紫式部日記「土御門邸の秋(秋のけはひ)」 秋のけはひ入り立つままに 原文・語釈 秋のけはひ入いり立たつままに、土つち御み門殿かどどののありさま、いはむかたなくをかし。池のわたりの梢こずゑども、遣水やりみづのほとりの草むら、己おのがじし色づき
方丈記(17)そもそも、一期の月影傾きて|原文・語釈・現代語訳
鴨長明『方丈記』の原文と現代語訳を、語釈付きで全17回に分けて掲載しています。 鴨長明『方丈記』原文と現代語訳(17) そもそも、一期の月影傾きて 原文・語釈 そもそも、一いち期ごの月つき影かげ傾かたぶきて、余よ算さんの山の端はに近し。た
鴨長明『方丈記』の原文と現代語訳を、語釈付きで全17回に分けて掲載しています。 鴨長明『方丈記』原文と現代語訳(16) 衣食のたぐひ、また同じ 原文・語釈 衣食いしよくのたぐひ、また同じ。藤ふぢの衣ころも、麻あさの衾ふすま、得うるにしたが
方丈記(15)それ、人の友とあるものは|原文・語釈・現代語訳
鴨長明『方丈記』の原文と現代語訳を、語釈付きで全17回に分けて掲載しています。 鴨長明『方丈記』原文と現代語訳(15) それ、人の友とあるものは 原文・語釈 それ、人の友とあるものは、富めるを尊たふとみ、ねんごろなるを先さきとす。必ずしも
方丈記(14)おほかた、この所に住みはじめし時は|原文・語釈・現代語訳
鴨長明『方丈記』の原文と現代語訳を、語釈付きで全17回に分けて掲載しています。 鴨長明『方丈記』原文と現代語訳(14) おほかた、この所に住みはじめし時は 原文・語釈 おほかた、この所に住みはじめし時は、あからさまと思ひしかども、今すでに
【方丈記】原文・語釈・現代語訳(13)また、ふもとに一つの柴の庵あり
また、ふもとに一つの柴の庵あり 原文・語釈 また、ふもとに一つの柴の庵いほりあり。すなはち、この山やま守もりが居をる所なり。かしこに小童こわらはあり。時々来たりて、あひとぶらふ。もし、つれづれなる時は、これを友として遊行ゆぎやうす。かれは
ここに、六十の露消えがたに及びて 原文・語釈 その所のさまをいはば、南に懸かけ樋ひあり。岩を立てて、水をためたり。林、軒のき近ければ、爪つま木ぎを拾ふに乏ともしからず。名を外と山やまといふ。まさきのかづら、あと埋うづめり。谷しげけれど、西
【方丈記】原文・語釈・現代語訳(11)ここに、六十の露消えがたに及びて
ここに、六十の露消えがたに及びて 原文・語釈 ここに、六十むそぢの露消えがたに及びて、さらに、末すゑ葉はの宿やどりを結べる事あり。いはば、旅人の一いち夜やの宿をつくり、老いたる蚕かひこのまゆをいとなむがごとし。これを、中ごろの住みかになら
【方丈記】原文・語釈・現代語訳(10)わかかみ、父方の祖母の家を伝へて
わかかみ、父方の祖母の家を伝へて 原文・語釈 わかかみ、父ちち方かたの祖おほ母ばの家を伝へて、久しくかの所に住む。その後、縁欠かけて、身衰おとろへ、しのぶかたがたしげかりしかど、つひに屋とどむる事を得ず。三十みそぢ余りにして、さらにわが心
【方丈記】原文・語釈・現代語訳(9)すべて、世の中のありにくく
すべて、世の中のありにくく 原文・語釈 すべて、世の中のありにくく、わが身と栖すみかとのはかなくあだなるさま、またかくのごとし。いはむや、所により、身のほどにしたがひつつ、心を悩ます事は、あげて計かぞふべからず。 語釈 ありにくし【在りに
また、同じころかとよ 原文・語釈 また、同じころかとよ。おびたたしく大おほ地な震ゐふる事侍はべりき。 そのさま、世の常ならず。山は崩れて河を埋うづみ、海は傾かたぶきて陸くが地ぢをひたせり。土裂けて水湧き出いで、巌いはほ割れて谷に転まろび
