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2017/08/08

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  • 偶然?

    気のせいか、、、熱々な熱視線を感じる気がするんだが。気のせい、だよな?!「・・・・・・・・・♪♪♪」「っっ、、、、、!!」ち、、、違った。気のせいなんかじゃねえ!!思わず、反射的にその視線を逸らしちまった。いや、俺自身に何らかの後ろめたいことが有るってえ訳じゃねえ。ただ、、、予想外だった。どういうこと、、だ?!見たこともねえ、可愛い子、、、なんだが、、見たことも、、、、、、と、いった考えに及んだところで気が付いた。「お前、、、」そうだ、こいつは。「富樫くーん。」にこにこ笑顔全開の、これでもかってえ位に甘ったるい、いや、、、魅惑?!の笑顔で此方に向かってその手をぶんぶんと可愛く振っているのは、、そう「あの時」俺を「がん見」していた熱視線の送り主だったあの時の少女でもある。「おう。」実の所は慣れねえシチュエーション...偶然?

  • 久し振りです

    久し振り過ぎて、、、自分でもアップすることはもうないと思っていたのですが、有りましたねー。まさかまさかで自分もびっくりな、久し振りのアップです。書き出すとあっという間に仕上がるのですが、気がならないとなると全く進まないのですよねー。気紛れではあるのですが、覗きに来てくださり有難うございます(人''▽`)☆久し振りです

  • 寒椿 2

    あー、そうだ。一連のダラダラとしたやり取りを終え、いつものように私の用件を引き受けた奴が動き出そうとしたその時その背に向かって思い出したようにして声を掛けた。奴、伊達臣人は無言ながらもそれに応じて軽く視線を此方へと返してきた。「奴等三人をこれからも相手にするのは面倒だ、適当にあしらう為、、いや、仲良しこよしになる為の『物』が欲しいのだが、有るか?!無いのなら此方で調達し、運び込んでも構わぬか??」「好きにしろ。」私の問い掛けに対し奴はそう短く答えると、何事も無かったようにしてこの場を後にしていた。好きに、、ね。なるほど。ふふふ、、残された私の口元からは笑みが零れ落ちていた。好きにしろ、、そう言ったのはお前だからな、伊達。「・・・・・・・・・・」「ーーーーーーーーーー」「、、、、ぼそっ、、、」「何か言ったか?!飛...寒椿2

  • 無意識

    ずきずきずき、、、とでも表現した方が良いかと思われるような表情でもってのろのろと此方を振り返る奴のそれが、心底嫌そうだった。そこまで嫌われてしまったか。と思いつつも、そうそう見れる表情ではないと思われたのでまじまじと観察に取り掛かる。「見世物では無いですよ。」それを感じ取ってか、奴はそう短く告げるとその視線をふいっと逸らしていた。ふむ、、、流石に今回は私の後をつける気力は残っていないように思われる。というよりも、前回の「あれ」で諦めたのかも知れん。「二日酔いか?!」何気なく問うたところ、奴が空かさず此方を睨み付けてきた。その後で、神妙な面持ちになりその米神を抑え込んでもいる。「・・・・・・・・・・。」「・・・・・・・・・・。」一見すると大して表情が変わっていないように思える他の二人も、この飛燕と似たような状態な...無意識

  • いない、、、、、だと?!真っ青になりながらも報告をしてきた者のその言葉に、俺は全身の血の気が引くのを感じた。深月が姿を晦ましたというのだ。まだ幼いあの子が。「深月。」行方知れずになってから暫しの時が流れた、あれからひと月以上が過ぎている。深月を発見したとの報告を受けてから更に幾日かの時が過ぎ、やっとその姿を確認出来たその時、俺はこの子が行方を晦ましたその場に居合わせることが出来なかったことを大きく後悔した。「深月。」その名を口にすると、小さな体がぴくりと反応を示した。俺の姿に気付いた深月が俺に向け、両の手を伸ばしてくる。久し振りに抱き上げたその体は、記憶にあったそれよりも驚く程に軽かった。「、、、、、。」深月を見つけ出し、適切な治療の後ここ迄連れてきたその男は、何等言葉を発することも無くそのまま踵を返していた。...隙

  • 何も・

    夜中に、ふと目が覚めた。「・・・・・。」覚めたとはいえ、覚めきってはいない。寝惚け眼で自分の懐に抱かれたまま小さな背中を丸め、すぅすぅと静かに寝息をたてているその子を見下ろした。「、、、、、」その子の小さな体を、、起きないようにそっと抱き締め直してみる。温かい、、、、、小さな体から伝わる温もりと、規則的に聞こえてくる寝息とがある事に私は救われていた。不意に、、、、、今よりも幼かった時の事を思い出してしまうことがある。あれは、、まだ私が三歳になったばかりの頃の出来事であったように思う。「その時」の記憶は疎らであった。そういえばあの当時の私は極度に栄養が足りていなかったな、そのせいも有るのかも知れない。そんな事を思いつつも、私はゆっくりと瞼を閉じていた。懐にある小さな体に命の鼓動が有ることに、安堵を感じながら。生き...何も・

  • 寒椿 1

    見られた。見られた、、ぞ、間違いなく。しかもその相手は、、あの伊達だ。奴と、シッカリとその目が合ってしまった。素知らぬ振りでその視線を逸らしてはみたものの、気のせいか奴の視線が背後から突き刺さってくる。止めろ、伊達、、、、、「今の」私を見るな。例え万が一、私が私であることを奴が気付いていなかったとしても、私としては居た堪れない気分で一杯なので見なかったことにして通り過ぎてくれ。頼む。頼む、、、「、、、、、。」そんな私の心中での願いが通じたのか、それ迄ヒシヒシと背中に感じていた奴の視線がふっ、と無くなったようだった。念の為もうひと呼吸程時間を掛けてから振り返ったそこには、もう既に奴の姿は無かった。ほ、、、、、お。感心した様にして私の姿をマジマジと眺めているのは、血の繋がりのある兄達だ。面と向かって彼等と顔を合わせ...寒椿1

  • 移動

    以前からずっと気になっていて、それでもって自分なりには思い入れのあった物を「没」とし、新カテゴリー「倉庫」に移動しました。影は時間次第で作り直したものを上げていこうと思っています。何時になるのかは分かりませんが、いつかは出来ると思います。m(__)m移動

