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2005/10/29

  • 「花の名前」~ケイト・ウィルヘルム②

    サッシー・フランシー:ユキノシタ科:ときにマザー・オブ・サウザンドとよばれる仕事も一段落し、久々の休暇をニューイングランドで楽しんでいたウィンストン。愛車のサンダーバードを駆って、気ままな旅を続ける途中、アトランティック・シティを訪れたウィンは、海岸縁で、見知らぬ少女からアイスクリームをせがまれます。そして、翌日も、防潮堤で、同じ少女が現れ、会話を交わすことになります。モーテルに戻ったウィンのところに、FBIの調査官カーシュがやってきます。ミリケンという富豪の孫娘が行方不明となっている事件の捜査の網に、ウィンに声をかけてきた少女が浮かび、カーシュは、少女が再び現れる機会をとらえようと、ウィンに、シティに留まり、協力することを求めます。少女の足取りを追ってきたFBIは、これまでの目撃記録、事情聴取から、少女...「花の名前」~ケイト・ウィルヘルム②

  • ロボットとカラスがイーストセントルイスを救った話~アナリー・ニューイッツ①

    Ifhumanisangry,thenRobotissad.Ifhumanisrude,thenRobotisembarrassed.Ifhumanishappy,thenRobotishappy.主人公は、感染症の蔓延を予防するため、エリア内を巡回し、住人の健康チェックにいそしむドローン型のロボットです。役目がら、人とのコミュニケーションをとることが大切なため、ロボットの外形、表情や話し方も、人に親しまれるように設定されています。いつものように、セントルイス市をくまなく巡るロボットは、ある日、市の保健当局のベイから、お役御免になったと言い渡されてしまいます。政府機構が潰れてしまって、当局も資金不足で機能不全になったようで、ジルは、ロボットに、これからは自由に活動し、何かあったら連絡するようにと伝えます。...ロボットとカラスがイーストセントルイスを救った話~アナリー・ニューイッツ①

  • 老神介護~劉 慈欣②

    スタージョンの短編タイトルのごとく、ある日、地球の空は、巨大な宇宙船でいっぱいになります。世界中の人々が恐れおののく一方で、白髪白髭で白服をまとった老人たちが各地に出没します。彼らは、みな同じセリフを口にします。「わしらは神じゃ。この世界を創造した労に報いると思って、食べものを少し分けてくれんかのう―」いったい何が始まるのだろうと読み進めると、人類の起源に関わる大変な秘密がわかってくるのですが、そんな厳しい状況にもかかわらず、何ともいえない「脱力感」があるのが、この短編の魅力ですね。20億にも上る「神々」が宇宙船から、単身、耐熱スーツで飛び降りてきて、着陸時には、減速、衝撃調整されて、よっこらしょと着地します。超高度な科学力のおかげとはいえど、この緩さには笑ってしまいます。似た設定の、コードウェイナー・ス...老神介護~劉慈欣②

  • エシア~クリスティン・キャスリン・ラッシュ②

    「まぶたをとじると、はじめて出会ったときの彼女の姿が目に浮かんでくる。小さくて、きゃしゃで、異様なまでに血の気のない肌と、目じりのつりあがったチョコレート色の目をしていて。髪は、雲のない晩に見る月のように白かった。」月に建造されたコロニー同士の激しい抗争により、コロニーは破壊され、地球からの支援物資を奪い合う荒廃したありさまとなってしまっています。取り残され悲惨な生活を送る居留者たちに、地球から救いの手が差し伸べられ、孤児となったエシアは、語り手の女性とその夫、そして3人の娘のいる家庭へと引き取られます。この夫妻は、裕福な一族で、ウィスコンシン州の風光明媚で広大なエリアに住んで、満ち足りた暮らしをおくっています。エシアは、コロニーでの凄絶な体験による不安と猜疑により、素直には打ち解けない様子を見せますが、...エシア~クリスティン・キャスリン・ラッシュ②

