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酔生夢死浪人日記 https://blog.goo.ne.jp/ck1956/

 映画、音楽、書物、スポーツ、政治に至るまで、日々思いついたことを記していきます。

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2005/08/24

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  • 「碁盤斬り」~草彅剛の完璧な演技に圧倒された

    名人戦を防衛した藤井聡太八冠は叡王戦第4局で伊藤匠七段を破り、2勝2敗のタイに戻した。王位戦の挑戦者に渡辺明九段が名乗りを上げ、棋聖戦では山崎隆之八段が待ち受けている。八冠防衛ロードは決して平たんではない。囲碁は旦那衆、将棋は庶民が好むといわれていた。ちなみに超庶民の俺は囲碁を全く解さない。資金力も日本棋院が将棋連盟を上回っていたがこの10年、将棋界は藤井という天才の出現で多くの企業がタイトル戦のスポンサーに名乗りを上げた。対照的に、部数減が止まらない新聞各社頼りの囲碁界は厳しい状況に追い込まれている。江戸時代を背景に囲碁を題材にした映画「碁盤斬り」(2024年、白石和彌監督)を見た。ベースは古典落語の「柳田格之進」で、本作で脚本を担当した加藤正人がノベライズ版「碁盤斬り」を発表している。主人公の柳田格之...「碁盤斬り」~草彅剛の完璧な演技に圧倒された

  • 「フリアとシナリオライター」~リョサが仕掛けるスラップスティックコメディー

    前稿でダービーを予想した。4頭挙げ、⑮ジャスティンミラノ、⑬シンエンペラーは2、3着だったが、勝った⑤ダノンデサイルは全くのノーマークだった。同馬は皐月賞をゲートイン直前に回避した。輪乗りの段階で横山典騎手が違和感を察知したからである。安田翔伍師とスタッフは翌日、打撲痛の症状を確認し、ダービーに向けて調教を積み、栄冠に輝いた。横山典は〝感性の騎手〟と評される。56歳で3度目のダービー制覇で、検量室ではトップジョッキーである息子の和生、武史と抱き合っていた。一方で安田翔伍師の父は名伯楽(GⅠ・14勝)の安田隆行前調教師である。騎手時代はトウカイテイオーでダービーを制しているが、調教師としてのダービー制覇の夢を息子が叶えたことになる。競馬は〝ブラッドスポーツ〟であるが、関わる人たちも血と絆で紡がれている。さて...「フリアとシナリオライター」~リョサが仕掛けるスラップスティックコメディー

  • 初夏の雑感あれこれ~日本ダービー、MLBの若きモンスターたち、藤井聡太を継ぐ者

    日本ダービーの枠順が決まった。競馬歴45年の俺にも、ダービーには様々な思い出がある。初めて馬券を取ったのは1982年で、バンブーアトラス-ワカテンザンの枠連は2800円だった。勤め人時代に参加していたPOGは指名馬4頭という小規模なものだったが、97年のダービー馬サニーブライアンは皐月賞を勝ったにもかかわらずフロック視され7番人気で、シルクジャスティスとの馬連は4860円だった。フリーになってメンバーになったPOGはレートが高く、気合が入った。2012年のダービーはディープブリランテ-フェノーメノの指名馬ワンツーという最高の結末で、19年に2番手追走から逃げ切ったロジャーバローズも記憶に新しい。欲というより愛を覚えていたのは17年に3着に敗れたアドミラブルだった。9月に喘鳴症で9着に惨敗したが、5カ月半ぶ...初夏の雑感あれこれ~日本ダービー、MLBの若きモンスターたち、藤井聡太を継ぐ者

  • 「穴」~リアルな描写が織り成すフレンチ・ノワールの神髄

    将棋の名人戦第4局が別府市で行われ、先手の豊島将之九段が藤井聡太名人(八冠)を破って一矢を報いた。研究していた手順で初日にリードを奪ったが、2日目の夕方には五分の形勢になる。通常なら藤井の終盤力に屈するところだが、豊島は最善の応手で勝利を引き寄せた。豊島の醒めた闘志を感じさせた熱戦だった。中学生になって、映画館に足を運ぶようになった。といってもロードショーではなく、二番館での2本立てで、ホームグラウンドは祇園会館だった。「007」シリーズ、少し背伸びしてアメリカン・ニューシネマ、そしてフレンチ・ノワールにカテゴライズされるチャールズ・ブロンソンやアラン・ドロンの主演作を、タイムラグを経て観賞していた。ケイズシネマで開催された「フィルム・ノワール映画祭」では15本が上映されたが、〝フィルム〟ではなく〝フレン...「穴」~リアルな描写が織り成すフレンチ・ノワールの神髄

