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2006/01/22

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  • 「ミッシング」

    幼い女の子が失踪する場面そのものはスキップしてあって、というより気がついたらいなくなっているという描き方は昔だったら神隠しとでも呼ばれただろう。捜査や発見といった手順に進展があるようには描かれず、えんえんたる徒労感で埋め尽くされる。だからといってやめるわけにもあきらめるわけにもいかず、ちょっと賽の河原の石積みかシーシュポスの神話のようでもある。石原さとみ・青木崇高夫妻が悪意のあるネット書き込みの主を特定して訴えるようになったのが、多少の(しかも本質的ではない)進展としてあるくらい。無責任な悪意はほとんど空気のようにどこにでもある。見るこちらにとっても無関係ではない。ローカルテレビ局の地味な、成果をあげられないタイプの仕事をしている社員を後目にキー局に栄転する後輩のスポットライトの当たり方を見ていて、なるほ...「ミッシング」

  • 「ありふれた教室」

    子供たちの学校新聞のあり方が大人の新聞そのまんまなのが皮肉でもあるし、逆に大人のジャーナリズムとはいっても子供っぽい攻撃性や意地の悪さ、揚げ足とりが裏にあるのは否定できないだろう。これが日本だったらどうなのか、一概には言えないが、あれほど理屈はこねないのではないか。ドイツらしいというべきか。子供たちを叫ばせて感情を発散させたかと思ったらまた蒸し返すのがしつこい。盗難事件が多発しているとはいえ、盗み撮りするというのは日本だったらやり方の方に非難の矛先が向かうのではないか。疑われる男の子が明らかに色が浅黒いのと、主人公の女教師がノヴァクという姓からもわかる通りルーマニア系という設定なのがことを複雑にしている。ルービックキューブのように上手くはまらない出来事がカチャカチャと揃えばいいのにという願望がラストで出て...「ありふれた教室」

  • 「猿の惑星 キングダム」

    猿(字幕ではエイプと訳していた)ではない人間の出番が途中からで、Netflixの「ウィッチャー」に出ている他はキャリアの浅いフレイヤ・アーランという22歳の女優さんが演っているのだがあまり馴染みはなく、顔がわかるのはウィリアム・H・メイシーだけ。猿の世界へのブリッジ役の人間の役者(かつてはチャールトン・ヘストンとかが演っていた)を配さないで作られたのは、ほぼ初めてではないか。乏しい知識を動員してここはモーションキャプチャーを使っているのだろうけれど光が当たっているように見せるのはやはり光の効果をデジタルで作っているのだろうなとか、水に濡れるところはどう画像処理しているのかと考えだすと面倒になって投げ出す繰り返し。エイプスーツを使った方が楽ではないかと思うカットもある(使ってないとは限らないが)。何も考えず...「猿の惑星キングダム」

  • 「碁盤斬り」

    元の落語の「柳田格之進」には格之進に何かと絡んでくる根性曲がりの柴田兵庫(斎藤工)の話ってないのね。志ん朝版のYouTubeを聞いた限りでは、兵庫のキャラクター自体が登場しない。これがないと碁の勝負ばかりで刀を抜いての立ち回りがなくなってしまうので、見せ場を作る関係上仇討ちの話に組み込んだか。碁の勝敗というのは一見してわかりにくいので、クライマックスの兵庫との対戦は外野が譜面を写してああだこうだやりとりするシーンを組み込んで解説代わりにしているのが工夫。碁の勝負を仕切る顔役の長兵衛(市村正親)の手下が刀を取り上げられた格之進の代わりに兵庫に次々とかかっていって切られるあたり、主人公が大勢に取り囲まれるというのはいやというほど見てきたが、かなり珍しい図式。小泉今日子の吉原の女将が仏と鬼の二面を持った役で、女...「碁盤斬り」

