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  • 2016年度B問題問7「並列コンデンサにかかる電圧」

    コンデンサの並列合成が和で求められるのは、だいたいの人がしるところ。あとは一個の合成と化したコンデンサと他方のコンデンサで直列となった時のふるまいを見る。直列コンデンサは電源のロード側から見て、一番目にくるやつでも二番目に来る奴でも、、、n番目に来る奴でも同数量の電荷をそのパッケージに収めることが出来る。そして、Q=CV。電源につながれ2つに並んだどのコンデンサも同じQの電荷量をもち、そのQは静電容量...

  • 2016年度A問題問5「直並列回路」

    キルヒホッフの法則を使いながら順繰りじゅんぐりに解に近づく問題。解説書の165p。権利者さまの申し立てがあり次第削除します。コツはなんといっても、どのところで高電位点をとって、そこから電圧降下を見るのかだろう。V3 = ( 150 + 200 ) I2 のところでは、100Ωの端子の上端で高電位をとって、時計回りにふたつの直列抵抗を下って、下端の分岐点で電圧降下の式を成り立たせている。またそれら直列抵抗と100Ω抵抗端子...

  • 2016年度A問題問3「ビオ・サバールの法則と半円形コイル」

    ビオ・サバールの法則とは、あるところに電流が一定方向へ流れている電線があるとして、電流が一定方向へ向かって流れているということは、必然その電線の周りには磁界が発生しているわけで、電線の近くに立つ観測者が受け取る磁界の大きさを式に表したものである。ΔH = I×Δl / 4πr^2sinθある観測点を細かく分けた時の微小の電界大きさが左辺。右辺の微小のlは電線を細かく分けて見た時、と左辺右辺で微小の対応を決めている。sinθ...

  • 2016年度A問題問1「電位と電位線」

    等電位線を描け、とくるとおっかなびっくりするが、なんてことはなし。落ち着いて、それぞれの電荷から発せられる電位を解けばよい。 V = Q / 4πεrある電荷からr離れた位置での電位(すなわち電荷によるところの位置エネルギー)は、電荷量が大きければ大きいほど当然エネルギーは大きいし、遠いほど小さい。というのを表しているのがこの式。4πであったり、誘電率εは今回は特に気にしなくていい。気にしないといけないのは、こ...

  • 2017年度A問題問17「エアギャップのある磁気回路」

    a問題は鉄心と空気はどっちが磁界が強いかさえ分かっていれば、解説書に書いてあるような計算は、a問題の段階からは必要ない。よって、磁界の強さはどうやって決まるのかを分かっておく必要がある。H = φ / μAΦは磁束。μは透磁率。Aは磁界のベクトルに対し垂直な断面積。今回の場合この断面積は全て同じなので考慮の必要はなし。上式より、磁界の大きさ概念は、単位面積当たりの磁束密度と置くことが可能だ。透磁率の分母は磁束の...

  • 2017年度A問題問16「三相交流回路の電力計算」

    三相交流の問題はわりあいワンパターンで、基本的には一相分の等価回路を描くことで問題に取り組んでいく。最初は三相負荷の有効電力と力率について求める。解説書の153p。権利者さまの申し立てがあり次第削除します。図のように、一相に直した場合はごく単純な閉回路モデルにできる。それとひきかえに、電圧源には√3が除される。誘導性リアクタンスの求め方や、RL直列の合成インピーダンスの式は今更いちいち書かない。た...

  • 2017年度A問題問15「交流ブリッジ」

    まず、最初に。問題文にブリッジという文言が出た時点で、電験の問題ではほぼ確実にブリッジの公式を使えることが約束されている。今回の場合も、ブリッジの便利な計算を利用する。解説書151p。権利者さまの申し立てがあり次第削除します。問題の場合においてはDを中心に、R1とC1の並列回路を1セット、対偶の位置にあるのをZとみなすのだ。そうして、Z1Z=R2R3というブリッジ等式を作り出す。Z1はR1とC1と...

  • 2017年度A問題問13「バイアス回路」

    トランジスタ回路の問題はとかくキルヒホッフの閉回路の法則をつかうので、これを使いこなさないことには解けないことが多い。今回問題でも回路内にふたつのサークルを見つけ出し問題を解くのである。解説書149p。権利者さまの申し立てがあり次第削除します。まず上図のようにそれぞれの抵抗の端子間電圧を記述していく。すなわち、今回は電圧源を左辺に置き、右辺に電圧の重ね合わせを試みようとしているわけだ。実際には以下...