【方丈記】原文・語釈・現代語訳(7)あやしき賊、山賊も力尽きて
あやしき賊、山賊も力尽きて 原文・語釈 あやしき賤しづ、山やま賤がつも力尽きて、薪たきぎさへ乏ともしくなりゆけば、頼む方なき人は、みづからが家をこぼちて、市いちに出いでて売る。一人が持ちて出でたる価あたひ、一日が命にだに及ばずとぞ。あやし
また、養和のころとか 原文・語釈 また、養やう和わのころとか、久しくなりておぼえず。二ふた年とせが間あひだ、世の中飢け渇かつして、あさましき事侍はべりき。或あるいは春、夏日照り、或は秋、大風、洪水などよからぬ事どもうち続きて、五穀ことごと
【方丈記】原文・語釈・現代語訳(5)その時、おのづから事のたよりありて
その時、おのづから事のたよりありて 原文・語釈 その時、おのづから事のたよりありて、津つの国の今の京にいたれり。所のありさまを見るに、その地、ほど狭せばくて、条里でうりを割るにたらず。北は山に沿ひて高く、南は海近くて下くだれり。波の音、常
【方丈記】原文・語釈・現代語訳(4)また、治承四年卯月のころ
また、治承四年卯月のころ 原文・語釈 また、治承ぢしやう四年水み無な月づきのころ、にはかに都みやこ遷うつり侍はべりき。いと思ひの外ほかなりし事なり。 おほかた、この京のはじめを聞ける事は、嵯さ峨がの天皇の御おほん時とき、都と定まりにける
紫式部日記「女郎花」の原文・語釈 渡殿の戸口の局に見出だせば 渡殿わたどのの戸と口ぐちの局つぼねに見出みいだせば、ほのうち霧きりたる朝あしたの露もまだ落ちぬに、殿歩とのありかせたまひて、御み随身ずいじん召めして、遣水払やりみづはらはせたま
ギリシャ神話『アポロンとダフネ』のあらすじをわかりやすく解説
ギリシャで「ダフネの樹」と呼ばれる月桂樹。現代でも芸術分野の功労者に月桂樹の冠が授けられることがありますが、これは『アポロンとダフネ』というギリシャ神話がもとになっています。 エロス(キューピッド)の矢によって、ダフネにどうしようもなく
マヤ神話『ポポル・ヴフ』とは? 『ポポル・ヴフ』は、マヤ族の一つである「キチェ族」の神話と歴史が記された文書です。 キチェ族は現在のグアテマラ高地にキチェ王国を築き、最盛期には100万人を超える人口を有していました。1524年にスペイン人
マヤ神話『ポポル・ヴフ』の内容を全7回に分けて紹介します。 最終回の第7回目は、キチェー国がどのように他の部族たちを征服し、繫栄していったのかというお話です。最後に王の系譜も掲載されており、神話というよりは歴史書のようなものとなっていま
マヤ神話『ポポル・ヴフ』(6)最初の人間たちによるトゥラン征服
マヤ神話『ポポル・ヴフ』の内容を全7回に分けて紹介します。 前回はフンアフプーとイシュバランケーが地下にある冥界シバルバーを征服して、太陽と月になるお話でした。今回はそのほんのちょっとまえ、ツァコルとビトルという神が人間の創造に成功し、
マヤ神話『ポポル・ヴフ』のあらすじを8回に分けて紹介します。 第5回目は、フンアフプーとイシュバランケーが冥界シバルバーを征服し、太陽と月になる話です。『ポポル・ヴフ』のクライマックスともいえる熱い戦いをぜひお楽しみください♪ シバルバ
マヤ神話『ポポル・ヴフ』のあらすじを8回に分けて紹介します。 第4回目は、フンアフプーとイシュバランケーが、兄であるフンバッツとフンチョウエンを猿に変えてしまう話です。兄から憎まれ、祖母からも母からも愛されなかった双子は、兄への復讐を決
マヤ神話『ポポル・ヴフ』のあらすじ(3)フンアフプーとイシュバランケーの生い立ち
マヤ神話『ポポル・ヴフ』のあらすじを8回に分けて紹介します。 第3回目は、ヴクブ・カキシュという傲慢な男を一家もろとも 殺害 退治した双子の神、フンアフプーとイシュバランケーの生い立ちの話です。二人の父の名はフン・フ