  • 「クイーン・オブ・ダイヤモンド」

    タイトルそのままのダイヤのクイーンのトランプがアップになるが、ちょっと煌めいてるような効果が加えられている。そのキラキラした画とは裏腹に本編に入るとラスベガスのディーラーをしながら老人の介護を兼業でやっているざらっとした日常を過ごしている女の爪を延ばした手がアップになるが、何か掴むでもなくぶつっと次のカットに替わる。なめらかにカットからカットに流れないで、ブロックを積むように繋いでいる印象。木が燃える↓カットも、炎が収まりかけるまでまるまる据えっぱなしで撮っている。象が列車から並んで姿を見せていたり、あからさまにシュールではないが現実離れした画面が随所に見える。ルーレットの前に立っているヒロイン↑を手前に客を置かずに見せる画は「マグダレーナ・ヴィラガ」の鏡の前に座って人を直接写さない画の作り方と共通してい...「クイーン・オブ・ダイヤモンド」

  • 「ラブ・バッグ」

    1時間47分とディズニー作品としてはけっこう長い。レースシーンにたっぷり時間をとっているせいか。アナログなトリック撮影は今見ると逆に貴重で、オイルを小便よろしく悪者にかけたり、擬人化ならぬ擬犬化してある。動作が可愛いので、見てくれは普通のフォルクスワーゲン。中国系の俳優のBensonFongという人が出ているのに合わせたのか「湯武」とヘルメットに書いてあるが、どういう意味ですかね。今だったらもっと政治的正当性に配慮するだろう。「メリー・ポピンズ」の銀行勤めのパパ役のデヴィッド・トムリンソンが悪役で登場、口髭がマンガチックであまり憎々しくない。-YouTube「ラブ・バッグ」-映画.comTheLoveBug-IMDb「ラブ・バッグ」

  • 「無名」

    日本軍人役が森博之という見慣れない(失礼)人で調べてみたら舞台俳優でつみきみほの夫だという。舞台の人のせいか日本語のセリフのイントネーションがメリハリ効きすぎているのがかえって外人っぽかった(育ちはアメリカとカナダ)。時制をいじくりまわしているものでどこで締めくくられるのかよくわからない。ここで終わるのかと思うと終わらない繰り返し。ひとつひとつの画面はスタイリッシュに決まってはいるのだが。エンドタイトルで漢字の字幕は出るのだが日本語の字幕は出ないのはどんなものか。相当ハードな肉弾戦をトニー・レオンとワン・イーボーが演じるのだが、決着がきっちりつかないのは未来を先に見せるのでわかってしまう。-YouTube「無名」-公式サイト「無名」-映画.comHiddenBlade-IMDb「無名」

  • 「ハピネス」

    上映が終わってエレベーターから降りたらロリータファッションで待っていた女の子がいてびっくりした。ふたりがバスに乗っていて蒔田彩珠が心臓発作を起こして窪塚愛流がバスを止めて降りるシーンがあるのだが、前に現実にバスに乗っていたら癲癇の発作を起こした人がいて運転手はバスを停め他の乗客(私を含む)を降ろして対応したのを実際に見聞したもので、ああいう場合運転手なり他の客なりが救急の連絡とるんじゃないかなあと思った。そう思わせないように運転手の姿を出さなかったのかもしれない。のっけから蒔田彩珠がロリータファッションをするシーンから始まるのだけれど、初めふわふわした現実離れした調子なのが次第にシリアスになって、だからといって深刻になりすぎないように匙加減している感じ。ホテルのバスタブにふたりが漬かったあと、掃除のおばさ...「ハピネス」

  • 「不死身ラヴァーズ」

    原作マンガを読んでいないもので、主人公の女が見ている前で恋する相手の男が何度もいつの間にか消えてしまい、また別の姿で現れるという表現がどういう意味なのかわからず戸惑った。今でも腑に落ちていない。推測だけれど、原作に傾倒しすぎたのではないか。学校にせよ野山にせよ、がらんとした空間が主人公の熱さを冷ますような印象。見上愛が一方的にわーっといかに相手が好きかまくし立てて空回りしているのだが気にしないといった表現はあまり見た覚えがない。-YouTube「不死身ラヴァーズ」-公式サイト「不死身ラヴァーズ」-映画.com「不死身ラヴァーズ」

