教皇選挙、つまりコンクラーベ。キリスト教最大の教派であるカトリックの最高指導者ローマ法王を選出する選挙。陰謀とかスキャンダルとか、カトリック教会が許すはずないから。
『教皇選挙』感想/この作品がアカデミー作品賞を取れなかったのは・・
教皇選挙、つまりコンクラーベ。キリスト教最大の教派であるカトリックの最高指導者ローマ法王を選出する選挙。陰謀とかスキャンダルとか、カトリック教会が許すはずないから。
この映画を突き動かしているのは、作り手の人たちの異様なまでの熱意に他ならないでしょう。
完成までに10年を費やしたこの作品。見なくてはならないのは塀の向こうであり、聞かなくてはいけない音はずっと背景に流れているのです。
何が最悪かというと、世間一般の古い常識からすると、最悪ってこと。ただそれだけ。
近未来の地球ではAIがからんだ戦争がほんとうに勃発するのか、と思いたくなるくらいAIは想像を超えて進化している。だけどちょっと救いがあるのがこの映画。
1970年のアメリカの寄宿舎学校を舞台に描かれる少しほろ苦いコメディドラマ。そのほろ苦さはズンと心に残りつつ、温かくもなる巧みな脚本でした。
主役のアンドレア・ライズボローの迫真の演技は見事としか言いようがないです。ただ、ストーリーにはリアルさが欠けていました。しかし、そういう一方からの見方だけでとらえていい作品とは思いません。
相身互い身(同じ境遇にある者同士が同情し助け合うこと)の小略語である相身互い。最近あまり使われない表現です。やさしい言葉ですよね。
監督:アン・リー 2度目のアカデミー賞監督賞を受賞。映像美の素晴らしさばかりではない、人間の心の限りない深さの物語です。
(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved. 2022年 監督:サム・メンデス 主演:オリビア・コールマン 映画と映画館を愛する人ならばわかるのでしょう、その光の意味が。 あらすじ 厳しい不況と社会不安に揺れる1980年代初頭のイギリス。海辺の町マーゲイトで地元の人々に愛されている映画館・エンパイア劇場で働くヒラリー(オリビア・コールマン)は、つらい過去のせいで心に闇を抱えていた。 そんな彼女の前に、夢を諦めて映画館で働くことを決めた青年スティーヴン(マイケル・ウォード)が現れる。過酷な現実に道を阻まれてきた彼らは、職場の仲間たちの優しさ…
1987年 監督:ベルナルド・ベルトルッチ 清国最後の皇帝であり満州国皇帝だった愛新覚羅溥儀(アイシンカクラ フギ)の自伝をもとにその生涯を描きました。 主演のジョン・ローンはのちに溥儀の孤独が自分とリンクしているようだったと懐述しています。栄華を極めてその後は静かな日々を送っているところも共通点あるように思えます。 あらすじ 1950年、ハルピン。ソ連での抑留を解かれ母国へ送還された大勢の中国人戦犯の中に、清朝最後の皇帝・溥儀(ジョン・ローン)の姿があった。 手首を切って自殺を図った彼は、薄れゆく意識の中、波乱に満ちた自身の半生を思い起こしていく。映画com. 感想 前半は溥儀の幼少期を3人…
2023年 監督:ヨルゴス・ランティモス エマ・ストーンが2度目のアカデミー主演女優賞を受賞。原作小説の1部分のみを映画化しています。賛否ある作品ですがクセになる人も続出。 あらすじ 不幸な若い女性ベラ(エマ・ストーン)は自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスター(ウイレム・デフォー)によって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。 「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、放蕩者の弁護士ダンカン(マーク・ラファロ)に誘われて大陸横断の旅に出る。大人の体を持ちながら新生児の目線で世界を見つめるベラは時代の偏見から解放され、平等や自由を知り、驚くべき成長を遂…
2024年 脚本:野木亜紀子 監督:塚原あゆ子 主演:満島ひかり 主題歌:米津玄師 これだけでじゅうぶんオールスターだけど、本編にはもっとゾロゾロ出ています。 あらすじ 流通業界最大のイベントである11月のブラックフライデー前夜、世界規模のショッピングサイトの関東センターから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生し、やがて日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件へと発展する。 関東センター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)とともに事態の収拾にあたるが……。映画com. 感想 舟渡エレナという人物は、満島ひかりを念頭に置いた、いわゆる当て書きだそうで…