  • 2018年度A問題問9「非正弦波交流」

    ひずみ波交流はタイトルの通りに訳せる交流電流であり、その違いは、正弦波交流がただ単に、正弦波の角周波数が係数1のものだけを考えればいいのに対し、ひずみ波交流iはi = I0 + √2I1sin (ωt + φ1 ) + √2I2sin( 2ωt + φ2) + .....+ √2Insin( nωt + φn)I0は直流。電気角の係数が1のものは基本波成分、係数2以降のものは高周波成分。という瞬時値iで表されるのが非正弦波交流。φは初期位相。今回の問題はi = 6sinωt + 2sin3ωtな...

  • 2017年度A問題問8「単相交流回路の基礎」

    大筋においてオームの法則によって問題の解決をはかる。まずは電流から。電源電流が20Aと定まっている状態なので、その道中にリアクトルがあろうがあるまいが、キルヒホッフの第一法則にしたがって、分流においてI = I1 + I2の関係が生まれる。というのも、交流電圧源の近傍で測定した電流値は、すでにリアクトルも抵抗も循環した道を計測しているからだ。ゆえに、リアクトルによってI = I1 + I2の関係性が壊れるという想定はい...

  • 2017年度A問題問6「コイルやコンデンサに蓄えられるエネルギー」

    コンデンサのエネルギーは静電エネルギーのCV^2 / 2でおなじみだが、コイルにも電気エネルギーの式がある。WL = LI^2 / 2コンデンサの静電エネルギーの公式にそっくりだ。コンデンサの方は電圧の二乗だが、コイルのは電流の二乗。コンデンサは急な大電圧を吸収し徐々に開放する機器、コイルは急な大電流を吸収し、徐々に開放する機器、という認識からもこのちがいは分かりやすい。また、比例定数はコンデンサなら静電容量。コイル...

  • 2018年度B問題問17「コンデンサの電位と比誘電率」

    aの問題は電位の問題。電圧ではなく、電位であるのに注意。グラフにおいて、位置0mをスタート地点として、ここは電圧源とつながっている左端の電極板の位置である。当然、そうなると、コンデンサ中において最も電位が高い位置にある。ロード側につながっているのだから。反対側の電極板は接地されているために0v。また、電圧源の-側も地面に差し込んであるため、このコンデンサは地面を通して回路をつないでいる。はやとちり...

  • 2018年度A問題問15「三相交流回路の電源」

    三相交流回路の位相問題。位相問題なので、必然がっつりベクトル問題になる。解説書128p。権利者さまの申し立てがあり次第削除します。スイッチを入り切りしたさいの等価回路の作図でそれほど悩む人はいないだろう。つまづくところがあるとすれば、それは電圧源の起電力向きだ。図のようにEbとEcは起電力の向きが反対になる。これは題意で与えられたそれぞれの電圧源の極性に対し、マイナス端子同士でつながれているからである...

  • 2018年度A問題問12「磁界中の電子の運動」

    平等磁界中を電子が等速直線運動をして横切ると、ローレンツ力が働くベクトル方向へ等速円運動をするよ、というサイクロトロン運動について語っている問題。正直、私はなぜこんな動きになるのか、まったく意味が分からなかった。電子が自分の進む方向へ前進している時に左横っ腹から磁力線を受けると、電子の頭上方向へ電磁力が働くのがローレンツ力の現象なのだが、それなら、電子が直進したぶんだけ、そこに重力もないなら、どん...

  • 2018年度A問題問9「並列共振回路」

    並列交流回路の電源電流が何HZで最小になるか?と問われている問題で、やってはいけないことは律儀に回路のインピーダンスを求めて、回路全体へのオームの法則から電流を求めようとすることだ。 たしかに電源電流I = 電圧源V / インピーダンスZで求められるのだが、問題のネックとなるところは、コイルとコンデンサがいることであり、こうした回路においては、インピーダンスが最も大きくなるにはどうしたらいいかを考えるのが先...

  • 2018年度A問題問8「負荷による電圧の位相」

    交流電源回路内の指定の負荷と電圧源との位相差をみる問題。であるが、この問題。誘導性負荷というしろものがどんなものか分かっていないと、実は解きようのない問題なのである。しからば、誘導性負荷の説明をするのだが、その前に我々がよく言う抵抗負荷がなにものかの紹介から。抵抗負荷は基本的にヒーターとかの電熱線であったり、照明の電球の抵抗である。これに対し、誘導性負荷とはモータやソレノイド付きの負荷のことをさす...

