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2024/01/10

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  • 2023年総括

    2023年も今日で最後となりました。 今年は慣れないブログを始めて、紆余曲折しながらも何とか年末を迎えることができました。 読書の方はここ数年では一番読めた年になりましたが、目標の100冊には遠く及ばない結果となりました。しかし、ここであまり意気込んで、読書が楽しめなければ本末転倒なので、数字にこだわり過ぎず好きな時に好きな本を読むというのを続けていき、その結果が目標に近づけばいいかなと思う次第です。 さて、今まではX(Twitter)の方でマイベスト10を投稿していましたが、こうして読書感想のブログを始めたので、今年からはこちらでも投稿したいと思います。 毎年のことですが、冊数が読めない分、…

  • ジェイン・オースティン『高慢と偏見 (上・下)』(ちくま文庫)

    舞台はイギリスの田舎町ロングボーン。五人姉妹のベネット家では、母親のベネット夫人が娘たちを立派な家柄の花嫁に送り出すため躍起になっていた。そんなある日、ロングボーンに大金持ちの独身青年ビングリー氏が引っ越してきた。早速ディナーの招待を受けたベネット家のうち、長女ジェインがビングリー氏と良い雰囲気に。一方、次女のエリザベスは、ビングリー氏の親友ダーシー氏の鼻持ちならない高慢な態度に反感を抱くが、反対にダーシーはその毅然としたエリザベスの姿に惹かれ始めていた。 ダーシーに対する第一印象が最悪だったエリザベスは、ダーシー家の執事の息子で将校のウィッカムと出会い、彼に惹かれてゆく。ウィッカムの口から、…

  • ピエール・ヴェリー『サインはヒバリ パリの少年探偵団』(論創海外ミステリ)

    成績優秀の中学生ノエルは、クラスメイトのドミニックと友人になりたかったがなかなか認めてもらえなかった。いつものようにドミニックにからかわれて目隠しされていたノエルは、優し気な盲目の巨漢と出会う。ノエルたちは彼と少しずつ交流を深めていたある日のこと、突然ノエルが身代金目的のギャングたちに誘拐されてしまう。ドミニックと仲間たちはノエルを助けようと奔走するが……。 明朗快活なジュヴナイル・ミステリで読みやすく、誘拐されたノエルと、彼を探すドミニックとその仲間たちの冒険小説としても面白い作品でした。 裕福な家庭に養子として迎えられ、継母との不仲をはじめとする家族関係の悩みを持つノエルが、誘拐犯の一人で…

  • 大倉崇裕『福家警部補の再訪』(創元推理文庫)

    収録作品 「マックス号事件」 「失われた灯」 「相棒」 「プロジェクトブルー」 『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』の衣鉢を継ぐ倒叙ミステリ『福家警部補』シリーズ第二弾。前作と変わらず四篇を収めた短篇集で、どれも倒叙ミステリ、本格ミステリとして安定した面白さでした。 「マックス号事件」では、航行中の豪華フェリー内で殺人を犯し、別の人物へ罪を擦り付けようとする探偵兼警備会社社長の計画的犯行を証明する一篇。冒頭の何気ない被害者の行動が、最後に暴かれる証拠のヒントとなるのが良いですね。 「失われた灯」は個人的に本書中のベスト。自分に付きまとってくる俳優志望の男を利用して自作自演の誘拐事件を起こし、本当の…

  • マーティン・エドワーズ『処刑台広場の女』(ハヤカワ・ミステリ文庫)

    1930年、ロンドン。事件解決の糸口を警察に知らせることで名を知られている素人探偵のレイチェル・サヴァナクには、とある黒い噂が囁かれていた。それは、彼女が突きとめた事件の犯人が次々と死亡しており、彼女自身が犯人を死に追いやっているのではないかというものだった。レイチェルに興味を抱いた若手新聞記者のジェイコブは、彼女に取材を試みるもあっさりと追い返されてしまう。しかし一方で、彼の仕事を後押しするような行動も見せている。そんな謎めいた彼女を追ううちに、ジェイコブ自身も事件に巻き込まれ始めてしまう。 これは面白かったです。著者のマーティン・エドワーズは、唯一翻訳されていたノンフィクション『探偵小説の…