  • 氷咲 21

    おい、、、マジで、洒落にならん。あれ、本物の雷じゃねえか。邪鬼様のその身に落ちたそれを目にし、俺は茫然と立ち尽くしていた。あれは、、幻術なんかじゃねえ、正真正銘、本物の、、雷だ。そう思いつつもその身を乗り出し、邪鬼様のそれにその視線を向ける。その身を見下ろしつつも、桃が構えをとっていた。邪鬼様を倒し、歓喜の声に溢れ返っている一号生達のそれとは違い、実に、冷静な判断だ。確かに、、邪鬼様はまだ潰えてはいない。八蓮が終了してから幾日かの時が流れた、桃をはじめ八蓮の参加者達は療養の為に長期の休みを取っている。そんな中、俺はとある思いの元久方振りに田村に今も残っていると思われる自室へと向かう為、歩いていた。田村の門前に立つと、其処で番をしていた者がいち早く反応し駆け寄ってきたのだがいつの間に、、が、ここ最近の定番になりつ...氷咲21

  • 再アップ

    ブログ村に記事のアップデータが反映されにくくなっているようなので、改めて午前中にアップしたものを再アップさせて頂きました。これも反映されなかったら、もう諦めるか、時が過ぎて反映されるのを待つか、、ですね。再アップ

  • 仕上げ

    私と桃がその膝を突き合わせているその間に、それは置かれていた。「、、、、、、、、、、これ、、は?!」問う私に、桃はその口元に困ったようにしながらも笑みを漏らしていた。「見ての通り、、です。」その眉を軽く潜めつつ、桃がその言葉を吐き出している。「、、、、、、、。」桃の言葉に、私は改めてその膝先に置かれているそれに目を落とした。其処には、、一振りの刀が置かれている。その刀が、数㎝程中途半端に抜かれた状態にあった。何故に、この状態なのだ?!そう問うと「急にこの状態になり、、戻らなくなってしまいました。抜刀することも、納めることも出来ません。」頬に冷や汗をたらりと少し垂らしつつ、私に向けて説明をしながらも畳の上に置いておいたそれに手を伸ばすと、桃はその柄と鞘とを両手でもって持ち、それらを抜刀する素振りを見せた。が、なる...仕上げ

  • 仕上げ

    私と桃がその膝を突き合わせているその間に、それは置かれていた。「、、、、、、、、、、これ、、は?!」問う私に、桃はその口元に困ったようにしながらも笑みを漏らしていた。「見ての通り、、です。」その眉を軽く潜めつつ、桃がその言葉を吐き出している。「、、、、、、、。」桃の言葉に、私は改めてその膝先に置かれているそれに目を落とした。其処には、、一振りの刀が置かれている。その刀が、数㎝程中途半端に抜かれた状態にあった。何故に、この状態なのだ?!そう問うと「急にこの状態になり、、戻らなくなってしまいました。抜刀することも、納めることも出来ません。」頬に冷や汗をたらりと少し垂らしつつ、私に向けて説明をしながらも畳の上に置いておいたそれに手を伸ばすと、桃はその柄と鞘とを両手でもって持ち、それらを抜刀する素振りを見せた。が、なる...仕上げ

  • あの時、、、あいつは、何故に私を「見逃した」のだろう。時折、、その時の事を思い出してはそんな事を考える。考えた所で分かる訳でもないのだが、、ふとした瞬間に思い出すことがある。今、、、鼻で、、笑われた。のか?!それと思われるのを耳にした気がしたのは討伐の為、遠征の地に赴いていた時の事であった。「何をしている。」鼻で笑ったであろう主がいると思われる方向へとその視線を向けたのだが、それよりも早く近くに居た赤石の奴が私のその視界を遮っていた。「ふ、、ん、ちょっとした、見物、、、だ。だが、、、当てが外れた。」赤石の視線の先にいるであろう人物の声が、先の問い掛けに答えて返されていた。そうしながらも、その声が遠のいて行くのが分かった。「当てが外れた。」その外れた「当て」というのは恐らくではあるのだが、私の事を告げていたようで...噂

  • 静かに、、

    楽しみたい。楽しみたい、、ですね。実の所、かなり喜びました。そして、舞い上がっておりました。いや、嬉しくて、、、だって、好きなんですもの。そのキャラ。嬉しすぎて、心の中で歓喜の声を上げたのも久し振りです。うん、とあるシーンも私的にはズーンときて、、ズーンときたけど、私としてはお気に入り。これからも、、、楽しみ。静かに、、

  • 花咲

    明日の愕怨祭は特別に塾生と腕試しが出来る催しがあるらしく、危険が伴う可能性が高いので見学に行くのなら前日にするように。と、学校からお達しが出されていた。男塾、愕怨祭。今年は女の子限定の催しも特別に行われると聞いて、興味本位から友達と揃って参加してみようか、、と、いう話になった。参加、、、しなくて良かった。いざ愕怨祭に赴いてみると、予想を遥かに上回る人数の女の子達が集結していた。「やめよう。」その集結している女の子のそれに圧倒されて、誰ともなくその言葉を告げていた。私達はそれに賛成し人影もまばらな出店で食べる物を購入して、用意されているテント内のテーブル周囲に設置されている椅子に腰を下ろすと、それらを食していた。がしゃーーーん!!と、その時、ガラスの割れる音が辺りに響いていた。それよりも先に「行けえーーーーーーっ...花咲

  • 終焉

    「用が有るのならさっさと言え。」呼び出したそいつは、不機嫌そうにしながらもそんな言葉を発していた。「つれねえなあ、、それが兄弟子に対する態度かよ。」その態度が面白く、ついつい揶揄うかのようにしてそう告げると奴は何も告げることなくその踵を返していた。「お前、深家より命じられていることがあるだろ、その役目、、俺に回せ。」「?!」が、その背中に向けて放った俺の言葉に、一文字の当主となった奴がその足を止めていた。「何を、言っている。」解せぬ、、とでも言いた気な視線を向けながらも、奴が不機嫌そうにして言葉を放っていた。「深家には既に申し出てある。了解済だ。信用が出来ぬというならば手前で直接確認しやがれ、ってなことで、、お前は本命となるもう一人の娘の方の護衛にあたれ、何れ、、お前の傍に送り込まれる。それまでその腕、、更に磨...終焉

