啓太が、薄暗い部屋のカーテンを開けると真夏の日差しが一気に部屋へ 刺しこんだ。 高い雲の下に、ゆっくりと動く飛行機が小さく見える。 急に、人々が歓談し、賑わう音声が聞こえてきた。啓太は振り返ってリモコンを 取ると、T
「おう、涼子ちゃん、久しぶり」 「マスター、あたしもビールね」 涼子が目黒川沿いにある、お好み焼き屋「はなや」に約束より30分程早く やって来ると、店内に客はなく、珍しく佳奈が先にカウンターに
中澤は、何でこんなことやっているんだろうと思いつつ、床に腹ばいになって、 新商品の携帯電話を、等間隔に並べていた。 今秋発売予定の、薄型携帯電話の新商品のポスターに、1000台の携帯電話を ドミ
こんにちは。みづきいちえです。 いつもご訪問、コメント、応援、ありがとうございます。 実は、2~3日前から、風邪でダウンしています コメントへのレス、ご訪問及び応援への返礼が遅れてい
人は、どうして思うように生きられないのだろう。 現実というザラザラと乾いた砂の上で、うごめく虫のように、ただ、這い蹲ることが 生きていることの証だとしたら、一体、何を思い彷徨っているのだろう。
計算が合わない。さっきから、こうしてずっと見積書と向き合っているが、 検算してみると、どうしても誤差が出てしまうのだ。 雄二は机から離れると、部屋の角に置いてあるアコースティックギターを抱え、
こんにちは。みづきいちえです。 いつも<美しき月の夜に>へお越しいただき、 「熱砂の霧」を読んでいただいて、ありがとうございます。 また、ランキングの応援、誠に感謝いたします。 前回から結
19話のタイトルにもなった「フラジャイル」 小説では、涼子の婚約者、雄二がアコースティックギターで イントロを繰り返し奏でるシーンとして、使わせていただきました。 「フラジャイル」は「こわれやすい」
7話「昔の自分」で涼子が寄り道して聴いた曲、デザフィナード。 涼子と啓太の思い出の曲として、18話「白い陰影」にも再登場と、 これからもまだまだ登場しそうな気配です。 ポルトガル語表示では DESAFINAD
……あり得ない。 こともあろうに「やらせてよ」とは、どういうつもりなんだろう。 ……きっと、熱が下がり切っていない、佳奈を置いて 帰って来ちゃった、バチが当たったんだわ。 啓太に
台風は、それが通り過ぎてみないと、被害の大きさは判らない。その、 深刻さも。関東地方の太平洋側をすり抜け、宮城沖で熱帯低気圧となった、台風1号の場合は、どうであろうか。家屋の浸水、農作物への被害、
賢司と映画館から出た優美は、携帯電話の電源をONにすると、着信履歴が、 24件も入っているので、何事かと思った。 兄嫁の幸子から14件、涼子からが9件、そして、夫の陽平からは、1件。 皆、どうか
こんにちは。みづきいちえです。 いつも<美しき月の夜に>へお越しいただき、 「熱砂の霧」を読んでいただいて、本当にありがとうございます。 また、ランキングの応援、誠に感謝いたします。 な
渋谷駅の渋東シネタワーは、この天候のせいか、若者でごった返していた。 金曜日の午後5時半なんて、誰もが待ち合わせをしそうな時間帯だし、台風のせい で皆、表を歩きたくない気持ちは同じだろう。 涼子
200×年7月27日 金曜日 午後5時 ……どうして、寄りによってこんな嵐の日に、頼まれごとなんか しちゃったんだろう。 しかも、携帯電話を事務所に忘れた。佳奈は、公衆電話の前で、
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