2022年 監督:ロン・ハワード 2018年に起きたタイのタムルアン洞窟の遭難事故の救出活動を映画化。 あらすじ 2018年6月、予期せぬ豪雨によってタイ北部のタムルアン洞窟に地元サッカーチームの少年とコーチ計13人が閉じ込められた。 彼らを救出するため、水没した狭い迷路のような洞窟を進むことができる、世界でも最高の技術と経験をもったダイバーのチームが立ち上がる。 ダイバーたちはタイ軍と1万人を超えるボランティアとともに、12人の少年とそのコーチを救い出すための困難な救出劇を開始。全世界が注目する中、これまでで最も危険なダイビングに挑んでいく。映画com. 感想 まったく忠実に再現されているが…
『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』映画のあらすじ&感想/この映画がもたらしたもの
ディズニーランドのアトラクションから生まれたこの痛快な映画は、その後の映画界にどう影響を与えたのでしょうか。
夫婦のことは夫婦にしかわからないと言いますが、ではなぜ他人にはわからないことをわざわざ物語にしたのでしょう。
2005年 ウォシャウスキー姉妹が製作・脚本を手掛けています。わくわくも大いにしましたが、ん?と当惑する部分もありました。 あらすじ 第三次世界大戦後、ファシズム国家となったイングランド。 伝説の革命家ガイ・フォークスの仮面を付けた謎の人物V(ヒューゴ・ウィーヴィング)に、放送局に勤めるイヴィー(ナタリー・ポートマン)は危ないところを救われ、Vの隠れ家で暮らすことに。 Vは電波ジャックなどで国家の異常さ国民に訴えかけ、また独裁者サトラーの党幹部たちを次々と血祭りにあげていた。 イヴィーはVの行動を知るにつれ、好意を持ちながらも嫌悪感を抱き、隠れ家から逃げ出すのだった・・。 感想 見どころは何と…
2019年 監督:ロマン・ポランスキー 原題:J'accuse(フランスの文豪エミール・ゾラは、この「私は弾劾する」というタイトルで新聞にこの事件を告発した) この作品でヴェネチア国際映画祭銀獅子・審査員大賞を受賞したポランスキー監督でしたが、自らの性加害の罪によって人々からは抗議のため背を向けられることに。無実の罪を糾弾した映画でしたが、何とも皮肉です。 あらすじ 1894年、ユダヤ系のフランス陸軍大尉ドレフュス(ルイ・ガレル)が、ドイツに軍事機密を漏洩したスパイ容疑で終身刑を言い渡された。 対敵情報活動を率いるピカール中佐(ジャン・ドゥジャルダン)はドレフュスの無実を示す証拠を発見し上官に…
2021年 製作・脚本・撮影・監督:ポール・トーマス・アンダーソン。まだ青春の中にいるのかこの監督は、と思わせるみずみずしい脚本に心がきゅんとします。 あらすじ ゲイリー(クーパー・ホフマン)は俳優でもある高校生。あるとき撮影助手のアラナ(アラナ・ケイン)に恋をした。しかし彼女は10歳も年上。誘っても来てくれないだろうと思われたが、彼女は待ち合わせ場所にシックな服を着てあらわれた。 それから2人は友人のまま、一緒に時を過ごしていく。仕事のトラブルや、さまざまな小さい事件とともに・・。 感想 どこからみてもあまり垢抜けがせず、そこまで美人でもないヒロインのアラナ。デブで性格も悪く聡明でもない主人…
『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』映画のあらすじ&感想
2023年 ニコラス・ウィントンを演じたアンソニー・ホプキンス。この人があのハンニバル・レクター博士だなんてまったく思えない。御年86歳。あの頃の勢いはもう無いが、老練な芝居は健在。 あらすじ 第2次世界大戦直前の1938年。ナチスから逃れてきた多くのユダヤ人難民がプラハで悲惨な生活を強いられていることを知ったニコラス・ウィントン(ジョニー・フリン)は、子どもたちをイギリスに避難させる活動を組織し、同志たちとともに里親探しや資金集めに奔走する。 ナチスの侵攻が迫るなか、子どもたちを次々と列車に乗せていくが、ついに開戦の日が訪れてしまう。それから49年後、救出できなかった子どもたちのことが忘れら…