  • アンソニー・ホロヴィッツ『殺しへのライン』(創元推理文庫)

    12月に入り、続々と各ミステリランキングが発表されていますが、当然『ナイフをひねれば』もランク入り。そちらを読む前に前作の『殺しへのライン』を消化しなければと、慌てて手に取りました。 『メインテーマは殺人』の刊行を3か月後に控えているホロヴィッツは、ホーソーンとともに、プロモーションとしてチャンネル諸島のオルダニー島で開催される文芸フェスに参加することになった。順調にイベントが行われている中、文芸フェスの関係者がナイフで刺されて死んでいるのが見つかる。梱包用テープで椅子に縛られたその死体は、奇妙なことに右手だけが自由なままだった。 このシリーズ、謎解きミステリとしては常に高クオリティーを保って…

  • ジル・ペイトン・ウォルシュ『ウィンダム図書館の奇妙な事件』(創元推理文庫)

    ケンブリッジ大学の学寮付き保健師(カレッジ・ナース)のイモージェン・クワイのもとに、キャンパス内のウィンダム図書館でとんでもないことが起きたと、学寮長が駆け込んできた。図書館に駆け付けると、そこにはテーブルの角に頭をぶつけたと思われる男子学生の死体と、そのそばには一冊の古書が。イモージェンは、数年前からの友人で事件を担当する巡査部長のマイクに協力するため、行動を開始する。 コージーミステリだと思っていたのですが、読み始めたらなんとも上質な謎解きミステリでびっくり。作者はなんと、セイヤーズが遺したピーター・ウィムジイ卿シリーズの原稿を完成させ、さらにウィムジイ夫妻の物語を三冊も上梓している方との…

  • S・A・コスビー『頬に哀しみを刻め』(ハーパーBOOKS)

    かつてギャングの一員として殺人を犯し服役していた黒人のアイクは、現在では更生し小さな造園会社を営んでいた。そんなある日、息子のアイザイアが同性婚相手の白人男性デレクとともに撃ち殺されたと知らされる。デレクの父親で、同じく服役経験のあるバディ・リーから犯人捜しを提案され一度は断ったアイクだが、息子たちの墓が何者かに穢されたことでバディ・リーと二人で犯人に復讐することを決意した。 昨年刊行された『黒き荒野の果て』は、裏社会から足を洗った主人公が、生活のため、家族を守るために再び暴力の世界へ戻ってゆく、派手なカーアクションが迫力満点に描かれた優れた犯罪小説でしたが、本書もそれに勝るとも劣らない、むし…

  • ドロレス・ヒッチェンズ『はなればなれに』(新潮文庫)

    新潮文庫から刊行されている「海外名作発掘 HIDDEN MASTERPIECES」が、海外ミステリ好きの心を鷲掴みするようなラインナップで、本書はその中の一冊。ゴダールによって映画化された作品のようで、映画は未視聴ですがあらすじは非常に面白そうで手に取りました。 前科者の二人の若者スキップとエディは、夜間学校で十七歳の娘カレンと知り合う。彼女が身を寄せる未亡人の家に大金があることを聞き出したスキップとエディは、盗みの計画を立て始めるが……。 二人の若者が盗みの計画を立てるところまでは、正直そこまで盛り上がることもなかったのですが、スキップがある人物にその計画について話したことで、プロの犯罪者が…

  • 矢樹純『幸せの国殺人事件』(ポプラ社)

    あの傑作短篇集『夫の骨』の作者によるジュヴナイルミステリということで、かなり期待して読んだのですが、とても面白かったです。 中学1年の3人の少年少女が、廃園になった遊園地で撮影されたと思しき、ある動画を見たことで、その真相を突きとめるべく調査と冒険を始める。絶妙な加減で手掛かりを提示しながら、意外な真相を与えてくれるミステリとしての完成度もさることながら、友達付き合いや家族に関する悩みを持つ中学生の姿がみずみずしく描かれることで、青春小説としても読みどころのある作品でした。最後のシーンは、あの部分が今までミスリードさせられていたことに気付かされるとともに、3人の成長が垣間見れる良いラストでした…