  • 弥月・影 9

    「剣よ、、、」私が卍丸と掴み合っているその横で、筆頭殿が桃にその声を掛けていた。「貴様、、俺達に深月の「何」を聞き出すつもりでいた?!」静かな声音ではあるのだが、この上なく真剣にそう問われていた。「いえ、、、」筆頭殿のその問い掛けに対し、桃はそう短く答えると元々座っていたその位置にその腰を下ろしていた。それを見ていた筆頭殿は何を告げるでも無く、ただ静かにその様を目にしているだけであった。「おい、てめえ良い加減にしろ暴れ馬、其処を動くんじゃねえ。」言いながらも、その仲裁に入った羅刹とセンクウにその身を剥がされた先にいる私に向けて、卍丸の奴がそう宣言をしてきていた。その手が、自慢のモヒカンに充てがわれている。「卍丸。」それを目にしていた筆頭殿が、腕を組みつつ声を掛けてきた。「?!」それに反応し、卍丸のその動きが止ま...弥月・影9

  • 同級生

    、、、、、、、、。何をしたという訳では無いんだが、そのがたいのでかさと目付きの悪さから同級生だけでなく、その保護者からも後退りされる。その目がほんの少し、合っただけじゃねえか。それなのに、、ったく、何を驚きやがる。俺ほど清廉潔白、純情可憐な男子はそうそう存在しねえぞ。等と思いながらも、驚きで後退った保護者を横目に俺は何事も無かったようにして通り過ぎていた。それが、俺の日常であった。これか?!俺が小学校低学年でのことだ。実は就学前の何時だったかは忘れちまったが、まあ、なんだ、ちょいと「色々と」あってな、、、顔面(右)に大きな一本の傷痕が残っちまうような怪我をしたことがある。そのせいもあるよな、、、こいつも周囲を圧倒するというか、、ほれ、なんだ、、尻込みさせちまっている一因でもあったみてえだ。加えて、俺に身よりはね...同級生

  • 腕試し

    入塾試験会場。試験申し込みの氏名記入を終えると、一枚の用紙を渡された。「男塾入塾試験・試験会場案内図」なるものなのだが、、校庭のど真ん中に普通の普に〇が記されている。校庭、受付のすぐ目の前だ。此処に、多数の受験希望者が集っていた。「、、、、、。」更に、手渡された案内図に目を通す。校舎の中に上に〇の印、、これは、上級を意味するのであろうか。そして、校舎を離れたとある位置には特に〇。おい、この場所、、知っているぞ。三号生の居住区じゃねえか、ってえことは、、、試験相手は三号生、、いやいや、筆頭殿とか、、、ない、よな。等と考えつつも、頭をぽりぽりと掻く。大体というよりは、受験希望者全員が此処、校庭に集合しているようだ。つまらねえな、、それは。そう思いながらも、改めて案内図に目を落とした。「?!」超・特級。校舎裏に、そう...腕試し

  • 弥月・影 8

    あー、お前は、、、気にする必要はないぞ、これは「完全に」私のミスだ。お前に責任は無い。横で申し訳なさそうにしながらも、どこか泣きそうな面持ちでもって此方にその視線を向けてきている桃に対し、私はその体を機体に寄り掛からせながらもそう伝えておいた。「昔を、、、思い出しちまっただけだ。」「?!」私のその言葉に、桃だけでなく周囲にいた奴等もその耳を此方へと傾けているようだ。(その話を)聞かせて貰えますか?!と、桃のその目が訴えてきている。「、、、、、、入塾したとほぼ同じくして私は塾外行動を命じられた、まあ、遠征による討伐。とでも思ってもらえれば分かり易いだろう、このご時世、あちこちで何かと無頼、、無法者が闊歩していることも多く、それに対応しきれぬ者達の要請を受けてそれの討伐にあたっていた。そうしながらも、時には己の流派...弥月・影8

  • やっと、、、

    おかしな現象が収まってくれたみたいですね、、本来のそれとは明らかに違い過ぎる動きを見ると、やはりというべきか少なからず恐怖を覚えてしまいます。何故に、そうなるのでしょう。私には分かりませんが、、このまま、又そういった事柄が起きないことを願います。そして、これまでのように自分なりに文章を書いていくことが出来たのならとも思っています。小心者故に、どうすることも出来ず、けれど更新はしたいというか恐怖を拭う為に更新をしていたというか、本来の目的として始めていた楽しみ方も忘れていた時期でもありました。正直申しまして、不可抗力的過ぎる不思議なというか通常であったのなら起きないであろう反応というのは、怖いです。すいません、それが、素直な感想です。見て頂けるのは有難いのですが、、、やっと、、、

  • 騒がしい。何を、騒いでいる。弥月を寝かせておいたのだが、、その部屋が妙に賑やかだった。「だー、かー、らー、、っ、、、!!」と、苛立ちを隠す気も無いのか、それをあからさまにした表情でもって弥月の奴が何やら文句を口にしていた。「自分は、この豪毅と、約束をしたのだ。」「約束?!」利き腕をガッチリと固定され、ベッドの上に横たえさせられた状態ではあるのだが、基本的に何処が不調という訳でもないこともあり、朦朧としていた意識が戻ったせいも手伝って、奴は己のその思いの丈を爆発させていた。「お前、言ったではないか、、私と共に戦おうと。」「言ったな。」「だろ?!だから、決勝戦を自分が戦うと言ったのだ、勿論、この腕はシッカリと固定されたままでも構わん、が、私は決勝に出る。そして、戦う。私が先頭を切って戦うと約束をしたのだから、戦う。...真

  • 弥月・影 7

    なあ、なあなあ、、ちょんちょん、、、桃の戦いに視線を向けていると、遠慮勝ちに虎丸の奴が私のその肩を突ついてきた。「?!」なんだ。虎丸の方へと振り返り、そう尋ねる。「なあ、さっきのあれ、、虎がお前に向かって襲ってきたよな?!」「虎?!あー、、、あの虎か、、、、」「おう、そうじゃ、で、、、な、あの虎、何でお前に無抵抗状態のまま放り投げられていたんだ?あーいう時って暴れねえのか?!しかもこういった所に連れてきているという事は、戦闘の為の訓練を受けておるんじゃろ?!なのに、なんであの虎は大人しかったんじゃ??」首を捻りながらも、虎丸の奴がそんなことを問い掛けてきた。「あー、それか、、実は虎の腹の下に潜り込む際に脇腹からとある技を打ち込んでおいたんでな、、、その為にあいつはその体を自由に動かすことが出来なくなっていたんだ...弥月・影7