2022年 監督・脚本:シャーロット・ウェルズ アカデミー主演男優賞にノミネートされたポール・メスカルの繊細な演技は秀逸でした。 あらすじ 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラム(ポール・メスカル)とともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。 まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらせてゆく。映画com. 感想 トルコのリゾート地でバカンスを過ごす31歳の父と11歳の娘。父のカラムは娘に対して…
2020年 原題:The Duke イギリス映画 ロジャー・ミッシェル監督の長編映画の遺作です。Dukeとは公爵、公のという意味合い。 あらすじ 1961年、世界屈指の美術館ロンドン・ナショナル・ギャラリーからゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この事件の犯人はごく普通のタクシー運転手である60歳のケンプトン・バントン(ジム・ブロードペント)。 長年連れ添った妻(ヘレン・ミレン)とやさしい息子と小さなアパートで年金暮らしをするケンプトンは、テレビで孤独を紛らしている高齢者たちの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、…
2024年 監督:押山清高 チェンソーマンの藤本タツキによる長編漫画のアニメ化。すべてのクリエイターに捧げられているように感じます。脳裏をよぎるのは京アニの事件。何度も何度も泣きました。 あらすじ 学生新聞で4コマ漫画を連載し、クラスメイトからも称賛されている小学4年生の藤野(河合優実)。そんなある日、先生から、同学年の不登校の生徒・京本(吉田美月喜)の描いた4コマ漫画を新聞に載せたいと告げられる。 自分の才能に自信を抱く藤野と、引きこもりで学校にも来られない京本。正反対な2人の少女は、漫画へのひたむきな思いでつながっていく。 しかし、ある時、すべてを打ち砕く出来事が起こる。映画com. 感想…
1993年 原作:カズオ・イシグロ 主演:アンソニー・ホプキンス 原題:The Remains of the Day 原作の雰囲気を忠実に再現しつつ、物語の主題はちょっと違うようです。 あらすじ 1958年、オックスフォード。ダーリントン卿の屋敷で長年に渡って執事を務めてきたスティーブンス(アンソニー・ホプキンス)は、主人亡き後、屋敷を買い取ったアメリカ人富豪ルイスに仕えることに。 そんな彼のもとに、かつてともに屋敷で働いていた女性ケントン(エマ・トンプソン)から手紙が届く。20年前、職務に忠実なスティーブンスと勝ち気なケントンは対立を繰り返しながらも、密かに惹かれ合っていた。ある日、ケントン…
「胸糞映画」と称されるが、そんなことはない。新しいジャンルの映画だと思います。
1999年 監督・脚本:ウォシャウスキー姉妹 斬新なストーリーと高度な撮影技術はその後の映画に大きな影響を与えました。 あらすじ AIがすべてを支配する世界。人間はみんな仮想現実の世界(マトリックス)で生かされていた。 しかしそのことに気づいたごくわずかな人間たちは、AIへの抵抗を試みる。 モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)、トリニティ(キャリー=アン・モス)もその仲間。そしてモーフィアスはネオ(キアヌ・リーブス)が伝説の救世主に違いないと確信していた・・ 感想 AIに支配された世界、という設定は今では聞きなれていますが、当時は驚愕したのを憶えています。人間はすべて支配されていて、今…
2014年 原題: Whiplash デイミアン・チャゼル監督が28歳のときの作品。監督自身の経験がもとになっているようです。音楽好きでなくとも、一度は見ておきたい作品。 あらすじ 世界的ジャズドラマーを目指して名門音楽学校に入学したニーマン(マイルズ・テラー)は、伝説の教師と言われるフレッチャー(J・K・シモンズ)の指導を受けることに。しかし、常に完璧を求めるフレッチャーは容赦ない罵声を浴びせ、レッスンは次第に狂気に満ちていく。映画com. 感想 狂気狂気と言うけれど どのレビューサイトを見ても「狂気」という言葉が目立ちます。それだけではないのになあと思います。 度が過ぎた指導をする教官は、…
