55点。アシモフのロボット三原則をテーマとした初期の作品が収録された短編集。ロボットの黎明期から、ロボットが支配する世界までを9つの短編からなる。文庫を、高校時代に購入して読んだのだが、実家から持ち出すことになったので再読した。個々の短編のデキは平均的で、一番好きな作品は、「迷子の小さなロボット」。もっとロジカルな短編が収録されていたように思ったが、ロボット三原則をテーマとした人間とロボットの知恵比...
2025年6月
55点。アシモフのロボット三原則をテーマとした初期の作品が収録された短編集。ロボットの黎明期から、ロボットが支配する世界までを9つの短編からなる。文庫を、高校時代に購入して読んだのだが、実家から持ち出すことになったので再読した。個々の短編のデキは平均的で、一番好きな作品は、「迷子の小さなロボット」。もっとロジカルな短編が収録されていたように思ったが、ロボット三原則をテーマとした人間とロボットの知恵比...
60点。アイザック・アシモフの初期の「ロボットもの」の短編のうち、「わたしはロボット」という短編集に収録されなかった8編の短編が収録された短編集。ロボット三原則を踏まえたロジカルな短編は「わたしはロボット」に収録されており、こちらロジカルさよりというより、バラエティに富んだ作品が収録されている。どの作品も割とオーソドックスで既視感があるが、「校正」という短編は生成AIが誕生している現在に読むとSFと...
75点。共通の舞台で高校生たちの青春を描いた日常の謎系の短編集。ミステリとしては、そこまで高い完成度ではないが、どの短編も、ちょっとした謎に対し、丁寧に伏線が貼られており、意外性はそこまでではないが、納得性の高い仕上がりになっている。「三月四日、午後二時半の密室」が白眉。青春を「気まずさでできた密室」と例えるのは非常に共感できる。伏線も丁寧に貼られていて、読後感もいい。他の作品も完成度が高く、読んだ...
65点。本庄絆は、クイズ番組の決勝で、問題文が1文字も読まれていない段階で、「ママ、クリーニング小野寺よ」と回答し、優勝する。番組から、「ヤラセはなかったが、不適切な演出があった。」と説明されるが、対戦相手の三島玲央も、他の出演者も、この説明では納得できない。三島玲央は、本庄絆の友人や弟の話を聞き、過去に本庄絆が出演した番組の映像を見て、「ゼロ文字正当」の謎に迫る。魅力的な謎と、丁寧に描かれる調査に...
2025年6月
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55点。アシモフのロボット三原則をテーマとした初期の作品が収録された短編集。ロボットの黎明期から、ロボットが支配する世界までを9つの短編からなる。文庫を、高校時代に購入して読んだのだが、実家から持ち出すことになったので再読した。個々の短編のデキは平均的で、一番好きな作品は、「迷子の小さなロボット」。もっとロジカルな短編が収録されていたように思ったが、ロボット三原則をテーマとした人間とロボットの知恵比...
60点。アイザック・アシモフの初期の「ロボットもの」の短編のうち、「わたしはロボット」という短編集に収録されなかった8編の短編が収録された短編集。ロボット三原則を踏まえたロジカルな短編は「わたしはロボット」に収録されており、こちらロジカルさよりというより、バラエティに富んだ作品が収録されている。どの作品も割とオーソドックスで既視感があるが、「校正」という短編は生成AIが誕生している現在に読むとSFと...
75点。共通の舞台で高校生たちの青春を描いた日常の謎系の短編集。ミステリとしては、そこまで高い完成度ではないが、どの短編も、ちょっとした謎に対し、丁寧に伏線が貼られており、意外性はそこまでではないが、納得性の高い仕上がりになっている。「三月四日、午後二時半の密室」が白眉。青春を「気まずさでできた密室」と例えるのは非常に共感できる。伏線も丁寧に貼られていて、読後感もいい。他の作品も完成度が高く、読んだ...