  • 可能性

    惹き合う可能性のある男であるのなら、、会わせはせぬよ。本来の目的を果たす為に必要な段階に至らぬうちに会ってしまったのなら、どうなるか。大方の察しはつくであろう、それに至ったが故に多くの犠牲が発生するような事態を招く可能性もある。例えその可能性が低かろうとも、そういった可能性を秘めたる男とは「その時」が来るまで会わせる訳にはいかぬ。そう告げられ、追い返された男が過去に存在していたと聞く。ある程度の段階を踏み、そして経験と年齢とを重ねたのであれば反対はせぬ。婚姻が可能な年齢に至っているのであれば、例え若かろうとも必要に応じそれを認めもする。だが、残念ながら今はその時では無い。そう伝えた所奴は「何を訳の分からぬことを。」と述べ、呆れ返っていたようではあるのだがな。まあ、、無理もあるまい奴自身はただ単に深月の強さを試し...可能性

  • 可能性

    惹き合う可能性のある男であるのなら、、会わせはせぬよ。本来の目的を果たす為に必要な段階に至らぬうちに会ってしまったのなら、どうなるか。大方の察しはつくであろう、それに至ったが故に多くの犠牲が発生するような事態を招く可能性もある。例えその可能性が低かろうとも、そういった可能性を秘めたる男とは「その時」が来るまで会わせる訳にはいかぬ。そう告げられ、追い返された男が過去に存在していたと聞く。ある程度の段階を踏み、そして経験と年齢とを重ねたのであれば反対はせぬ。婚姻が可能な年齢に至っているのであれば、例え若かろうとも必要に応じそれを認めもする。だが、残念ながら今はその時では無い。そう伝えた所奴は「何を訳の分からぬことを。」と述べ、呆れ返っていたようではあるのだがな。まあ、、無理もあるまい奴自身はただ単に深月の強さを試し...可能性

  • 恒例になってしまっていますが、、

    ネット環境も復活し、それに伴い改めて読み直したところで余分と感じた部分を整理しました。話のペース的には同じ位置で止まってはいますが、結果として2話分ほど削除し、更新しなおしました。その時は挑戦というか、必要と思っていたことも時が過ぎれば「必要ない」と感じる部分も出てきてしまいまして、、、削除、変更に伴う理由は様々ですが、毎度毎度申し訳ありません。今年もこんな感じで進んでしまうこともあるかと思いますが、よろしくお願いします。恒例になってしまっていますが、、

  • ネット環境不調につき

    案内ページに新規のページを貼ることが出来ません、更新しても案内ページには載せられない状況になっています。申し訳ありません。それと、作品の削除、及び大幅な手直しもしています。何かと分かり難い部分、多々有るかとは思いますが基本的には書きたいことを書いてしまって後になってから「あ、違う」というのを良くやります。その為、開設当時から更新後も訂正、削除が多いブログです。そんなブログではありますが、読みに来てくださる方がいらっしゃることに感謝しています。そして、気が付いたら早いもので今年もあと僅かとなりました、、時が過ぎるのが早いです。皆さん、良いお年をお迎えください。ネット環境不調につき

  • 一颯 1

    話が、、、長い。もう少し、短くすることは出来ないのであろうか。そう思いつつも、目の前の客人の話を聞く。「それにしても、、、」まだ話し足りないのか、、、良い加減、客人のその体を室外へと放り出したくなってしまったその時に、新たな話のタネを思い出したのか勿体ぶった仕草を交えつつ、先の言葉に続くそれを口にしていた。「綾乃森も、、随分と廃れたものですなあ、、、」「はあ、、、」私はテーブルを挟んだ向こうの椅子に座し、かれこれ小一時間程この客人の話に付き合わされている。客人の話を聞くのもまた、仕事、、、とはいえ、この客人のそれは、、嫌になってくる。はあ、、と、溜息を零しそうになるのだが、それを飲み込んでおく。「先代の栄華は兎も角、それを継ぐ跡目達が揃いも揃って未婚なのは、、、残念なことですなあ。」などという事を口にしている。...一颯1

  • 「、、、、、、何を、しているのだ?!」「・・・・・・・・・。」そう問い掛けると、奴に無言でジロリと睨まれた。いや、すまん。車庫のシャッターを閉めているのは分かる、分かるのだが、、、何故にこそこそ?!としているのか、それが気になり声を掛けた。そうしたところ、何故だか分からんが睨み付けられた。本人からしたのならちらり、と見ただけであるのかも知れない。がらがら、、、手にしていた車庫のシャッターを奴は下ろしきったその後で、厳重に其処の鍵を掛けるとその身を此方へと向けていた。そしてその口からふう、、と、奴が溜息を漏らしている。そういえば、、こいつがこんな反応を示した事が過去に幾度かあった、そのことを思い出す。「、、、、来ていたのか?」何も口にすることも無く歩き出したそいつの後ろに続きながら、こそっと尋ねてみた。「、、、、...穏

  • 一颯 2

    特号生としての初仕事が、、これか。私は大きな椅子のその上に腰を下ろし、そんなことを考えていた。足、ぶらぶら、、、超・ぶらぶら、、、床までの高さ、数m。でかい。超・でっかい椅子の上。そして私が腰を下ろしているこの部分は、当然座面にあたる。その部分において、思い切り良く寝転んだ。寝転んでも、十分に余裕がある。寝転んだままにその手を伸ばしても、背もたれの部分には触れることも出来ない。超・超・超ばかでっかい椅子。その上に、私は寝転んでいる。そしてそのまま上を見上げると、背もたれの上にも寝転んでいる奴が約一名、居る。「煌鬼。」そいつのその名を口にすると、背もたれの最上部にその体を寝転がらせ腕枕をしている煌鬼のその体が小さくその反応を示していた。「お前の親父さん、面白いのを作るな。」そう話し掛けると、ちっ、、、と舌打ちをし...一颯2

