本稿では,大野日本語タミル語説による記紀万葉集と古代史の解明を書く前に,大野説はどのようにして潰されたかを,潰した学者の論攷を引用して,如何に間違った判断がなされたかを書きます.この巨大な壁を打ち砕かないと,先に進めないためです.
「くすぐったい」という日本語がある.これはタミル語kūccagkāṭṭ-u[くすぐる(to tickle),いい気分にさせる(titillate)]を形容詞化したものだが,この語は以下のように,タミル語内部での合成語である.日本語は順行同化で/a/が/u/となっている. ◆...
日国辞によれば,「わたし」は「わたくし」の変化した語とする.大辞林によれば「わたくし」の意味は以下のようである. (1)自分自身に関すること.個人的なこと. (2)自分だけの利益や都合を考えること.自分勝手.私利私欲. (3)内密にすること. 広辞苑は...
「古事記」に「如此(かのごと)く荒ぶる神等を言向(ことむけ)平和(やは)して」とある.この歌は一般に「言葉で説得して従わせる」と解釈されている. むろん,そういう牧歌的な場面もあったであろう.だが,記紀・風土記をみてもわかるように,土蜘蛛(既述のようにバカの群れという意...
おたまじゃくしの「たまじゃくし」は以下のタミル語と対応する. ●タ tavaḷaikkuṭṭi おたまじゃくし(tadpole). 以下のような対応である(比較しやすいように適宜分節した). tava ḷai kkuṭṭi ↓ ↓ ...
ただ,これだけではイナリ(=キツネ)と稲荷が繋がる根拠としては不足がある. そこで,ではどういう過程を経てペアとなったのかを考えたい.ここに五穀の神,豊受(とようけ)毘売神が登場する.「豊(とよ)」はtēyam[富(wealth)]のe/a交替形tāyamからa/o交替した...
稲荷信仰は渡来人である秦氏がもたらした,あるいは稲荷とキツネとの関係は,穀類を食べる野ネズミを狐が食べてくれるので,狐を穀物の守り神と考え,そこから稲荷(五穀を司る)と結び付いたという説などがある. 五来(ごらい) 重(しげる)「稲荷信仰の研究」(山陽新聞社.985.p11...
◆そこはか 日国辞はこの転義形を採って「そこはか」自体を「はっきりしないこと」の意と解き,「そこはかと」の項では「『そこ』は代名詞,『はか』は目当ての意」とする. 「この「はっきりと」と「はっきりしないこと」という解釈の大きな食い違いの原因は,「そこはかとなく」(完全でない...
アラハバキ(阿良波々岐・荒脛巾)に関しては,その実態が明らかではないので,様々な説がある.ここではそれらを省略して,タミル語で解釈したい. ◆アラハバキ アラハバキに関しては,何故か記紀風土記には見当たらないが,菅江真澄の随筆「ふでのまにまに」の中に,青森の松森村にアラハバ...
古代,本葬前に仮葬として小屋を作り,一定の期間遺体を納めて,体から魂を遊離,つまり浄化させるという風習があったとされる. 天皇の場合は殯宮(もがりのみや)が設けられ,敏達天皇の殯は5年8カ月,天武天皇のときは2年2カ月,持統天皇のときも1年間に及んだがそれ以降は廃れた. ...
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