『仏祖正伝菩薩戒作法』奥書について

『仏祖正伝菩薩戒作法』奥書について

ちょっとした一文である。なお、実世界の論文でも、関連する先行研究は多いので、当記事はあくまでも拙僧個人の見解を示すのみである。仏祖正伝菩薩戒作法右大宋宝慶元年九月十八日、前住天童景徳寺堂頭和尚、道元に授くるの式是の如し。祖日侍者〈時に焼香侍者〉・宗端知客・広平侍者等、周旋して此の戒儀を行ず。大宋宝慶中、之を伝う。『仏祖正伝菩薩戒作法』道元禅師が、中国で本師・天童如浄禅師から「仏祖正伝菩薩戒」を授けられたときの儀式について、その内容を記した文献の奥書に、上記一文がある。そして、これらの一節について、先行研究などを踏まえると疑問点は以下の通りである。(1)如浄禅師について「前住」という一句がある⇒もし、この式が行われたのが「大宋宝慶元年九月十八日」であったとすれば、まだ如浄禅師は堂頭(住職)であったはずである...『仏祖正伝菩薩戒作法』奥書について

2024/09/18 06:58