喫茶店の硝子の向こうで、枯葉が街路樹からばさばさと落ちていく。今日はひどく寒いから、秋も終わりだと思っているのだろう。私は雑な手つきでチーズケーキの最後の欠片を口に放り込んだ。次いで紅茶も空にする。冷めてしまったせいで渋みだけが目立って美味
その日、月は現れてはくれなかった。「お嬢さん。」 デ・ジャヴ、だ。そう思った。 正確には、違う。デ・ジャヴではなくて、私はついこの前、同じように同じ声で同じ言葉をかけられただけだ。違うのは、空にあの紅い月は浮かんでないことくらい。 振り向
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