  • 「人間の境界」

    希望をぶら下げておいて取り上げるというベラルーシの最低の所業を描いているのだが、ナチスが第二次大戦に先立ってキューバが上陸を拒否するのを見越してユダヤ人をキューバ行きの客船に乗せ立ち往生させてこれをユダヤ人嫌悪の広告として使った史実を思わせた(映画「さすらいの航海」で描かれている)。同じ人間がなんでこういう具合に分けられていくのかと思う。同じ人間だと思っていないからだろうが、正直、どこがどう違うのかわからない。違うわけがない。終盤、ハラルかどうか気にするあたり、それが当たり前の習慣になっている者とそうでない単純なようでややこしい断絶を簡潔に見せる。国境警備隊の非人間性がそれもまた分断の一部であることが暗示されている。-YouTube「人間の境界」-公式サイト「人間の境界」-映画.comZielonaGra...「人間の境界」

  • 「PS1 黄金の河」

    三時間かけて話半分というのはどんなものでしょうね。途中でインターミッションが入るはずだが日本ではスルーして続けて上映する。用を足したい人もいると思うのだが。兄弟で王座を争うというのだったらわかりやすいのだが、兄は父に代わって王座に就きたがっているが(そのくせ父のそばには来ない)、弟は父である王にあくまで従順すぎるくらい従順(そのくせやたらと強い)なので話がこじれるというのは、どうもわかりにくい。弟とバカに顔が似たキャラクターが出てきたと思ったら、これが身代わりになるというのは、見慣れていない者は混乱します。悪いけど、女性キャラクターの顔が全部同じに見える。戦闘シーンのスケールの大きさはインド映画らしい。ただし基本はリアリズムであまりぶっとんだ感じではない。使用言語はタミル語。世界的に映像ドラマがシリーズ化...「PS1黄金の河」

  • 「マグダレーナ・ヴィラガ」

    娼婦である主人公が客をとる場面が何度もあるが、これがおよそセクシーでもなんでもない。客の顔が写ることすらない。監督二ナ・メンケスの妹のティンカ・メンケスが主演しているのだが、「見せる」要素というのがまるでないのだね。ひたすら我慢しているとしか思えない。冒頭しばらく宗教画や彫刻がひんぱんに背後に配されてセリフもずいぶんと抽象的。16ミリなのだろうか、画面がずいぶんとざらっとしている。酒場でヒロイン以外の客を全部鏡の中に押し込めて撮ったカットなど孤立を画に描いたよう。-YouTube「マグダレーナ・ヴィラガ」-公式サイト「マグダレーナ・ヴィラガ」-映画.comMagdalenaViraga-IMDb「マグダレーナ・ヴィラガ」

  • 「恋するプリテンダー」

    原題はANYONEBUTYOU。わざわざプリテンダーpretender=なりすましなんて耳慣れない言葉に直すことあったのかな。冒頭からシェイクスピアのエピグラフの文字が壁に描かれていたり絵に描かれたいたりするのだが、この自体がシェイクスピアの「空騒ぎ」ほかの喜劇のテイストを持つ。さらっと同性婚が出てくるのだが、それがぐるっと巡ってシェイクスピアの時代は少年俳優を女優代わりに使っていたり、「十二夜」で女を男と間違えたりしていたなと思ったりした。他愛ない間違いの喜劇と見せて古典が芯にあると見るべきか、古典自体が下ネタ含めて普遍的なものととるべきか。-YouTube「恋するプリテンダー」-公式サイト「恋するプリテンダー」-映画.comAnyoneButYou-IMDb「恋するプリテンダー」

  • 「悪は存在しない」

    単純にエコロジー対開発業者の対立の構図かと思うと、村人も戦後の農地改革で移住してきたので、自然に特に近しいというわけではない。というか、農業というのは作物だけ選別して育てることに他ならないのであって、意外と(でもないが)不純な自然観の上に成り立っているのを承知の上で作っている感もある。薪を割るところの長回しは何か薪に仕掛けをしてあるのかなと思ったら、単に小坂竜士が本当に薪割の名人ということらしい。芸能事務所にして開発業者の四人のメンバーの車内に仕掛けられたモニターに映っているのを含めた四人の捌き方が、技巧的でないようで技巧的。子供が行方不明になるあたりのそれと知らせないようも技巧も同様。石橋英子の音楽と濱口竜介の映像のコラボから始まった企画だというのだが、これとは別の音楽と映像の組み合わせがあるはずなのだ...「悪は存在しない」

