「ミッシング」
幼い女の子が失踪する場面そのものはスキップしてあって、というより気がついたらいなくなっているという描き方は昔だったら神隠しとでも呼ばれただろう。捜査や発見といった手順に進展があるようには描かれず、えんえんたる徒労感で埋め尽くされる。だからといってやめるわけにもあきらめるわけにもいかず、ちょっと賽の河原の石積みかシーシュポスの神話のようでもある。石原さとみ・青木崇高夫妻が悪意のあるネット書き込みの主を特定して訴えるようになったのが、多少の(しかも本質的ではない)進展としてあるくらい。無責任な悪意はほとんど空気のようにどこにでもある。見るこちらにとっても無関係ではない。ローカルテレビ局の地味な、成果をあげられないタイプの仕事をしている社員を後目にキー局に栄転する後輩のスポットライトの当たり方を見ていて、なるほ...「ミッシング」
2024/05/31 09:07