マヤ神話『ポポル・ヴフ』のあらすじ(2)ヴクブ・カキシュ退治
マヤ神話『ポポル・ヴフ』のあらすじを8回に分けて紹介します。 第2回目は、後に太陽と月となる双子の神、フンフアプーとイシュバランケーが、ヴクブ・カキシュという傲慢な男を一家もろとも 殺害 退治するお話です。双子の神は嘘をついて相手をだま
マヤ神話『ポポル・ヴフ』のあらすじを8回に分けて紹介します。 第1回目は神話のお決まりともいえる、世界創造のストーリー。空と海だけが広がる暗闇と静寂の世界で、神々は大地を創造し、動物を創り、人間を創ります。しかし、人間は失敗作に終わり、
『方丈記』が成立したのは1212年、鎌倉時代に書かれた作品です。その根拠となるのは『方丈記』の最後の文で、次のように記されています。 時に建暦けんりゃくの二ふた年とせ、弥生やよひのつごもりころ、桑さう門もんの蓮れん胤いん、外と山やまの庵
2024年10月20日(日)から始めようと決めた長崎街道ウォーキング。やる気は十分だったんですけどね、いろいろと忙しかったり、寒かったり、寒かったりで、このポスト以来まったく進んでおりませんでした(汗)。 思いつきで始めた街道を歩く旅。昨
【万葉集】第16巻3867番歌|沖つ鳥鴨とふ舟は也良の崎(山上憶良?)
沖つ鳥鴨とふ舟は也良の崎廻みて漕ぎ来と聞こえ来ぬかも 『万葉集』の第16巻3867番歌は、「筑前国の志賀の白水郎の歌十首(第16巻3860 ~ 3669番歌)」のうちの一首です。海で遭難した漁師の妻子らが作ったとも、 ...
【万葉集】第15巻3664番歌|志賀の浦に漁する海人明け来れば(遣新羅使)
志賀の浦に漁する海人明け来れば浦廻漕ぐらし楫の音聞こゆ 『万葉集』の第15巻3664番歌は、天平8(736)年に新羅へと派遣された遣新羅使が歌った「海辺にして月を望みて作れる歌九首(第15巻3659 ~ 3667番歌 ...
【万葉集】第15巻3654番歌|可之布江に鶴鳴き渡る志賀の浦に
可之布江に鶴鳴き渡る志賀の浦に沖つ白波立ちし来らしも 『万葉集』の第15巻3654番歌は、天平8(736)年に新羅へと派遣された遣新羅使が歌った「筑紫の館に至りて遙かに本郷を望みて、悽愴みて作れる歌四首」のうちの一首 ...
志賀の浦に漁する海人家人の待ち恋ふらむに明し釣る魚 『万葉集』の第15巻3653番歌は、天平8(736)年に新羅へと派遣された遣新羅使が歌った「筑紫の館に至りて遙かに本郷を望みて、悽愴みて作れる歌四首」のうちの一首で ...
『源氏物語』の第1帖「桐壺」のあらすじと、登場人物を簡単にわかりやすくまとめました。 帝と桐壺更衣との間に皇子として生まれ、この世の者とは思えないほどかわいらしく、学問や音楽の才能にも恵まれた美少年はやがて「光る君」と ...
【万葉集】第12巻3170番歌|志賀の白水郎の釣りし燭せる漁火の
志賀の白水郎の釣りし燭せる漁火のほのかに妹を見むよしもかも 『万葉集』の第12巻3170番歌は、相聞「覊旅に思いを発せる歌五十三首」のうちの一首です。第12巻3170番歌の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑を紹介します。 ...
ちはやぶる金の岬を過ぎぬとも吾は忘れじ志賀の皇神 『万葉集』の第7巻1230番歌は、雑歌「覊旅にして作れる歌九十首」のうちの一首です。第7巻1230番歌の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑を紹介します。 覊旅作謌九十 ...
