい」と思われる人

    「また会いたい」と思われる人―――「人に好かれる」絶対ルール (三笠書房 電子書籍)作者:鹿島 しのぶ三笠書房Amazonブライダル関連を中心に司会業やマナー講師を務めてきた筆者が 人に好かれるためのポイントをまとめたもの。 相手に不快感を与えたり好感を持たれたりする ちょっとした言動が的確に紹介されており、 上司や部下、先輩や後輩、友人や顧客など 日々の生活の中で人間関係を良くするための 役立つアドバイスが集約されている。 ひとつの項目に対する解説が 2~4ページと短めなので負担が少なく、 空き時間で少しずつ読み進めることもできる。 簡単に言えば世渡りのうまさを身につけるための本で、 「必要…

  • リゾートバイト

    リゾートバイト伊原六花Amazon民宿に住み込みのアルバイトにやってきた若い男女が 夜中に見聞きした奇妙な物音をきっかけに トラブルに巻き込まれていく話。 駄作であることは覚悟をしていたが 予想を遥かに下回るレベルでデキが悪く、 最初の30分ですでにウンザリさせられるので 90分を切る短編なのにとにかく辛い。 そもそもアルバイトを3人も雇ったくせに 宿泊客の気配がまったくせず 忙しそうな様子が全然伝わってこない。 リゾート地という設定のはずなのに 観光客らしき人物は全編通して2人だけ。 ホラーとしてはとことん安っぽいし、 コメディと割り切れる内容でもない。 キャラクターも含めて見どころらしい要…

  • インソムニア

    インソムニア [DVD]アル・パチーノAmazonアラスカの田舎町に派遣されたベテラン警部が 少女殺人事件の犯人を追う中でトラブルに見舞われる話。 的確に判断を下す敏腕警部が 犯人を追い詰めていく話かと思いきや、 とあるアクシデントをきっかけに どんどん窮地に立たされていくのが斬新。 その過程でノイローゼが進み、 眠れなくてフラフラになっていく様子も 白夜という舞台設定とうまく合わさっていて見事。 スピード感のある展開と先の読めない筋書きで 目が離せない没入感を維持したまま 最後まで盛り上がりを見せる良作だった。

  • アオイホノオ<1~15巻>

    アオイホノオ(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)作者:島本和彦小学館Amazonマンガ家である島本和彦がプロを目指して 大学に通っていた頃を描いた自伝的マンガ。 感情表現がコミカルに誇張されているとはいえ、 マンガやアニメに染まった主人公の大学生活がリアルで面白い。 一定の才能はあるのに将来の不安や他人への妬みから 迷いが生じてしまうところはクリエイターなら共感できるし、 己の欲望にストレートな性格も感情移入しやすくて応援したくなる。 あだち充や高橋留美子が描くマンガや 「マジンガーZ」「伝説巨神イデオン」あたりのテレビアニメなど 実在する作品に対して読者や視聴者が感じていたことを 主人…

  • イコライザー THE FINAL

    イコライザー THE FINALDenzel WashingtonAmazon「イコライザー2」に続くシリーズ3作目で、 イタリアの田舎町に流れ着いた主人公が 人々を脅かすマフィアの一味と遭遇する話。 ダラダラとテンポが悪かった前作から一転、 冒頭から定期的に戦闘シーンを挟みつつ どんどん高まっていく緊迫感に 退屈する暇なく一気に引き込まれていく筋書き。 凶暴でやりたい放題な悪人に対しても 飄々(ひょうひょう)とした態度で接し、 圧倒的な戦闘力でねじ伏せていく様子がひたすら痛快で 1作目で感じた爽快感を蘇らせてくれる。 今作だけでも楽しめるようストーリーが独立しているので、 2作目のデキに落胆…

  • 寄生獣 -ザ・グレイ-<実写韓国ドラマ版・全6話>

    作品情報: https://www.netflix.com/title/81194158 地球に現れた小さな生物が人間の頭部に寄生し、 その姿を装いながら殺戮を繰り返していく話。 同名のマンガを原作にした実写ドラマだが、 寄生生物の設定といくつかの場面がモチーフになっている程度で ストーリーもキャラクターもまったく別物に仕上がっている。 原作では存在感が大きかったミギーはまったく形が変わっており、 宿主との会話も非常に少なくて愛着が湧かないし、 主人公が何をしたいのかも伝わってこない。 原作と異なっていても面白ければいいのだが、 定期的に騒ぎを起こすパラサイトと それを駆除しようとする対策組織…