  • 「鬼平犯科帳 血闘」

    松本幸四郎と市川染五郎の親子を同じ鬼平というキャラクターの壮年期と青年期で共演させるのが商業上のひとつの狙いだろうが、さらに本所の銕と二つ名をとった不良だった平蔵がどうやって鬼平になったか、というドラマを単純に「更生」したという観点からでなくメビウスの輪のように表裏がつながった延長上としてつなげて捉えている。出だしで酔っている染五郎がそのまま殴り込みに行くくだりで、なんで殴り込みに行くのか、誰のところに行くのかは伏せておいて後になってそのワルだった頃の殴り込みが銕のちの鬼平の身に返ってくるという展開につなげている。鬼平は多くの密偵(いぬ)を抱えているわけだが、自らに密偵になりたいという平蔵の昔馴染みの女の申し出をいったんは断るが、その命を救いまた救われるという流れで前半の女が殺されているのかどうか曖昧なま...「鬼平犯科帳血闘」

  • 「青春18×2 君へと続く道」

    いくつかの時制が同時並行して描かれ、大きくシュー・グァンハンと清原果耶のふたりと、それぞれの過去と現在に属する。過去と現在としたけれど、映画では両方とも現在進行形なのであって、過去をノスタルジックにかっこに入れるわけではない。台湾も日本も基本鄙びたロケーションで、都会は台北くらい。岩井俊二の「LOVELETTER」が北京語だと「情書」となるのがなんだかおかしい。役の上の設定では清原果耶の方が年上なのだが、実年齢は逆だし、落ち着いて見える。時制が複雑に交錯する上、片方は遡り片方は急激に流れるという具合に時制は現在であり過去でもある。-YouTube「青春18×2君へと続く道」-公式サイト「青春18×2君へと続く道」-映画.com「青春18×2君へと続く道」-IMDb「青春18×2君へと続く道」

  • 「バジーノイズ」

    肝腎の音楽があまり魅力的には思えなかったのが困る。人と交わりを断つために?音楽をやるというのもわかったようなわからないような。-YouTube「バジーノイズ」-公式サイト「バジーノイズ」-映画.comBuzzyNoise-IMDb「バジーノイズ」

  • 「マイ・スイート・ハニー」

    冒頭、ユ・ヘジンが朝起きて出勤して昼休みを過ごして退勤してと、すべての行動を時計通りに進めていく描写が「イコライザー」ばりで、特に触れていないにせよ(安直にレッテルを貼ってはいけないが)この人発達障害なのではないかと思わせる。少なくとも変人ではあります。栄養失調になるくらいお菓子を食べてばかりいる(それが本職になっている)あたり、子供っぽいか偏食かということだろう。彼とキム・ヒソンだと野獣と美女という感じだが、意外なようで意外ではない組み合わせ。それにしても、現代の韓国にドライブイン・シアターなんてあるのかと驚いた。調べてみると、ウィキペディアには、「大都市近郊などに20館ほどのドライブインシアターが現存する韓国でも、各地の自治体主導で、住民の緊張緩和や、住民が安全な環境で文化を享受できるようにするといっ...「マイ・スイート・ハニー」

  • 「ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー」

    冒頭、「めまい」の音楽がかかるのにあれと思った。この映画がフェミニズムの立場から観客全般が無意識のうちに男視線だったり男の権力的立場に立っていることを指摘しているらしいことは知っていたわけだが、「めまい」といったらこれ以上ないくらいの男視線映画なのです。さらに解説で生登壇した字幕監修の斎藤綾子氏も「めまい」には驚いたと(マイクを通した声はかなり聞き取りにくかったが)いうのに暗合というのはあるものだと思った。「(「めまい」)が世の女性たちに好かれないのもまた間違いないのである」小林信彦最悪の映画として紹介されるのが「マンディンゴ」で、最悪とは文字通り受け取っていいのかある程度反語的に捉えていいのかよくわからないなだが、男の黒人奴隷(ケン・ノートン)と白人の金持ち女(スーザン・ジョージ)が立場を交換して描かれ...「ブレインウォッシュセックス-カメラ-パワー」