  • 阿津川辰海『午後のチャイムが鳴るまでは』(実業之日本社)

    阿津川辰海『午後のチャイムが鳴るまでは』を読了。 収録作品 第1話「RUN! ラーメン RUN!」 第2話「いつになったら入稿完了?」 第3話「賭博師は恋に舞う」 第4話「占いの館においで」 第5話「過去からの挑戦」 阿津川辰海さんの作品を読むのは『紅蓮館の殺人』以来2作目。しかし読み味はだいぶ異なりました。『紅蓮館の殺人』はタイトル通り、館で起こる凄惨な殺人事件を名探偵が解き明かす、新本格ミステリ要素をふんだんに盛り込んだ作品でしたが、本書は、文化祭が迫る九十九ヶ丘高校のある日の昼休み中、生徒が目の当たりにする事件や謎を解き明かす青春ミステリとなっています。 謎解きミステリとしても楽しめまし…

  • 皆川博子『鳥少年』(創元推理文庫)

    皆川博子『鳥少年』を読了。 ミステリのほか、怪奇や幻想、時代物などバラエティ豊かな短篇集となっています。皆川博子を読むのは初めてなので、これが作者の入門書として良いか悪いかは判断できませんが、少なくとも私は様々なジャンルの短篇が収録されていて、さらに好みの作品が多かったので楽しめました。収録作品は以下の16篇。 「火焔樹の下で」 「卵」 「血浴み」 「指」 「黒蝶」 「密室遊戯」 「坩堝」 「サイレント・ナイト」 「魔女」 「緑金譜」 「滝姫」 「ゆびきり」 「鳥少年」 「泣く椅子」 「バック・ミラー」 「沼」 ミステリ好きとしては、巻頭の「火焔樹の下で」でガッチリ心を掴まれました。絵画療法に…

  • M・W・クレイヴン『グレイラットの殺人』(ハヤカワ・ミステリ文庫)

    M・W・クレイヴン『グレイラットの殺人』を読了。 歴代のジェームズ・ボンドのお面を被った強盗団が貸金庫を襲うが、中身を奪うのではなく、金庫内にネズミの置物を残し、さらに仲間の一人を殺すという奇妙な強盗が発生。 三年後、サミット開催が近づく中、要人の搬送を取り仕切るヘリコプター会社の経営者の一人が無人の売春宿で撲殺されてしまう。テロの可能性を考えた政府は、ポーに事件の捜査を任せることに。 謎解きミステリとしても警察小説としても面白さを保ち続けている〈ワシントン・ポー〉シリーズの第四弾です。前作『キュレーターの殺人』は個人的にシリーズ屈指の面白さでしたが、今回はスパイ冒険要素が加わった新しさを感じ…

  • ディアナ・レイバーン『暗殺者たちに口紅を』(創元推理文庫)

    ディアナ・レイバーン『暗殺者たちに口紅を』を読了。 暗殺組織〈美術館〉の一員として40年間暗殺業をおこなってきた60歳のビリーたち4人は、めでたく引退の日を迎えた。ビリーたちは、組織から記念として贈られたクルーズ旅行へ出かけるが、彼女たちを抹殺しようと組織から刺客が送り込まれていたことが判明。第二の人生を生き延びるために、ビリーたちはこれまで培ってきた経験と知恵を振り絞り、組織に反撃することを決意する。 所属していた暗殺組織から命を狙われるスリリングなストーリー、還暦を迎えたビリー、ヘレン、メアリー・アリス、ナタリーの個性的なキャラクター、彼女たちの自虐ネタを絡めた軽快な、だけどちょっぴり老い…

  • アントニイ・バークリー『レイトン・コートの謎』(創元推理文庫)

    アントニイ・バークリー『レイトン・コートの謎』を読了。 アマチュア探偵ロジャー・シェリンガムが活躍するシリーズの第一作です。 おしゃべり好きで好奇心旺盛な作家シェリンガムは、ある田舎の屋敷レイトン・コートに招待されており、その滞在中に主人のスタンワース氏が書斎で額を打ち抜き死んでいる事件に遭遇します。書斎は密室で、死体は銃を握っており、サイン入りの遺書も発見されたことから警察は自殺説に傾きますが、シェリンガムは銃痕の位置の不自然さから殺人事件の可能性を疑い、同じく屋敷に招待されていた友人アレックを助手に誘い調査をはじめます。 田舎の屋敷を舞台にした牧歌的な雰囲気のなかで展開する探偵小説として、…