  • クラインの壷

    クラインの壷 (講談社文庫)作者:岡嶋二人講談社Amazonまったく別の世界に入り込んだ体験ができる 新型のゲーム機のテストプレイに協力する話。 最近話題のVR技術どころか、スーパーファミコンすら 発売されていなかった1989年の作品だが、 全身の感覚をシミュレートする機械の描写が素晴らしく、 本当にそういう新技術があるようなリアリティを感じる。 ゲーム内の世界観や人物設定はややこしくて混乱するが、 本作の醍醐味はゲーム機の外の部分なので あまり気にしなくても特に問題はない。 非常にテンポのいい文章で 小説に慣れていない人でも読みやすく、 SF、ミステリー、恋愛、アクションなど いろいろな要素…

  • アイデア・オブ・ユー -大人の愛が叶うまで-

    アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~Anne HathawayAmazonシングルマザーとして生きる中年女性が 大人気男性グループの1人と恋愛関係になる話。 昭和時代の少女マンガのような古臭い筋書きで ひたすら予想通りの展開ばかりで退屈だし、 演じるのがアン・ハサウェイじゃなかったり 男女の性別が逆だったりすれば それこそ見ていられないデキになるだろう。 ヒロインをあえて平凡な太ったオバサンにしたり 意外な方法で世間のバッシングに対抗したりするならともかく、 単なる美人と一目惚れのような馴れ初めで恋愛するだけなら 年齢や娘の存在はまったく意味のない設定のように思う。 主演女優の美貌に頼…

  • ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ

    ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズジョシュ・ハッチャーソンAmazon幼い妹の養育権を維持するため、 廃墟となったテーマパーク型レストランで 夜間警備のアルバイトを始める話。 「ウィリーズ・ワンダーランド」と非常に似た世界観だが、 男性の抱えるトラウマに関する描写が長く、 期待したようなバトルが少なくて 序盤でチンピラたちが死んでからはかなり中だるみする。 映像のクオリティは悪くないのだが、 人形たちが敵なのか味方なのかが中途半端で ストーリーの方向性がハッキリしない。 せっかく恐怖感を煽るキャラクターがいるのに 「バナナ・スプリッツ・ホラー」のような展開ではなく、 オカルト方向に舵を切る…

  • 早朝始発の殺風景<全6話>

    早朝始発の殺風景山田杏奈Amazonとある高校の生徒それぞれが抱える 小さな悩みを題材にした群像劇。 第1話で登場する2人の活動は 全編を通して少しずつ描かれるが、 第2話以降は異なる生徒を主人公に 1話完結型のオムニバス構成になっている。 エピソードごとに状況の異なる会話劇だが、 ゆるいミステリーのような筋書きになっており、 前半部分で語られたいろいろな要素が 伏線として回収されていくのが気持ちいい。 高校生らしい青春を感じつつ スッキリと後味のいい短編が楽しめる良作ドラマ。

  • 思考の整理学

    新版 思考の整理学 (ちくま文庫)作者:外山滋比古筑摩書房Amazon頭を使うことに関して 筆者の経験をもとにまとめたコラム。 もともと1983年に書かれた本でありながら 2010年代の東大・京大の生協売れ筋ランキングに入る1冊で、 学習や読書、知識についての分析が 短めの読み物として書き上げられている。 何かを学んだ経験と照らし合わせて 納得や共感できるところが多く、 過去に感じた感覚が言語化されているような印象。 本書によって新たな知見が得られるわけではないが、 勉強へのモチベーションを少し刺激できる1冊。

  • 猫は逃げた

    猫は逃げた山本奈衣瑠Amazon離婚間際の夫婦と彼らに飼われてきた猫と それぞれの不倫相手のやり取りを描いた話。 かなり登場人物を限定した作品で 筋書きそのものはそれほど悪くないが、 この内容で1時間50分は長すぎて 中身が薄く感じてしまう。 また、時間軸を細かく入れ替えた構成なのに 回想シーンかどうかがパッと判断しにくかったり、 去勢していないくせに平気で放し飼いする猫の飼い方も 余計な嫌悪感を引き起こして気が散ってしまう。 終盤の4人のシーンはめちゃくちゃ面白かっただけに もう少しテンポよくまとめて欲しかった。

  • 冬薔薇(ふゆそうび)

    冬薔薇伊藤健太郎Amazon学校にもほとんど通わず 周囲から金をせびって暮らす自堕落な青年と その家族や知人を描いたもの。 人間関係がつかみにくい割に中身が薄く、 自分勝手で嫌われ者の主人公にはイライラするし、 半グレたちの犯罪行動も特にクローズアップされず、 何を見せたいのかよくわからない作品。 主人公の身近にいる意味ありげな人物に関しても 特に掘り下げられることがなくて それぞれの行動原理がよくわからない。 キーとなる事件も詳細が語られないまま。 ろくでなしの生き様を ダラダラ見せられるだけの駄作。