  • 2018年度A問題問「許容電力とその電流・電圧」

    許容電力の異なる抵抗器どうしで、直列つなぎや並列つなぎにして、許容の電流、電圧がどうなっていくのかを見る問題。最初は直列の場合をみるのだが、直列で見る場合に最初に考えるべくは、直列だとどの抵抗器も同じ大きさの電流が流れるという事実だ。そうすると、AとBにも同じだけの電流がくるのだから、AとBのうち、どちらか小さい方の電流に合わせないといけない。そうしないと、許容値が小さい方の抵抗器がオーバーするからだ...

  • 2019年度A問題問4「ループ電流による磁界のグラフ」

    リング状導体に電流を流すと、磁界が右ねじの法則に従って発生する。その磁界の強さはリングの中心距離から遠ければ遠いほど強いのか。それとも弱くなるのか?を解いている問題。その答えは、弱くなる。つまり、その電気リングの中心が最も強く、リングの中心からZ軸方向へ遠ざかるほどに(リングがxy平面上にあると仮定)磁界の強さが弱くなる。解説書ではそうなる理由を電気数学的に説明している。導出方法はとくに覚える必要...

  • 2018年度A問題問3「点磁荷と磁界の大きさ」

    点磁荷がつくる磁界の大きさの公式を覚えよう。H = m / 4πμr^2電荷がつくるクーロン力の公式によく似るが、注意点がひとつ。静電力は電荷と電荷の積によって決まる値であるが、磁力の大きさは磁荷ひとつのみなのだ。これは、電荷が互いに吸引し合ったり反発し合ったりするのとは違い、磁力の世界ではN→Sへと力の向きがひとつにしぼられていることに起因する(と思う)。以上のことをようく踏まえ、点Aが受け取る力のベクトル作図...

  • 2018年度A問題問2「コンデンサの電界強さ」

    解説書では計算をこしこしとがんばっているが、この問題は計算でクリアーする問題ではなく、電気の常識勘から解く問題。数値は求められていないのだから。まず最初の誘電体を電極板間に挿入すると電界がどうなるかの問いだが、これはもちろん強くなる。中身が空気のコンデンサと中身に誘電体が詰まっているコンデンサとでは、当然に誘電体の中身がつまっているコンデンサの方が静電力は強くなる。ゆえに、誘電体を間にさしはさむこ...

  • 2018年度A問題問1「クーロン力」

    つりさげた導電球の問題。重力やつりさげ糸の張力などが問題文にふくみ、計算が大変そうだが、無駄な計算をさせて回答者の有限な時間をつぶすのが問題作成者の目論見なので、術中にはまらないようにしよう。(ア) は正電荷と正電荷に帯電させているので、当然球体は反発し合う。 (イ) はクーロン力の公式を知っているかの問題。丸暗記してもかまわないが、私が前回書いた記事でイメージを膨らませよう。 F = 1 / 4πε× Q1Q2 / ...

  • 2019年度A問題問16「三相交流の有効電力」

    親切そうにみえていやらし問題。周波数が50HZですよと題意に与えられているが、実はこの数値は問題を解くにまったく利用はされない。電線電流と三相負荷の有効電力を解くのだが、題意にすでにインピーダンスを解くための値を与えられているのだ。インピーダンスさえ分かっていれば、あとはオームの法則のように電流を求められる。解説書103p。権利者さまの申し立てがあり次第削除します。とはいえ、一相分の等価回路をうまく...

  • 2019年度A問題問13「負帰還増幅回路」

    負帰還増幅回路とは正の入力信号(電圧)に対し、帰還する電圧(信号)が負の方に入っていく回路である。もちろん、こんな説明でどんな機械なのか分かりようもない。負帰還増幅回路を簡単に言い表すと増幅しない増幅回路だ。電圧を大きくするから増幅回路というのに、増幅しない!?ただのガラクタじゃん。と言えそうだが、もちろんその代わりに提供してくれるサービスがある、安定だ。増幅器はさまざまな周波数の電気信号をキャッ...