65点。本庄絆は、クイズ番組の決勝で、問題文が1文字も読まれていない段階で、「ママ、クリーニング小野寺よ」と回答し、優勝する。番組から、「ヤラセはなかったが、不適切な演出があった。」と説明されるが、対戦相手の三島玲央も、他の出演者も、この説明では納得できない。三島玲央は、本庄絆の友人や弟の話を聞き、過去に本庄絆が出演した番組の映像を見て、「ゼロ文字正当」の謎に迫る。魅力的な謎と、丁寧に描かれる調査に...
65点。全体を通じた仕掛けはない、シンプルな構成の短編集。中学受験、マッチングアプリ、精子提供、リモート飲み会…といった「コロナ前後の令和の時代」の日常を背景とした、意外性のある物語が描かれている。日本推理作家協会賞受賞作である「#拡散希望」は、少し前の時代では書けない作品であり、10年後にはどういう評価になっているかと感じる。今、この時代に読んだからこそのリアルさがあり、傑作と感じた。そのほかの4作...
評価:80点プレイ期間:R7.5.8~R7.5.18プレイ時間:約20時間...
評価:80点プレイ期間:R7.4.30~R7.5.8プレイ時間:約14時間...
45点。大雪に閉ざされた山荘に住む恩師に招かれ、同窓会に参加する6人の男女。しかし、恩師は招待状を出した覚えはないという。ここから始まる「雪の山荘」の物語と、ANOTHER SIDEとして描かれる連続突き落とし魔についての捜査からなるミステリ。二階堂黎人と黒田研二の共著は複数作存在するが、その中の一作。サービス精神が旺盛な二人の共著ということもあり、かなり無茶な形での意外性が盛り込まれていて、結果的にかなりのバ...
評価:70点プレイ期間:R7.4.21~R7.4.29プレイ時間:約12時間 実写映像のミステリー。人気ミステリー作家である加々見はるかが探偵役を務め、生物学者の四十間永司が考察を担当し、編集者の山瀬明里がメインとなる。物語は序章から始まり、第1章から第6章まで続き、終章で結末を迎える。 第1章「うろつく木乃伊」では100年前の殺人事件が、第2章「論理の路はつながらない」では現代の殺人事件が、第3章「旅情エレジー」...
60点。好きな作家、浅倉秋成のデビュー作。急に不思議な能力に目覚めた4人の主人公達。その4人が出会い、なぜ不思議な能力を得たのか、何のために集められたのか、調査を始める。鍵となるのはレゾン電子という会社と、黒澤孝介、黒澤皐月という人物達。4人はそれぞれの能力を駆使し、レゾン電子の秘密に迫る。浅倉秋成といえば、計算し尽くされた緻密な伏線で無駄がないという印象があるが、本作はデビュー作であり、書きたいこ...
評価:50点プレイ期間:R7.2.21~R7.2.27プレイ時間:約3時時間...
評価:50点プレイ期間:R7.1.29~R7.2.19プレイ時間:約20時時間...
75点。「medium 霊媒探偵城塚翡翠」の続編。中身は前作のネタバレになっている。3つの倒叙ミステリが掲載されている。「古畑任三郎」を意識した描写も多数あり、著者の遊び心が伺われる。3つの作品とも、犯人側の考えと、翡翠が犯人に気付いたきっかけ、そして犯人との対決と犯人が犯行を認めるための決めてといった点が丁寧に描かれており、倒叙ミステリとしての完成度は高い。3作目の「信用できない目撃者」とは、中編ともい...
評価:75点プレイ期間:R6.11.23~R7.1.27プレイ時間:約40時時間 ...
