一万回母を傷つけしその口で吐いてしまへり一万一回目のことば 本当は一万回どころではない。これまで
一万回母を傷つけしその口で吐いてしまへり一万一回目のことば 本当は一万回どころではない。これまで
石鹸玉透けて記憶を病める母 『認知症』という病名に抵抗がある。では、どんな病名がよいか。一時期『
冬の雷母の陰より響くごと はじめて老母の陰部を拭いた。私にとって、それは衝撃だった。その時の感覚
パンを手に眠れる老母小鳥来る 一年の四分の三は母と家にいる。父が死んでから、常に母の傍にいられる
夕焼けて母はわが家に迷子なり 夕暮症候群というらしい。認知症の人が、夕方になると不穏になったり、
手もことば伝へたれどもわれの手のことば足らずを春の蚊が刺す 介護は、手がいのちだと思う。介護の大
草餅やいまは老母の頬を拭く 食べ物を口に運ぶ。当たり前だと思うこんなことが出来ない時がある。それ
吾の手で水洟拭ふ老母、こら! 鼻水が拭ければ何でもいい。母が自分の考えをことばに出来たら、そうと
いわし雲いつ止む母の一人言 幻と喋っているのだろうか。そんな日もあるが、これは会話というより、声
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