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短編でひといき http://hogai.at.webry.info/

還暦過ぎてはじめて書いてみた短編小説?のごとき駄文です。ひとりよがりは年に免じて平にご容赦くだされ。

森法外
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大野城市
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博多区
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2007/09/04

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  • パソコンがデキる人

    「どうじゃ、日本から拉致してきた奴隷の様子は」 「ハッ! 大人しくしております。 われらが星にも慣れてきております」 「そうか、反抗する気もなくなったか」 「眼もうつろであります。 で、例の判別のことですが」 「む、パソコンやスマホができるヤツを選び出すことだな」 「はい。 精通しておれば我らには危険」 「そうじゃ。 そいつらは記憶を消去して送り返してしまえ。 奴隷は単純なヤツでいい…

  • 果報は寝て待つ

    「どうじゃ地球人拉致計画の進み具合は」 「あ、提督。 かんばしくありません」 「ど~してじゃ?」 「やつら地球人が寝るということがわかったのです」 「ネル?」 「はい、正体を失うのです」 「な~ぜじゃ?」 「あの星は夜というのがあるのです」 「ヨル?」 「真っ暗になります。 そのため昔からその間は寝るのです」 「だ~れがじゃ?」 「だからみんなです」 「む。 もう地球は征…

  • 福岡に黄砂

    pm2.5が黄砂に乗ってやってきて、 鼻炎で難儀している大宰府在住のウメおばあちゃんが、 逆風で追い返したい気持ちを詠んだ。 東風吹かせ 黄砂おこすな ウメの鼻

  • 不眠症

    「ながい間行方不明だった与作のことじゃが」 「徘徊していたのじゃないのか?」 「本人は遠くで不眠症治療してきたと言っておる」 「へ~え、あいつは2時間しか眠れないと悩んでいたな」 「それに肥満で悩んでおった」 「で、いまどうしている与作は?」 「2時間も寝れば充分だと言っておる」 「不眠症は解消したのか。 でもちょっと短すぎないか?」 「家族の話では本当らしい。 2時間しか寝てな…

  • 絶滅危惧種

    「おじいちゃん」 「ん、なんだ? ヨシオ」 「先生が絶滅危惧種の話をしたよ」 「ほほう、小学校でもそんなことを教えるのか」 「ボク心配なんだ」 「えらい! お前たちがその気持ちで頑張らんといかん」 「だっていろいろ困るもん」 「困る? 象か? それともカバ?」 「ちがう」 「あ、そうかあ、パンダか」 「ちがうよ。 タコだよ」 「タコ? タコは絶滅危惧種じゃないだろう?」 …

  • 孫教育

    「お母さん」 「な~に、ヨシオ」 「おじいちゃんがね、絵本を買ってくれたんだ」 「まあ、よかったわね。 どの話かしら」 「一寸法師だよ」 「まあ、やっぱり古いわねえ、おじいちゃんは」 「最先端だって言ってたよ」 「どこが? お母さんだって久し振りに聞く話だわ」 「だってこれを読んで勉強しろって言うんだ」 「勉強?」 「うん。 いずれ生きていくうえで参考になるからって」 「生…

  • シニアの星

    「おい、あのジイさん見てみろよ」 「え、あのスマホを手に持っているジイさん?」 「ん。 カッケーなあ」 「なにが?」 「さっきからあんな歳でスマホを操ってんだぜ、ヤバイね」 「まあ、いまどき結構居るんじゃない」 「スマホだけならね。 ところがチョー高速にメール打ってんだ」 「あ、ホントだ。 オレだってあんなには打てない」 「耳にイヤホン付けてるだろう。 音楽でも聴きながらだからキ…

  • 紛らわしい

    「おかあさん」 「どうしたの、ヨシオ」 「おじいちゃんが掛け時計が狂ってるって」 「え、今朝合わせたばかりよ」 「おじいちゃんは2時半だって」 「だって、いま1時23分よ」 「テレビニュースでアナウンサーが2時半と言ったんだって」 「え~時間を読み違えたのかしら?」 「たしかにアナウンサーは pm2.5 って言ったそうだよ」

  • 学習

    「あ~そこ行く、おじいちゃん」 「へ? あたしのこと?」 「そう。 そこは禁煙ゾーン。 足元を見なさい」 「あ、ほんとだ。 ごめん。 この町もそうなったのかあ」 「あのねえ、おじいちゃん」 「はい。 また違う人だ」 「そこはねえ、若者ゾーンでしょうが」 「ん? 若者ゾーン?」 「あれ、知らないの?」 「ええ」 「年寄りはえらそうに歩いちゃいけない区域なの」 「どうして?」 …

  • 監視カメラ

    「奥さん」 「あら、お隣の奥さん」 「お宅で監視カメラが見つかったそうね? びっくりしたわ」 「そうなのよ。 家の中に向けられてたの」 「盗撮ということね。 で、誰が仕掛けたの? 外部の者?」 「それがね、なんと内部なのよ」 「え~ッ! 旦那さん? それとも息子さん?」 「おじいちゃん」 「まあ! いやらしい」 「私もね、なんてことするのかと気持ち悪かったわ」 「でしょうね。…

  • 孫自慢

    「おじいちゃん」 「ん、なんだヨシオ」 「先生がね、鉛筆の芯舐めたらいけないって。 体に悪いから」 「ふ~ん」 「で、いまうっかり舐めたんだけどどうしよう」 「馬鹿だなあおまえ」 「え、バカ?」 「そういうときは落ち着いて消しゴムを舐めるんだ」 「あ、さすがおじいちゃん。 あれ、どうして顔しかめているの?」 「さっき先生が」 「え、おじいちゃん学校に行ってるの?」 「病院の…

  • バレンタイン将棋

    「ヤッター!」 「ど、どうしたヨシオ。 ビックリするじゃないか」 「おじいちゃん、とうとうやったよ」 「なにが?」 「ホラ、この将棋ゲーム見てよ」 「おお!」

  • 最近の地獄事情

    「仏さま」 「おお、閻魔大王か。 どうした?」 「実は鬼どもが弱ってしまって困っております」 「う~ん。 考えてみれば連中は数千年も働き続けじゃなあ」 「はい、私めも数千年。 仏さまも同じです」 「たしかに、そうじゃ。 年に二日しか地獄の釜の蓋が開かないからのう」 「げにも」 「つまり定休日を増やせと言うのじゃな」 「いえ、滅相もありませぬ」 「しからばなぜ弱っておるのじゃ」 …

  • 名誉の死に場所

    「奥さん」 「あら、お隣の奥さん」 「お宅のおじいちゃん最近見かけないけど」 「ええ、たぶんお宅のおじいちゃんと一緒よ」 「ひょっとして大分県と愛媛県の間の?」 「そこに行ったのよ」 「ということは豊予海峡へ? もう帰ってこないのね」 「年取ると、みんなあそこへ行くわねえ」 「あたしもいずれ行こうと思ってるけど」 「あたしもそうよ」 「だって最後くらい人から賞賛されたいものね…

  • 名医

    「先生、よろしくお願いします」 「あ、奥さんは、昨日顔の吹き出物を治療しましたね」 「はい、今日は絆創膏を付け替えるということでしたが」 「はい、さっそく剥がして新しいのを」 「じつは先生、昨日の治療後にうちに帰ったら、子供がギクッとして固まってしまって」 「え? ああ、顔に絆創膏があると子供はビックリするかも」 「で、どうしたのと訊いても、なんでもないって言うばかりで」 「ビック…

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