  • 斎希 10

    「ちょ、、ちょっと待て、たんま。」「?!」気を取り直して獅子丸君に向かって行こうとしたところ、慌てて獅子丸君がそれを制止してきます。たっち、、、「あとは任せた。」獅子丸君にそう言われたのは、袁紹君です。「、、、、。」渋々ながらも、袁紹君が獅子丸君に代わって私がいるその方向へと向かってやってきます。「水鏡漿。」って、袁紹君、、貴方、、、ぽとぽとぽとぽと、、、、袁紹君が投げた針が校庭に散らばった、面倒なので硬気功でガード、、しておきました。「、、、、、、。」たっち。袁紹君がその手でもってそっ、、と大きな背中に触れていました。あ、、、マック君です。元・プロレスラーの、確か獅子丸君からそう聞かされています。プロレス、、、私、生憎プロレスの技は、、、良く、、分からないんですよね、プロレスって。そう思いながらもその身を屈め...斎希10

  • 齋希 9

    そーっ、、とその戸を開くと、中からどよめきが湧いてきました。一瞬、室内に居る林君達とその目が合っちゃっています。そして林君だけでなく、教室内にいるみんなが私の方に驚いたようにしながらも此方にその視線を向けています。そして暫くは驚いた様にしてその目を丸くしたまま、微動だにする事もなく声も無く見ていたのですが、、、「うおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!!」と突然発された大勢のその声に驚いて、思わず開いたその戸を閉めてしまいました。ガラッ、、、、と、、、私が背にしている戸が室内から誰かの手によって開け放たれてしまいました。「何をやっているんだ?!お前。」其処に立っていたのは獅子丸君でした、その戸に手を置いたまま此方を見下ろしているその口元には彼特有の笑みが浮かんでいます。「獅子丸君、、、」彼のその名を口にしながら...齋希9

  • 行き先

    轟音と共に、それが辺りを大きく揺らした。「どのようにしてそれを行なっているのか、、聞いても良いですか?!」轟音と稲光とが飛び交うその中に立ち、此方をジッと見据えるその目が凄味を帯びている。「、、、、、。」余計な事を、言ってしまったか。そう思いながらも、開いていたその口を噤んだ。「聞いたところで、、今は致し方あるまい。」パチパチと辺りにその残滓を残しつつ消えていくそれの中で、歩みを此方へと向けつつそう返される。「、、、、、すいません、所で、、今日は何用で参ったのですか?!」「皆伝、、」「?!」「したと聞いたのでな。」言いながらも、彼女が岩の上に腰を下ろしている俺のそれを見下ろしてきた。「お陰様で、、何とか。」「かなり、優秀であったと聞く。」「、、、、、。」「優秀であったとは聞いたが、、、さらりとした笑顔で請け負っ...行き先

  • 温もり

    いつからだったか、、正確に覚えてはいないのだが、気が付いたら傍にいた。いや、、「居てくれた」だな。何に怯え、恐がっていたのか、、詳しくは覚えていない。ただ、そんな時に共に傍にいてくれたのが彼女だった。覚えていないにも関わらず、恐怖心だけが残っており、時折それによって目を覚ます。覚ましたその傍で、彼女が俺のその体をぎゅっと抱き締めてくれていた。当時の俺には随分と大きなお姉ちゃんという印象であっが、実際は三歳程しか違っていなかった。その彼女が、、俺のその体を抱き締めてくれていた。彼女が寝ているのか、起きているのか、、当時の俺にその事を正確に判断する事は出来なかったが、不思議と安心をし、小さく震えながらも何時の間にか再び眠りに就いていた。そんな事を繰り返しながらも、幾日かが過ぎていた。「風呂に入るぞ、ばんざいしろ。」...温もり

  • その手

    ん?!誰だ?綺麗な姉ちゃんがいるのだが、、、そんなことを思いながらもそこを通り過ぎつつ、塾長に命じられた用を足す為、先を急いだ。「富樫。」その名を呼ばれ、振り返る。「、、、、、、。」さっきの、、姉ちゃんじゃねえか。そう思いながらもその足を止める、、、誰だ?名前を呼ばれたのは良いのだが、全く身に覚えのない姉ちゃん(しかも美人)に声を掛けられ、考え込む。俺の方へと向けてその歩みを寄せてくる女は、品の良い着物を身に着けている。着物の色と同じくして、色の抜けた髪色と白い肌とがその目を引く。ははーーーん、、、合点がいったぜ。美人局、、、だな。おい、この綺麗な姉ちゃんとグルになっている男は何処に隠れていやがる。そう思いながらも辺りを見渡した。「?!何をしているのだ?」俺の近くにまでやって来た綺麗な姉ちゃんが、そんなことを言...その手

  • 一颯 1

    また、、奇妙なものが増えたみたいだね。所要があったらしい伯父が、私の自室のドアの前で呆れた様にしながらも立ち尽くしている。「あれの思いも分からなくはないが、、、美的感覚については、多少なりとも苦言を呈しておいた方が良いのだろうか。」新たに床上に敷かれているぶっさいくな狸(実際は熊)のもこもこカーペットを目にし、そんな独り言を伯父がつぶやいている。「年頃の女の子の部屋にしては、奇妙奇天烈すぎる。」とも、仰っている。年頃の娘の立場から言わせて頂けるのなら、これはこれで面白いので問題ありません。そう告げておいたところ「そう。」と、短い返事が返ってきた。「今日は、、どのような御用件で?!」そう言葉を続けると、伯父はその視線を改めて此方へと向けると答えを返してくれていた。「いや、君の所有する「あれ」についてちょっと小耳に...一颯1

  • 斎希 8

    何時の間にそこまでやってきたのか、、伊達さんが視線を向けた方へと私もその視線を移してみると、そこには私のお母さん。母が、、、その口元ににこりと笑みを浮かべ、立っていた。「どうやって入ってきた。」「普通に。」伊達さんのその問いに、母が更にその口元に笑みを浮かべつつ返している。「ったく、、相変わらずだな。」そう告げながらも、伊達さんがゆっくりと立ち上がっていました。伊達さんのその手には、槍が持たれています。「久し振りじゃねえか、元気そうでもあるようだ。」との伊達さんのその言葉に、母が「お陰様で。」と答えている。其処に立っていたのはいつもと変わらぬ母です。けれど、、ある意味、違っているようにも思えたのは事実。笑ってはいるのですが、その雰囲気がいつもと違うように思います。「斎希。」「はい。」「今からお前に、面白いものを...斎希8

