孤独に育った黒髪の令嬢・セレナ。 彼女の前に現れたのは、どこか陰のある美しき若き公爵。 触れ合うことで癒され、惹かれ合い、やがて甘く深く愛されていくーー。 中世ファンタジー×濃密ロマンス、R18表現あり。
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2025年7月
セレナの唇が、名残惜しそうに離れる。そっと目を開くと、レオンの瞳が真っ直ぐに見つめていた。そこに宿っていたのは、深くて熱い、想いの色。ほんの一瞬、時間が止まったかのような沈黙がふたりの間に流れる。「……もう、止まれない」低く囁くような声とと...
15話 「触れたい」想いが重なる夜――ふたりの距離が初めて交わる瞬間
抱き締められた翌日、セレナは自室のソファに腰掛けたまま、何度目かのため息をこぼしていた。(……今夜は、来てくれないのかな)いつもなら、そっと扉をノックする音が聞こえてくるはずの時間。けれど今夜はまだ、その気配がない。胸の奥が、じんわりとざわ...
昼下がりの中庭には、やわらかな風が吹いていた。セレナは花壇のそばに膝をつき、小さな花のつぼみにそっと目を落としている。「……私にできること、なにかあればいいのに」ぽつりとこぼした声に、後ろから優しい声が重なる。「もう十分すぎるくらい、奥様の...
2025年7月
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