2016年 グザヴィエ・ドラン監督・脚本。カンヌ映画祭のパルムドールを争いましたが、酷評もされています。 あらすじ 若手作家のルイ(ギャスパー・ウリエル)は自分がもうすぐ死ぬことを知らせるため、長らく疎遠にしていた母や兄夫婦、妹が暮らす故郷へ帰ってくる。 しかし家族と他愛のない会話を交わすうちに、告白するタイミングを失ってしまい……。映画com. 感想 グザヴィエ・ドランどうなんだろう カンヌ映画祭のグランプリを獲得した作品ですが、巷ではグザヴィエ・ドランには賛否両論あり、いったいどうなんだろうという思いで鑑賞しました。 最初から最後まで、出演者のアップが繰り返され、家族の会話の応酬で幕を閉じ…
生真面目そうな銃砲店の主人が、銃を持つことは大人の男のたしなみだと言わんばかりに熱心に対応する。 このシーンがこの事件の本質を突いていると私は思います。
『サイン』/映画のあらすじ&感想/M・ナイト・シャマランの世界にようこそ
シックスセンスを超えてないが、これはこれでよくできたサスペンス
『白いリボン』映画のあらすじ&感想/カンヌで最高賞はうなずける
2009年 監督のミヒャエル・ハネケはさまざまな問題を世に投げかけるような作品を作り出してきました。「ピアニスト」では画面を直視できないほどに何かを突き付けられたような気がしましたが、この作品も実は世界中の人々に鋭いメッセージを送っているように思えました。 あらすじ 第1次世界大戦直前の北ドイツを舞台に、教会や学校の指導でプロテスタントの教えを守って暮らしてきた小さな村の住人たちが、次々と起こる不可解な事故によって不穏な空気に包まれていく様子をモノクロ映像で描きだす。映画com. 感想 最初の事件は、村の医者が何者かによって張られた針金で落馬し大けがを負ったことだった。それから次々と起こる不穏…
2023年 クリストファー・ノーラン監督が人類にとっての最悪な発明と言える原子爆弾の開発者「オッペンハイマー」の物語を描きました。日本人にとっては心にちくっと刺さります。 あらすじ 第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)は、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。 しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるが……。映画com. 感想 世…
2024年 監督:ドゥニ・ヴィルヌーブ これはティモシー・シャラメの映画と言ってもいいでしょう。壮大なCGと音楽、わきを固める役者さんもすごいのですが、ポール(ティモシー・シャラメ)が印象に残りすぎます。 あらすじ その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューンで繰り広げられたアトレイデス家とハルコンネン家の戦い。ハルコンネン家の陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポール(ティモシー・シャラメ)は、ついに反撃の狼煙を上げる。 砂漠の民フレメンのチャニ(ゼンデイヤ)と心を通わせながら、救世主として民を率いていくポールだったが、宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサ…
『ある男』映画のあらすじ&感想/じっくり引き込まれる上質なサスペンス
2022年 原作:平野敬一郎 主演:妻夫木聡 大人の鑑賞に堪えうる、まじめな日本映画が数少ないことを常に憂いていますが、この作品は光明に思えます。 あらすじ 弁護士の城戸(妻夫木聡)は、かつての依頼者・里枝(安藤サクラ)から、亡くなった夫・大祐(窪田正孝)の身元調査をして欲しいという奇妙な相談を受ける。 里枝は離婚を経験後に子どもを連れて故郷へ帰り、やがて出会った大祐と再婚、新たに生まれた子どもと4人で幸せな家庭を築いていたが、大祐は不慮の事故で帰らぬ人となった。 ところが、長年疎遠になっていた大祐の兄が、遺影に写っているのは大祐ではないと話したことから、愛したはずの夫が全くの別人だったことが…
2023年 カンヌ映画祭パルムドール受賞作品。良いか悪いか、などと軽々しく批評できない、繊細で厚みのある作品。そして優れた人間ドラマだと思いました。 あらすじ 人里離れた雪山の山荘で、視覚障がいをもつ11歳の少年が血を流して倒れていた父親を発見し、悲鳴を聞いた母親が救助を要請するが、父親はすでに息絶えていた。 当初は転落死と思われたが、その死には不審な点も多く、前日に夫婦ゲンカをしていたことなどから、妻であるベストセラー作家のサンドラ(サンドラ・ヒュラー)に夫殺しの疑いがかけられていく。 息子に対して必死に自らの無罪を主張するサンドラだったが、事件の真相が明らかになっていくなかで、仲むつまじい…