  • 片思い

    思わず、、場違いな訳の分からない驚きの声を発しそうになって思い切り良くそれを飲み込んだ。「紹介、してもらえるかな?!」って、言わなかった?!今。うちの、、あの「兄貴」を。彼女、うちの兄貴を何処で見たのだろう。私達兄妹は両親を早くに亡くし、孤児となってしまっていた。そして私は縁あって養子入りし、兄は、、早いうちから何処かの流派に修行という名の元引き取られていた。その後も兄とは時折会うことがあったのだけれど、、日に日にその逞しさが増していき、今ではすっかり筋肉の塊と化している。一目惚れだと言うからには、その見掛けに惹かれたのだとも思うのだけれど、、そう思いながらも嬉しそうにしてほんのりとその頬を染めている彼女に、私はその視線を向けていた。ほわほわとした雰囲気の、お嬢様タイプの彼女の両親は都内にいくつもの不動産を有し...片思い

  • 氷咲 20

    ちょいちょい、、、前を歩いていた赤石が此方を振り返ると、その手でもって己の首を指し示していた。「?!」何をしているんだ?こいつ。そう思いながらも奴のソレを見ていると、どうやら奴は俺に対して首を確認してみろと伝えているようだった。俺の首、どうかしているのか?!そう思いながらもその手を首にあててみた。「ん?!」なんか、、ちりちりする。って、これ、、、ひょっとして、火傷、、、か?!軽くヒリヒリしている程度だが、、その範囲が結構広い。これって多分、あの時になったんだよな。まあ、この程度で済んだのは幸いだった。一時とはいえかなり熱かったからなあ、、全身に回った気がしたんだが、、、何で首だけなんだ?!「使うが良い。」と、そこで冷えたタオルを手渡された。「中には氷が入っておる。」「どうも。」手渡されたそれを受け取り、礼の言葉...氷咲20

  • 氷上花

    「何をしているのか、尋ねても差し障りはないか?!」「?!」そう声を掛けると、ビクッと怯えたようにしてその身を震わさせてしまう結果となっていた。怖がらせぬよう、気を遣って静かに語り掛けたのだが、、、前日、雪が降っていた。俺からしてみれば雪が降ること自体に何等問題はない、路面が凍結していようともそれに囚われ足を滑らせるという事もない。が、、、道の真ん中に、、座り込んでいる一人の女性の姿があることに気が付いた。そこは民家の前でもあるのだが、、どうやら雪を解かす為なのかその家の住人が撒いた水と雪解け水とが翌日になって凍結し、固まってしまっているようでもある。そしてその狭い路地の真ん中あたりに、その女性は座り込んでいた。どうやら路面が広範囲に凍り付いていることに気付かぬままにその足を進め、結果、氷に足をとられ滑ってしまっ...氷上花

  • 麗らか

    「?!」何気なく通り過ぎようとしたそこに、見覚えのあるものが置かれている事に気が付いた。あれは、、W男杯に出てきたぱんだじゃねえのか?!その事に気が付き、それ迄進めていた足を思わず止めるとそちらにその視線を向けちまっていた。あの時のぱんだ、、だよな、、、間違いなく。大きなぱんだのぬいぐるみが、その手にあの回転するテーブルを持っている。そして馬鹿でかいぱんだのぬいぐるみの腹とテーブルの間に挟まって、心地良さ気に寝息をたてている少女の姿がそこにはあった。その隣の部屋にも、同じサイズの馬鹿でかいばんだのぬいぐるみが置かれている。が、こちらの部屋に人影は無い。男杯を見に来ていたのか?!そんな事を考えながらもその家の前を通り過ぎた。、、、、、、、、、。白い、、鉢巻?!それを後ろに流しながら歩いているあれは、、剣獅子丸か。...麗らか

  • 氷咲 19

    、、、、、、、この一件は、俺をおびき出す為に仕組まれていた、、とか、無いよな?!そんなことを考えながらも吊り橋の上に立つ男に、その視線を向けていた。!!と、吊り橋に立つ男が一気にその間合いを詰めてきた。ぶわあああああああああっ、、、、、!!途端に数えきれない程の蝶がその男に群がり、その全身を覆う。男を覆う蝶の数が増えれば増える程に、男のその動きが鈍くなり、、やがては止まっていた。「、、、、、、、、。」俺は蝶にその全身を覆われ、その蝶を払おうともがいたままのポーズで固まっている男の横をすり抜けると、吊り橋を渡っていた。「、、、、赤石?!」と、吊り橋を渡り切ったその先に、いつの間にやってきたのか赤石の奴が立ち、此方にその視線をジッ、と向けていたことに気が付いた。「お前、、、どうして、、」そう問い掛けつつも奴の傍へと...氷咲19

  • 斎希 7

    「だったらいっそのこと両方とも獲得しちまえば良いじゃねえか。」ははははははははははは、、、、!!獅子丸君の、あの時の笑い声が私の頭の中で木霊しています。ははははははははははは、、、、!!・・・・・・・・・・あの時の笑顔は、今の私を笑い飛ばす為のものだったのかも知れません。なんて、おバカな思考に囚われてしまいそうになって、慌ててそれを払い除けておきました。ふふ、、私、塾長に全力ですっぱりと「不合格」を言い渡されてしまいました。豪華特上牛肉セット10人前ですか?!それは、、頂けました。あと、、男塾特別優待招待権も、、、、券ではなくて、権です。権利の権。つまりは、男塾において特別に優待され、招待してもらえる権利です。その権利が発動されたその時は「メールにてご案内」してくれるんですって、、、メールですって、メール。良い...斎希7

  • おまけ

    、、、、、、、、、、なるほど。それを目にした赤石の小父様が、感心したようにしてそんな言葉を発していた。この家にその姿を見せるのは、父よりもこの小父様の方が頻繁だった。「あれにも、、良さそうだ。」そんな言葉を付け足したその後で、小父様は母と何やら言葉を交わしている風だった。それから幾日かが過ぎたある日、、、、「趨滑襲(すうかっしゅう)!!」バーン!!月光君が、気合を入れて庭先から家の中へと向けて何やら打ち込んでいる。バイン、ガン、バリッ、、、、それは室内の奥にどでーんと置かれているおっきいぱんだちゃんのぬいぐるみが持つお盆に当たり、それから室内の壁に命中してそのまま障子をぶち破って武器が飛び出してきていた。「ぬうっ、、、、!!(この月光、謝ったか)」飛び出してきた武器に月光君が悔しそうにしてその言葉を口にしたその...おまけ

