「それ、なんで流行ってるの?」は、若者の消費行動やブームの裏側を解剖してきたマーケター原田曜平が、ヒットの正体を“共感の連鎖”として解き明かす一冊だ。著者は街頭調査とSNS分析で得た膨大な生声を用い、ブームには①共感を呼ぶ物語②みんなで楽しめる参加性③拡散装置としてのSNS④低リスク・低価格⑤自己肯定感を高める承認機能という五つの共通項があると説く。 たとえばTikTokは「自分も作れる/試せる」参加性と「短尺で失敗しても損しない」低リスクが相乗し、一気に火が付いた。マリトッツォやチルい音楽は、コロナ禍で委縮した若者の“優しくて映える癒やし”ニーズに刺さった事例だ。さらに著者は、マイルドヤンキ…