  • 「リバウンド」

    主人公たちのチームにまったく交代要員がおらず、常に背水の陣の戦いを、しかも体力の消耗の激しいバスケットボールで行わなければならないという設定ががちっと決まっている。決勝戦の相手になるチームの監督が対照的に戦力を余裕たっぷりに投入しながら追いすがられて突き放しきれないのを、何をやってるんだ、叩きのめすのが礼儀だろうと言うのが逆にすがすがしい。エンドタイトルに出る実物の選手や監督の容貌があれと思うくらい再現性が高い。再現性が高いといったら肝腎のバスケットボールの試合が何より高い。実話というのでなかったらあまりにすいすいと勝ち進むのがひっかかったかもしれないが、勝敗がつくところを省略したりしてうまく処理している。-YouTube「リバウンド」-公式サイト「リバウンド」-映画.comRebound-IMDb「リバウンド」

  • 「ゴジラ×コング 新たなる帝国」

    ゴジラやコングみたいな強面のキャラクターはともかく、モスラみたいにふわっとしたキャラクターは収まりが良くない。昆虫色が強いが、元はもっとぬいぐるみっぽくなかったか。当然みたいに地球が空洞になっているという地球空洞説を前作に続いて採用しているが、ヤボを言うと上下対照というのは重力の性格からして変。口がきけない娘というのが日本版の小美人にあたるという仕掛け。時間の都合で吹き替え版で見たのだが、とにかくセリフが少なく、吹き替えだと忘れるくらい。-YouTube「ゴジラ×コング新たなる帝国」-公式サイト「ゴジラ×コング新たなる帝国」-映画.comGodzillaxKong:TheNewEmpire-IMDb「ゴジラ×コング新たなる帝国」

  • 「クラユカバ」

    上映時間がほぼ60分。クラウドファンディングで製作資金を集めて作ったせいか小品でも画面が十分充実している。豆タンクみたいな小型装甲車がキャタピラーばかりでなく足みたいになっていたりして、もっと小回りがきく感じにしてある。レトロ調というか色が抑え気味な中、美少女キャラがふたり揃っていて、かといって美少女っぷりを物欲しげに売っていない。なんだかパイロット版のまま完成しているみたい。ストーリーの先を作ろうと思えばできるだろうけれど。-YouTube「クラユカバ」-公式サイト「クラユカバ」-映画.com「クラユカバ」-IMDb「クラユカバ」

  • 「キラー・ナマケモノ」

    ネタ的にナマケモノを取り上げたのかと思うとそうだともそうでもないとも言えない。原題はSlotherhouse(屠殺所)。単語としてはカート・ヴォネガットの小説「屠殺所五号」およびその映画化「スローターハウス5」でおなじみ。作中ダジャレに使われたりするが英語のダジャレの常で意味が通じにくい。ナマケモノがCGではなくマペットなのは珍しいが、それはそれで物足りないから贅沢な話。さほどチャチではないが操演が見事というほどでもない。「チャイルドプレイ」のチャッキーの名前がセリフに出たりする。大学のソロリティ(ラテン語で姉妹を意味する社交団体)の会長の座を巡る選挙戦が軸になっていて、史実の秘密修道女会のアルファ・デルタ・パイになぞらえた標語が使われていたり、あちらの大学の秘密結社がモチーフになっている、らしい。らしい...「キラー・ナマケモノ」

  • 「あまろっく」

    鶴瓶の出番が案外少ない。タイトルになっているあまろっくというのは運河の小型版みたいに水路を狭めて水が流れ込むのを防いでいる機構で、水鳥の形をしたボートで親子三人で接近するところが可笑しいし、こういう風景というのは見たことがない。鶴瓶の再婚相手というのが中条あやみで二十歳という設定、娘の優子が江口のりこで三十九歳の設定で、義母の方が娘ほども年下。鶴瓶がどう亡くなったのか見逃したのかどうか場面としてはよくわからないのだが、最後の方でぱあっと明るく登場するのと、それとふだんのちゃらんぽらんぶりとは裏腹の人助けをしていたことがわかる。こういうと何だが、三人とも吉本ではない。関西弁ネイティブではあるのだけれど、第二標準語化した吉本語とはちょっと違うのではないかというのが私のあてずっぽう。-YouTube「あまろっく...「あまろっく」