『ヴィレッジ』映画のあらすじ&感想:シャマラン監督お得意の大どんでん返しだけど盗作疑惑が。
2004年 監督:M・ナイト・シャマラン ホアキン・ファニックス、エイドリアン・ブロディ、ウイリアム・ハートなどそうそうたるメンバーの中で堂々と主役を張ったプライス・ダラス・ハワードがめちゃくちゃきれい。ロン・ハワード監督の娘さんです。 あらすじ 1897年、米ペンシルバニアの小さな村。村の周囲を取り囲む森には恐ろしい存在がいるため、村人が森に入ることはタブーとされていた。 だが、村で皮を剥いだ動物の死骸が発見され、誰かがタブーを破ったのではないかという疑惑が持ち上がる。映画com. 感想 これぞシャマラン監督、というどんでん返しは健在。途中からちょっと想像がつく部分もありますが、それでもスト…
『トゥモロー・ワールド 』映画のあらすじ&感想:映画界の何かを変えたターニングポイント的な作品か
2006年 アルフォンソ・キュアロン監督。長回しがこんなに効果的にみるものを惹きつける技法だとは。この映画が後世に残した爪痕は大きいと言えます。 あらすじ 人類に子供が生まれなくなった西暦2027年。何の目的もなく働いていた国家官僚のセオ(クライブ・オーウェン)が、ある日突然、何者かによって拉致される。セオを拉致したのはセオの元妻ジュリアン(ジュリアン・ムーア)が率いる反政府組織で、世界がひっくり返るような秘密を掴んでいた……。映画com. 感想 それにしてもこんなに主人公のセオは頑張れるの?というぐらい、とにかくとめども無く大変なことが続き、そして彼は頑張るのだ。 それは「命」というかけがえ…
『僕らの世界が交わるまで』映画のあらすじ&感想/ジェシー・アイゼンバーグ初監督作品だがあと一歩かなという印象
2022年製作 ジェシー・アイゼンバーグ監督が母と息子のすれ違う心を描いた。ジュリアン・ムーアのうまさに救われているが、あと一歩何かが足りない。この一歩は限りなく大きい。 あらすじ DV被害に遭った人々のためのシェルターを運営する母エブリン(ジュリアン・ムーア)と、ネットのライブ配信で人気を集める高校生の息子ジギー(フィン・ウォルフハード)。 社会奉仕に身を捧げる母と自分のフォロワーのことで頭がいっぱいのZ世代の息子は、お互いのことを分かり合えず、すれ違ってばかり。 そんな2人だったが、各々がないものねだりの相手にひかれて空回りするという、親子でそっくりなところもあり、そのことからそれぞれが少…
『ファースト・カウ』映画のあらすじ&感想:癒されて眠いが傑作と言えます
2019年 日本での公開は2023年12月。A24、またやってくれました。ミッド・サマー、ザ・ホエールなど数えきれないエッジーと言われる作品を送り出してきたA24。スタンダードなスクリーンに映し出される自然光の映像はある意味とても先鋭的でした。 あらすじ 西部開拓時代のオレゴン州。アメリカンドリームを求めて未開の地へ移住した料理人クッキーと中国人移民キング・ルーは意気投合し、ある大胆な計画を思いつく。 それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルクを盗み、ドーナツをつくって一獲千金を狙うというビジネスだった。映画com. 感想 ただし、とにかく最初の30分は眠たい。つまらないの…
『PERFECT DAYS』映画のあらすじ&感想:ヴィム・ベンダース監督が東京を舞台に描く「ある男」の物語
2023年 主演の役所広司はカンヌ映画祭で最優秀主演男優賞を受賞。日本贔屓で知られるベンダース監督は「東京物語」の小津安二郎にも傾倒しており、日本人よりもずっと日本のことを知っているような気がします。また、平山という苗字は小津作品に多く登場するのだとか。 あらすじ 東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山(役所広司)。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。 昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。 そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き…
「ブログリーダー」を活用して、hanasumikoさんをフォローしませんか?
