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  • 童子沢と野守のこと

    童子(わっぱ)沢8月のおはようハイクは大代の童子[わっぱ]沢で、報告や写真、また後日頂いた「沢歩きは子供が小さい頃やったので懐かしかった。童心に帰った気持ちになった。斜面を登ったり下ったりは急で、ちょっとスリルがあったりして楽しめた。」というH・Mさんの感想などから、楽しい様子が伝わってきた。同時にI・Kさんの「童子沢には鉱泉が湧出し、それを沸かして湯治ができる宿があった」という一文には驚いた。野守の池大代という地区は、旧五和村の中で最も歴史があると謂われている。牛尾山西側の旧五和村の大方は「天正の瀬替え」(1590)以前は大井川の流路下にあって、その後開墾された比較的新しい土地なのである。瀬替え以前は上志戸呂辺りが大代川と大井川の合流地点で、ここで大井川は平野部に出ていったのだし、また大井川の渡り場とな...童子沢と野守のこと

  • 小夜の中山散歩

    23日は雨が止んで、少しだけ涼しくなったので、Ryo&Chiと一緒に小夜の中山の旧東海道を散歩。広重・東海道五十三次の山(10)の景を確かめる。広重・五十三次の山(10)-山の雑記帳久延寺(きゅうえんじ)境内に祀られる「夜泣石」だが、実物(?)は明治14年に東京の内国勧業博覧会に出品され、その後、国道1号線沿いの小泉屋脇に移された。ここの石は意外と小さい。境内のスダジイ、幹は大きなムロとなっている。すぐ近くの浮世絵美術館「夢灯(ゆめあかり)」へ、当地所縁の浮世絵を鑑賞する。館長の話では、広重・東海道五十三次「日坂」に描かれている山は、保栄堂版(本記事頭の画)、隷書版(パンフ右上)、行書版(パンフ左下)いずれも粟ヶ岳とのことだが・・・北側のテラスでコーヒーを戴きながら山を眺める。左・粟ヶ岳(「茶」の字が分か...小夜の中山散歩

  • 広重・五十三次の山(12)

    舞坂・今切真景江戸より30番目の宿東海道もいよいよ浜名湖、舞阪へと到達した。湖岸入江の岩山は完全に構図上の産物であろうが、背後の青い山並は秋葉山から竜頭山にかけての稜線であろうか。遠くに見える白い富士の山影は、広重・東海道五十三次において、以西では見ることはできない。静岡に住む我々は、山に登ればまず富士の姿を探す。富士山はまさに山の代名詞であり、眺望が良いとはこれが見えるかどうかと同義であるような感さえある。ところで実際、富士山はどこまで見えるのだろうか。証拠写真のある最遠の地は和歌山県の大雲取山で、その距離320km、計算上の北限は福島県花塚山の308kmだそうだ。現在は、カシミールなどパソコンソフトを使って富士山が見えるはずの地点をシュミレーションし、あしげく通って確認する人達もいるそうだ。これも山座...広重・五十三次の山(12)

  • 広重・五十三次の山(11)

    掛川・秋葉山遠望江戸より26番目の宿実のところ、私は北遠の山をよく知らない。生活でも仕事でも、日坂を越えて西へ行くことはあまりない。山でいえば、SHC発足最初の定例山行であった竜頭山、県スポ祭と昨年の国体観戦のついでの常光寺山、黒法師敗退の折り通過した前黒法師山、麻布山と片手で数える位しか行っていない。従って、掛川の東海道筋から秋葉山がどの程度眺望されるのか、とんと見当がつかないのだ。(というより、あれが秋葉山であると同定することさえできない)秋葉山は大井川右岸尾根バラ谷山から分岐し、山住峠、竜頭山を通り天竜川に沿って南下する尾根の末端に位置する。秋葉三尺坊大権現は火伏の神として有名で、秋葉山信仰は全国に伝播している。殊に度重なる大火を被った江戸町民には、その信仰は厚かったらしく、江戸末期の画人谷文晁[た...広重・五十三次の山(11)

  • 広重・五十三次の山(10)

    日坂・佐夜ノ中山江戸より25番目の宿小夜の中山は、箱根、鈴鹿峠とともに東海道の三大難所の一つであったらしい。「年たけて、またこゆべしと思ひけや命なりけり小夜の中山」の西行の歌をはじめ、多くの旅行記などにその名が記されていることからも、旅人にとって印象深い場所だったことがわかる。小夜の中山とくれば夜泣石で、現在は近くの久延寺に祀られているこの石が、画ではごろんと道の真ん中に転がっていて、旅人の「……?」の雰囲気が面白い。背景の山は、左の切れているのが粟ヶ岳[あわんたけ]、その向こうは経塚山だろうか。先に書いたように、我が志太平野(大井川下流域)の東の境が宇津ノ谷峠であり、そのランドマークが高草山とすれば、西のそれは日坂峠と粟ヶ岳ではないだろうか。我が家の前に出るとちょうど西の先に粟ヶ岳が見える(ちなみに東の...広重・五十三次の山(10)

  • 広重・五十三次の山(9)