  • 「マイ・シスター、シリアルキラー」~連続殺人犯は無垢な美女

    グレタ・トゥーンベリさんが逮捕された。自国スウェーデンで開催された「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」決勝大会にイスラエル代表が参加したことに抗議し、<ジェノサイドをやめろ>といったパレスチナへの連帯を示すプラカードを掲げて会場を取り囲んだ数千人の中にトゥーンベリさんもいた。欧州や全米各地の大学で大規模なデモが行われているが、前稿末にも記したように、<反ユダヤ主義>ではなく、自由と民主主義、反戦を訴えるリベラリズムに基づいている。反貧困、ジェンダー、気候正義、反ジェノサイトなど複数のカテゴリーが人々を紡いでいくインターセクショナリティー(交差性)をトゥーンベリさん体現しているのだ。「マイ・シスター、シリアルキラー」(オインカン・ブレイスウェイト著、粟飯原文子訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ)を読了した。...「マイ・シスター、シリアルキラー」~連続殺人犯は無垢な美女

  • 「エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命」~激動の時代に翻弄されて

    当ブログでは映画を数多く紹介してきた。邦画なら時代背景をある程度は把握しているので戸惑うことはないが、海外の作品だと〝?〟を重ねながら観賞することもしばしばだ。そんな時は復習が必要で、ネットであれこれ検索して学び、何となく理解した気になる。古希が近づいてきているが、齢を重ねるとは、俺にとって自分の無知を実感することと同義だ。新宿シネマカリテで先日、「エドガルド・モルターラある少年の数奇な運命」(2023年、マルコ・ベロッキオ監督)を見た。本作はヨーロッパを震撼させた実話をベースに、イタリア、フランス、ドイツの3国が共同で製作した。1858年、イタリア・ボローニャのユダヤ人街で7歳の少年エドガルド(少年期=エネア・サラ、青年期=レオナルド・マルテ-ゼ)が異端審問所警察に連れ去られる。教皇ピウス9世(パオロ・...「エドガルド・モルターラある少年の数奇な運命」~激動の時代に翻弄されて

  • 「自転車泥棒」~歴史の断面に喪失感を刻んだ台湾の小説

    第10回憲法大集会(3日、有明防災公園)に足を運んだ。開会前、グリーンズジャパンの街宣を行ったが、参加者は〝同志〟ゆえ配布物を次々に受け取ってくれる。法律違反の裏金議員の多くは、戦前回帰の改憲を志向する安倍派所属だ。武器輸出の制限が緩和され、自衛隊を米軍の指揮下に組み入れる動きが顕著になった今だからこそ、憲法9条の存在意義は高まっている。日本がアジアを侵攻していた時代も描かれていた台湾の小説を読んだ。呉明益著「自転車泥棒」(2015年、天野健太郎訳/文春文庫)である。呉は環境活動家であり、チョウの生態に詳しいことは本作にも生かされている。大学教授でもある呉は文献や史料を駆使し、様々なカルチャー、歴史の断面を本作にちりばめている。小説を書く意味についての自問自答も興味深い。時空を行きつ戻りつ疾走し、虚実の狭...「自転車泥棒」~歴史の断面に喪失感を刻んだ台湾の小説

  • 「死刑台のメロディ」~スクリーンで融合するパトスと叙情

    新宿武蔵野館で「死刑台のメロディ4Kリマスター版」(1971年、ジュリアーノ・モンタルド監督)を見た。イタリアとフランスの合作である。監督よりも作曲家に重きを置いた企画で、<エンリコ・モリコーネ>特選上映と銘打たれ、「ラ・カリファ」と併せて公開されている。「死刑台のメロディ」は史実に基づいている。1920年、マサチューセッツ州ブレイツリー市で製靴工場が襲われ、2人が殺され1万6000㌦が奪われる強盗殺人事件が起きた。冒頭のモノクロ画面で、イタリア人街が警察隊の襲撃を受ける。マカロニウエスタンの空気を感じたが、モンタルドが西部劇を撮影したことはない。ロシア革命直後、全米でも労働者の抗議が広まっていた。核をなしていたのはアナキストで、パーマー司法長官の左翼に対する徹底的な弾圧はマッカーシズムの先駆けといわれて...「死刑台のメロディ」~スクリーンで融合するパトスと叙情

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