肌寒やヒトにすり寄る野良一匹使はれぬままの電話機肌寒し胡桃とや我が脳味噌の頑なさ肌寒
肌寒やヒトにすり寄る野良一匹使はれぬままの電話機肌寒し胡桃とや我が脳味噌の頑なさ肌寒
電波塔の潔ぎよく立つ秋気かな青空をカンバスにして銀薄故郷の届く差し入れ栗ご飯連れ合ひを育みし里天高し天高し
つくばいの静もる水面や木の実落つヴィーナスの微笑む風や秋桜相撲草負けてたたらを踏む子かな頬紅を初めし乙女や鶏頭花秋の風
秋の蜘蛛雄の喰はるる悲哀かなとんからとはた織る秋の蜘蛛囲かなとんからとはた織る音や秋の蜘蛛葉隠れに餌を待つ秋の蜘蛛囲か秋の蜘蛛
故郷に戻れ賑はい菊人形をさな日のお伽話や菊人形菊人形いざや別れとかぐや姫すがれ虫の蟻と比さるる処世かな菊人形
秋寂ぶや水琴窟の音澄みて故郷に日野の山あり秋桜古戦場を臨みて余呉の芒原秋深し(その3)
秋深し能登の入日の未練かな山里に田仕舞う煙立ちにけり柿をもぐ竿の先なる夕日かな秋深し(その2)
すがれ虫鳴く夜推理の一書かな金木犀の雨後なほ増せる色香かなあらねばてふ立ち様はなく秋桜立ち様(たちざま)秋深し(その1)
北アルプスに発す湧水秋澄めり右左迷いて楽し秋の旅秋澄むやちひろの描きしをさな顔陽に熟れてゴーヤ魔顔となりにけり松本にて
夜なべのする昭和に祖母のありにけり鼻唄が背より聞こゆる夜なべかな夜なべ
居酒屋の女将老いけり菊なます昼酒は何故にかく酔ふ菊なます菊膾(きくなます)
秋麗や眠気の誘ふ大あくび秋麗やゆうらりゆらと鯉二匹冷やかや税軽減は酒になく秋麗
身に入むやトドワラに見る生の果て身に入む
ぎ草てふ名の今年米故郷便り身に入むやありし日の康成の部屋故郷からの今年米
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