  • お土産

    どでん、、、、と、室内に巨大なぱんだが置かれていた。多分、ぬいぐるみ。ぬいぐるみだと思うのだけれど、、そのサイズが凄かった。座っているのだけれど、その頭が室内の天井につきそう。その姿を、声も無く見上げる。「どうしたの?!これ、、、」呆れながらもそう尋ねると、近くに居た母が答えてくれた。「お土産。」と、、、「お土産?!」私は思わず素っ頓狂な声でもって聞き返してしまっていた。一体誰がこんなに大きなぬいぐるみを、、、呆れながらも思わず独り言のようにして言ってしまうと「お父さん。」私の後ろで、母がそう言ってきた。「、、、、、、、、。」お父さん、、、、か。そう思いながらも、大きなその姿を見上げていた。「、、、、、何を、しているのだ?!」久方振りに我が家に顔を出した父が室内を目にし、珍しく驚いたような声を発していた。「寛い...お土産

  • 手痛い

    修復し終えたばかりの障子戸を突き破って、飛燕の奴が吹き飛んできた。そのままその背を庭に打ち付け、でんっ、、、と弾かれてそのままぐしゃっ、、と植木の中に逆海老反りの態勢でもって飛び込み、止まっていた。「、、、、、、、、、。」間抜けな態勢のまま、飛燕の奴のその体が植木の中に埋もれている。あの技、俺も初日に喰らったな。等と思いつつも、縁側からのんびりとその様を眺めていた。その前を何事も無かったかのようにして月光の奴が通り過ぎ、庭に溜まっている落ち葉を箒でもってかき集めていた。ふむ、、あれは、芋か。その傍らに、さつまが幾本か置かれている。焼き芋でもするのだろうか。そんなことを考えているその最中であっても、飛燕の奴はぴくりとも動かずにいる。いや、動けねえ、、が、正解だろう。どういった仕組みであるのかは分からんが、あれを真...手痛い

  • 冴蔵 2

    ちらりと此方を見やった奴のその目が、、、何事かを語っていた。ふ、、、貴様、、この俺を使いっ走りにする気か。だが、、それも余興としては面白いかも知れん。なら、、付き合ってやろうじゃないか。そう決心したその時、奴のその背に遅れることなくこの俺も共に外へと向けて飛び出していた。楽しい鬼ごっこの、始まり、、だ。走り出したその背後で、奴が己の武器でもあるそれをスラリと抜き切った気配がした。「、、、、、、、、、、、、。」それ、何?!目の前にいる飛燕君のその姿を目にし、私は茫然とその場に立ち尽くしていた。伊達さんとの話を終え私の気持ちも落ち着きを取り戻したことを確認して、それで家に戻ってきたのだけれど、、、「それ、何?!」「見れば分かるではないか。」、、、、、、、、、、うん、ま、、分からなくもない、、よ。にわとりさんだよね?...冴蔵2

  • 冴蔵 1

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!「その雰囲気が、、、一変しましたね。」自分達の背後より迫り来るそれを感じつつ、そのようにして言葉を発してみた。「、、、、、しゃべるな、追いつかれるぞ。」「分かっています。」そう返しながらも背後に迫り来るその気配に一抹の不安と思われるものを感じているからなのか、私はその姿の確認を今一度改めて試みてしまっていた。早い、、、確かに、悠長に言葉を交わしている暇は無さそうです。そんな私達の目の前に、林が接近してきました。この木々の中に紛れ込めば、、その動きを躱す事も可能でしょうか?!私は林を目の前にし、無意識の内にその歩調を緩めてしまっていたのでしょうか。己の頭上に何らかの気配を感じ、反射的にそちらへと視線を移したその先、、「-----------。」いつの間にか追い...冴蔵1

  • 莉桜 10

    ばさ、、、、ばっさ、、、、、!!私達の歩調に合わせて、巨大な蛾が宙を移動している。「煌鬼君、この肉まん美味しいよ。」もぐもぐもぐ、、手にしている肉まんを頬張り、少し先を行く彼に向かってそう話し掛けた。「いらねえ。」不機嫌そうにして振り返った彼が、そう告げてくる。「そう?!」言いながら肩から斜め掛けにしているバッグをゴソゴソと弄り、其処から水筒を取り出すとゴクゴクと飲み干した。ガラガラガラガラ、、、煌鬼君が斜め掛けにしているのは一本のロープで、その後ろには簡易式の台車が繋がれている。更にその上には食料やその他、沢山の品々がたっぷりと積まれていた。煌鬼君はそのままの服装だけれど、私は現地の方々が着る衣装を身につけている。これ?!うん、貰った。昨日私達を取り囲んで火攻めと、矢と銃弾の雨あられをお見舞いしてくれたあの方...莉桜10

  • 化け狸

    悔しい事に、この飛燕。再び、撒かれてしまいました。あれから数日後、再び奴が現れました。いつの間にか現れ、総長と二言三言交わすとそのまま総長は何処かへと姿を消してしまいました。「頼むぞ。」総長の背に向けて奴がそう言葉を放つと、奴はそのまま何処かへと移動を開始したので早速その後をつけました。そして、ものの見事に撒かれてしまったのです。この私が、、又も。カサリ、、悔しさから思わずその口から舌打ちを発してしまったその時、近くの葉を踏みしめ何者かが近付いて来ました。「見失ったで御座るか。」「雷電。」足音の主は、三面拳の一人でもある雷電でした。「拙者もその気配を追っていたのだが、お主と同様、見失ってしまったようだ。」「貴方も、、ですか?!」その事に驚きを隠しきれず、思わず大きな声を発してしまいました。「が、、其れを引き継い...化け狸

