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  • 遠い昭和

    僕の頭と心のベースの部分を形作っているのは、まぎれもなく、70年代と80年代の文化。 その時代はまさにテレビの全盛期だったから、僕は生粋のテレビっ子だと言えるかもしれませんね。 今思えば、面白い番組が目白押しだった時代でした。ドラマ、コント番組、歌番組、あらゆる才能がテレビというメディアに集中していたのだと思います。一人っ子で、親戚の中で唯一の子供だった僕は、大人に混じって、よくテレビドラマを見ていたものでした。 大好きだったのは、久世光彦さん(プロデュース)と向田邦子さん(脚本)のコンビによる「寺内貫太郎一家」。東京・谷中にある石屋(石貫)を舞台にしたホームドラマで、主役は小林亜星さん、その…

  • 生意気なお願い

    来月にせまった店名の変更に向けて、無為に日々を過ごしてしまっていることに焦りを感じる今日この頃。 ゆるりゆるり、必要な作業が進んでいるような進んでいないような。それでもご案内状やハンコなどを制作したり、WEBのロゴをデザインしたり、ここ数日間でようやく、「ああ、名前が変わるんだなあ」という実感が持てるようになってきました。 印刷し終えたご案内状についても、今週半ばまでに発送を終えようともくろんでいるわけですが、それに伴い、関係者とお客様にはすごーくわがままなことをお願いしておかなければ、と思っております。前のブログ でも書いた通り、今回の店名変更の趣旨は、「あれこれ取っ散らかってしまった『お店…

  • 益子の色

    やきものというのは、その産地ごとに土や釉薬に特徴があるもの。 いまは物流が進歩し、どこにいても土や釉薬を入手できる便利な時代になったので、「産地の特徴=作り手の特徴」というかつてのシンプルな構図は見出しにくくなっているけれど、それでもやはり、作陶における必然というのは脈々と受け継がれているものではないでしょうか。僕がよく行く益子にも、特徴のある釉薬がいくつかあります。 糠青磁と呼ばれている釉薬もそのひとつ。土との相性や焼成の具合によって発色の仕方は異なりますが、水色、ターコイズ、ペパーミントグリーン、そんな表現が似合う色です。 昔ながらの益子焼を見ると、メインとなる色(黒釉や柿釉)と掛け分けて…

  • 平成細雪

    世に小説を映像化した作品はいろいろあるけれど、原作を読んでいないにもかかわらず、僕がいたく気に入っているのが、83年に映画化された「細雪」(原作は谷崎潤一郎)。 家業が廃れてしまった大阪船場の裕福な商家・槇岡家の没落を、四姉妹の暮らしと関西の美しい風物を通して描いた作品です。何度か映像化されているようだけれど、僕が好きな83年版は、市川崑が監督したもの。船場の豪奢な商人文化の残滓や、近代になって阪急沿線に生まれた上流文化(阪神間モダニズム)が絢爛豪華に描かれていて、見るたびにうっとりしてしまいます。 それは、古き良き時代に向けて鳴らす晩鐘のようでもあり、栄華を極めた平家の諸行無常を描いた平家物…

  • 力強い美

    昨年夏の九州北部豪雨で、福岡の山間部にある陶郷・小石原が大水害に襲われたことについては、このブログで前に書きました。 お付き合いのある鶴見窯では、このときに起こった落雷で大事な窯が損壊してしまったのですが、その後急ピッチで復旧が進み、このたび、災害前にオーダーしていた器たちが無事やってきました。窯主・和田義弘さんの、事ここに至るまでの強い意志には、本当に頭が下がります。小石原焼の伝統は、独特の削り紋様を施す「飛びかんな」と呼ばれる加飾技法で、白と黒褐色のモダンな仕上がりが本来の特徴。 まだ若い和田さんは、その伝統に加え、様々な意匠を施したり釉色を工夫することで、現代的な小石原焼のありようを模索…

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和食器屋店主の[代官山 LO-FI DAYS]
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