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2023/10/11

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  • close to you 11

    病院の中、患者たちの足元に隠れては小さな少年が走ってゆく。パジャマと毛糸の帽子をかぶった姿は患者たちの間では有名だった。ナースたちは患者たちの口コミを集めては少年を追う。やがて日が暮れる頃にはナース長のオガタに首根っこを捕まえられた。『また!何度言ったらわかるんですか!病院は遊び場じゃありません。』少年はぶーっと唇を揺らすとバタバタ体を動かしてオガタの手からするりと抜けて足早に自分の病室へと帰って...

  • 仮 Parfait et dessert chez

    古い一軒家の窓辺に座り煙草に火をつけると軽く吸い込んだ。続木雪久(つづきゆきひさ)はぼんやりしながら外を眺めている。ふと階下から名前を呼ばれて立ち上がると銜え煙草で階段を下りた。『なんだ?』階下の台所では親友の真舌義直(ましたよしなお)が背を向けている。『客だ。出てくれ。』真舌はなにやら手が離せないらしく、仕方なしに雪久は玄関へと向かった。ガラッと戸を開くと、そこに美しい女が立っていた。彼女は着物...

  • close to you 10

    町のショッピング街の路肩に車を止めてシヴァは町をぼんやり眺めている。車の中には買い物袋が複数並んでいるが、それを買ってきた者の姿はない。シヴァは胸ポケットのサングラスをかけると溜息をつく。シートにもたれると開けた窓から風が吹き込んできた。結構な時間をこうして過ごしている。時々荷物を抱えて戻ってくるティルには嘲笑され、カイルには申し訳ない顔をされ続けている。けれど買い物に出かけていくカイルは嬉しそう...

  • close to you 9

    レストランのすぐ傍にあるホテルのロビーにシヴァはいた。酔いつぶれたメイリルを抱えたゼロがディアと話している。その傍にちょこんとカイルが立っている。少し飲みすぎたせいかシヴァも珍しく酔っていた。ホテルはゼロがすでに手配済みで部屋のキーがそれぞれ渡されていた。『じゃあね、僕はメイリルについてるよ。ベロベロだもん。』ゼロはメイリルを抱えてエレベーターに乗り込んでいく。それを見ていたディアがそっとシヴァの...

  • close to you 8

    深く深く木々が重なり合い、奥へ行くほどに光が届かない。真っ暗な森には小さな村が数件ぽつぽつとある。獣道のようなわずかな軌跡を辿ることができれば道に迷うことはないが、初めての者は道を見失い暗闇の奥深くまで吸い込まれて戻れなくなる。案内人の男はそう説明したが、視線を上げた先には焼けた木々が多く見えるだけで以前の様子は伺えない。メイリルは案内人の背中を追う。『すごい火事だったのはわかりますね。』『ああ、...

  • close to you 7

    真夜中、ベットの傍に座ってシヴァはカイルの手を握っていた。カイルは熱を出して魘され寝込んでいる。時々目を覚ましては不安そうにシヴァの手を握り返した。さっきまた眠りについたが心配で傍を離れられずにいる。もう三日目だ。熱は時々下がったりするがまた上がってしまう。昼のうちにゼロに電話をしたが、相変わらずの返事だった。ただ先日の事件もあるからこちらに来てくれるらしい。シヴァはカイルの前髪をそっと分けてタオ...

  • イラスト

    5.6年前に書いたイラスト。昔の作画と変化していません。昔のイラストはもうすべて処分してしまったため、また書けたらと思います。...

  • イラスト

    今書いている途中の人物ラフ画。しかし…書いていると全然違う性格になっていきます。...

  • hello

    はじめましての方は初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。管理人のDです。昔は沢山色んなところでお世話になっていました。10年近く絵を描くこともおざなりになってしまい、最近少し時間ができたのでちょこちょこ練習しています。書き物はしていましたが、やはり時間が足らず…練習作品が多かったです。少し時間が取れたのできちんとしたものを書こうかなと思い立ち、こうしてサイトを立ち上げ直しました。読み物は面白いか...

  • チェック3

    当ページを読まれている方がおりましたら、先に謝罪しておきます。管理人はメモで小説を書いており、それを貼り付けるために不可解な改行が時々入るようです。気付いたら直しますが、気付かないことが多々です。読みにくいことお詫び申し上げます。...

  • close to you 6

    森でシヴァと暮らし始めて二年が経とうとしている。カイルは未だ成長することはなく、どこかで不安を抱えていた。シヴァは心配するなと言っていたが、やっぱりどこかおかしいのかと思い始めると悩みの種になってしまう。窓辺でぼんやりしていると仕事の電話を終えたシヴァがやってきた。『カイル…どうした?』シヴァに気付いてカイルが顔を上げる。その顔を見てシヴァは苦笑した。『う…ん、そうだな。気晴らしに出かけるか?』『え...

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