大汝少彦名の神こそは名づけ始めけめ名のみを名児山と負ひてわが恋の千重の一重も慰めなくに 在千潟あり慰めて行かめども家なる妹いいふかしみせむ 凡ならばかもかも為むを恐みと振り痛き袖を忍びてあるかも 秋の野に咲きたる花を指折 ...
君が行き日け長くなりぬ山たづね迎へか行かむ待ちにか待たむ かくばかり恋ひつつあらずは高山の磐いは根ねし枕まきて死なましものを ありつつも君をば待たむ打ち靡なびくわが黒髪に霜の置くまでに 秋の田の穂の上へに ...
豊前守宇努首男人謌一首 徃還 常尒我見之 香椎滷 従明日後尒波 見縁母奈思 豊前守宇努首男人の歌一首 行ゆき帰かえり常つねにわが見し香か椎しひ潟かた明日あすゆ後のちには見む縁よしもなし 豊前守宇努首男人の ...
大貳小野老朝臣謌一首 時風 應吹成奴 香椎滷 潮干汭尒 玉藻苅而名 大弐小野老朝臣の歌一首 時ときつ風かぜ吹ふくべくなりぬ香か椎しひ潟かた潮しほ干ひの浦うらに玉たま藻も刈かりてな 大宰大弐小野老朝臣の歌一首 ...
冬十一月、大宰官人等奉拜香椎廟訖退歸之時、馬駐于香椎浦各述懐作謌 帥大伴卿謌一首 去来兒等 香椎乃滷尒 白妙之 袖左倍所沾而 朝菜採手六 冬十一月、大宰の官人等くわんにんらの香か椎しひの廟みやを拜をろがみ奉まつ ...
万葉集「巻12-3220番歌」の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑
豊國能 聞乃高濱 高々二 君待夜等者 左夜深来 豊国とよくにの企救きくの高浜たかはまたかだかに君きみ待まつ夜よらは小夜さよふけにけり 豊国の企救の高浜で、高々と足をつま立てて君を待つ夜はもうふけてしまったよ。 ...
万葉集「巻12-3219番歌」の原文・現代語訳・作者・万葉歌碑
豊國乃 聞之長濱 去晩 日之昏去者 妹食序念 豊国とよくにの企救きくの長浜ながはま行ゆき暮くらし日ひの暮くれゆけば妹いもをしそ思おもふ 豊国の企救の長浜を歩き続けて、日が暮れゆくと恋人のことをしきりに思う。 ...
大夫跡 念在吾哉 水莖之 水城之上ニ尒 泣将拭 大夫ますらをと思おもへるわれや水茎みづくきの水みづ城きの上うへに涙拭のごはむ 私が硬派な漢だと思えることがあろうか。水茎の水城の上で涙を拭おう。 大伴旅人
大納言大伴卿和謌二首 日本道乃 吉備乃兒嶋乎 過而行者 筑紫乃子嶋 所念香聞 大納言だいなごん大伴卿おほとものまへつきみの和こたへたる歌二首 日本道やまとぢの吉備きびの児こ島じまを過ぎて行かば筑紫つくしの児こ ...
倭道者 雲隠有 雖然 余振袖乎 無礼登母布奈 右、大宰帥大伴卿兼任大納言、向京上道。此日馬駐水城、顧望府家。于時送卿府吏之中、有遊行女婦。其字曰兒嶋也。於是娘子、傷此易別、嘆彼難會、拭涕、自吟振袖之謌 倭道やま ...
冬十二月、大宰帥大伴卿上京時、娘子作謌二首 凡有者 左毛右毛将為乎 恐跡 振痛袖乎 忍而有香聞 冬十二月、太宰帥だざいのそち大伴卿おほとものまへつきみの京みやこに上のぼりし時に、娘子をとめの作れる歌二首 凡お ...
烏梅能波奈 佐企弖知理奈波 佐久良婆那 都伎弖佐久倍久 奈利尒弖阿良受也 薬師張氏福子 梅の花咲きて散ちりなば桜花さくらばな継つぎて咲くべくなりにてあらずや 薬師くすりし張氏福子ちやうしのふくし 梅の花 ...
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