60点。1983年に刊行された、イライジャ・ベイリが主人公のロボット・テーマのSFミステリ第3弾。ファウンデーションシリーズとロボット・テーマの作品をつなぐ位置付けとなっている。前作、「はだかの太陽」から26年後に執筆された作品だが、ベイリがソラリアでの事件を解決してから2年後という設定。地球が宇宙から孤立し、宇宙進出もままならない状況の中、ベイリが、オーロラに呼び出される。「鋼鉄都市」にも出てきた、ファ...
75点。「鋼鉄都市」に続くアイザック・アシモフによるSFミステリ第2弾。イライジャ・ベイリが、惑星ソラリアに向かい、オリヴァー・ダニールとともに捜査を行う。容疑者は、被害者の妻、グレディア。グレディアも気絶しており、被害者の傍らには、故障したロボットがいた。グレディアが犯人だとすると凶器が見つからない。ミステリとしての完成度は「鋼鉄都市」の方が上だが、惑星ソラリスという舞台、物語の雰囲気は「はだかの太...
65点。アイザック・アシモフの「ロボット工学三原則」をベースとしたロボット・テーマの作品。近未来をテーマとしたSFであり、特殊設定ミステリでもある。宇宙市で殺人事件が発生し、ニューヨーク市警のイライジャ・ベイリと人型ロボットのダニールが捜査する。古い作品であり、翻訳口調で読みにくいと感じるが、設定や物語の雰囲気は良く、キャラクターの魅力もある。ロボット工学三原則をベースとしたロジック、脳分析、地球人...
65点。最近お気に入りの作家、「浅倉秋成」の作品。メインパートは主人公、山縣泰介の目線で描かれており、読者目線では明らかに「俺ではない炎上」で、「セザキハルヤ」とは何者か、「からにえなくさ」とは何を意味するのかといった謎もあり、論理的に犯人を特定し、納得のいく形で終わらせることができるのかと心配になるくらいの展開。最後は、「ああ、そういうことね・」と、納得できるまとめ方となっている。核となる部分(ト...
75点。「方舟」と呼ばれる地下建築に9人が閉じ込められる。地下から水が浸水し、約1週間で「方舟」は水没する。「誰か一人を犠牲にすれば脱出できる。」と認識した直後、殺人事件が起こる。「犯人が犠牲になるべき。」という考えのもと、犯人捜しが行われるが、この極限状況で、連続殺人事件が起こる。設定ありきのミステリで、ご都合主義的。そのため、リアリティの無さは否めない。科学捜査を排除し、ロジカルに犯人当てがされ...
評価:65点プレイ期間:R6.11.7~R6.11.22プレイ時間:約12時時間 逆転裁判シリーズのディレクターである巧舟がディレクターをしていて、「隠れた名作」と評判の作品。やってみたいとずっと思っていたゲームで、ちょうどゲームをしたいタイミングと、スイッチのセールが重なったため、購入。最後までプレイした。 感想としては、隠れた名作という評価がしっくりはまる作品と感じた。メインとなる仕掛けは面白い。伏線もあるの...
35点。昭和12年の名古屋、博覧会の最中に、名古屋と東京にまたがる不可解な殺人事件が発生する。主人公の探偵役、那珂一兵等、辻真先の他の作品でも登場するキャラクターや、実在の人物が、博覧会が開かれている名古屋を舞台に描かれる。銀座に「血の雨」が降り、少女の足を加えた犬が現れるなど、本格ミステリとして、魅力的な謎が描かれ、探偵役の一兵が謎を解く。真相と関係がある事項は伏線として描かれているが、あまり納得...
35点。いわゆるディストピア小説。幼い娘を失い、妻と別れた主人公、楢原卓弥は、実家に戻り、父、卓弥と二人での生活を始める。卓弥も東日本大震災の被害に遭い、靴職人の仕事を辞め、妻である夏美に救われたが、不治の病となった夏美は「安楽死」を選ぶ。物語としては、ミスリードにより、若干の起伏はあるものの、全体的に見て、「どこかで見たことがあるようなエピソード」が多く、単調な展開と感じてしまった。伏線もあり、そ...