  • 2019年度A問題問12「電界中の電子の運動」

    電界中の電子運動の問題である。平行電極板が登場したからと言って、コンデンサの問題ではない。要注意。まずは電界中に働く力を考える。電界にあるものが電界のパワーを感じるためには帯電体でなくてはならず、ここではちょうど、問題から与えられた質量m電荷量qの物体をつかう。電界における帯電体が受ける力は電荷量qと電界の大きさEの積で表せられる。なぜならば、電界の大きさは+→-への吸引力ないし斥力であり(ここでは...

  • 2019年度A問題問11「太陽電池のしくみ」

    環境問題よろしく太陽電池のしくみについての問題。太陽電池は電池という名前にそぐわず、電池すなわち電気を溜め込むような働きはみせず、実際は外部からのエネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置と呼ぶべき存在である。発電所の発電機であれば石炭や液体ガスを燃やした時に出る猛烈な蒸気で回すタービンの回転エネルギーから電気を得るのだが、太陽発電装置の場合は太陽の光から電気を作り出すのである。具体的には光電効...

  • 2019年度A問題問9「周波数変動による交流回路の解析」

    前回の交流回路の抵抗成分の計算はそんなに計算量は少なかったので楽だったけど、今回みたいにRLCの並列回路で交流電圧源の周波数を可変していくような忙しいのでは、それぞれのインピーダンスを求めて解決するのは骨が折れる。そこで、今回はアドミタンスを使う。アドミタンスはインピーダンスの逆数である。それゆえ、その定義は交流回路における電流流しやすさといったところか。回路全体のアドミタンスは以下ような公式で導き...

  • 2019年度A問題問6「閉回路問題」

    一見簡単そうにみえて実はけっこう難しい問題である。まずはまちがった解き方からの紹介。Rと50Ωが並列につながれているのでRと50Ω抵抗器を並列合成。その合成抵抗と10Ωが直列になった。これも合成抵抗にする。そして、直列は電流値がどこも同じ。で、題意から与えられた5Aと、オームの法則から割り出せる電源電圧 / 合成抵抗で等式を結び、Rを解く。あとは、R×5^2でと…このやり方でやったのが私。結果を言うと、抵抗値Rが...

  • 2019年度A問題問5「直流回路の電位点」

    回路の任意の点と任意の点の電位を求め、そこから電位差=電圧を割り出す問題。まず最初に直列ないしは並列になっているそれぞれの抵抗をまとめ、回路全体での合成抵抗を割り出す。そののちに、回路全体の電流、すなわち電源電流を求める。解説書89p。権利者さまの申し立てがあり次第削除します。以上の計算が終わった後に上図のような作図をする。問題にある通りに点A、Dと点B、C間との電位差を求めるために、図のようなX...

  • 2019年度A問題問4「環状鉄心の透磁率」

    環状鉄心に巻いたコイルと、その心に発生する磁力の大きさ、そして透磁率を問う問題。主題となるのは以下の二つの公式である。Hl = NI----------① H = B /μ--------② ① 式から。左辺は磁界の大きさと磁路の積。右辺はコイルの巻き数とそのコイルに流れる電流だ。これらの等式から分かる自然の事実をイメージしよう。まず何にしろ、電流が流れるとその周囲に磁力が発生するという根底からすべてが始まる。ピンと伸ばした導線を用...

  • 2019年度A問題問3「ヒステリシスループ」

    コイルに交流電流を流した際に現れる磁界と磁束密度のグラフについての問題。最初にコイルに流れる電流と磁界の関係から話す。率直にこの両者の関係は比例関係である。すなわち、コイルに流れる電流が大きくなればなるほど磁界の強さは増す。この事実は丸暗記してもらってかまわない。ある無限に長い導線があり、そこに流れる電流が大きければ大きいほど、電線の周りに発生する磁力の強さは増す。これは実験から明らかになった自然...

  • 2019年度A問題問2「コンデンサの電界」

    この問題は一見大変そうに見えるが、コンデンサに働く電界と電圧の関係さえ分かっていれば、実はすぐに簡単に解ける問題である。まずはコンデンサの電圧EAを求める。電圧EAを求めるためには、このコンデンサがある直列の電圧の上端と下端の電圧が分からなくてはならない。それは、単純に10kVである。ちょうどこの回路全体の電源電圧と同じだ。あっ、並列だからか!となってはいけない。もっと単純に考えていいのだ。EAのコン...