    金谷・大井川遠岸江戸より24番目の宿さて、広重はいよいよ遠州に足を踏み入れ、大井川の渡し金谷側の高みから我が島田の山を眺望する。前回の岡部宿から一気に金谷宿に飛ぶのは、藤枝、島田の両宿では背景に山が描かれていないからにすぎない。ちなみに、藤枝宿では伝馬の様子、島田宿では川越しの様子が前面に描かれている。この連載のきっかけとなった「岳人」(669号)掲載の玉置哲浩氏『広重・東海道五十三次の山その3』では「金谷宿の大井川の対岸の山、舞阪宿の浜名湖岸の岩山は実景では存在しない」と書かれているのだが、地元の我々にとっては背景となっているこの山は一目瞭然である。言わずと知れた千葉山であろう。左の大井川岸から緩やかに上がっていく主尾根は、赤松から柏原、どうだん原、そして山頂へと続くものだ、よく見れば、矢倉山らしきもの...広重・五十三次の山(9)

  • 南アルプスから(9)

    南アルプスから今夏最後のたよりがあった***ホントに今夏は一日中スッキリ晴れた日が無くて、昼休憩の散歩、日の出、星空等楽しめなかったのは残念でした。それでも最後の朝は頑張って歩いて来ました…赤石岳荒川・悪沢岳聖岳雨がっ続いていた時は、気温が10℃以下の時もあって…山も紅葉が進んできました赤石岳南アルプスから(9)

  • 広重・五十三次の山(8)

    岡部・宇津之山江戸より21番目の宿駿府を立ち西へ向かうと、最初に越える峠が宇津ノ谷峠(宇津ノ山)だ。この道は、豊臣秀吉の時代辺りから使われ始めた江戸期東海道であるが、その東の谷には在原業平の「駿河なる宇津の山べのうつつにも夢にも人にもあはぬなりけり」の歌で有名な蔦の細道、さらに下れば焼津の花沢の里へ抜ける日本坂峠には古代東海道が通っていたから、峠越えの道は時代と共に随分と変遷してきたのだ。宇津ノ谷峠に現存する明治、昭和、平成の三つのトンネルは有名で、近代以降もルートを変えながら大動脈東海道の増え続ける需要に対応してきた。この山域は藤枝の最北端清笹峠から発し、大崩海岸で駿河湾に没する、いわば安倍川水系と大井川水系とを分けている山並である。静岡で大雨でもこちら側は大したことはないなど、標高500メートルにも満...広重・五十三次の山(8)

  • 広重・五十三次の山(7)

    鞠子/丸子・名物茶店江戸より20番目の宿梅わかな丸子の宿のとろろ汁芭蕉今や全国的に有名になり、県外からも団体バスで食しにくる丁字屋のかつての姿。近くには島田出身の連歌師・宗長ゆかりの吐月峰柴屋寺があり、丸子富士を借景とした庭園で有名だから、背後の端正な山もそれと思われる。日本国中に○○富士と名の付く山は数多くあるが、本家本元の富士山がドンと見える静岡では少ないのではないか。私が知っているのはこの丸子富士だけだが、他にもあるのだろうか?(2003年9月記)***【2024年9月追記】広重・東海道五十三次に描かれている山は、その場所で著名な山を嵌め込むのではなく、どうも実景に忠実に配しているようだ。この「名物茶店」のモデルとされる丁字屋は現在、丸子橋の東袂の丁字路に南を向いて建っている。広重の画もその通りだと...広重・五十三次の山(7)

  • 南アルプスから(8)

    台風10号もやっと熱帯低気圧になって、島田でも青空が見られるようになった当初の予報から大きく進路や状況が変わって1週間余も影響を及ぼした台風だったが、接近前先週の奥山からのたより***8/26今の小屋からです静かです!今日の宿泊者(0)です昨日は(6)でした赤石岳荒川・悪沢岳聖岳8/27下界はいかがですか?こちらは通過者、宿泊者(0)でひっそりしています8/28今朝、小屋前から現在、小屋前から聖岳の奥に上河内岳も見えます!雨は一日降っていましたが、シルエットははっきり見えてました南アルプスから(8)

  • 広重・五十三次の山(6)

    府中・安倍川江戸より19番目の宿安倍川の渡しであるが、背後の山は何だろうか?前面が賤機山、それに続く背後の高い山が竜爪山と見るのが常識的か?しかし、そうすると川の流れが何か不自然。どうも藁科川と合流する流れのように見えるのだ。手越・現安倍川橋辺りから北北西の方角に牛ガ峰(高山)があるが、この線も濃厚ではないか。牛ガ峰はカヤトの広い山頂で安倍奥の好展望台。ちなみに、高山・大山などの名は全国に多いが、里から見上げられる高いピークに付けられていることが多い。(2003年8月記)***【2024年8月追記】府中から安倍川を渡った(現・安倍川橋付近)先の手越の西側に、古東海道といわれる「手児の呼坂[てごのよびさか]」があり、小さな峠道となっている。峠の北側に尾根を進むと中腹に今川家所縁の徳願寺があって、さらに尾根を...広重・五十三次の山(6)

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