教皇選挙、つまりコンクラーベ。キリスト教最大の教派であるカトリックの最高指導者ローマ法王を選出する選挙。陰謀とかスキャンダルとか、カトリック教会が許すはずないから。
この映画を突き動かしているのは、作り手の人たちの異様なまでの熱意に他ならないでしょう。
完成までに10年を費やしたこの作品。見なくてはならないのは塀の向こうであり、聞かなくてはいけない音はずっと背景に流れているのです。
何が最悪かというと、世間一般の古い常識からすると、最悪ってこと。ただそれだけ。
近未来の地球ではAIがからんだ戦争がほんとうに勃発するのか、と思いたくなるくらいAIは想像を超えて進化している。だけどちょっと救いがあるのがこの映画。
1970年のアメリカの寄宿舎学校を舞台に描かれる少しほろ苦いコメディドラマ。そのほろ苦さはズンと心に残りつつ、温かくもなる巧みな脚本でした。
主役のアンドレア・ライズボローの迫真の演技は見事としか言いようがないです。ただ、ストーリーにはリアルさが欠けていました。しかし、そういう一方からの見方だけでとらえていい作品とは思いません。
相身互い身(同じ境遇にある者同士が同情し助け合うこと)の小略語である相身互い。最近あまり使われない表現です。やさしい言葉ですよね。
監督:アン・リー 2度目のアカデミー賞監督賞を受賞。映像美の素晴らしさばかりではない、人間の心の限りない深さの物語です。
(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved. 2022年 監督:サム・メンデス 主演:オリビア・コールマン 映画と映画館を愛する人ならばわかるのでしょう、その光の意味が。 あらすじ 厳しい不況と社会不安に揺れる1980年代初頭のイギリス。海辺の町マーゲイトで地元の人々に愛されている映画館・エンパイア劇場で働くヒラリー(オリビア・コールマン)は、つらい過去のせいで心に闇を抱えていた。 そんな彼女の前に、夢を諦めて映画館で働くことを決めた青年スティーヴン(マイケル・ウォード)が現れる。過酷な現実に道を阻まれてきた彼らは、職場の仲間たちの優しさ…
1987年 監督:ベルナルド・ベルトルッチ 清国最後の皇帝であり満州国皇帝だった愛新覚羅溥儀(アイシンカクラ フギ)の自伝をもとにその生涯を描きました。 主演のジョン・ローンはのちに溥儀の孤独が自分とリンクしているようだったと懐述しています。栄華を極めてその後は静かな日々を送っているところも共通点あるように思えます。 あらすじ 1950年、ハルピン。ソ連での抑留を解かれ母国へ送還された大勢の中国人戦犯の中に、清朝最後の皇帝・溥儀(ジョン・ローン)の姿があった。 手首を切って自殺を図った彼は、薄れゆく意識の中、波乱に満ちた自身の半生を思い起こしていく。映画com. 感想 前半は溥儀の幼少期を3人…
2023年 監督:ヨルゴス・ランティモス エマ・ストーンが2度目のアカデミー主演女優賞を受賞。原作小説の1部分のみを映画化しています。賛否ある作品ですがクセになる人も続出。 あらすじ 不幸な若い女性ベラ(エマ・ストーン)は自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスター(ウイレム・デフォー)によって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。 「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、放蕩者の弁護士ダンカン(マーク・ラファロ)に誘われて大陸横断の旅に出る。大人の体を持ちながら新生児の目線で世界を見つめるベラは時代の偏見から解放され、平等や自由を知り、驚くべき成長を遂…
2024年 脚本:野木亜紀子 監督:塚原あゆ子 主演:満島ひかり 主題歌:米津玄師 これだけでじゅうぶんオールスターだけど、本編にはもっとゾロゾロ出ています。 あらすじ 流通業界最大のイベントである11月のブラックフライデー前夜、世界規模のショッピングサイトの関東センターから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生し、やがて日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件へと発展する。 関東センター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)とともに事態の収拾にあたるが……。映画com. 感想 舟渡エレナという人物は、満島ひかりを念頭に置いた、いわゆる当て書きだそうで…
2022年 監督:ロン・ハワード 2018年に起きたタイのタムルアン洞窟の遭難事故の救出活動を映画化。 あらすじ 2018年6月、予期せぬ豪雨によってタイ北部のタムルアン洞窟に地元サッカーチームの少年とコーチ計13人が閉じ込められた。 彼らを救出するため、水没した狭い迷路のような洞窟を進むことができる、世界でも最高の技術と経験をもったダイバーのチームが立ち上がる。 ダイバーたちはタイ軍と1万人を超えるボランティアとともに、12人の少年とそのコーチを救い出すための困難な救出劇を開始。全世界が注目する中、これまでで最も危険なダイビングに挑んでいく。映画com. 感想 まったく忠実に再現されているが…