  • 2019年度A問題問1「電荷間距離と電位差」

    電荷間の距離と電位差の関係を探る問題。1つの点電荷とある定点間で発生する電位差を見るのだが、電位差が発生している=その間に別の電荷があるという想定をすると、その時点でこの問題は解けなくなる。注意。解説書84p。権利者さまの申し立てがあり次第削除します。上図のような模式図が描けた時点でもうこの問題の勝ちは確定している。AB間の電位差はどのように作られているかを考えるに、それは点Aから点Pの電位差VA...

  • 2020年度A問題問16「直流電圧計の測定値の拡大」

    回路における測定可能な電圧の最大値を割り出す問題。ふたつの電圧計が回路に組み込まれている状態。電圧「計」という機器の存在に必要以上おっかなびっくりする必要はない。 電圧が測れる機器が回路中に今組み込まれていると考えればいいだけだ。そして、その機器は抵抗値があり、直列でつながれているという。ある電圧電源をこの直列電力計の回路につないださい、どうやって回路に流れる電圧を測定したらよいのだろうか?と想像...

  • 2020年度A問題問14「三相交流回路の電力」

    三相交流回路問題の中でもぶっちぎりに難しい問題。まずは相電流Iabを求める問題から。Δ結線はY結線に直して、各抵抗が1/3となる。ここまでは丸暗記だよりでよい。そうなるのだから、そうなると覚えればいい。お次は線電流を求める。というのも、相電流は線電流に1 /√3を乗じた数値だから、線電流さえ求まれば問aは解ける。線電流とは3本あるうちの1本の線に流れている電流である(負荷側ではない方の)。三相回路は3本の平行...

  • 2020年度A問題問13「オペアンプ」

    増幅器問題。増幅器とは入力端子に加えた電気に対し、加えた電気よりも大きな電気を出力することができる機械。今回の問題はその機械の特性をみる。(1) に関して、増幅器は先も言ったように加えた小さな電気を大きく出す機械。だから、まず最初にくわえるための電源がないと話にならない。(2) まず、入力インピーダンスと出力インピーダンスの説明から。 インピーダンスは交流回路でやったように、電流流れにくさをしめす値...

  • 2020年度A問題問10「RC直列回路の過渡現象」

    前回に引き続いてテブナンの定理と時定数問題。題意にテブナンの定理を使えと書いてあるからと言って、ええっ!公式覚えてないや、どうしよう。となる前に、分かっている事実から解いていくのが肝要。そもそもテブナンの定理の本質は公式にあるのではない。テブナンの定理は電源電圧から切り離された回路が持つ仮装の電圧を定めて、未知の電気物理量を求めんとする態度にあるのだ。そのゆえに解説書に従い、破線位置で思い切って回...

  • 2020年度A問題問9「共振回路のベクトル図」

    今回の問題は共振回路の問題。問題文の中では、現在この回路は共振状態ですよ、とは言ってくれず、共振状態であることのヒントを与えてくれている。次に記す等式がそれだ。ω^2LC = 1この等式はωL = 1 /ωCと変形できる。そしてこの式はそのまま、いまコイルとコンデンサが共振状態にあることを告げている式なのだ。というのも、角周波数とインダクタンスを乗じたものが、角周波数と静電容量を乗じたものの逆数と釣り合っているから...

  • 2020年度A問題問8「RC直列回路の合成インピーダンス」

    コンデンサと抵抗の直列回路の合成インピーダンスから未知の抵抗値を割り出す問題。まず、問題にはコンデンサの静電容量と交流電源の周波数が与えられているので、これらから容量性リアクタンスを求める。容量性リアクタンスとは、簡単にいえばコンデンサの抵抗だ。当然値が小さければ小さいほど電気を流しやすい。Xc = 1 / 2πfCこのようにコンデンサの電流流れにくさの値は、周波数と静電容量さえ分かっていれば求めることができ...

  • 2020年度A問題問7「ブリッジ回路の計算」

    ただの直流回路の問題の中でも最強レベルといえるぐらいに難しい問題。電験三種理論の問題で何が一番難しいかというと、頭をひねって新しい回路を自分で作り出さないと解けない、今回のようなクリエイティブな問題だろう。まずは解説書にある通り、問題に与えられたスパゲッティのような回路を自分が分かりやすいように作画し直す必要がある。その際に常に大事なのは、方針なしで考えなしに回路作画をいじくるのではなく、最終的な...