  • 佐野洋『見習い天使 完全版』(ちくま文庫)

    佐野洋『見習い天使 完全版』を読了。 収録作品 PARTⅠ 見習い天使 「黒い服の女」 「誘拐犯人」 「すられたボーナス」 「モデル・ガン殺人事件」 「にせの殺し屋」 「最初の嫉妬」 「親切で誠実な男」 「盗作計画」 「当方独身」 「指名手配コンクール」 「唯一の方法」 「親ごころ」 「大きな遺産」 「まいた種」 「女の条件」 「アンケート」 「卒業記念」 PART Ⅱ 見習い天使 補遺 「大きな獲物」 「ご報参上」 「殺意構成法」 「優美な酒」 「糞は偽らず」 「始めと終り」 佐野洋という名前は知っていいるけれど、実際読むのはこれが初めて。 十数ページでサクッと読めるショートミステリー短篇集…

  • 試行錯誤

    色々な方のブログを拝見して、カテゴリーが階層化できることを知る。 さっそく試してみたものの、三角の位置がずれたり文字色が浮いてしまったりとなかなか上手くいかない……。 テーマを変えることでまずまず納得のできる形になったのでとりあえず良しとする。 記事内に書影とかも入れたりしたいけれど、それはまた今度。

  • 北村薫『遠い唇 北村薫自選 日常の謎作品集』(角川文庫)

    北村薫『遠い唇 北村薫自選 日常の謎作品集』を読了。 書店で惹かれてつい購入。久しぶりに北村薫を読みました。 北村薫=日常の謎 というイメージがありますが、今回もそれは健在。しかし、殺人事件が発生し、ダイイングメッセージの謎を解き明かす「ビスケット」という短篇が入っていたり、色々な北村作品が楽しめる短篇集でした。 特に面白かったのは異星人が『吾輩は猫である』や「走れメロス」などのテキストを翻訳して地球人の生態を知ろうとする「解釈」。猫の姿になった漱石や必死に走っているメロスの傍らで平然と傍観している太宰を想像したら笑ってしまいました。この短篇、見覚えがあるなと思い本棚を漁っていたら、九年前に『…

  • ユン・ゴウン『夜間旅行者』(ハヤカワ・ミステリ)

    ユン・ゴウン『夜間旅行者』を読了。 被災地を巡るダークツアーの企画者であるヨナが、収益の低いツアーの査定を命じられ、ベトナムの被災地を巡るツアーに参加する。そこでヨナはダークツアーの闇を目撃してしまい、さらにある恐ろしい計画への参加を強いられてしまった。 ポケミスだけど一段組でページ数も二百ちょっとでまとめられているのであっという間に読めた。しかし読みどころは多く、特に、ヨナが旅行先で迷子になったことでダークツアーの闇が発覚してからはノンストップスリラーとしてとても面白かったし、予想もしなかった皮肉な結末を迎えたことで、厚みのある物語として仕上がっている。 また、ダークツアーの闇が浮き彫りとな…

  • ギヨーム・ミュッソ『人生は小説』(集英社文庫)

    ギヨーム・ミュッソ『人生は小説』を読了。 やっぱりミュッソは面白い! 本書以外では『作家の秘められた人生』『夜と少女』の二冊しか読んでいないけど、今回は今まで以上に、ある仕掛けが何重にも組み込まれていて、最後の最後まで作者に振り回された。これが実に楽しい。 しかし、冒頭のフローラの娘が消失した謎や真相を追うミステリーを期待していると肩透かしを食らってしまうと思う。もちろんミステリー的にも面白い作品ではあるけれど、フローラとロマンの二人の作家の波乱万丈な人生を辿り、お互いに影響を与えることで味わえるカタルシスが何よりも素晴らしかった。そして救いのあるラストを迎えることで読後感も良く、そのあたりも…

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