  • 迷い猫

    この者は、、私の独断において「滅して」も良い存在。ですよね。そう心の中で確信を抱いている私の目の前には、その場にしゃがみ込みこちらを見上げている一人の男がいた。男、、であろうな。私が言うのもおかしいのかも知れぬが、この者、中々に整った顔立ちをしている。とはいえ我が豪学連の中央部でもあるこの位置に、他の者に気付かれることもなく侵入してくるのは男でも難しい、女人など猶更のこと出来る筈もなく。そう思いながらも、改めてその顔をマジマジと見下ろした。「おい、、、」「?!」「聞いていたか?私の言った事。」「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。確か、総長がどうのと貴様がふざけたことを抜かしていた気がするが。」「そうだ。留守にする理由は何でも良いのだがな、、、その間、お前等は適当にやっていろ。」「あなたは我々に対して、...迷い猫

  • 莉桜 9

    煌鬼君、煌鬼君、、何だ。煌鬼君、、、うるせえ。煌鬼君。しつけえぞ、黙れ。だって、、、、、私達、、、完全に囲まれちゃっているよ?!しかも、矢と銃弾が此方に向かってガンガン飛んで来ているし。「知っている。」「そうよね。」大きな木の幹にその身を隠しつつ、相手の様子を伺いながら答えてくれた煌鬼君に、私も返した。私は煌鬼君が身を隠している木の近くにある小さな岩というには頼りないサイズのそれの影に、腰を下ろしてしゃがみ込んでいる。両膝を抱えている私の頭上を、チュンチュンと音を立てながらも先程から銃弾が派手に飛び越えていく。数、、結構居るわよね。それに揃いも揃って飛び道具を持っているって、卑怯よ。私達、素手なのに。しかも、二人よ?!二人。なのに、、、「、、、、、、、。」こそーっと小さな岩陰から様子を伺ったのだけれど、途端に私...莉桜9

  • コンコンコン、、、執務室にある通気用の小窓を、ノックする者があった。「入れ。」俺はその主が誰であるのか、確認をすることも無くそう告げた。確認するまでも無い、あの小さな小窓から出入りする者は、一人しかいなかった。夜も随分と更け、室内には俺のみが居た。其れを狙ってか、真夜中の訪問者はやって来た。からりと小窓を開け小さな隙間からスルリとその体を通らせて、黒い影が室内へと降り立つ。「、、、、、。」「どうした、こんな夜分に、、、」無言でその場に立つその者に対し、俺は机の上にある書類に目を通しながらもそう尋ねた。が、その問い掛けに直ぐ様応じる声も無いままに、幾ばくかの時が流れた。「当主殿、、、」やがて静かに室内に響いた小さなその声に、俺はその視線でもって反応を示した。「あの男に、、会ってきました。」そう告げると彼女は、ゆっ...砦

  • 刹那

    それは、、一瞬の出来事であった。正しく瞬きをするか、しないか。その僅かな瞬間の内に、方はついていた。まさかこの俺が、、こうもあっさりとあしらわれるとはな。奴の戦い方なら入塾試験のあの時に見ていた筈なのだが、今回のソレはその時とは全く異質のモノではないか。気の流れ、激しさを感じる事さえ出来ぬ内に俺のこの体が木っ葉の如く勢いで宙を舞っていた。そしてそのまま地に落ちたのだが、何故自分が今こうして地に倒れているのか分からぬままに、その体が地を滑る。そうしている間にも、、己の意識が遠のいていくのが分かった。「大したものだな。」薄れ行く意識の中で、、ソイツが俺を見下ろしながらもポツリと短くそう呟いたような気がした。「、、、、、、、、、、。」「気が付いたか、コチラとしては予想通りの目覚めではあるのだが、、」その目を開いたその...刹那

  • 始動

    「前略。邪鬼君、君好みと思われる茶菓の準備が整ったので、遊びにおいで。草々。」等という、ふざけた?!書面が届いた。送り主の名は記されてはいないのだが、、その文面から察するに、こういった事をする人物に心当たりはある。そして来いという割には予定日も何も記されてはいなかったのだが、、受け取った以上は赴こうではないか。との思いに駆られ、俺は早速その誘いを受けることにした。シャカシャカシャカ、、、手際良く手紙の主が、俺の目の前で茶を点てている。洋風の大きな屋敷の前にある、広大な庭での野点であった。「?!」ふ、、とある事柄に気付いたその時、それと同時に「何?!」と目の前で見事な点前を披露している手紙の差出人(推定)でもある椿が、コチラに視線を向けることも無く、そう尋ねてきた。「いや、、貴様のその髪。」そう言い掛けた其処で、...始動

  • 氷咲 18

    俺、あの技体得成功。だよな、、、、桃の奴が余りにもあっけらかんとしていて全く気に留めている様子も見られねえ中、俺だけがウジウジとそのことを悔やんでいても仕方がねえ。桃があーいった形で程好く納めてくれたんだ、此処は奴のそれに感謝し、又甘えさせて貰うのが最善であると判断した。さんきゅうな、桃。後で特大メンチカツ奢ってやるから。なんてな事を考えつつも、俺は三号生達が住まう棟へと向かっていた。あの技を体得できたらしいこと、それを筆頭殿に報告しておいた方が良いよな。そう思いながらも、歩みを進めていたその時だった。「?!」あれは、、、羅刹先輩じゃねえか。珍しく、というべきであろうか、、、三号生達の住まうその地よりも少し手前に位置する雑木林の奥に、先輩のその後姿を発見した。何というか、羅刹先輩は卍丸先輩と違った意味で後姿でも...氷咲18

  • 雪色

    これは、、目の錯覚であろうか、、、?!前を歩くその子の髪に視線を移したその時、奇妙な違和感を感じた。本来であるのなら、この子の髪色は「黒」である筈なのだが、、、この子とは赤子のその時より接触をしている、その髪色をこの俺が見間違う筈は無い。無いのだが、、、その髪色に違和感を感じたのは事実であった。「深家に、、確認をしてみるか。」独り言のようにしてそう小さく呟いたその後で、前を歩く小さな子のそれを目にしつつも気掛かりであるその事柄に心当たりがあり、訪ねてみることにした。時折此方の動きを確認するかの様にして振り返るその子の瞳のその色も、それ迄と違った色味を帯びているかのように思えてならなかった。「あー、、、、これは。」彼女はその子を目の前にし如何にもといった風情でもって一人、納得をしているのかそう呟きながらも幾度かの...雪色

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