  • 2020年度A問題問6「直流回路の消費電力」

    それぞれの負荷に対し、どれが最も電力を消費するかをみる問題。まずはともあれ電力公式から。P = VI P = RI^2 P = V^2 / R 電力の式は上記3つのうちのどれかを、問題によって適宜使い分けて求めるのだ。解説書では一番下の公式を使って解いている。つまりは、まずR2とR3の並列の合成抵抗を割り出しR23とし、R1とR23の直列回路から、電源電圧を抵抗の分圧で求め、R1端子間の電圧とR23端子間(並列の電圧は同じだ)の電圧を求め...

  • 2020年度A問題問3「平等磁界における正方ループへの電磁力」

    今回は電磁モータの基本原理を表す問題。まずは電磁力のおさらいから。電磁力は前回の記事に「導体棒が磁界中を横切った際に発生する力」と書いたが、あれは起こった事実に関して当てはまっているだけで、ものごとの根本をうまく言い当てていなかったのをお詫びしたい。正確には、電気素子が磁界中を横切っていく際に彼らの頭上や股下へ加わる力だと言っておくにしよう。この言い方に直せば、今回の問題も発生する電磁力への言い訳...

  • 2020年度A問題問17「点電荷に対する外力による仕事」

    この問題は電界で電荷が受け取る力と仕事、そして電位についての関係に迫っている問題である。まず最初に点電荷がAからBへ移動したときの仕事量を求める。仕事は文字通りその人が働いた量と解してよい。物理的にはものを動かした時に使った力とその距離だ。今回の場合点電荷が進む経路であるA→Bに向かい風のように電界の力が加わっているため、この向かってくる力をものとせずうち進んでいく力が、仕事で使った力となる。そうする...

  • 2021年度B問題問17「コンデンサ内の電界と静電エネルギー」

    まずはコンデンサ内における電界を求めるa問題。解説書では電束密度という、問題に与えられていない物理量を登場させて、巧妙かつ簡易に答えを導いている。E = D /εこれは電界と電束密度と誘電率の関係式だ。電束密度はご存じのように誘電率によらない値である。それすなわち、誘電率とからむ関係式を持ち出すと電束密度Dは常に一定の値を取るということ。今回の場合そうすると、上式を基本に考えると誘電率が3種類の誘電体によっ...

  • 2021年度A問題問13「トランジスタ増幅器の計算」

    今回の問題は前回のような選択問題とちがって、かなり簡単な方のトランジスタ問題。トランジスタの問題は選択以外でも出てくるには出てくるのだが、必須で出てくる問題は割合簡単な問題が多いので、しっかり点を獲得していこう。さて、今回の問題だが、電界効果トランジスタ(FET)の相互コンダクタンスと、電流源の意味さえ分かっていれば、簡単に答えを導くことが出来る易しい問題だ。最初に相互コンダクタンスの説明から。コン...

  • 2022年度A問題問18「トランジスタ増幅器のバイアス回路」

    今回の問題は相当に難しい。前回のようなトランジスタの仕組みに関しての話ではなくて、トランジスタという電気素子を組み込んだ複雑な回路の挙動を見る話だからだ。(a)問題は3つの図のトランジスタ回路のベースエミッタ間電圧VBEの式を考える問題である。3つの選択式は電圧降下を基本方針として割り出していくのだが、今回のミソとなるのは、あくまでVBE、すなわちベースエミッタ間の電圧を中心に見ていくという事だろう。最...

  • 2022年度A問題問11「電界効果トランジスタの動作」

    トランジスタについて学ぶ前に、まずトランジスタの元となっている物質である半導体の説明をしておこう。半導体とは半分導体半分絶縁体のようにふるまる物質である。現実には定量的に1:1であるわけではなく、定性的な意味合いで半分導体だと言っているにすぎない。そして重要なことは、ある環境下におくと電気を流し、そうじゃない時には電気を流さない。という状況を作り出すことができる点が、この物質が我々の文明進歩に計り...

  • 2021年度A問題問16「消費電力測定における誤差率」

    まずは問aから。電流計の電力損失について聞かれているが、べつになんのことはない電流計の内部抵抗から電力の計算をすればいいだけである。ここでいう電力損失とは、本来負荷でのみ消費されるべく電気が、電流計の方で消費されてしまっているぞと言っているのだ。つまり、ある施設において電流計や電圧系などのメータが組み込まれていれば、その目盛り機器分の数だけ実は電気の無駄づかいをしてしまっているのだぞ、というエコ的...