ディズニーランドのアトラクションから生まれたこの痛快な映画は、その後の映画界にどう影響を与えたのでしょうか。
夫婦のことは夫婦にしかわからないと言いますが、ではなぜ他人にはわからないことをわざわざ物語にしたのでしょう。
2005年 ウォシャウスキー姉妹が製作・脚本を手掛けています。わくわくも大いにしましたが、ん?と当惑する部分もありました。 あらすじ 第三次世界大戦後、ファシズム国家となったイングランド。 伝説の革命家ガイ・フォークスの仮面を付けた謎の人物V(ヒューゴ・ウィーヴィング)に、放送局に勤めるイヴィー(ナタリー・ポートマン)は危ないところを救われ、Vの隠れ家で暮らすことに。 Vは電波ジャックなどで国家の異常さ国民に訴えかけ、また独裁者サトラーの党幹部たちを次々と血祭りにあげていた。 イヴィーはVの行動を知るにつれ、好意を持ちながらも嫌悪感を抱き、隠れ家から逃げ出すのだった・・。 感想 見どころは何と…
2019年 監督:ロマン・ポランスキー 原題:J'accuse(フランスの文豪エミール・ゾラは、この「私は弾劾する」というタイトルで新聞にこの事件を告発した) この作品でヴェネチア国際映画祭銀獅子・審査員大賞を受賞したポランスキー監督でしたが、自らの性加害の罪によって人々からは抗議のため背を向けられることに。無実の罪を糾弾した映画でしたが、何とも皮肉です。 あらすじ 1894年、ユダヤ系のフランス陸軍大尉ドレフュス(ルイ・ガレル)が、ドイツに軍事機密を漏洩したスパイ容疑で終身刑を言い渡された。 対敵情報活動を率いるピカール中佐(ジャン・ドゥジャルダン)はドレフュスの無実を示す証拠を発見し上官に…
2021年 製作・脚本・撮影・監督:ポール・トーマス・アンダーソン。まだ青春の中にいるのかこの監督は、と思わせるみずみずしい脚本に心がきゅんとします。 あらすじ ゲイリー(クーパー・ホフマン)は俳優でもある高校生。あるとき撮影助手のアラナ(アラナ・ケイン)に恋をした。しかし彼女は10歳も年上。誘っても来てくれないだろうと思われたが、彼女は待ち合わせ場所にシックな服を着てあらわれた。 それから2人は友人のまま、一緒に時を過ごしていく。仕事のトラブルや、さまざまな小さい事件とともに・・。 感想 どこからみてもあまり垢抜けがせず、そこまで美人でもないヒロインのアラナ。デブで性格も悪く聡明でもない主人…
2023年 ニコラス・ウィントンを演じたアンソニー・ホプキンス。この人があのハンニバル・レクター博士だなんてまったく思えない。御年86歳。あの頃の勢いはもう無いが、老練な芝居は健在。 あらすじ 第2次世界大戦直前の1938年。ナチスから逃れてきた多くのユダヤ人難民がプラハで悲惨な生活を強いられていることを知ったニコラス・ウィントン(ジョニー・フリン)は、子どもたちをイギリスに避難させる活動を組織し、同志たちとともに里親探しや資金集めに奔走する。 ナチスの侵攻が迫るなか、子どもたちを次々と列車に乗せていくが、ついに開戦の日が訪れてしまう。それから49年後、救出できなかった子どもたちのことが忘れら…
2009年 監督のミヒャエル・ハネケはさまざまな問題を世に投げかけるような作品を作り出してきました。「ピアニスト」では画面を直視できないほどに何かを突き付けられたような気がしましたが、この作品も実は世界中の人々に鋭いメッセージを送っているように思えました。 あらすじ 第1次世界大戦直前の北ドイツを舞台に、教会や学校の指導でプロテスタントの教えを守って暮らしてきた小さな村の住人たちが、次々と起こる不可解な事故によって不穏な空気に包まれていく様子をモノクロ映像で描きだす。映画com. 感想 最初の事件は、村の医者が何者かによって張られた針金で落馬し大けがを負ったことだった。それから次々と起こる不穏…
2023年 クリストファー・ノーラン監督が人類にとっての最悪な発明と言える原子爆弾の開発者「オッペンハイマー」の物語を描きました。日本人にとっては心にちくっと刺さります。 あらすじ 第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)は、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。 しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるが……。映画com. 感想 世…
2024年 監督:ドゥニ・ヴィルヌーブ これはティモシー・シャラメの映画と言ってもいいでしょう。壮大なCGと音楽、わきを固める役者さんもすごいのですが、ポール(ティモシー・シャラメ)が印象に残りすぎます。 あらすじ その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューンで繰り広げられたアトレイデス家とハルコンネン家の戦い。ハルコンネン家の陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポール(ティモシー・シャラメ)は、ついに反撃の狼煙を上げる。 砂漠の民フレメンのチャニ(ゼンデイヤ)と心を通わせながら、救世主として民を率いていくポールだったが、宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサ…