  • シュレディンガーの子猫~ジョージ・アレック・エフィンジャー②

    19世紀末のイスラム世界にあるまち、ブーダインのラマダン明けの祭礼の夜、貧民街の暗がりの薄汚れた路地に、12歳の少女ジハーンが誰かを待っています。この夜からのジハーンの運命は、どのように展開していくのか、彼女にもわかりません。一つの物語は、ジハーンがレイプされてしまい、婚資を当てにしていた父親や男兄弟から家を追い出され、街の女となり、次第に色香も失せて、ついには、この路地で野垂れ死んでしまうというもの。もう一つの物語は、ジハーンは隠し持っていたナイフで、レイプするであろう男を刺し殺し、イスラムの掟にしたがい斬首されてしまうもの。また一方の物語は、たまたま当地を旅行していた物理学者ハイゼンベルグが、ジハーンの命をお金で贖って救い、ジハーンは彼の庇護のもと、物理の才能を開花させ、有能な助手となり、さらにナチス...シュレディンガーの子猫~ジョージ・アレック・エフィンジャー②

  • 男たちの知らない女~ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア⑨

    マングローブに一面覆われたユカタン半島の未開の地。観光旅行の途中、小型飛行機の相席となったドンと、ルース、アリシアの母・娘、そしてパイロットのエステバンは、エンジン不調により、周囲から途絶したこの地に不時着する羽目となります。しばらくは、救助が期待できない中で、飲料水の確保のため、怪我をしたエステバンと、アリシアを残して、ドンとルーシーはマングローブの奥地へと探査を試みますが、ドンが、柔らかい砂地に隠れた枝で膝を負傷して動けなくなってしまいます。やむなく野営した彼らは、異星人の一団と遭遇するのですが、異星人からルースを守り逃げようとするドンに対して、ルースは意思疎通を図ろうとし、異星人が紛失した機器を見つけて、これを返すことと引き換えに、アリシアとエステバンの待つ場所へと運んでくれるよう頼みます。異星人の...男たちの知らない女~ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア⑨

  • 死者の国へ~ウィリアム・テン④

    人類は、太陽系を手中にしようという昆虫型宇宙人との闘いを続けており、木星から土星にかけての防衛線で、熾烈な攻防を繰り広げています。総力戦、消耗戦のなかで勝利をつかむために、人員の確保は必須となっており、「繁殖法」が制定され、「産めよ増やせよ」政策が強力に推進されていますが、なお人員は不足しています。そこで、兵士供給の方法として、戦死者を材料とする「再生人間」の製造が、国家プロジェクトとして進められ、格段に技術がレベルアップした今、彼らは重要な戦力として前線に配置されています。主人公は、最前線で砲撃を担当する小型艇の指揮官であり、歴戦のつわものですが、今回の出航の乗組員が、彼にとって初めて、「再生」された者たちとなります。彼らは、「質」の担保と、生産の効率化の観点から、戦死したかつての英雄たちを「再生」して...死者の国へ~ウィリアム・テン④

  • ファン・ゴッホによる<苦痛の王>の未完の肖像~イアン・マクドナルド②

    「<苦痛の王>は、喜びと悲しみの両方を、涙と笑いの両方を、成功と失敗の両方を、正気と狂気の両方を知っている者でなくてはならない。人間であるということがどういうものなのかを正確に知っている人物でなければならない。どんなに恐ろしくてどんなにすばらしいものであるかを知っている人物でなければならない。きみのような人物だよ、フィンセント」未来の人類は、知恵と技術の発展による恵みを享受していましたが、一方で、自らを滅亡させてしまえるものも生み出すこととなり、心に巣くう恐れ、苦悩に苛まれ、犯罪、暴動、虐待等々、社会不安が極度に深刻化していました。そこから逃避するかのように、人々の間に、機能停止の休眠状態に陥る病が拡大し、残る人々は、その解決をAIに託します。AIは、その分身をすべての人の脳内に送り込み、その心を探り、あ...ファン・ゴッホによる<苦痛の王>の未完の肖像~イアン・マクドナルド②