  • 2021年度A問題問12「磁界および電界中の電子の運動」

    ローレンツ力と静電力の組み合わせの問題。 <ステップ1> まずは電界うんぬんはいったん置いておいて、純粋にローレンツ力のみについて考える。FH = evBここで、磁束密度Bは題から与えられた透磁率μ0と磁界の大きさHでもっと詳しくできる。FH = evμ0Hローレンツ力は上記のような式になる。FHはローレンツ力。eは電子の質量。vは電子の速さ。これらの関係から、ローレンツ力という力の現象は、荷電粒子が磁界のある空間を突っ走...

  • 2021年度A問題問15「変流器を使用した三相回路」

    大電流を測定するときは環状コイルを利用した変流器で、電流値を小さくしてから見ているんだぞという問題。<ステップ1>まず変流器の定義から。上記でさらっと説明したように、回路に流れる電流の大きさをコイルの巻き数を変える事によって、調整する道具。この問題では三相交流電源からの10Aともいう大電流を変流で2.5Aに落として電流の大きさを見ている。2.5Aでもすさまじいい電流の大きさには違いないが。※人間の体に5...

  • 2021年度A問題問14「誤差率の計算」

    この問題は電気の値が理論と実際に測定した値では、わずかな差があるのだということを知らしめている問題である。<ステップ1>まずはブリッジの平衡条件より、なぞの抵抗RXに近づく。RXをR1、R2、R3の式で表せるようにするのだ。R1R3 = R2RX RX = R1R3 / R2 このように、抵抗のななめ対辺の積=抵抗のななめ対辺の積という式が作れる。いちおう、どうしてこのような公式が作れるかの説明もしておこう。いま可変抵抗R3の値を...

  • 2021年度A問題問10「RL直流回路の過渡現象」

    この問題は直流電源を流した時のコイルのふるまいを見るのに、とても面白い問題である。まずは語句の整理から。定常状態というのは、読んで字のごとく電気が常に定まった状態になることだ。ここでは電流値がもうこれ以上変化しないよという状態を指している。普通の抵抗しかない回路であれば、スイッチをONした瞬間にその抵抗間にほぼ瞬時に定まった値の電流が流れるものだが、コイルが中に組み込んであるとそうはいかない。という...

  • 2021年度A問題問9「RLC回路の共振現象」

    RLC回路とは抵抗器・コイル・コンデンサが組み付いた電気回路である。共振現象とは、コイルとコンデンサに流れる交流電流のずれがうまくマッチして、回路全体で見たとき、最も電流が多く流れるようになる現象である。以上の点をふまえて問題を解いていこう。 まず(a)では共振状態だとコイルとコンデンサの端子間電圧の大きさがともに0であると言っている。これは共振というコイルとコンデンサの電流・電圧の相殺現象を想像する...

  • 2021年度A問題問8「交流電圧の瞬時値」

    正弦波交流電源の電圧の瞬時値を求める問題。式は以下の通りになる。v = Vmsin( 2πf + φ)vは正弦波交流電圧の瞬時値。Vmは正弦波交流電圧の最大値。2πfは角周波数。φは位相差。まず一番簡単な概念である周波数から。周波数は読んで字のごとく波の数である。波1個のカウントの仕方は波が動き出してから行って戻って最初の地点に帰ってくるまでが1周。波の形はすべて同じという設定。2πは1周そのものを表現している。これらを組...

  • 2021年度A問題問7「電池の内部抵抗と最大消費電力」

    この問題は安易に個人で大電力を作り出したいという望みに対して、実用的見解を与えている。問題においては可変抵抗器で消費される電力が最大となるような回路の抵抗を求めよ、と試しているのだ。電源を電池直列で作った時に。その際に電池には実際には内部抵抗という存在があることをこの問題は教えてくれている。解説書ではこの電池内部にある抵抗を電源電圧の合成と内部抵抗の合成というふたつの別の機器として分けることによっ...

  • 2021年度A問題問5「直流安定化電源を組み込んだ回路」

    この問題は単なる普通の電池などの電源と、直流安定化電源との違いを知らしめた問題である。この問題の電源をただの電池と見立てた人は、答えを(3)に選び、みごと誤る運命に導かれる。直流安定化電源とは題意にある通り、負荷が変動しても電流値や電圧値を定まった値に維持できる電源だ。今回の場合ではスイッチを入り切りすることによって、抵抗器があるところを避けたり通ったりするので電流変化をみている。通常の電池であれ...