2022年 原作:平野敬一郎 主演:妻夫木聡 大人の鑑賞に堪えうる、まじめな日本映画が数少ないことを常に憂いていますが、この作品は光明に思えます。 あらすじ 弁護士の城戸(妻夫木聡)は、かつての依頼者・里枝(安藤サクラ)から、亡くなった夫・大祐(窪田正孝)の身元調査をして欲しいという奇妙な相談を受ける。 里枝は離婚を経験後に子どもを連れて故郷へ帰り、やがて出会った大祐と再婚、新たに生まれた子どもと4人で幸せな家庭を築いていたが、大祐は不慮の事故で帰らぬ人となった。 ところが、長年疎遠になっていた大祐の兄が、遺影に写っているのは大祐ではないと話したことから、愛したはずの夫が全くの別人だったことが…
2023年 カンヌ映画祭パルムドール受賞作品。良いか悪いか、などと軽々しく批評できない、繊細で厚みのある作品。そして優れた人間ドラマだと思いました。 あらすじ 人里離れた雪山の山荘で、視覚障がいをもつ11歳の少年が血を流して倒れていた父親を発見し、悲鳴を聞いた母親が救助を要請するが、父親はすでに息絶えていた。 当初は転落死と思われたが、その死には不審な点も多く、前日に夫婦ゲンカをしていたことなどから、妻であるベストセラー作家のサンドラ(サンドラ・ヒュラー)に夫殺しの疑いがかけられていく。 息子に対して必死に自らの無罪を主張するサンドラだったが、事件の真相が明らかになっていくなかで、仲むつまじい…
2004年 監督:M・ナイト・シャマラン ホアキン・ファニックス、エイドリアン・ブロディ、ウイリアム・ハートなどそうそうたるメンバーの中で堂々と主役を張ったプライス・ダラス・ハワードがめちゃくちゃきれい。ロン・ハワード監督の娘さんです。 あらすじ 1897年、米ペンシルバニアの小さな村。村の周囲を取り囲む森には恐ろしい存在がいるため、村人が森に入ることはタブーとされていた。 だが、村で皮を剥いだ動物の死骸が発見され、誰かがタブーを破ったのではないかという疑惑が持ち上がる。映画com. 感想 これぞシャマラン監督、というどんでん返しは健在。途中からちょっと想像がつく部分もありますが、それでもスト…
2006年 アルフォンソ・キュアロン監督。長回しがこんなに効果的にみるものを惹きつける技法だとは。この映画が後世に残した爪痕は大きいと言えます。 あらすじ 人類に子供が生まれなくなった西暦2027年。何の目的もなく働いていた国家官僚のセオ(クライブ・オーウェン)が、ある日突然、何者かによって拉致される。セオを拉致したのはセオの元妻ジュリアン(ジュリアン・ムーア)が率いる反政府組織で、世界がひっくり返るような秘密を掴んでいた……。映画com. 感想 それにしてもこんなに主人公のセオは頑張れるの?というぐらい、とにかくとめども無く大変なことが続き、そして彼は頑張るのだ。 それは「命」というかけがえ…
2022年製作 ジェシー・アイゼンバーグ監督が母と息子のすれ違う心を描いた。ジュリアン・ムーアのうまさに救われているが、あと一歩何かが足りない。この一歩は限りなく大きい。 あらすじ DV被害に遭った人々のためのシェルターを運営する母エブリン(ジュリアン・ムーア)と、ネットのライブ配信で人気を集める高校生の息子ジギー(フィン・ウォルフハード)。 社会奉仕に身を捧げる母と自分のフォロワーのことで頭がいっぱいのZ世代の息子は、お互いのことを分かり合えず、すれ違ってばかり。 そんな2人だったが、各々がないものねだりの相手にひかれて空回りするという、親子でそっくりなところもあり、そのことからそれぞれが少…
2019年 日本での公開は2023年12月。A24、またやってくれました。ミッド・サマー、ザ・ホエールなど数えきれないエッジーと言われる作品を送り出してきたA24。スタンダードなスクリーンに映し出される自然光の映像はある意味とても先鋭的でした。 あらすじ 西部開拓時代のオレゴン州。アメリカンドリームを求めて未開の地へ移住した料理人クッキーと中国人移民キング・ルーは意気投合し、ある大胆な計画を思いつく。 それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルクを盗み、ドーナツをつくって一獲千金を狙うというビジネスだった。映画com. 感想 ただし、とにかく最初の30分は眠たい。つまらないの…
2023年 主演の役所広司はカンヌ映画祭で最優秀主演男優賞を受賞。日本贔屓で知られるベンダース監督は「東京物語」の小津安二郎にも傾倒しており、日本人よりもずっと日本のことを知っているような気がします。また、平山という苗字は小津作品に多く登場するのだとか。 あらすじ 東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山(役所広司)。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。 昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。 そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き…