ちょっといっぷく35
朝夕の温度差で風邪をひいたのか少し熱っぽい。こんな時、明治時代の大阪人は、医者や薬屋ではなくうどん屋へ行った。「毎度。いらっしゃい。なにしまひょ」「ちょっと風邪ひいたみたいや。いつもの頼むは」「へい、少々お待ちを」出てきたのはきつねうどん。その横に紙に包まれた薬が一つ割り箸にはさまれている。3世紀の中国の『傷寒論(しょうかんろん)』という書物に、「風邪のひきはじめには消化の良い熱い汁物と薬を飲めば薬力が上がる」と書かれているのを見た大阪のうどん屋が始めたという。これが評判になって、あちこちのうどん屋で薬を売るようになった。その薬を作っていた明治9年創業の「うどんや風一夜薬本舗」という薬屋が今でも東住吉に現存している。HPには「『うどんや』にある『風(かぜ)』が『一夜』で治るお『薬』」が名前の由来とある。い...ちょっといっぷく35
2022/09/30 12:46