「……ねえ?」 彼女が僕の方を見た。 僕は視線を彼女の瞳に戻した。 「……あなたのパルミラ、なんか様子が変じゃない?」 彼女はてくてくと僕の所まで歩いてくると、僕の足下にかがみ込んだ。 「……やっぱり変。私を見ても笑ってくれない……。夕べ、ちゃんと休ませてあげた?」 僕の足下の...
「……おかしい!面白い子ね、あなたのパルミラ」 彼女はそう言って、僕のパルミラの頭を、無造作に撫でた。 パルミラは微笑んだまま、されるがままになっていた。僕は、自分が撫でられているような不思議な恥ずかしさを感じた。 「……もう、中に入りましょ?あなた、まだチェックインも済まして...
僕は向かいの席に座ったパルミラの瞳を、そっと覗きこんでみた。 海からの照り返しがまぶしいためか、パルミラは僕の視線には気付かず、ずっと海を見たままだ。深い黒真珠のような漆黒の瞳に、僕らの見詰めた海がさかさまに映しだされていた。 そのかすかに開いた、幼い口元からは、今しも、何か感嘆...
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