そして

「私も、もう少し、もう少し」と、言葉を詰まらせながらも恵子は口にした何が言いたいかはよくわからなかったが、なんとなく自分なりに理解したつもりだきっと、彼女は自…

熱意 VOL.10

 「言いたいことを言いたいだけ言うわねっ」と、恵子が言う「そうかもね、実は僕も歩き出す前は、そんな誰かを探していたいだろうな。だからついそんなことを言ってしま…

熱意 VOL.9

「すでに行き先が決まっていて、京都駅についた。さて、本願寺はどこだって、誰かに聞くのと違うよね。運良く、誰かに教えてもらったとしたら、的確に聞けるでしょ？、こ…

熱意 VOL.8

「自信？？だけって？？」と、恵子は聞く「元々、やりたいのがおにぎりやか？それとも生きがい？かによるけど、君の場合は、やりたいことが先なような気がするんだけど？…

熱意 VOL.7

「経験したからわかるのねっ」と恵子が言うと「ははは、でもまだ出だしだから、もう何十年も同じような仕事をしている人に比べたら、少しも学んでないよ。頭で習った知識…

熱意 VOL.6

僕も彼女に対して、言い過ぎだと思ってしまったというのも、僕が起業を始める前となんとなく似ているような気がした「あのさ、実は僕も君と同じような考えだったかもしれ…

熱意 VOL.5

 「自己満足って何よ!!」と口を尖がらせながら、こっちを見る恵子に「ああ、自己満足なら趣味でやれ」「なんでそんなこと言うの？。私は私のやりたいことをしたいだけ…

熱意 VOL.4

「潮だまりにいても、65歳で出て行かなくてはならないだろ。それなら自分の意志で潮だまりから出ていくことにした。どちらにしても65歳というゴールがあるだろ。それ…

熱意 VOL.3

「あるよ」「水槽の大きさによって、魚が育つ大きさは比例するよね？」と、僕が問いかけると「確かに・・でも、水槽と潮だまりはたとえ話が違うような気がするんだけど・…

熱意 VOL.2

「不特定多数？？」と恵子は首を横に傾け疑問そうな表情をしている「電車で通勤していたのか？」と、僕が聞くと「そうだけど・・」「家から、会社までは君は不特定多数だ…

熱意 VOL.1

「会社にいたころは、仕事と思っていたことが今は、労働でしかないと気づいたんだ」と、僕が言うと不思議そうに、恵子が僕の顔を見つめ「労働・・・？？」「そう、作業と…

道のり VOL.8

「ああ、それもあったな、現に僕より年上の先輩方でいるよ。再雇用という方法でそのまま残っている人もいるけど」「でも、浩二さんはそれを選ばなかったんでしょ」「うん…

道のり VOL.7

「そうねっ。私も今後のことを考えて、おにぎりやさんをやろうと考えていたの」と、ぼそっと恵子が言う「そうだったな」「うん、でもさっ」と歯切れの悪い感じで恵子が言…

道のり VOL.6

「それは解っているつもりだけど」と、恵子が言う「そうなんだ・・。悪かったね。実は僕もつい半年前まで、君と同じような気持ちだったんだ」「そうなの？？」「気づいた…

道のり VOL.5

「やめるならやめたら」と僕が言うと「応援してくれるんじゃあないの？」と言い返される「いや、迷っているならやめればって言うことだ」「迷っているのは確かだけど・・…

道のり VOL.4

「うーーーん」と、首を斜めに傾けて考える恵子に「お金は貰うものではなく、頂くという気持ちがないとダメだろ！」と強く言う僕に「商売なんてしたことがないから、良く…

道のり VOL.3

「凄いと言われても、まだ3物件しか持っていないんだよ、それも田舎だから、そんな資産価値なんて無いんだよ」と、僕が言うと「3つもっ、それ凄くない？」と、驚いた顔…

道のり VOL.2

そう、僕の仕事は古い地方物件を購入してリフォームして賃貸として貸し出すと言ったものだ。この頃のブームというか、個人で副業でやっている人がかなりいるらしい。僕も…

道のり VOL.1

「僕も、始め思い描いていたものから、どんどんとズレが出て来たんだ、それって地図で道を描いているのと同じなんじゃないかと。でもさ、実際に車で走ったりしてみると、…

進展 VOL.5

「とりあえず、恵子のプランを説明してよ」と、僕が聞くと「そんなの後でいいでしょ」と、返してきた「いや、なあっ」と、ため息交じりに言うと「そんなの後でしょ、ダメ…