  • 世界の終わりから

    世界の終わりから伊東蒼Amazon身寄りがなく、学校でも居場所のない女子高生が まもなく滅ぼうとしている世界の行く末のカギを握る話。 身寄りのない主人公の学園ものかと思いきや 意外にもファンタジー色が濃い内容で、 予想外の方向に広がっていく序盤の引きは強い。 ただ、全体的にスローテンポで話が進まないのと、 滅亡まで2週間という切羽詰まった状況なのに 組織に協力するかどうかを選べたり 自宅住まいや通学を継続させてくれる点など 妙に制限が緩くてリアリティが低いところは残念。 また、世界の危機を回避しようとしているのに 勢力争いや世間からのバッシングといった 妙に小さな規模の争いばかり描かれるのも気…

  • 由宇子(ゆうこ)の天秤

    由宇子の天秤瀧内公美Amazon自身の正義感とマスコミとしての立場に悩みつつ 女子高生自殺事件の取材をするテレビディレクターが 父が経営する学習塾のトラブルに巻き込まれる話。 社会からのバッシングを題材にした作品で、 冒頭から重い雰囲気が漂う中、 さらに深刻な問題が重なっていく。 登場人物は限られているが それぞれの関係性が絶妙に絡み合っていて、 人間の嫌な部分を何度も味わわされる。 悪いことをしていない主人公が どんどん災難に見舞われていく筋書きでなので 観ていて暗い気持ちになるばかりだが、 2時間半に見合う内容の濃さで見応えはあった。

  • 春画先生

    春画先生内野聖陽Amazon性風俗を描いた江戸時代の絵画である 「春画」の研究に没頭する中年男性と、 彼に想いを寄せる若い女性の話。 序盤は春画という珍しい題材と それを楽しむ独特の視点が新鮮に感じるが、 徐々に関係者の非常識さが際立ってきて 独特な世界観から目が離せなくなる。 実は春画ではなく先生の方が軸になっているのがミソ。 登場人物全員がクセのあるキャラクターで 努力の方向がねじ曲がっているところが面白く、 苦悩していても不幸や悲しみを感じないのがよい。 変な人間ばかりが出てくるのに それぞれに好感を持ってしまう不思議な作品。

  • ゴジラ-1.0(マイナスワン)

    ゴジラ-1.0神木隆之介Amazon第2次世界大戦が終わった直後の日本近海で ゴジラが人々を襲い始める話。 戦争に負けてボロボロになり、 なんとか復興しようとしている状況で 凶暴なゴジラが暴れまくるのが恐ろしい。 シン・ゴジラ版よりもさらに強くなっている印象で その強大な破壊力を感じさせる映像表現が素晴らしい。 GHQの管理下で満足な武装もない中、 絶望に陥る市民の気持ちを追体験できる。 「シン・ゴジラ」は日本政府らしい人間ドラマが醍醐味だったが、 本作はシンプルに勧善懲悪の図式での ダイナミックなバトルが楽しめる作品になっており、 弱者たちが力を合わせて敵に立ち向かう痛快さが味わえた。 【関…

  • 大いなる遺産<1998年公開版>

    大いなる遺産 (字幕版)Ethan HawkeAmazon気まぐれな様子の幼馴染に想いを寄せつつ 画家として少しずつ名を馳せていった青年の話。 2012年公開版に比べると人間関係はつかみやすく、 純粋な主人公を惑わせてくる幼馴染の魅力も伝わってくるが、 全体的にあまり没入感を感じない内容だった。 恋愛面でも仕事面でもあまり達成感がなく、 波乱万丈な割にぼんやりした印象。 初見でも見やすく作られている反面、 特に何も感動が残らない凡作だった。 【関連作品のレビュー】 大いなる遺産(2012年公開映画)

  • 不適切にもほどがある!<全10話>

    不適切にもほどがある! Blu-ray BOX [Blu-ray]阿部サダヲAmazon中学校の体育教師をしていた男性が 1986年から2024年の現代にタイムスリップし、 元いた時代との文化のギャップに戸惑う話。 スパルタ教育と体罰、過激な言動が当たり前だった昭和の時代と コンプライアンスが厳しく、炎上を恐れる令和の時代との違いを あえてネタとして強調したドラマで、 その両方の文化を見聞きしている 40代以上の人には共感できる部分だらけで面白い。 38年前からやってきた時代錯誤な主人公が みんなが感じている文句を的確に代弁してくれる気持ちよさと 過剰に配慮しすぎる風潮を遠慮なくツッこむところ…

  • タピオカ屋はどこへいったのか?

    タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ作者:菅原 由一KADOKAWAAmazon世の中にあるいろいろなビジネスについて その収益モデルやポイントを解説したもの。 栄枯盛衰の激しいタピオカ店に言及したタイトルだが、 本文では特にタピオカ店を掘り下げるわけではなく、 立ち飲み屋、コンビニ、ラーメン屋、スナックなど いろいろな店舗の収益構造を少しずつ紹介しており、 「この一冊で全部わかるビジネスモデル」と似たような内容。 ただ、中身がかなり薄いので 経営に関する雑学程度の知識しか得られないし、 Kindle版では図が小さくていちいち拡大する手間がかかるため、…

  • 顔がこの世に向いてない。<全3巻>

    顔がこの世に向いてない。 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:まの瀬集英社Amazon自分の外見に強いコンプレックスを抱えているせいで 性格がひねくれてしまった女子高生が、 自分に告白してきた男子生徒に しつこく懐疑的な気持ちを抱いてしまう話。 状況が好転していても自己肯定感が低すぎるせいで なんでも後ろ向きに考えてしまう主人公が新鮮。 その様子がリアルでもあるし、 劣等感が損になることが客観的に観察できる。 基本的に同級生同士の会話劇だが、 その中に散りばめられた細かいネタも面白く、 たまに混ざる物事の本質を鋭く突いたセリフも見どころ。 ただ、キャラクターの見分けがつきにくすぎる点…

  • 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

    鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎関俊彦Amazon「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズのひとつで、 鬼太郎が生まれるより前の時代を舞台に 日本の財政界を牛耳る一族の世代交代をめぐって 銀行員の男性が人里離れた村を訪れる話。 跡継ぎ問題を題材にした中盤までの展開は ミステリーものでよく見るタイプの筋書きだが、 そこにうまく妖怪の存在を絡めていて 鬼太郎の父親の生き様が楽しめるようになっている。 終盤は完全に鬼太郎の父親を主人公にした内容で、 存在感のある悪役との派手な戦いぶりに しっかり白熱できるようになっている。 全体的に非常にクオリティが高い仕上がりだが、 最終決戦は特に見応えがあった。 一族の関係者が多くて初…

  • おばあちゃんこ

    おばあちゃんこ (単行本)作者:おおみぞ きよとKADOKAWAAmazonお笑いコンビ、バッドボーイズの大溝清人が 祖母と生活していた幼い日々を振り返ったもの。 両親がいない上に目の見えない祖母と 貧しい暮らしをしていたことには同情するが、 マンガとしてのクオリティが低く、 エピソードもありがちなものばかりで 特に面白さを感じる部分がなかった。 同様に祖母との生活を描いた「祖母の髪を切った日」や 「婆ボケはじめ、犬を飼う」あたりと比べると 読み応えやグッとくる部分がなく、 あえて読むほどの価値を感じなかった。

  • 愛なのに

    愛なのに瀬戸康史Amazon女子高生から突然求婚された古本屋の店主と 結婚式目前でありながら婚約者との関係に悩む女性の話。 複数の男女のやり取りが並行して描かれるが 深刻な状況の割にほのぼのした雰囲気が漂う独特の作品で、 それぞれのカップルの行く末をなんとなく見守ってしまう。 特に各ペアの女性キャラが魅力的で、 健気で真っ直ぐな女子高生の言動は文句なくかわいいし、 悶々と悩む花嫁の行き場のない迷走ぶりは笑えるし、 不倫相手の飄々(ひょうひょう)とした様子はシンプルに面白い。 特に何の話というわけでもないのに 妙なリアリティと没入感がある作品。

  • ウォンカとチョコレート工場のはじまり<2023年公開版>

    ウォンカとチョコレート工場のはじまりティモシー・シャラメAmazon貧しいながらもチョコ作りの才能に長けた青年が 悪どい宿屋に騙されて多大な借金を負ってしまう話。 2005年公開の「チャーリーとチョコレート工場」と同じ小説を原作にしつつ ウィリー・ウォンカがチョコレート工場を築くまでを描いた前日譚となり、 過去の映画や原作小説を知らなくても 本作だけで楽しめるようになっている。 チョコレートに魅了される人々と ファンタジックな世界観は夢があり、 主人公同様に騙された者たちと協力して 夢を叶えるために奮闘する様子にグッとくる。 「チャーリーとチョコレート工場」よりもミュージカル色が濃く、 チョコ…

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