  • 「SHOGUN 将軍」

    オリジナルの「将軍」が作られたのはもう44年前の1980年、黒澤明「影武者」がカンヌ映画祭のパルムドールをとって評判になったのと同じ年で、奇しくも日本の時代物が連続する形になった。ただし自分はこのミニシリーズ版も再編集して劇場公開した版も断片的にしか見ていない(土台配信していない)。島田陽子が裸になってリチャード・チェンバレンと同じ湯舟に漬かるという「勘違い」日本の典型かと思わせるような描写など見てはおれんはというのが正直なところだった。伝聞だけれど、原作小説では女性たちの名前がヒロインのマリコはともかく(今回のドラマでは鞠子と表記される)、侍女たちがサズコ、ゲンジコというのは「ティファニーで朝食を」のミッキー・ルーニーの日本人?のユニオシなみのネーミング。今回真田広之がプロデューサーを初めて務め、できる...「SHOGUN将軍」

  • 「ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル」

    主演のデブの子供(2002生まれ、2017製作)ジュリアン・デニソンは「ゴジラvsコング」「デッドプール2」に出てた。「ロード・オブ・ザ・リング」みたいだなと言われたりする(事実、ロケされた)ニュージーランドの大自然の中でサム・ニールがジュリアンに手を出す変態呼ばわりされて追われる羽目になる。あちこちに施設をたらい回しにされてひねくれた子供と偏屈な老人という似た者同士な分反発するという-YouTube「ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル」-映画.comHuntfortheWilderpeople-IMDb「ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル」

  • 「陰陽師0」

    夫の山崎貴がアカデミー賞をとった勢いをかってというか、監督の佐藤嗣麻子がVFXを操る画面つくりの手際はずいぶんこなれていて、派手な分軽くなった感もある。山崎賢人・染谷将太のホームズ・ワトスン的バディぶりもよろしい。-YouTube「陰陽師0」-公式サイト「陰陽師0」-映画.com「陰陽師0」-IMDb「陰陽師0」

  • 「異人たち」

    シナリオライターの主人公が両親に会うのを大林宣彦監督版では浅草の芝居小屋で若いときの父親の後姿を見かけ、それと舞台の手品とカットバックすることでファンタジーのようでそうでもない世界に引き込んだ。両親の部屋を訪れるとき、たしか遠くの夜景が現代のものになっていたのが遡ったのかどうかはっきりしないのが微妙なところで、今回の映画では主人公をゲイにしたのが最大の違いでどんまり山田太一の「小説」の映画化とすると「飛ぶ夢をしばらく見ない」という、知り合った女が若返っていくという話や「終りに見た街」というもろにタイムスリップを扱った話など、ファンタジー系というか時間の流れの混乱を扱った話があることに気づく。こういうと何だが、ゲイという子孫を残せない人間(養子をとるという選択肢はあるにしても)その段階で仕事の上だけでなく先...「異人たち」

  • 2024年4月に読んだ本

    4月の読書メーター読んだ本の数:18読んだページ数:3947ナイス数:2ヘーゲル『精神現象学』2023年5月(NHKテキスト)読了日:04月01日著者:斎藤幸平カスミ伝(全)(ビームコミックス)読了日:04月02日著者:唐沢なをきカスミ伝S(ビームコミックス)読了日:04月02日著者:唐沢なをきカスミ伝△(ビームコミックス文庫)読了日:04月05日著者:唐沢なをき勝手にふるえてろ(文春文庫わ17-1)読了日:04月05日著者:綿矢りさキミのお金はどこに消えるのか令和サバイバル編読了日:04月06日著者:井上純一くらべて、けみして校閲部の九重さん読了日:04月06日著者:こいしゆうか別冊映画秘宝謎の映画(洋泉社MOOK別冊映画秘宝)読了日:04月07日著者:あさきゆめみし3完全版(KCデラックス)読了日:0...2024年4月に読んだ本

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