納得して頂ける形じゃなかったかもしれない。この話を完成し原稿に落としたのが4年前。今回ちんたらと1年くらいかけてネット上に上げさせて頂きました。その際、多少表現などを手直し致しました。それでも、頭に浮かぶ書きたいイメージとぴったりリンクする表現が出てこなくて何度ももどかしい気持ちに駆られました。私の持ってる語彙数の少なさに落胆しました。今は、こんなものしか書けませんが、いつか成長出来たら、と思います。茜と奏と武。武も茜のキーパーソンです。この後のストーリーを少し考えてみました。茜と奏はどうなるのだろうか。武はどうなるのだろうか。恐らく、彼らの関係性は変わらないでしょう。4年前、話を書いたときは、おや?と思わせるラストになっていました。もしかしたら、他にストーリーが動くかもということです。でも、4年の月日を経て、...終わりました。
私は最後の仕上げを買い足した絵の具で一気に済ませた。書き上げた途端、嬉しさと愛しさが込み上げて、暫くキャンバスを見つめ続けた。私の思い全てを込めたこの絵を持って、奏の所へ行こう。何の準備もしないまま、そのままの格好で私は駆け出した。自然に足が前へと進む。一秒でも早く奏に会いたい。息が上がったままインターホンを押して、通された奏の部屋はすっかり荷物がまとめられていて、無機質に感じる程何も無い部屋が少し私を緊張させた。「すごく片付いちゃったね」「半分位向こうに荷物送ったから」そう言って床に座る奏に、私はキャンバスを差し出した。「こんな事しか出来なかったけど、これ」キャンバスを受け取った奏は、そっと掛けられているカバーを外した。そこに描かれているのは、この前海で見た時の夕陽だ。海に落ちていく真っ赤な太陽。「ずっと応援...deepRed<25>
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