  • 2021年度A問題問4「電磁誘導」

    基本的な電磁誘導の問題。コイルに磁石を近づけた時に起きる電磁気的な力をみている。はじめの問題は右ねじの法則から電流の流れる向きを求める問題だが、いま磁束が貫いてある向きを基準に電流の向きを考えてはならない点に注意。電磁誘導は磁石の磁力に対する反作用のちからであるという点をおさえておかなくてはらない。問題の設定の状況では磁石がコイルに近づくことによって、コイルの中空に右から左への磁力線が生じるが、我...

  • 2021年度A問題問3「磁気遮蔽の概要」

    強い磁気力を持つ物質によって、磁力が働かない空間を構築するという技を紹介している問題。強磁性体とは鉄やニッケルなどのように磁石になりやすい物質をいう。冷蔵庫に貼り付けられたカラーのマグネットの磁石に鉄釘をくっつけてみよう。しばらく時間を置いてから永久磁石を釘から離すと、その鉄くぎ自体が磁石のようなふるまいをするのを、我々は子供時代に遊んでいる。さて、磁力というのは電気間力と同じで空間を超越して働く...

  • 2021年度A問題「クーロンの法則」

    帯電体同士の静電力と真空と非真空の誘電率との比較の問題。クーロンの法則は帯電体同士の引力ないし斥力のパワーを電荷間の距離や誘電率の関係に表した公式である。F = 1 / 4πε×Q1Q2 / r^2式が表す通りに誘電率が小さければ小さいほど静電力は強くなる。誘電率εが分母の位置にあるのだから。よって、誘電率の最も小さな真空の静電気力が最も大きい。比誘電率が2ならば、それは真空の誘電率の2倍ということなので、単純に静電力...

  • 2021年度A問題問1「平行板コンデンサ」

    平行板コンデンサ中を走る電気力線の本数、誘電率、電束、電荷量の関係を扱った問題。(ア) の問題は誘電率によって電気力線の本数がどうなるかを問うた問題である。電気力線の本数と誘電率、電荷の量の関係式は以下のようになる。 N = Q / ε つまり誘電率εが大きければ大きいほど電気力線の本数は減るという式だ。これは誘電率の低いもの、高いものを比べていけば納得がすむかもしれない。誘電率の低いものの代表格と言えばゴ...

  • 2022年度B問題問17「平行平板コンデンサの直列接続」

    この問題はコンデンサの静電容量の公式、コンデンサに蓄えられる電荷の公式、直列の合成静電容量の公式、そして、直列されたコンデンサの電荷量はどのコンデンサも同値になる、という知識があれば解ける問題だ。<ステップ1>各コンデンサの静電容量を定式的にあてはめていく。C1 = ε0×A / d C2 = ε0εr×A / 2d dを電極板間。Aを電極板の面積。C2の分母の2dはC2の金属板のC2の電極板の面積がC1の1 /2 になることから。(ショージ...

  • 2022年度B問題問16「すべり抵抗器をつないだ回路」

    すべり抵抗器とは抵抗値を可変できる抵抗器である。その名が示す通り、つまみを滑らせる(スライドする)ことによって、任意の抵抗値にすることが可能だ。今回の問題においては、接触子をスライドすることによって、ふたつの異なる抵抗を回路の上に再現している。すべり抵抗器(スライド抵抗器)<ステップ1>問題文の条件に従って、まずは作図する。解説書23p。権利者さまの申し立てがあり次第削除します。VA = 0 + ES × Rd / (...

  • 2022年度B問題問15「三相交流回路の電力」

    この問題は実用シーンにもよく見られる問題を扱う。皮相電力やら無効電力やら力率やらといった単語が飛び出すが、電気関係や設備管理の仕事をしている人ならば、おおよそ聞かないことはないはずの職務日常専門用語だ。まずは、無効電力の説明から。無効電力とは文字通りに無効になってしまっている電力だ。無効というよりかは、無駄になってしまっているというふうが適切かもしれないが。我々は電力会社で作られ供給された電気を各...

  • 2022年度A問題問12「電界中の電子の運動」

    この問題は電気も力学的に考えることが出来るということを謳っている問題である。問題では運動エネルギーをメインに扱っている。運動エネルギーとは物体に仕事がなされた時の総量の意味である。物体に仕事がなされるとは、ここでは単純に一次元上の世界を考え、ある質量mの物体をx軸正方向へ動かした時にした仕事量のことを言っている。当然mが大きいほど仕事は大変だし、動かした距離が長ければ長いほどよく仕事したことになる...

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