  • 薄明の朝食~フィリップ・K・デイック⑨

    何でもない、いつもどおりの朝の食卓を囲んでいたティム一家。その場へ、ドアを蹴破り、ものものしい雰囲気の兵士たちが踏み込んできます。驚くティムですが、兵士たちは、家族が平穏にいっしょに暮らしていること、コーヒーを飲み、豊かな食事をし、冷蔵庫やバンケットには食材がたっぷりと詰まっていること、兵士たちが生きる荒廃した世界からは考えられないティムたちの姿に仰天します。尋問を受けたティムは、ここは8年後の1980年であることを知ります。核戦争勃発後も、米ソ間の戦争は止むことなく、生き残った人々は地下に潜り、厳しい国家統制のもと、家族は解体され、大人と子供、性別ごとに峻別された各センターに収容され、すべてが戦時体制を維持することを目的にした「総動員」体制が強制されています。ソ連はアメリカ本土に、高性能爆弾の製造から攻...薄明の朝食~フィリップ・K・デイック⑨

  • 進化~ナンシー・クレス②

    あらゆる抗生物質に耐性ができた細菌が蔓延。唯一、「エンドジン」だけが、かろうじてまだ効果があるものの、細菌が耐性を獲得することを防止するために、「エンドジン」による治療をさせまいと、過激な集団が、病院の爆破を繰り返し実行するという、暗澹とした物騒な社会が物語の舞台です。主人公のエリザベスは、ブルーカラー・ワーカーである夫のジャックと、息子のショーン、娘のジャッキーの4人家族で暮らしています。ショーンは、エリザベスの連れ子で、実は、その父親は、町のエマートン記念病院の診療部長で、耐性菌の研究を行っているランドルフ・サトラーなのですが、エリザベスは10代でショーンを身ごもり、ランドルフにあっさりと捨てられてしまい、発砲事件を起こして収監されたという運命をたどって、いわゆる上流階級とは距離を置いた生活をしている...進化~ナンシー・クレス②

  • 「壊れやすいもの」~ニール・ゲイマン

    ニール・ゲイマンの短篇集「壊れやすいもの」は、ゲイマンの多才さ、多彩さを味わえ、また、ヒューゴー賞、ローカス賞を受賞した作品が多く含まれる高品質の作品集です。いくつかの作品をご紹介します。「翠色の習作」(2004年ヒューゴー賞、ローカス賞受賞)シャーロック・ホームズの「クトゥルー」ものという、下手するとせっかくのキャラクターを台無しにしてしまいそうな、リスキーな企画ものですが、稀代のストーリーテラーであるゲイマンは、意表を突く設定を生み出し、チープな展開に陥ることを巧みにクリアしています。ホームズもののパスティーシュとしても面白いし、「太古の存在」が「真っ当に」君臨する世界の不気味さを垣間見せてくれ、職人芸とでもいうべき、話の上手さを堪能することができます。ホームズ・シリーズの長編「緋色の研究」と、とりわ...「壊れやすいもの」~ニール・ゲイマン

  • ローグ・ファーム~チャールズ・ストロス

    宇宙への植民による人口減少や、バイオテクノロジーの進展によって「光合成」で自足できる人々の出現などにより、農業経営が成り立たなくなり、農村が徐々に崩壊していく中で、放棄された農地と取り残された廃屋に、いつしか、過剰なテクノロジーとストレスやトラウマに苛まれ、逃れてきた人々が住み着くようになっていました。そんな一人であるジョーは、パートナーのマディ、知能増進犬のボブとともに、何とか、農畜により、日々の暮らしを立てています。そこに現れたのが、複数の人間が群体となって巨大化した「ファーム」。この「ファーム」は、地球からの脱出を目指しており、ジョーの了解も得ず、農園の樹々をハックし、セルロースを硝化させて、木星への旅行の燃料に使おうと勝手なことを始めます。あまつさえ、マディがジョーの知らないうちに、このファームと...ローグ・ファーム~チャールズ・ストロス

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