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  • カラスと木瓜の花 (20)

    なんなら教えましょうか。と上からものを言う神田くんに、朝から軽い苛立ちを覚えた。ったく、かわいくないよね。などと言い返したものなら、知ってます、と減らずぐちを叩かれるのは判っている。だから、おとなしく首を横に振るだけにした。この頃、この子の言いぐさが気に入らない。ふつう、浜っこと聴けば、横浜を連想するじゃないか。以前、神田くんが自分の出身地をまわりくどく表現したせいで、誤解を招いたのに。誰もヨコハマだなんて言ってないじゃないですか、とこちらがあげつらわれる筋合いもないのに。終いに彼は意気揚々と日本三大砂丘も知らないんですか?と、眼鏡を外した爽やかな流し目で私を見下ろした。もう少しで、知りませんけど何か?とクチから出るところだった。私の持つカップからコーヒーが馨る。屁理屈に振りまわされても、毎朝座っているだけでこ...カラスと木瓜の花(20)

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